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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server XMLのプログラミング
11g リリース1 (10.3.5)
B55533-03
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1 概要とロードマップ

この節では、このガイド『Oracle WebLogic Server XMLのプログラミング』の内容と構成について説明します。

ドキュメントの内容と対象読者

このマニュアルは、XML処理を含むアプリケーションを設計および開発するソフトウェア開発者のための情報源です。

このマニュアルのトピックでは、ソフトウェア・プロジェクトの設計および開発段階に関連する情報を提供します。また、プロジェクトのテストおよびプロダクション前の段階で見つかるアプリケーションの問題を解決するうえで便利なトピックもあります。

このマニュアルでは、開発環境でアプリケーションをテストする際に役立つ管理およびモニター情報についても説明していますが、プロダクション段階でのXMLの管理、モニター、パフォーマンス・チューニングについては扱いません。これらのトピックに関するWebLogic Server ®のマニュアルとリソースへのリンクについては、「関連ドキュメント」を参照してください。

このマニュアルは、Webテクノロジ、XML、XSLT、Javaプログラミング言語、J2EE仕様のサーブレットとJSP APIに精通している読者を対象としています。このマニュアルでは、WebLogic Server XMLが提供する付加価値機能と、XML処理を実行するアプリケーションを動作させるためのWebLogic Server機能の使い方に関する主要な情報が重点的に扱われています。

このドキュメントの手引き

このマニュアルの構成は次のとおりです。

関連ドキュメント

このマニュアルには、XML固有の設計および開発上の情報が含まれています。

WebLogic Serverアプリケーションを開発、デプロイ、およびモニターするための包括的なガイドラインについては、以下のドキュメントを参照してください。

このマニュアルでは説明されていないXML関連情報については、付録A「XMLの詳細情報へのリンク」「XMLリファレンス」にリストされているリンクを参照してください。

XML開発者向けのサンプル

このマニュアルの他にも、様々なサンプル・コードがXML開発者向けに用意されています。サンプルとチュートリアルではWebLogic Server XMLの動作が例示され、主要なXML開発タスクを実行する実際的な手順が示されています。

XMLを処理する独自のアプリケーションをプログラミングする前に、まずXMLサンプルの一部またはすべてを実行することをお薦めします。

WebLogic Server配布キットのXMLサンプル

WebLogic Serverでは、必要に応じてAPIサンプル・コードをWL_HOME\samples\server\examples\src\examplesにインストールできます。ただし、WL_HOMEはWebLogic Serverの最上位インストール・ディレクトリです。WebLogic Serverのスタート・メニューからサンプル・サーバーを起動して、サンプルとその実行手順に関する情報を確認できます。

このリリースでのXMLの新機能と変更点

WebLogic Serverのこのリリースに追加された新機能の一覧については、『Oracle WebLogic Serverの新機能』を参照してください。

WebLogic ServerのXML機能の概要

WebLogic Serverでは、WebLogic Serverに適用可能なXMLテクノロジと、WebLogic Serverに基づくXMLアプリケーションが統合されています。WebLogic Server XMLサブシステムを使用すると、顧客は、標準パーサー、WebLogic FastParser、XSLTトランスフォーマ、DTD、およびXMLスキーマを使用してXMLファイルを処理および変換できます。

この節では、WebLogic Server XMLサブシステムにある以下の機能が表示されています。

XMLドキュメント・パーサー

WebLogic Serverは、JDKバージョン5.0に付属のXMLパーサーをデフォルトで使用します。

管理コンソールによるXMLレジストリの構成では、他のあらゆるXMLパーサーを使用できます。単一のWebLogic Serverのインスタンスを構成することによって、あるパーサーを特定のアプリケーション用に使用し、別のパーサーを異なるアプリケーション用に使用できます。

XMLドキュメントの解析については、「XMLドキュメントの解析」を参照してください。

WebLogic Serverバージョン8.1と9.1のデフォルト・パーサーの違い

バージョン8.1およびそれ以前のWebLogic Serverにおけるデフォルトのパーサーは、ApacheのXercesをベースにしたもので、パッケージ名の先頭にはweblogic.apache.xerces.*が付いていました。バージョン9.1のWebLogic Serverでは、このパーサーは非推奨となりました。かわりに、デフォルトのパーサーはJDK 5.0に同梱されているものと同じです。

下位互換性のためweblogic.apache.xerces.*パーサーはバージョン9.1のWebLogic Serverでも使用できますが、これは現在は非推奨になっており今後のバージョンでは使用できなくなるので、使用しないことを強くお薦めします。ただし、一時的にこのパーサーを使用する必要がある場合は、管理コンソールを使用して、XMLレジストリを更新または新規作成し、表1-1で示すSAXおよびDOMパーサー・ファクトリ・インタフェースのデフォルト実装クラスを設定することにより、使用中のWebLogic Serverインスタンス用のデフォルトでないパーサーを構成しなければなりません。

