Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理 11g リリース1(10.3.5) B60991-03 |
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WebLogic Serverでは、複数の方法でサーバー・インスタンスを起動および停止できます。どの方法を選ぶかは、管理コンソールとコマンド・ライン・インタフェースのどちらを使用するか、およびサーバーのライフサイクルの管理にノード・マネージャを使用するかどうかによって決まります。
どの方法でサーバーを起動しても、最終的に一連の構成オプションを渡してJava仮想マシン(JVM)が初期化されます。サーバー・インスタンスはJVM内で動作し、JVMでは1つのサーバー・インスタンスのみホストできます。
注意: 管理コンソールでの手順については、管理コンソール・オンライン・ヘルプの「サーバーの起動と停止」およびクラスタにある様々な起動や停止の手順を参照してください。障害が発生したサーバー・インスタンスおよびクラスタの再起動については、「サーバー障害の回避とサーバー障害からのリカバリ」を参照してください。 |
次の項では、上記以外の、サーバー・インスタンスの起動および停止方法について説明します。
サーバーの起動と停止の簡潔な説明については、付録A「サーバーの起動と停止:クイック・リファレンス」を参照してください。
選択するサーバーの起動管理方法や実行済みのセット・アップ・タスクに応じて、サーバー・インスタンスを起動する前に以下の手順の実行が必要になる場合があります。
バージョン要件を満たす: 「ドメインのバージョン要件」
ドメインを作成する:『Oracle WebLogic Serverの紹介』の管理タスクに応じた適切な技術の選択
ユーザーの資格証明を指定する : 「サーバーの起動と停止を行うユーザー資格証明の指定」
ノード・マネージャを設定する: 『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』のノード・マネージャの一般的な構成に関する項
管理対象サーバーの管理サーバーへの接続を構成する:管理対象サーバーの管理サーバーへの接続の構成
Java起動オプションを指定する : 「WebLogic ServerインスタンスのJavaオプションの指定」
ドメイン内の管理サーバーとすべての管理対象サーバーは、WebLogic Serverのバージョンが同じであることが必要です。管理サーバーは、管理対象サーバーと同じかそれより新しいサービス・パック・レベルである必要があります。たとえば、管理対象サーバーがバージョン9.1である場合、管理サーバーにはバージョン9.1または9.1 MP1以降を使用できます。ただし管理対象サーバーがMP1の場合、管理サーバーはMP1以降である必要があります。
管理サーバーは、ドメインの構成データを管理するWebLogic Serverインスタンスです。通常、開発環境では、管理サーバーを起動し、アプリケーションをすぐにその管理サーバーにデプロイすれば十分です。本番環境では、アプリケーションを実行する管理対象サーバーを作成します。管理サーバーと管理対象サーバーの詳細は、『Oracle WebLogic Serverドメインの構成について』のWebLogic Serverドメインについてに関する項を参照してください。
管理サーバーは、デフォルトの起動スクリプトを使用して起動することも、独自の起動スクリプトを作成して起動することもできます。管理サーバーをWebLogic Server付属の起動スクリプトを使用して起動するには:
ドメインをまだ作成していない場合は、構成ウィザードまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して作成します。
『構成ウィザードを使用したドメインの作成』または『Oracle WebLogic Scripting Tool』の「WLSTオフラインを使用したドメインの作成」を参照してください。
ドメインを作成したコンピュータでシェル(コマンド・プロンプト)をオープンします。
ドメインを配置したディレクトリに移動します。
デフォルトでは、このディレクトリはMW_HOME
\user_projects\domains\
DOMAIN_NAME
です(DOMAIN_NAME
はドメインのルート・ディレクトリです)。(このディレクトリの名前はドメインの名前です。)
以下のいずれかのスクリプトを実行します。
bin/startWebLogic.cmd
(Windows)
bin\startWebLogic.sh
(UNIXおよびWindows。Windowsの場合、このスクリプトはMKSおよびCygnus BASH UNIXシェル・エミュレータをサポート)
注意: WebLogic Serverが提供する構成ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン・ディレクトリにstartWebLogic という名前の起動スクリプトが作成されます。別のソースから提供されたドメイン・テンプレートを使用する場合、ウィザードで起動スクリプトが作成されないか、または別の名前のスクリプトが作成される可能性があります。ウィザードで起動スクリプトを作成するかどうか、および別のスクリプト名を付けるかどうかは、テンプレートの設計者の判断によって異なります。 |
startWebLogic
スクリプトは、次のことを行います。
DOMAIN_NAME
\bin\setDomainEnv.cmd
(UNIXではsetDomainEnv.sh
)を実行して環境変数を設定します。DOMAIN_NAME
はドメインを配置したディレクトリです。たとえば、WL_HOME
\user_projects\domains\
DOMAIN_NAME
となります。WL_HOME
はWebLogic Serverをインストールした場所です。
java weblogic.Server
コマンドを実行して、WebLogic Serverインスタンスを実行するよう構成されたJVMを起動します。
サーバーの起動プロセスが正常に完了すると、次のメッセージが標準出力(デフォルトではコマンド・ウィンドウ)に書き込まれます。
<Notice> <WebLogicServer> <BEA-000360> <Server started in RUNNING mode>
Windowsコンピュータで管理サーバーを作成すると、構成ウィザードによって「スタート」メニューにサーバーを起動するためのショートカットが作成されます(ユーザー・プロジェクト>「DOMAIN_NAME」
>WebLogic Serverドメインの管理サーバーの起動)。
構成ウィザードによって「スタート」メニューに追加されたコマンドを選択すると、コマンド・ウィンドウが開き、「起動スクリプトによる管理サーバーの起動」で説明した起動スクリプトが呼び出されます。サーバーの起動プロセスが正常に完了すると、次のメッセージが標準出力(デフォルトではコマンド・ウィンドウ)に書き込まれます。
<Notice> <WebLogicServer> <BEA-000360> <Server started in RUNNING mode>
weblogic.Server
