この章では、Oracle HTTP Serverをインストールし、Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3.1.0)OC4Jインスタンスと統合したユーザー向けの情報を提供します。
特に、デプロイされたアプリケーションに対するフロントエンドとしてOracle HTTP ServerまたはOracle Web Cacheを使用している場合は、次の項の説明に従って、これらのコンポーネントをOracle Fusion Middleware 11g Web層スイートにアップグレードします。
タスク1: Oracle HTTP ServerおよびOC4Jを使用した場合と、Oracle HTTP ServerおよびOracle WebLogic Serverを使用した場合の相違点の理解
タスク3: Oracle Application Server 10g Web層コンポーネントのOracle Fusion Middleware 11g へのアップグレード
ここでは、WebサーバーおよびOC4Jを使用した場合と、WebサーバーおよびOracle WebLogic Serverを使用した場合の相違点について説明します。
OC4Jでは、OC4Jインスタンスごとに複数のWebサイトを定義できます。つまり、固有のポートおよびプロトコルを持つ一意のリスナーを定義できます。OC4Jインスタンスにデプロイされた各Webアプリケーションは、特定のOC4J Webサイトにバインドできます。OC4J Webサイトでは、この特定のポートおよびプロトコルに対するリクエストが目的のアプリケーションに送られます。
デフォルトでは、すべてのOC4Jインスタンスで、default-web-site.xml
構成ファイルによって事前構成されているデフォルトのWebサイトが提供されます。さらに、デフォルトのWebサイト構成を変更したり、特定のアプリケーション用の追加のWebサイトを定義できます。
Oracle WebLogic Serverでは、Webサイトの概念をサポートしていません。かわりに、Oracle WebLogic Serverの各管理対象サーバーには、一意のリスニング・ポートが割り当てられます。このリスニング・ポートは変更できますが、HTTP、HTTPS、RMIなど、サポートされているすべてのプロトコルに対してリスニングが常に行われます。また、管理対象サーバーごとに2つ目のセキュアな(SSL)ポートを構成することもできます。
ただし、OC4Jとは異なり、Oracle WebLogic ServerではAJPまたはAJPSプロトコルはサポートされていません。このプロトコルは、フロントエンドWebサーバーとOC4Jインスタンス間の通信のためにOC4J環境で使用されます。詳細は、7.1.2項「Oracle WebLogic Server向けのOracle HTTP Serverのインストールおよび構成」を参照してください。
Oracle WebLogic Serverに複数のリスナーを構成する場合は、次のいずれかを実行できます。
Oracle WebLogic Serverの複数の管理対象サーバーを作成し、それぞれが一意のポートでリスニングするように構成します。その後、アプリケーションを各サーバーにデプロイできます。各アプリケーションは、そのホストの管理対象サーバーに割り当てられたリスニング・ポートでリスニングを行います。
管理対象サーバーごとに複数のネットワーク・チャネルを構成します。Oracle WebLogic Serverのネットワーク・チャネルは構成可能なリソースであり、管理対象サーバーへのネットワーク接続の属性を定義します。ネットワーク・チャネルごとに、OC4J Webサイトで提供される属性と類似する一連の属性を構成できます。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバー環境の構成』のネットワーク・リソースの構成に関する項を参照してください。
ここでは、Oracle WebLogic ServerをWebサーバーとともに使用する場合について、次のことを説明します。
以前のバージョンのOracle Application Serverでは、フロントエンドWebサーバーを使用して環境を構成することが一般的でした(この構成が推奨される場合もありました)。Webサーバーはユーザー・リクエストを受信し、URLのコンテキスト・ルートに基づいて、OC4Jサーバーにデプロイされたアプリケーションに特定のリクエストをルーティングします。
ほとんどのOC4Jユーザーは、Java EEサーバー環境に対するフロントエンドとしてOracle HTTP Serverを構成します。Oracle HTTP Serverは、Oracle Fusion Middleware製品セットのコンポーネントです。Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3)の拡張インストール・オプションでは、OC4Jサーバーに対するフロントエンドとして機能するようにOracle HTTP Serverが自動的に構成されます。
Oracle HTTP ServerとOC4Jとの接続は、Oracle HTTP Serverソフトウェアに付属するmod_oc4j
モジュールで管理され、転送はAJPプロトコルで行われます。
