この章では、Oracle Enterprise Content Management Suite(Oracle ECM)のインストールと構成に関連する問題について説明します。次のトピックが含まれています。
35.3項「Oracle UCM 10gからOracle ECM 11.1.1.4.0へのアップグレード後のサービス例外の防止」
35.4項「Oracle UCMからOracle ECM 11.1.1.4.0へのアップグレード前のファイル・ストア・プロバイダのアップグレード」
Oracle ECMのインストールおよび構成の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteのインストレーション・ガイドまたはOracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteのクイック・インストレーション・ガイドを参照してください。
特定の状況で、アップブレード後にOracle Content Serverのファイル・フォーマット・ウィザードを初めて更新する際に、エラーが表示されることがあります。このエラーは無害で、それ以降の更新では発生しません。
Oracle Content Serverでファイル・フォーマット・ウィザードを使用できるのは、Oracle Universal Content Managementと連動するようにOracle Inbound Refineryを構成した場合のみです。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteのインストレーション・ガイドのOracle UCMでのOracle IBRのインストールおよび構成に関する項を参照してください。
クラスタで稼働するOracle I/PM管理対象サーバーのOracle Application Extension Framework(AXF)の場合、Java Object Cache(JOC)を構成してすべての管理対象サーバーに配布する必要があります。JOCを構成するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイド』の分散Oracle I/PM管理対象サーバーのAXFに対するJava Object Cacheの構成の項の手順ではなく、この手順を使用します。
Oracle WebLogic Server管理コンソールでHAパワー・ツールを使用すると、分散モードで稼働するすべてのOracle I/PM管理対象サーバーに対してJOCを構成できます。
注意: Java Object Cacheを構成した後、構成を有効にするために、影響を受けるすべての管理対象サーバーを再起動してください。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイド』の管理対象サーバーの再起動に関する項を参照してください。 |
次の手順では、MW_HOME
はOracle Fusion MiddlewareがインストールされているMiddlewareのホームを示し、DomainHome
はOracle WebLogic ServerドメインのOracleホームへのパスを示します。
分散管理対象サーバーのクラスタに対してJava Object Cacheを構成する方法は次のとおりです。
Oracle WebLogic Server管理コンソールでHAパワー・ツールを有効化します。
次の2つのWARファイルをMW_HOME
/oracle_common/hapowertools
ディレクトリからDomainHome
/console-ext
ディレクトリにコピーします。
powertools-core.war
powertools-configurejoc.war
次に例を示します。
cd MW_HOME
cp oracle_common/hapowertools/powertools-co* user_projects/domains/base_domain/console-ext/
Oracle WebLogic Server管理サーバーを再起動します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイド』の管理サーバーの起動および管理対象サーバーの再起動に関する項を参照してください。
Oracle WebLogic Server管理コンソール(http://
adminServerHost
:
adminServerPort
/console
)にアクセスし、左側のナビゲーション・ツリーから使用しているドメイン名をクリックします。
ドメインの「設定」ページにHAパワー・ツール・タブが表示されます。
分散キャッシュを構成します。
管理コンソールのドメイン名の「設定」ページで、HAパワー・ツール・タブをクリックします。
JOC構成タブで、クラスタのJOCの構成を選択します。
「クラスタ名」フィールドで、リストからクラスタ名を選択します。
ポート検出フィールドで、検出するクラスタのポート番号を入力します。
「ホスト」フィールドには、すべての管理対象サーバーのホスト名をカンマで区切って入力します。
JOCの構成ボタンをクリックします。
管理対象サーバーのクラスタを再起動します。
JOCの分散キャッシュ・モードを確認します。
次の例のように、ある管理対象サーバーのホスト上のミドルウェア・ホームからCacheWatcherユーティリティを実行します。
java -classpath oracle_common/modules/oracle.javacache_11.1.1/cache.jar:oracle_common/modules/oracle.odl_11.1.1/ojdl.jar oracle.ias.cache.CacheUtil watch -config=user_projects/domains/base_domain/config/fmwconfig/servers/IPM_server2/javacache.xml
この例では、2つのJARファイルへのクラスパスは現在のディレクトリ(MW_HOME
)に対する相対的な位置を示します。
javacache.xml
ファイルは、JOC分散キャッシュに参加しているOracle I/PMサーバーで使用されるファイルです。
lc
コマンドを入力して、キャッシュ情報を取得します。
INFO: JOC is initialized from oracle.ias.cache.CacheUtil.main, . . .