クラスは、WebLogic Serverインスタンスのメイン・クラスです。Javaコマンドでweblogic.Server
を直接呼び出すことで、サーバー・インスタンスを起動します。
注意: 以下の理由から、java weblogic.Server は主に初期の開発時に使用し、本番システムを起動する標準のメカニズムとしては使用しないことをお薦めします。
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詳細は、『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』のweblogic.Serverコマンドライン・リファレンス、およびweblogic.Serverコマンドラインを使用したサーバー・インスタンスの起動を参照してください。
ノード・マネージャは、WebLogic Serverインスタンスのリモート制御用ユーティリティです。ノード・マネージャを使用すると、管理対象サーバーの制御とモニター、管理サーバーの起動、停止、および再起動を行うことができます。
これらのノード・マネージャの機能には、WebLogic Scripting Toolコマンドおよびスクリプトを使用してアクセスできます。WLSTがノード・マネージャに接続された状態でnmStart
コマンドを使用すると、ノード・マネージャで管理サーバーのモニター、停止、および再起動がサポートされます。
WLSTとノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動する方法については、『Oracle WebLogic Scripting Toolガイド』のWLSTとノード・マネージャを使用したサーバー管理を参照してください。ノード・マネージャがこのプロセスを実行する仕組みについては、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』のノード・マネージャが管理サーバーを起動する仕組みを参照してください。
WebLogic Serverのカスタム・インストール・プロセスでは、必要に応じてノード・マネージャをWindowsシステム上のWindowsサービスとしてインストールおよび起動します。システムの障害や再起動の際にノード・マネージャが自動的に再起動されるように、オペレーティング・システムのサービスとしてノード・マネージャを実行し、ノード・マネージャを使用して管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動や再起動を行うことをお薦めします。
詳細は、『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』のWindowsサービスとしてのノード・マネージャのインストールについて および 『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』の管理サーバーおよび管理対象サーバーの再起動を参照してください。
WLST startServer
コマンドは、ノード・マネージャを使用せずに管理サーバーを起動します。サーバーはWLSTとは別個のプロセスで実行されます。WLSTを終了しても、サーバーは停止されません。『Oracle WebLogic Scripting Tool』のノード・マネージャを使用しない管理サーバーの起動を参照してください。
管理対象サーバーは、デプロイされたアプリケーションを実行するWebLogic Serverインスタンスです。管理対象サーバーは、そのすべての構成およびデプロイメント情報について管理サーバーを参照します。通常、本番環境では管理対象サーバーを使用してアプリケーションを実行します。
管理対象サーバーと管理サーバーの詳細は、『Oracle Weblogic Serverドメインの構成について』のWebLogic Serverドメインに関する項を参照してください。
WebLogic Serverに付属している構成ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン・ディレクトリにstartManagedWebLogic
という起動スクリプトが作成されます。このスクリプトで管理対象サーバーを起動できます。このスクリプトを使用して、クラスタ内のすべての管理対象サーバーを起動できます。
ドメイン・ディレクトリ・ファイルの詳細は、『Oracle Weblogic Serverドメインの構成について』のドメイン構成ファイルに関する項を参照してください。
このスクリプトは、サーバーの起動と管理にノード・マネージャを使用しません。かわりに、Javaコマンドを使用して、WebLogic Serverインスタンスのメイン・クラスのweblogic.Server
クラスを呼び出します。Javaコマンドでのweblogic.Server
の呼び出しの詳細は、『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』のweblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンスに関する項を参照してください。
WebLogic Serverスクリプトで管理対象サーバーを起動するには:
前提となる作業については、「サーバーの起動:始める前に」を参照してください。
管理対象サーバーをまだ作成していない場合は作成します。
『構成ウィザードを使用したドメインの作成』またはOracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの「管理対象サーバーの作成」を参照してください。
まだ起動していない場合は、ドメインの管理サーバーを起動します。
管理対象サーバーをホストしているコンピュータのシェル(コマンド・プロンプト)で、startManagedWebLogic
スクリプトが格納されたディレクトリに移動します。
DOMAIN_NAME
\bin\startManagedWebLogic.cmd
(Windows)
DOMAIN_NAME
/bin/startManagedWebLogic.sh
(UNIX)
DOMAIN_NAME
は、ドメインを配置したディレクトリです。デフォルトでは、このディレクトリはMW_HOME
\user_projects\domains\
DOMAIN_NAME
です。
以下のいずれかのコマンドを入力します。
startManagedWebLogic.cmd
managed_server_name
admin_url
(Windows)
startManagedWebLogic.sh
managed_server_name
admin_url
(UNIX)
managed_server_name
には管理対象サーバー名、admin_url
にはドメインの管理サーバーのリスニング・アドレス(ホスト名、IPアドレスまたはDNS名)およびポート番号を指定します。
たとえば次のコマンドでは、startManagedWebLogic.cmd
を使用してmyManagedServerという管理対象サーバーが起動されます。ドメインの管理サーバーのリスニング・アドレスはAdminHost:7001
です。