Oracle WebLogic Serverの場合も同じトポロジを構成できます。ただし、Oracle Fusion Middleware 11g の場合は、Oracle HTTP Serverのインストールを、Oracle WebLogic Serverとは別に、Oracle Fusion Middleware Web層のインストールの一部として行います。また、Web層インストールには、Web層におけるパフォーマンスとキャッシュ機能を向上させるOracle Web Cacheを含めることができます。
Web層インストールの一部としてOracle HTTP Serverをインストールした後は、新しいmod_wl_ohs
モジュールを構成できます。これにより、Oracle HTTP ServerからOracle WebLogic Serverにリクエストをプロキシ処理することができます。mod_wl_ohs
モジュールは、mod_oc4J
がOC4Jに提供する機能とほぼ同等の機能をOracle WebLogic Serverに提供します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle HTTP Server管理者ガイド』のmod_wl_ohsに関する項を参照してください。
Oracle HTTP Serverは、Webサーバーが必要な一定のOracle Fusion Middleware 11g コンポーネント向けに自動的にインストールされ、構成されます。たとえば、Oracle HTTP Serverは次のOracle Fusion Middlewareコンポーネントとともに自動的にインストールされ、構成されます。
Oracle Identity Managementソフトウェア・スイートのOracle Identity Federation
Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererスイートのOracle PortalおよびOracle Business Intelligence Discoverer
ただし、このマニュアルで説明したようなJava EE環境の場合は、Oracle HTTP ServerをOracle WebLogic Serverとは別にインストールし、構成する必要があります。
Oracle WebLogic Serverでは、Oracle HTTP Serverと同様に他のWebサーバーもサポートされています。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic ServerにおけるWebサーバー・プラグインの使い方』を参照してください。
Oracle HTTP Serverのアップグレードに進む前に、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレード中のOracle HTTP Serverの相互運用性に関する項を確認してください。
次の項では、アップグレードしたOracle WebLogic Server環境のフロント・エンドとしてWeb層環境をインストール、構成およびアップグレードする際のオプションについて説明します。
Oracle HTTP ServerをWeb層インストールの一部としてインストールして構成する前に、Oracle HTTP Serverをインストールする場所を検討してください。Upgrade Assistantを使用して、以前のバージョンのOracle HTTP Serverの構成設定をアップグレードすることを予定している場合は、Oracle Application Server 10g Oracle HTTP ServerのOracleホームと同じホスト上にOracle HTTP Serverをインストールする必要があります。
現在の環境で構成をアップグレードする必要がない場合は、別のホスト上にOracle HTTP Serverをインストールし、構成した後で、HTTPリクエストをOracle WebLogic Serverドメインに送信するように構成できます。
詳細は、「タスク4: リクエストをOracle Fusion Middleware環境にルーティングするためのWeb層の構成」を参照してください。
Oracle HTTP ServerをWeb層インストールの一部としてインストールする場合は、Web層コンポーネントをOracle WebLogic Serverドメインに関連付けるかどうかを選択できます。実現可能な次のトポロジについて検討してください。
Web層コンポーネントをOracle WebLogic Serverドメインの一部として構成します。
このオプションでは、Oracle HTTP ServerおよびOracle Web Cache(オプション)を既存のドメインに追加できます。
たとえば、Java EEアプリケーションのデプロイに使用するOracle SOA Suite、WebCenterまたはApplication DeveloperドメインにWeb層コンポーネントを追加できます。
これがメリットがあるのは、続いて、デプロイしたアプリケーションに対するフロント・エンドとしてWeb層コンポーネントを簡単に構成し、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して、ドメインとドメイン上にデプロイするアプリケーションを管理できる点です。
注意: Web層コンポーネントと、Oracle JDeveloperで作成された開発ドメインとの関連付けはサポートされていません。詳細は、5.1項「タスク1: Oracle WebLogic Server開発ドメインのインストールと構成」を参照してください。 |
Web層コンポーネントをドメインなしで構成します。