cache> lc
lc
コマンドからの出力で、分散キャッシュの各メンバーのエントリが分散表に表示されていることを確認します。
exit
コマンドを入力してCacheWatcherユーティリティを停止します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』のHAパワー・ツールの使用に関する項、およびCacheWatcherの実行に関する項を参照してください。
アップグレード・アシスタントを使用してOracle Universal Content Management(Oracle UCM)10gからOracle Enterprise Content Management Suite 11g(11.1.1.4.0)にアップグレードした場合、intradoc.cfg
ファイルに余分な変数があり、Oracle UCM管理対象サーバーを起動したときに、次の例外をスローする可能性があります。
intradoc.common.ServiceException
例外を防止するには、アップグレード後に余分な変数をコメント・アウトします。
テキスト・エディタでDomainHome
/ucm/cs/bin/intradoc.cfg
ファイルを開きます。
この行の先頭にコメント文字(#)を追加します。
JAVA_CLASSPATH_defaultjdbc=$SHAREDDIR/classes/ojdbcn.jar
ファイルを保存し、Oracle UCM管理対象サーバーを起動します。
Oracle UCM 10gからOracle Enterprise Content Management Suite 11gへのアップグレードのためのアップグレード・アシスタントを使用する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteアップグレード・ガイド』を参照してください。
Oracle Universal Content Management(Oracle UCM)インスタンスからOracle Enterprise Content Management Suite 11g(11.1.1.4.0)へのアップグレードの前に、Oracle UCMインスタンスでOracle Content ServerのFileStoreProvider
コンポーネントをアップグレードする必要があります。
Oracle Content ServerにFileStoreProvider
がインストールおよび有効化されていない場合は、これをインストールして有効化してからアップグレードする必要があります。
ファイル・ストア・プロバイダをアップグレードする手順は次のとおりです。
Oracle Content Serverの「管理」で「プロバイダ」を選択します。
DefaultFileStoreを選択し、「アップグレード」を選択します。
Oracle Content Serverを再起動します。
11.1.1.5.0 Oracle IRM Server Management Consoleには、インストールまたは更新したシステムに適用するパッチが必要な問題があります。コンテキストに権限が選択されると、「プロパティ」、「編集」および「削除」ボタンが常に無効化され、使用できなくなります。権限を選択すると、ボタンが有効化されません。この問題はパッチ12369706により修正されます。
このパッチはhttps://support.oracle.com
のMy Oracle Supportからダウンロードできます。
パッチ12369706をOracle IRMに適用する手順は次のとおりです。
https://support.oracle.com
にログインします。
「パッチと更新版」タブをクリックします。
パッチ番号12369706
を「パッチ検索」の「パッチ名または番号」フィールドに入力します。
「検索」をクリックします。
パッチに示すインストール手順に従います。
パッチ適用に関する一般情報は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。
Oracle WebLogic Serverノード・マネージャによって、Oracle WebLogic Serverインスタンスをリモートで起動および停止し、これを監視し、また予期しない障害発生後に自動的に再起動することができます。Oracle Enterprise Content Management Suite(Oracle ECM)管理対象サーバー、管理サーバー、およびノード・マネージャは、Oracle WebLogic Serverドメインで連携するよう構成できます。ノード・マネージャはサーバー・インスタンスをホストするすべてのマシンにインストールされます。
ノード・マネージャを使用してあるドメインのOracle ECM管理対象サーバーを起動および停止するには、次のような構成タスクを実行する必要があります。
ドメインに1マシン以上を構成します。
管理サーバーおよび管理対象サーバー(AdminServer
、IPM_server1
およびUCM_server1
など)を1つ以上のマシンに割り当てます。
ノード・マネージャでのOracle ECM起動スクリプト使用を有効化するには、nodemanager.properties
ファイルのStartScriptEnabled
プロパティをtrue
に設定します。