c:\Oracle\Middleware\user_projects\domains\mydomain\bin\startManagedWebLogic.cmd myManagedServer http://AdminHost:7001
起動する管理対象サーバーごとに、別のコマンド・シェルを開き、ステップ4と5を行います。別のマシン上の管理対象サーバーを起動する場合は、そのマシンにリモートまたはローカルでログインしてからステップ4と5を行います。
リモートのWebLogic Serverホストでの管理対象サーバーの実行の詳細は、『PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』のリモート・マシンにおける管理対象サーバーの作成と起動に関する項を参照してください。
管理サーバーへの接続を構成する方法については、管理対象サーバーの管理サーバーへの接続の構成を参照してください。
startManagedWebLogic
スクリプトは、次のことを行います。
WL_HOME
\user_projects\domains\
DOMAIN_NAME
\bin\setDomainEnv.cmd
(UNIXではsetDomainEnv.sh
)を実行して環境変数を設定するstartWebLogicスクリプトを呼び出します。WL_HOME
は、WebLogic Serverをインストールした場所です。
java weblogic.Server
コマンドを実行して、WebLogic Serverインスタンスを実行するよう構成されたJVMを起動します。
サーバーの起動プロセスが正常に完了すると、次のメッセージが標準出力(デフォルトではコマンド・ウィンドウ)に書き込まれます。
<Notice> <WebLogicServer> <000360> <Server started in RUNNING mode>
管理コンソールで管理対象サーバーを起動する場合は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの「管理コンソールからの管理対象サーバーの起動」を参照してください。
WLSTとノード・マネージャを使用して管理対象サーバーおよびクラスタを起動する場合は、『Oracle WebLogic Scripting Tool』のノード・マネージャを使用した管理対象サーバーおよびクラスタの起動を参照してください。WebLogic Serverクラスタの詳細は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの使い方』の「WebLogicクラスタの設定」を参照してください。
weblogic.Server
クラスは、WebLogic Serverインスタンスのメイン・クラスです。Javaコマンドでweblogic.Server
を直接呼び出すことで、サーバー・インスタンスを起動します。『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』のweblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンスに関する項およびweblogic.Serverコマンド・ラインを使用したサーバー・インスタンスの起動を参照してください。
通常、管理対象サーバーは起動時に管理サーバーにアクセスしてその構成情報を取得します。起動時に管理サーバーにアクセスできない場合、管理対象サーバーはローカルにキャッシュされた構成データをconfig
ディレクトリから読み込むことで構成を取得できます。
注意: 管理対象サーバー・インスタンスを初めて起動するときには、管理サーバーにアクセスできなくてはなりません。それ以後は、管理サーバーが使用できない場合でも管理対象サーバー・インスタンスを起動できます。 |
管理サーバーにアクセスできない場合の管理対象サーバーの起動の詳細は、「管理サーバーにアクセスできない場合の管理対象サーバーの起動」を参照してください。
通常、WebLogic Serverインスタンスの起動時には、EJB、JMS、コネクタ、クラスタリング、デプロイメント、管理などすべてのサービスが起動します。ただし、WebLogic Serverに備わっている起動オプションを使用した場合には、これらのサービスの一部を起動対象から除外して、ランタイム範囲を軽量化できます。この起動モードを使用すると、WebLogic Serverの起動時間が短くなり、ホスト・マシンのリソース範囲が小さくなります。
WebLogic Serverインスタンスで起動対象とするサービス群は、サーバー・タイプ・オプションを取るServer Type起動コマンドで定義します。このリリースには、次の2種類のサーバー・タイプ・オプションがあります。
wls
—すべてのサービスを起動(デフォルト)
wlx
—次に示すサービス以外のサービスを起動
Enterprise JavaBeans (EJB)
Java EEコネクタ・アーキテクチャ(JCA)
Java Message Service (JMS)
WebLogic Serverインスタンスでこれらのサービスを使用する必要がない場合、軽量化ランタイムを実行するとパフォーマンスが大幅に向上する可能性があります。
軽量化ランタイム・インスタンスは、いずれのWebLogicドメインでも実行できます。WebLogicドメインで、このサーバー・タイプをサポートするために構成設定を追加する必要はありません。ただし、JMSやメッセージング・ブリッジ・リソース、およびEJBやリソース・アダプタを含むアプリケーションは、wlx
サーバー・タイプ・オプションを指定して起動したサーバーにはデプロイできません。
軽量化ランタイム・インスタンスを起動するには、次のweblogic.Server
コマンド・オプションを指定します。
-DserverType="wlx"
-DserverType="wlx"
オプションは、WebLogic Serverを起動するための次のいずれの方法で使用できます。
コマンド・ラインで直接起動。「java weblogic.Serverコマンドによる管理サーバーの起動」や「java weblogic.Serverコマンドによる管理対象サーバーの起動」を参照してください。
サーバー起動スクリプトで起動。「起動スクリプトによる管理サーバーの起動」や「起動スクリプトによる管理対象サーバーの起動」を参照してください。
WLSTで起動。『Oracle WebLogic Scripting Tool』のサーバーのライフ・サイクルの管理を参照してください。
ノード・マネージャで起動。『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』を参照してください。
weblogic.Server
コマンドを使用したドメインの作成時。『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』のweblogic.Serverコマンド・ラインを使用したドメインの作成を参照してください。
WebLogic Serverの軽量化ランタイム・インスタンスに関しては、次のような制限事項があります。
WebLogic Serverには、内部的にEJBサービスを使用するサービスがいくつか存在します。軽量化ランタイム・インスタンスを起動すると、次のようないくつかの機能が使用できなくなります。
管理EJB群