このオプションの場合、Oracle HTTP ServerおよびOracle Web Cacheインスタンス(オプション)は別のOracleホームにスタンドアロンとしてインストールされ、ドメインには関連付けられません。
このトポロジは、Web層コンポーネントを別のホスト上にインストールし、これまでのOracle Application Server 10g の構成設定をアップグレードする予定がなく、Web層コンポーネントをOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlで管理する予定がない場合に検討してください。
Oracle HTTP ServerとOracle Web Cache(オプション)をインストールし、構成する準備ができたら、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Tierインストレーション・ガイド』にある詳細な手順を参照してください。
Web層コンポーネントをOracle WebLogic Serverドメインに関連付ける予定がない場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Tierクイック・インストレーション・ガイド』を参照することもできます。
これまでOracle HTTP Serverを使用していた場合は、Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantを使用して、Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3)の特定のOracle HTTP Server構成設定を新しいOracle Fusion Middleware 11g Oracle HTTP Serverインスタンスにアップグレードできます。
また、Oracle HTTP Server以外のWebサーバーを使用している場合や、Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3)の環境が存在するホストとは別のホストにOracle HTTP Serverをインストールした場合は、新しいOracle Fusion Middleware環境を手動で再構成する必要があります。
Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantを使用して、Oracle HTTP Server構成を11g にアップグレードする方法については、次の項を参照してください。
グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用してUpgrade Assistantを起動するには、次の手順を実行します。
注意: Oracle Application Server 10g Oracleホームのアップグレードには、Upgrade Assistantコマンドライン・インタフェースを使用することもできます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のUpgrade Assistantコマンドライン・インタフェースの使用方法に関する項を参照してください。 |
ディレクトリをOracle Fusion MiddlewareインストールのORACLE_HOME
/bin
ディレクトリに変更します。
次のコマンドを入力してUpgrade Assistantを起動します。
UNIXシステムの場合:
./ua
Windowsシステムの場合:
ua.bat
Upgrade Assistantに、「ようこそ」画面(図7-2)が表示されます。
「次へ」をクリックして「操作の指定」画面(図7-2)を表示します。
Upgrade Assistantで使用可能なオプションは、起動元のOracleホームによって異なります。たとえば、Web層のOracleホームからUpgrade Assistantを起動すると、通常のWeb層のOracleホームのコンポーネントに対して有効なオプションが「操作の指定」画面に表示されます。
次の項では、Oracle HTTP ServerをOracle Fusion Middleware 11g にアップグレードする処理について説明します。
Web層コンポーネントをOracle Fusion Middleware 11g にアップグレードするには、次の手順を実行します。
「Task 3a: Web層をアップグレードするためのUpgrade Assistantの起動」の説明に従って、Upgrade Assistantを起動します。
「操作の指定」画面(図7-2)で「中間層インスタンス」を選択します。
中間層インスタンスのアップグレード時に入力が必要なUpgrade Assistant画面および各画面のオプションについては、表7-1を参照してください。
Upgrade Assistantでは、次のタスクが実行され、各タスクの進捗が示されます。
アップグレードするコンポーネントおよびスキーマを調べ、正常にアップグレードできることが確認されます。
目的のコンポーネントおよびスキーマがUpgrade Assistantでアップグレードされていることを確認できるように、アップグレードするコンポーネントのサマリーが表示されます。
アップグレードの進捗に合わせてアップグレードのステータスを確認できるように、進捗画面が表示されます。
アップグレード時にエラーまたは問題が発生した場合にアラートが通知されます。