表1-1 SAXおよびDOMパーサー・ファクトリ・インタフェースのデフォルト実装クラス

パーサー・ファクトリ・インタフェース 実装クラス

DOM (DocumentBuilderFactory)

weblogic.apache.xerces.jaxp.DocumentBuilderFactoryImpl

SAX (SAXParserFactory)

weblogic.apache.xerces.jaxp.SAXParserFactoryImpl


XMLレジストリの作成については、第9章「WebLogic Server XMLの管理」を参照してください。

XMLドキュメント・トランスフォーマ

WebLogic Serverは、JDKバージョン5.0に付属のXMLトランスフォーマをデフォルトで使用します。

管理コンソールによるXMLレジストリの構成では、他のあらゆるXMLトランスフォーマを使用できます。単一のWebLogic Serverのインスタンスを構成することによって、あるトランスフォーマを特定のアプリケーション用に使用し、別のトランスフォーマを異なるアプリケーション用に使用できます。

XMLドキュメントの変換については、「XMLドキュメントの変換」を参照してください。

Streaming API for XML (StAX)の実装

WebLogic Serverには、Streaming API for XML (StAX)の実装が含まれています。

詳細は、第4章「Streaming API for XML (StAX)の使い方」を参照してください。

WebLogic XPath API

WebLogic XPath APIには、DOMXMLInputStream、またはXMLOutputStreamとして表現されるドキュメントに対してXPathのマッチングを実行するために必要となる、すべてのクラスが入っています。

詳細は、「WebLogic XPath APIの使い方」を参照してください。

JAXPプラガブル・レイヤーの実装

Java API for XML Processing (JAXP) 1.2は、Java標準で、パーサーに依存しないXML用APIです。JAXPの詳細は、「JAXPとは」を参照してください。


注意:

WebLogic Serverは、管理コンソールからアクセスされるXMLレジストリを使用して、パーサーとトランスフォーマをプラグインします。この点が、システム・プロパティを使用してパーサーとトランスフォーマをプラグインするように指定されたJAXP 1.2仕様との違いです。

Java API for XML Registriesの実装

(http://java.sun.com/xml/jaxr/index.jsp)のJava API for XML Registries (JAXR) APIでは、様々なレジストリ、特にWebサービス・アプリケーションで使用されるXMLレジストリにアクセスするための共通の標準Java APIが提供されています。

詳細は、「Java API for XML Registries (JAXR) APIの使い方」を参照してください。

WebLogicサーブレット属性

WebLogic Serverは、以下の特殊なサーブレット属性をサポートします。

  • org.xml.sax.HandlerBase

  • org.xml.sax.helpers.DefaultHandler

  • org.w3c.dom.Document

ServletRequestオブジェクトで、前述の属性を付けてsetAttributeメソッド(SAX解析の場合)およびgetAttributeメソッド(DOM解析の場合)を呼び出すと、任意のXMLドキュメントが解析されます。

詳細は、「サーブレットでのXMLドキュメントの解析」を参照してください。

WebLogic XSLT JSPタグ・ライブラリ

JSPタグ・ライブラリは、WebLogic Serverで動作するJava Server Page (JSP)内からデフォルトXSLTトランスフォーマにアクセスするための単純なタグを提供します。現時点では、このタグはデフォルトXSLTトランスフォーマだけをサポートしています。このタグを使用して、XMLドキュメントをJSP内から異なるトランスフォーマを使って変換することはできません。

JSPタグ・ライブラリは、xmlx-tags.jarに収められています。このファイルは、WebLogic Server配布キットのインストール時に自動的にインストールされます。

詳細は、「JSPタグによるXMLデータの変換」を参照してください。

パーサーおよびトランスフォーマの構成用XMLレジストリ

XMLレジストリは、管理タスクと構成タスクをXMLアプリケーションから切り離すことによって、これらのタスクを簡素化します。管理コンソールを使用して、WebLogic Serverのインスタンスのパーサーとトランスフォーマを構成します。

詳細は、「XMLパーサーおよびトランスフォーマの構成タスク」を参照してください。

外部エンティティの解決の構成用XMLレジストリ

WebLogic XMLでは、XMLレジストリを使用して外部エンティティを解決できます。詳細は、「部エンティティの構成タスク」を参照してください。

推奨規格オーバーライド機構によるDOM/SAXの切替え:サポート対象外

WebLogic Serverでは、サーバーのDOMインタフェースとSAXインタフェースの推奨規格オーバーライド機構(Endorsed Standards Override Mechanism)を使用した切替えをサポートしていません。

推奨規格とは、Java Community Process (JCP)以外の標準プロセスを介して定義されたJava APIのことです。詳細は、(http://java.sun.com/javase/6/docs/technotes/guides/standards)の「推奨規格オーバーライド機構」を参照してください。

XMLの詳細情報へのリンク

XMLについてさらに学習するには、以下のオンライン・コースおよびチュートリアルを参照してください。付録A「XMLリファレンス」には追加情報へのリンクがあります。