これらのEJB群はJSR-77をサポートするために使用されるものです。このEJBサービスが無効になると、JSR-77もサポートされなくなります。ただし、これ以外の管理APIはすべて使用可能なままとなります。
WebLogic Server 9.0または9.1のリモート・デプロイヤ
リモート・デプロイヤEJBは、WebLogic Server 9.0および9.1のweblogic.Deployer
ユーティリティでのみ、-remote
オプションの指定時に使用されます。weblogic.Deployer
ユーティリティの-remote
オプションは、バージョン9.2以降のリリースで引き続き使用できます。
管理サーバーを軽量化ランタイム・インスタンスとして起動した場合、管理コンソールにはJMS、EJB、およびリソース・アダプタへのリンクは表示されません。これによって、管理サーバーのサーバー・タイプを視覚的に識別できます。ただし、管理サーバーをデフォルトのサーバー・タイプとして起動した場合(つまりwlx
サーバー・タイプ・オプションで起動していない場合)には、管理コンソールでもドメイン内で実行されている軽量化管理対象サーバー・インスタンスが識別されません。
WebLogic Serverインスタンスを起動および停止するには、ドメインのサーバーの起動および停止を許可されているユーザーの資格証明を指定する必要があります。ユーザーの資格証明、ロール、および許可の詳細は、『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』のユーザー、グループおよびセキュリティ・ロールに関する項を参照してください。
表2-1に、WebLogic Serverインスタンスの起動時にユーザー資格証明を指定する方法を示します。
表2-1 ユーザー資格証明の指定
指定方法 | サーバー・インスタンスの動作 |
---|---|
コマンド・ラインでユーザー名とパスワードを指定します。 |
それらが使用され、いずれの資格証明も要求されません。 |
|
それらが使用され、いずれの資格証明も要求されません。 |
コマンド・ラインでユーザー名もパスワードも指定しません。 |
|
コマンド・ラインでユーザー名を指定し、パスワードは指定しません。 |
|
コマンド・ラインでパスワードを指定し、ユーザー名は指定しません。 |
|
次の項では、次に示すタスクについて説明します。
ドメインを作成するときには、構成ウィザードによって、初期管理ユーザーのユーザー名とパスワードの指定が求められます。構成ウィザードは、この情報を基に次の処理を行います。
ユーザーをAdministratorsセキュリティ・グループに割り当てます。
Administratorsグループには、WebLogic Serverの起動と管理について最高レベルの権限が付与されます。管理者権限の詳細は、『Oracle Weblogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』のユーザー、グループおよびセキュリティ・ロールに関する項を参照してください。
ユーザーをmyrealm
セキュリティ・レルムに追加します。
セキュリティ・レルムは、ユーザー名を認証したり、ユーザーがアクセスできるリソースの種類を指定したり、WebLogicリソースの他のセキュリティ関連サービスを提供したりするコンポーネント(プロバイダ)の集合です。WebLogic Serverはmyrealm
セキュリティ・レルムをインストールして、それをデフォルトで使用します。
管理コンソールでは、ユーザーをセキュリティ・レルムに追加できます。WebLogic Serverのインストールしたもの以外の認証プロバイダを使用する場合は、そのプロバイダの管理ツールを使用して管理者権限を持つユーザーを少なくとも1つ作成する必要があります。
開発モードでドメインを作成すると、ウィザードによって、管理サーバーのルート・ディレクトリにあるsecurity
ディレクトリに起動IDファイルが作成されます。起動IDファイルには、ユーザー名とパスワードの暗号化バージョンが格納されています。これにより、以後サーバーをインスタンス化するときにはログイン・プロンプトが回避されます。「起動IDファイル」を参照してください。
本番モードのドメインでは、サーバーの起動時にコマンド・ラインでユーザー資格証明を入力するように求められます。
起動IDファイルは、WebLogic Serverのインスタンスの起動および停止に関するユーザーの資格証明を格納するテキスト・ファイルです。管理サーバーは、ユーザーに資格証明の提示を求めずに、このファイルを参照してユーザーの資格証明情報を取得できます。起動IDファイルでは資格証明が暗号化されているので、起動スクリプトまたは停止スクリプトに暗号化されていない資格証明を格納するより、起動IDファイルを使用した方が安全性は確保されます。起動IDファイルがない場合は、サーバーの起動時にユーザー名とパスワードの入力が求められます。
java weblogic.Server
コマンドを呼び出すスクリプトで管理対象サーバーを起動する場合や、直接java weblogic.Server
コマンドを呼び出す場合、管理対象サーバーからでも起動IDファイルを参照することができます。管理対象サーバーと管理サーバーが同じルート・ディレクトリを使用する場合、管理対象サーバーから管理サーバーのboot.properties
ファイルを参照できます。管理対象サーバーのsecurity
ディレクトリに有効なboot.properties
ファイルがある場合は、その起動プロセスでデフォルトでこのファイルが使用されます。boot.properties
ファイルは、ドメイン内のサーバー・インスタンスごとに異なったものにできます。
ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動すると、サーバーの起動に使用された資格証明がノード・マネージャによって暗号化され、自動再起動に使用するサーバー固有のboot.properties
ファイルに保存されます。このファイルは、DOMAIN_NAME
/servers/
SERVER_NAME
/data/nodemanager
にあります。DOMAIN_NAME
はドメインを配置したディレクトリの名前であり、SERVER_NAME
はサーバーの名前です。詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』のノード・マネージャの構成ファイルとログ・ファイルを参照してください。
次の項では、起動IDファイルの使い方について説明します。
構成ウィザードを使用して開発モードでドメインを作成すると、暗号化された起動IDファイルが管理サーバーのルート・ディレクトリにあるsecurity
ディレクトリに作成されます。ドメイン・ディレクトリ・ファイルの詳細は、Oracle WebLogic Serverドメイン構成についてのガイドのドメイン・ディレクトリの内容を参照してください。
管理サーバーの起動IDファイルが未作成の場合や、ユーザー名とパスワードのプロンプトを回避する場合は、次の手順で起動IDファイルを作成します。
管理サーバーを少なくとも1回起動し、コマンド・ラインでユーザーの資格証明を指定します。
管理サーバーの初回の起動プロセスでは、サーバーが起動IDファイルを使用できるよう事前に用意されていなければならないセキュリティ・ファイルが生成されます。