関連項目: Upgrade Assistantの実行時に発生する問題のトラブルシューティングについては、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のUpgrade Assistantの問題のトラブルシューティングに関する項を参照してください。 |
「アップグレードの終了」画面が表示されます。これによって、アップグレードが完了したことを確認できます。
表7-1 中間層インスタンスのアップグレード時に入力が必要なUpgrade Assistant画面
Upgrade Assistant画面 | 説明 |
---|---|
ソース・ホームの指定 |
10g リリース2(10.1.2)または10g(10.1.4)のIdentity ManagementインスタンスのソースOracleホームを選択します。 アップグレード対象のOracleホームがドロップダウン・リストに表示されない場合は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のOracleAS Upgrade Assistantで表示されないソースOracleホームに関する項を参照してください。 |
アップグレード先インスタンスの指定 |
11g のOracleインスタンスへの完全なパスを入力するか、または「参照」をクリックしてインスタンスのディレクトリを指定します。 |
WebLogic Serverの指定 |
「タスク2: Oracle Fusion MiddlewareのWeb層のインストールおよび構成」で構成したOracle WebLogic ServerのホストとAdministration Serverポートを入力します。 |
アップグレード・オプションの指定 |
Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererのアップグレードに適用するアップグレード・オプションを選択します。次のアップグレード・オプションがあります。
この画面のアップグレード・オプションの詳細を表示するには、「ヘルプ」をクリックします。 |
Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantで、アップグレード先でソースOracleホーム・ポートを使用するオプションを選択する場合は、次の点に注意してください。
このオプションを選択した場合、10g と11g の中間層を同時に実行することができなくなります。同時に実行すると、ポートの競合が発生します。
特定のOracle Fusion Middleware 11g コンポーネントの複数のインスタンスをアップグレードする場合、このオプションを選択できるのは、アップグレード先のホストのコンポーネントごとに1度のみです。それ以外の状態では、ポートの競合が発生します。
たとえば、MYHOST1の1つのOracleインスタンスでOracle HTTP Serverをアップグレードするとします。
MYHOST1の別のOracleインスタンスにある別のOracle HTTP Serverインスタンスをアップグレードしている間に、このオプションを再度使用すると、同じリスニング・ポートが2番目のOracle HTTP Serverインスタンスに割り当てられます。同じホストにあるOracle HTTP Serverの2つのインスタンスは、同じリスニング・ポートを使用できません。
Oracle Web CacheとOracle HTTP Server 11g の両方を、Web層とユーティリティのインストールの一部としてインストールし、構成するときに、このオプションを使用してアップグレードする10g OracleホームにインストールされているのがOracle HTTP Serverのみの場合は、アップグレード後にOracle Web Cacheインスタンスを変更する必要があります。
具体的には、現在使用しているのが10g ポートであるため、Web層とユーティリティのインストールと構成で割り当てられたOracle HTTP Serverのリスニング・ポートではなく、10g で使用していたポートにリクエストを送信するようにOracle Web Cacheインスタンスを変更する必要があります。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイド』を参照してください。
リクエストをOracle WebLogic ServerにルーティングするようにOracle HTTP Serverを構成するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle HTTP Server管理者ガイド』の手順に従ってください。
特に、『Oracle Fusion Middleware Oracle HTTP Server管理者ガイド』の次の項を参照してください。
"Oracle HTTP Serverモジュールの理解に関する項
"mod_wl_ohsモジュールの構成に関する項
次の項では、Web層コンポーネントを11g にアップグレードした後で必要になる可能性がある構成タスクについて説明します。
注意: Oracle HTTP ServerおよびOracle Web CacheをOracle Single Sign-Onとともに構成した場合は、アップグレード後に追加タスクが必要です。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererアップグレード・ガイド』のOracle Single Sign-Onを使用した場合のWeb層コンポーネントに対するアップグレード後のタスクに関する項を参照してください。 |