この項では、Oracle WebLogic Serverドメインでマシンを構成し、管理サーバーおよび管理対象サーバーをマシンへ割り当て、ノード・マネージャの起動前に起動スクリプト使用を有効にする方法について説明します。Oracle Enterprise Content Management Suiteを構成するためのドメインの作成または拡張の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイド』を参照してください。
管理サーバーがリモート・サーバーを開始するために、ノード・マネージャ・アプリケーションとともにマシン定義を使用します。Oracle ECMの初期構成では、Fusion Middleware構成ウィザードを介してマシンを構成できます。初期構成後は、Oracle WebLogic Server管理コンソールを介してマシンを構成できます。
Fusion Middleware構成ウィザードを介してマシンを構成する手順は次のとおりです。
Fusion Middleware構成ウィザードの「オプションの構成を選択」画面に進み、「管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン」を選択します。
「マシンの構成」画面で「追加」をクリックします。
次のフィールドに値を指定します。
名前
Linux-Boxなど、有効なマシン名を入力します。マシン名は、Oracle WebLogic Serverドメイン内でマシンを識別するものであり、マシンのネットワーク名と一致する必要はありません。名前はドメイン内で一意である必要があります。
ノード・マネージャ・リスニング・アドレス
ドロップダウン・リストから、ノード・マネージャで接続要求のリスニングに使用するリスニング・アドレスの値を選択します。デフォルトでは、ドロップダウン・リストにローカル・システムに定義済のIPアドレスおよびlocalhost
が表示されます。デフォルト値はlocalhost
です。
管理サーバーをホストするマシンのIPアドレスを指定し、ノード・マネージャにアクセスする必要がある場合は、ホスト名の検証を無効にする必要があります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverの保護』
のホスト名の検証の使用に関する項を参照してください。
ノード・マネージャ・リスニング・ポート
ノード・マネージャで接続要求のリスニングに使用するリスニング・ポートの有効な値を入力します。ノード・マネージャの有効なリスニング・ポートの範囲は1
から65535
です。デフォルト値は5556
です。
Oracle ECMの初期構成で、Fusion Middleware構成ウィザードを介して管理サーバーと管理対象サーバーを1つ以上のマシンに割り当てることができます。
初期構成後は、Oracle WebLogic Server管理コンソールを介して管理対象サーバーをマシンに割り当てることができます。
Fusion Middleware構成ウィザードを介してサーバーをマシンに割り当てる手順は次のとおりです。
「サーバーのマシンへの割当」画面の「サーバー」領域で、サーバーを1つ以上選択します。
右矢印ボタンをクリックして、選択したサーバーをマシンに割り当てます。
完了したら、「次」をクリックします。
最初にノード・マネージャを起動する前に、setNMProps.sh
スクリプトを実行してStartScriptEnabled
プロパティをtrue
に設定します。管理対象サーバーを起動スクリプトで起動するには、この設定がノード・マネージャに必要です。クラスのロードの失敗やその他の問題を回避するには、StartScriptEnabled
プロパティを使用します。
マシンに割り当てられている1つ以上の管理対象サーバーをホストしているマシン上で、ノード・マネージャの起動スクリプト使用を有効化すると、管理コンソールまたはコマンドラインを使用してリモートで管理対象サーバーを起動または停止できます。予期しないエラーが発生した管理対象サーバーをノード・マネージャから自動的に再起動することもできます。
Oracle URM管理対象サーバーでは、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Content Management Suiteインストレーション・ガイド』のOracle URM構成の完了に関する項の説明に従って、ノード・マネージャを起動する前にOracle URM設定チェックリストを確認します。
起動スクリプトを有効化し、ノード・マネージャを起動する手順は次のとおりです。
次のディレクトリに移動します。
MIDDLEWARE_HOME/oracle_common/common/bin
MIDDLEWARE_HOME
はOracle Fusion Middlewareがインストールされているディレクトリです。
setNMProps.sh
スクリプトを実行し、ノード・マネージャを起動する前にStartScriptEnabled
プロパティをtrue
に設定します。
./setNMProps.sh
これは1回かぎりです。このスクリプトの実行後は、再度ノード・マネージャを起動する前にこのステップを実行する必要はありません。
startNodeManager
スクリプトでノード・マネージャを起動します。
UNIX script: WL_HOME
/server/bin/startNodeManager.sh
WL_HOME
はOracle WebLogic Serverがインストールされているディレクトリです。
ノード・マネージャの詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』および『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』を参照してください。