以下の2行をテキスト・ファイルに挿入します。
username=username password=password
ユーザー名とパスワードの値はデフォルト・セキュリティ・レルムの認可プロバイダの既存のユーザー・アカウントと一致し、サーバーを起動および停止する許可を持つロールに属している必要があります。ロールおよび許可の詳細は、『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』のユーザー、グループおよびセキュリティ・ロールに関する項を参照してください。
ファイルを保存します。
ファイルをboot.properties
としてサーバーのルート・ディレクトリにあるsecurity
ディレクトリに保存すると、サーバーはそれ以降の起動サイクルで自動的にこのファイルを使用します。詳細は、「サーバー起動時に起動IDファイルが使用される仕組み」を参照してください。
このファイルを使用して初めてサーバーを起動すると、サーバーはファイルを読み込み、ユーザー名とパスワードの暗号化バージョンでこのファイルを上書きします。
注意: この手法を使用するのは、コマンド・ラインからjava weblogic.Server コマンドを呼び出す場合のみとしてください。管理サーバーの起動にスクリプトを使用する場合は、次の理由により、この項で説明する手法を使用しないことをお薦めします。
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前の項「管理サーバーの起動IDファイルの作成」の手順を実行する代わりに、コマンド・ラインで直接weblogic.Server
クラスを呼び出し、Javaコマンドに次のオプションを含めることで起動IDファイルを作成できます。
-Dweblogic.management.username=username -Dweblogic.management.password=password -Dweblogic.system.StoreBootIdentity=true
これらのオプションにより、サーバー・インスタンスは指定されたユーザーの資格証明で起動し、その後それらはboot.properties
という名前のファイルに格納されます。
たとえば、次のコマンドはmyAdminServerという名前の管理サーバーを起動して、起動IDファイルを作成します。
java -Dweblogic.management.username=weblogic -Dweblogic.management.password=welcome1 -Dweblogic.system.StoreBootIdentity=true -Dweblogic.Name=myAdminServer weblogic.Server
コマンド・ラインから直接weblogic.Server
クラスを呼び出すには、『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』のweblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンスを参照してください。
管理対象サーバーが管理サーバーと同じルート・ディレクトリを使用する場合、管理サーバーと同じboot propertiesファイルを使用できます。ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動する場合は、起動IDファイルを作成する必要はありません。詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』のノード・マネージャの構成ファイルとログ・ファイルを参照してください。
管理対象サーバー・インスタンスの起動IDファイルを作成するには:
ドメインの管理サーバーを起動して、必要なセキュリティ・ファイルが管理サーバーのドメイン・ディレクトリおよびルート・ディレクトリのsecurity
ディレクトリにあることを確認します。ファイルがない場合は、管理サーバーによって生成されます。
ドメイン・ディレクトリ・ファイルの詳細は、『Oracle Weblogic Serverドメインの構成について』のドメイン構成ファイルに関する項を参照してください。
以下の2行をテキスト・ファイルに挿入します。
username=username password=password
ユーザー名とパスワードの値はデフォルト・セキュリティ・レルムの認可プロバイダの既存のユーザー・アカウントと一致し、サーバーを起動する許可を持つロールに属している必要があります。ロールおよび許可の詳細は、『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』のユーザー、グループおよびセキュリティ・ロールに関する項を参照してください。
ファイルを保存します。
ファイルをboot.properties
としてサーバーのルート・ディレクトリにあるsecurity
ディレクトリに保存すると、サーバーはそれ以降の起動サイクルで自動的にこのファイルを使用します。詳細は、「サーバー起動時に起動IDファイルが使用される仕組み」を参照してください。
起動IDファイルを作成する、ドメイン内の管理対象サーバーごとに、ステップ2と3を繰り返します。
このファイルを使用して初めてサーバーを起動すると、サーバーはファイルを読み込み、ユーザー名とパスワードの暗号化バージョンでこのファイルを上書きします。
サーバー・インスタンスは、その起動プロセスで次のように起動IDファイルを使用します。
サーバーのsecurity
ディレクトリに有効なboot.properties
ファイルがある場合、その起動プロセスでこのファイルがデフォルトで使用されます。サーバーのルート・ディレクトリの詳細は、『Oracle WebLogic Serverドメインの構成について』のサーバーのルート・ディレクトリを参照してください。
別のファイルを指定する場合は(またはサーバーのsecurity
ディレクトリに起動IDファイルを格納しない場合は)、サーバーのweblogic.Server
起動コマンドで次の引数を指定できます。
-Dweblogic.system.BootIdentityFile=
filename
filename
は、有効な起動IDファイルの完全修飾パス名。
startWebLogic
スクリプトでこの引数を指定するには、-Dweblogic.system.BootIdentityFile
をJAVA_OPTIONS
変数の値として追加します。例:
set JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.system.BootIdentityFile=C:\Oracle\user_domains\mydomain\myidentity.prop
サーバー・インスタンスの起動サイクルで起動IDファイルを使用しない場合は、サーバーのweblogic.Server
起動コマンドで以下のオプションを指定します。
-Dweblogic.management.username=
username
-Dweblogic.management.password=
password
