TopLinkランタイムにより、JavaまたはJava EEアプリケーションはデータ・ソースに格納されている永続エンティティにアクセスできます。ランタイム機能に加えて、TopLink Foundation LibraryにはTopLink APIが含まれています。このAPIにより、アプリケーションはTopLinkのランタイム機能にアクセスできます。
TopLinkには、アプリケーションの開発を容易にする追加開発ツールが含まれています。これらのツールにより、マッピングおよびランタイム構成情報がメタデータ・ファイルに取り込まれ、それらの情報はTopLinkによりアプリケーションに実行時に渡されます。
この章の内容は次のとおりです。
TopLinkメタデータは、この2つの環境間のリンクです(2.9項「TopLinkメタデータの使用」を参照)。
図3-1に、これらの要素がデータ・ソースと対話する方法を示します。
TopLinkアプリケーションを作成するには、リレーショナルおよび非リレーショナル・モデルに基づいて、Oracle JDeveloper TopLinkエディタまたはTopLink Workbenchを使用してオブジェクトをデータ・ソースにマップします。次に、作成されたマッピングおよび追加のランタイム構成をTopLinkのプロジェクト・ファイル(project.xml
)に取り込み、セッション構成ファイル(sessions.xml
)を作成します。これらのファイルすべてにより、図3-2に示すように、TopLinkのプロジェクト全体が表されます。
開発中に、開発者はTopLink APIを使用して問合せおよびトランザクション・ロジックを定義できます。一般に、開発者がエンティティBeanを使用する場合、TopLink APIを直接使用することはほとんど、あるいはまったくありません。また、セッションやsessions.xml
ファイルもありません。
TopLink Workbenchでは、コンパイルされたエンティティ・クラス(JavaオブジェクトまたはEJBエンティティBean)の他に、構成したJDBCドライバを介してリレーショナルまたは非リレーショナル・スキーマをインポートすることもできます。TopLinkにより、マッピング用のオブジェクト・モデルとリレーショナル・モデルがインポートされるため、プロジェクト開発のマッピング・フェーズから比較的独立して、2つのモデルを開発できます。
TopLink Foundation Libraryは、TopLinkランタイム・コンポーネントを提供します。ランタイム・コンポーネントには、TopLink APIを介して直接アクセスするか、またはコンテナ管理の永続性を備えたエンティティBeanを使用する際にJava EEコンテナを介して間接的にアクセスします。ランタイム環境は、独立プロセスまたは外部プロセスではなく、アプリケーション内に埋め込まれています。TopLinkは、アプリケーション・コールによって起動され、永続データの操作を提供します。この機能により、共有データベース接続およびキャッシュされたオブジェクトへのスレッド・セーフなトランザクション・アクセスが可能になります。
Java EE環境に加え、TopLinkはJava EE以外の環境も完全にサポートしています。詳細は、2.3項「TopLinkを使用するアーキテクチャの選択」を参照してください。