Oracle Web Cache 10g に対してSecure Socket Layer(SSL)ウォレットを構成していた場合は、Oracle Web Cacheのアップグレード処理について次の点を考慮してください。
ウォレットを格納していたのがOracle Web Cache 10g のOracleホーム内のディレクトリだった場合は、アップグレード時に、そのディレクトリ内のウォレット・ファイルがOracle Fusion Middleware 11g インスタンスのホームにある次の新しいディレクトリに移動されます。
ORACLE_INSTANCE/config/WebCache/component_name/keystores/wallet_dir_name10g
次に例を示します。
ORACLE_INSTANCE/config/WebCache/webcache1/keystores/wc_wallets10g
ウォレットを格納していたのがOracle Web Cache 10g のOracleホーム外のディレクトリだった場合は、Oracle Web Cache 11g にアップグレードした後も、アップグレード前の元の場所をそのまま使用できます。
Oracle HTTP Server 10gに対してSSLウォレットを構成していた場合は、Upgrade AssistantによってOracle HTTP Server 10gウォレットが新しい11g形式にアップグレードされます。Oracle HTTP Server 11gのウォレットは、11g Oracleインスタンス・ディレクトリの次の場所に保存されます。
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/component_name/keystores/default/
ユーザーごとに固有のウォレットを定義していた場合は、キーストア・ディレクトリのサブディレクトリにウォレットが保存されます。このディレクトリの名前は、10gのウォレットを保存していたディレクトリの名前に基づきます。
たとえば、10gのウォレットを/home/jones/security/mywallets/
というディレクトリに保存していた場合、アップグレードされたウォレットは次のディレクトリにあります。
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/component_name/keystores/security_mywallets/
Upgrade Assistantの「アップグレード・オプションの指定」画面で「アップグレード先でソースOracleホーム・ポートを使用」を選択しなかった場合は、Web層コンポーネントのアップグレード後に、アップグレードされたOracle HTTP ServerおよびOracle Web Cache 11g インスタンスで使用されるポートを確認する必要があります。
具体的には、リスニング・ポート、元のサーバー、サイト定義、およびサイトからサーバーへのマッピング設定を確認し、適宜変更を加える必要があります。
Oracle HTTP ServerおよびOracle Web Cacheコンポーネントが同じインスタンス内にあり、それらのコンポーネントをまとめてアップグレードする場合は、変更する必要がありません。
ただし、次の状況では、Oracle HTTP ServerおよびOracle Web Cacheインスタンス間のポートおよび接続を再構成する必要があります。
Oracle HTTP ServerおよびOracle Web Cacheインスタンスを別々にアップグレードした場合、たとえば、あるホスト上のOracle HTTP Serverをアップグレードし、後で、それに関連付けられたOracle Web Cacheインスタンスを別のホスト上でアップグレードした場合。
Oracle Application Server 10g環境でインストール時にOracle HTTP Serverのみを使用し、現在はOracle Fusion Middleware 11g環境でOracle HTTP ServerとOracle Web Cacheの両方を使用している場合。
Oracle Web Cacheクラスタを使用している場合(一般的には、複数のOracle HTTP Serverインスタンスへの複数のOracle Web Cacheインスタンス・ルーティングを構成している場合)。
Oracle HTTP ServerとOracle Web Cache間の接続の構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイド』を参照してください。
Web層が正しくアップグレードできたことを確認するには、次の手順を実行します。
Upgrade Assistantを再度実行し、「操作の指定」ページの「インスタンスの検証」を選択します。
特定のOracle Fusion Middlewareコンポーネントが稼働しているかどうかの検証方法については、画面の指示に従ってください。
Web層をOracle WebLogic Serverドメインに関連付け、Oracle Enterprise Managerテンプレートがそのドメインに適用された場合は、Fusion Middleware Controlを使用して、Web層コンポーネントが稼働していることを確認します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用の開始に関する項を参照してください。