これらのオプションにより、サーバー・インスタンスは、起動IDファイルをすべて無視し、起動サイクルで起動IDファイルをサーバーで使用するようにする、その他の起動オプションをオーバーライドします。
注意: サーバー・インスタンスの起動にスクリプトを使用する場合は、起動スクリプト内に暗号化されていないパスワードを格納することが必要となるため、この手法を使用しないことをお薦めします。コマンドラインから直接weblogic.Server クラスを呼び出す場合のみ、この手法を使用します。詳細は、『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』のweblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンスに関する項を参照してください。 |
起動サイクルでサーバーの起動IDファイルにアクセスできない場合、サーバーはコマンド・シェルでユーザー名とパスワードのプロンプトを表示し、メッセージをログ・ファイルに書き込みます。
特定のサーバー・インスタンスでは、そのインスタンスが作成した起動IDファイルのみを使用します。WebLogic Serverでは、サーバー・ルート・ディレクトリ間での起動IDファイルのコピーはサポートされていません。
たとえば、ServerAを使用して起動IDファイルを生成した場合、その起動IDファイルはServerAでのみ使用します。ServerAの起動IDファイルをServerBのsecurity
ディレクトリにコピーしないでください。代わりに、「管理サーバーの起動IDファイルの作成」または「管理対象サーバーの起動IDファイルの作成」で説明したようにServerBの起動IDファイルを作成します。
サーバーの起動後に起動IDファイルを削除する場合は、サーバーのweblogic.Server
起動コマンドで次の引数を指定できます。
-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
この引数は、サーバーが起動に使用したファイルのみ削除します。たとえば、-Dweblogic.system.BootIdentityFile=c:\secure\boot.MyServer
を指定した場合は、サーバーのルート・ディレクトリにboot.properties
というファイルがあっても、boot.MyServer
のみが削除されます。別のコマンド・シェルを開き、各管理対象サーバーのweblogic.Server
起動コマンドで-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
引数を指定して、起動IDファイルを削除します。
startWebLogic
スクリプトでこの引数を指定するには、-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
をJAVA_OPTIONS
変数の値として追加します。例:
set JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
WebLogic Serverサンプル・コンポーネントをインストールした場合、デフォルトのユーザーweblogic
が作成されます。このユーザーにはWebLogic Serverを起動および停止する許可があります。デフォルトのパスワードはwelcome1
です。ユーザーweblogic
のパスワードを変更しても、boot.properties
ファイル内にあるこのパスワードが自動的に更新されることはありません。このファイルはDOMAIN_NAME
/servers/AdminServer/security
ディレクトリにあります。
ユーザーweblogic
のパスワードを更新すると、ユーザー名とその新しいパスワードを使用してWebLogic Serverインスタンスの起動を続行できるように、次のいずれかの方法が使用できます。
boot.properties
ファイルを削除します。以後、WebLogic Serverを起動するたびに、ユーザー名とパスワードの入力を求められます。受け入れられるのは、ユーザーweblogic
の変更後のパスワードです。
既存のboot.properties
ファイルを変更します。ユーザー名とパスワードを次のように変更します。
username=weblogic password=welcome1
以後、サーバーの起動プロセスでは、boot.properties
ファイルが再び暗号化されます。
警告: 本番マシンには、WebLogic Server Examplesをインストールしないでください。本番マシンにサンプル・ソフトウェアやその他の開発ツールを格納しないようにすると、それらを利用する侵入者がWebLogic Serverの本番マシンへの部分的なアクセス権を持つおそれを減らせます。 |
ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動する場合は、管理コンソールにある「構成」>「サーバーの起動」ページでユーザーの資格証明を指定する必要があります。これらの資格証明を指定しないと、ノード・マネージャはサーバーを起動しようとした時に例外をスローします。
管理コンソールまたは構成ウィザードを使用して管理対象サーバーを作成する場合、WebLogic Serverはサーバーの「構成」>サーバーの起動ページにユーザー資格証明を追加します。他のWebLogic Serverユーザー・アカウントでサーバー・インスタンスを実行する場合は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの「管理対象サーバーの起動引数を構成」を参照してください。
次の項では、その他の起動タスクについて説明します。
JavaクラスをWebLogic Serverでグローバルに使用可能にするには、2つの方法があります。
$DOMAIN_DIR/lib
環境変数を設定します。
-Dweblogic.ext.dirs
起動オプションを指定します。
いずれかまたは両方の方法を指定できます。両方とも指定する場合は、起動オプションで定義されたクラスの方が優先されます。
いずれの場合も、クラスは.jar
ファイルにパッケージ化されている必要があります。
java weblogic.Server
コマンドを呼び出すスクリプトから管理対象サーバーを起動する場合や、java weblogic.Server
コマンドを直接呼び出す場合は、管理サーバーの適切なリスニング・アドレスが指定されていることを確認する必要があります。管理対象サーバーは、このアドレスを使用して管理サーバーから構成情報を取得します。
次の形式でリスニング・アドレスを指定します。
[protocol://]Admin-host:port
protocol
には、以下のいずれかを指定します。
t3
t3s
http
https
ドメイン全体の管理ポートを使用する場合は、T3S
またはHTTPS
プロトコルを指定する必要があります。値を指定しない場合は、T3
が使用されます。
注意: 使用するプロトコルに関係なく、管理対象サーバーの構成の最初のダウンロードはHTTP またはHTTPS で行われます。RMIサブシステムが初期化されると、サーバー・インスタンスでT3 またはT3S プロトコルを使用できるようになります。 |
Admin-host
には、以下のいずれかを指定します。
localhost
.
管理サーバーと同じコンピュータで管理対象サーバーを起動する場合のみ有効です。
管理サーバーをホストしているコンピュータのDNS名
複数のIPアドレスにマップする管理サーバーのDNS名の構成は、異なるIPアドレスで再起動した上の管理サーバーに再接続しようとする管理対象サーバーに対して特に役立ちます。詳細は、『管理対象サーバーと再起動された管理サーバー』を参照してください。
マルチサーバー・ドメインのデモ用証明書を使用する場合は、完全修飾DNS名を指定すると管理対象サーバー・インスタンスの起動が失敗します。この制限および推奨手法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverの保護』のCertGen使用に関する制限を参照してください。
管理サーバーをホストしているコンピュータのIPアドレス
次のセキュリティ上の問題があるため、本番環境ではAdmin-host
にIPアドレスを使用しないことをお薦めします。
SSLポートを通じて管理サーバーに接続するために、管理対象サーバーは管理サーバーのホスト名がURLで指定されたホスト名と一致することを検証します。ホスト名の検証が有効になっている場合で、IPアドレスを指定すると、数値の並びであるIPアドレスが文字の並びであるホスト名と一致しないため接続は失敗します。
セキュリティがそれほど重要でない開発環境では、IPアドレスを指定するSSL接続が成功するように管理対象サーバーでホスト名検証を無効にできます。『Oracle WebLogic Serverの保護』のホスト名検証の使い方を参照してください。
管理サーバーが他のリスニング・アドレスを使用するように構成されている場合は、その構成されているリスニング・アドレスを指定する必要があります。
port
には、以下のいずれかを指定します。
ドメイン全体の管理ポート
構成された管理ポートは、ドメインの各管理対象サーバーで、ドメインの管理サーバーとの通信用に排他的に使用されます。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの「ドメイン全体の管理ポートの構成」を参照してください。
ドメイン全体の管理ポートが有効になっている場合は、このポートを指定する必要があります。このポートを使用するには、T3SまたはHTTPSプロトコルを指定する必要があります。
管理サーバーのデフォルト・ネットワーク構成の非SSLリスニング・ポート(デフォルトは7001
)
管理サーバーでこのリスニング・ポートが無効になっている場合は、このリストで説明されている他のリスニング・ポートのいずれかを使用する必要があります。このポートを使用するには、T3またはHTTPプロトコルを指定する必要があります。
管理サーバーのデフォルト・ネットワーク構成のSSLリスニング・ポート(デフォルトは7002
)。
管理サーバーでこのリスニング・ポートが無効になっている場合は、このリストで説明されている他のリスニング・ポートのいずれかを使用する必要があります。このポートを使用するには、T3SまたはHTTPSプロトコルを指定する必要があります。
任意指定のカスタム・ネットワーク・チャネルと関連付けられたポート番号
ポートがSSLでセキュリティ設定されている場合は、T3SまたはHTTPSプロトコルを指定する必要があります。
管理サーバーのホストIPアドレス、ホスト名、およびデフォルト・リスニング・ポートを確認するには、シェル(コマンド・プロンプト)で管理サーバーを起動します。サーバーの起動サイクルが正常に終了すると、次のようなメッセージが他のメッセージと一緒に標準出力に出力されます。
<Nov 5, 2004 12:16:04 PM EST> <Notice> <Server> <BEA-002613> <Channel "DefaultSecure[2]" is now listening on 127.0.0.1:7012 for protocols iiops, t3s, ldaps, https.> ... <Nov 5, 2004 12:16:04 PM EST> <Notice> <WebLogicServer> <BEA-000331> <Started WebLogic Admin Server "MedRecServer" for domain "medrec" running in Development Mode>
SSLの有効化については、Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの「SSLの設定」を参照してください。ネットワーク・チャネルの詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の構成』のネットワーク・チャネルに関する項を参照してください。
Javaオプションを使用すると、WebLogic Serverインスタンスを実行するJVMの動作パラメータを構成できます。たとえば、Javaオプションを使用してJRockit JVMのパフォーマンスとモニター機能を調整できます。
Javaオプションでは、サーバーの構成を一時的にオーバーライドすることもできます。Javaオプションは、サーバーの現在のインスタンスのみに適用されます。それらはドメインのconfig.xml
ファイルに保存されず、管理コンソールでは表示されません。たとえば、サーバーがポート7201でリスニングするよう構成されている場合に、Javaオプションを使用してポート7555でリスニングするようにサーバーを起動できます。その場合も、管理コンソールではサーバーがポート7201でリスニングするよう構成されていることが示されます。サーバーを次に起動するときにJavaオプションを使用しないと、そのサーバーはポート7201でリスニングします。
WebLogic Serverスクリプトを使用してサーバーを起動する場合、次の手順に従います。ノード・マネージャを使用してサーバーを起動する場合、Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの「ノード・マネージャによって起動されたサーバーのJavaオプションの設定」を参照してください。
WebLogic Server起動スクリプトのバックアップ・コピーを作成します。
管理サーバーを起動するスクリプトの場合は、DOMAIN_NAME
\bin\startWebLogic.cmd
(UNIXの場合はstartWebLogic.sh
)をバックアップします。
管理対象サーバーを起動するスクリプトの場合は、DOMAIN_NAME
\bin\startManagedWebLogic.cmd
(UNIXの場合はstartManagedWebLogic.sh
)をバックアップします。
DOMAIN_NAME
は、ドメインを配置したディレクトリの名前です。デフォルトでは、このディレクトリはMW_HOME
\user_projects\domains\
DOMAIN_NAME
です。
テキスト・エディタで起動スクリプトをオープンします。
set JAVA_OPTIONS
コマンドを編集して、Javaオプションを指定します。複数のオプションを指定する場合は、各オプションをスペースで区切り、オプション全体を引用符で囲みます。例:
set JAVA_OPTIONS="-Xgc:gencopy -Xns:30"
詳細は、次を参照してください:
WebLogic Serverインスタンスの実行時の動作を設定するJavaオプションの詳細は、「weblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンス」を参照
JRockit仮想マシンでサポートされるJavaオプションの詳細は、「Oracle JRockit JDKドキュメント」ページを参照
他のJVMがサポートするJavaオプションについては、そのJVMベンダーが提供するドキュメントを参照
起動スクリプトを保存します。
サーバーを起動します。
ドメインを作成するときに、その構成のカスタマイズを選択すると、WebLogic ServerがインストールしたSDKのリストが構成ウィザードに表示されます。そのリストからドメインを実行するJVMを選択し、ウィザードはその選択に基づいてOracle起動スクリプトを構成します。
ドメインを作成した後で、使用するJVMを変更する場合は、次のようにしてスクリプトを変更できます。
JAVA_HOME
変数の値を変更します。
使用するSDKの最上位ディレクトリのフルパスを指定します。例: c:\Oracle\Middleware\jrockit_160_05_R27.6.1-25
WindowsまたはLinuxプラットフォームでは、以下のJVMの使用をお薦めします。
開発モードの場合は、HotSpot Client JVMが付属したSun SDK。
本番モードの場合は、Oracle JRockit SDK。このSDKでは最大限の動作パフォーマンスが得られますが、初期の起動サイクルにかかる時間が他のSDKより長い場合があります。
JAVA_VENDOR
変数の値を変更します。
SDKのベンダーを指定します。有効な値は、実行しているプラットフォームによって異なります。詳細は、次のURLで、WebLogic Platformでサポートされる構成のページを参照してください。http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html
例:
Oracle
は、JRockit SDKを使用していることを示します。これは、JRockitをサポートするプラットフォームでのみ有効です。
Sun
は、Sun SDKを使用していることを示します。
HP
およびIBM
は、Hewlett PackardまたはIBMが提供するSDKを使用していることを示します。これらの値は、HPまたはIBMのSDKをサポートするプラットフォームでのみ有効です。
実行中のサーバーをすべて再起動します。
起動/停止(SU/SD)クラスとは、アプリケーションにシステム全体に渡るカスタム・サービスを提供するために作成するJavaプログラムです。このクラスをWebLogic Serverクラスパスに追加し、サーバーの起動または停止時にロードして実行するように構成します。各クラスを1つ以上の専用サーバーにデプロイする必要があります。
デフォルトでは、起動クラスは、他のすべてのサーバーのサブシステムが初期化され、サーバーがモジュールをデプロイした後にロードされて実行されます。『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の起動クラスの実行およびデプロイメントの順序付けに関する項を参照してください。停止クラスは、サーバーを正常にシャットダウンするときにロードされて実行されます。
WebLogic Server 9.0は、SU/SDクラスに対する新しくシンプルなPOJOベース・アプローチを導入しました。このアプローチでは、SU/SDクラスにはstatic main(String args[])
メソッドがあることだけが求められます。このメソッドは、クラスのインスタンスを作成した後にサーバーが呼び出します。SU/SDクラスに構成する引数は、String args []
パラメータによって渡されます。
POJOベースのSU/SDクラスは、以前のバージョンと同じデプロイメントおよび構成手順を実行します。クラスをサーバーのクラスパスで使用可能にする必要があります。SU/SDクラスは管理コンソールを使用して構成され、最終的にはconfig.xml
にエントリとして保存されます。
詳細は、『Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプ』の例2-1、例2-2、およびカスタム・クラスを使用したサーバーの構成に関する項を参照してください。
例2-1 起動クラス
package sab.demo.utils; public class StartupMain { /** * @param args */ public static void main(String[] args) { log(StartupMain.class.getName() + "::main"); log("Arguments::"); for(int i=0;args!=null && i<args.length;i++) { log(" arg[" + i + "]: " + args[i]); } } private static void log(String msg) { System.out.printf(" --> [SAB]: %s\n", msg); } }
例2-2 config.xml
<startup-class> <name>StartupMain</name> <target>AdminServer</target> <deployment-order>1000</deployment-order> <class-name>sab.demo.utils.StartupMain</class-name> <arguments>arg1 arg2 arg3</arguments> <failure-is-fatal>false</failure-is-fatal> <load-before-app-deployments>false</load-before-app-deployments> <load-before-app-activation>true</load-before-app-activation> </startup-class>
管理コンソールを使用してWebLogic Serverインスタンスを停止することをお薦めします。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの「サーバー・インスタンスの停止」、「正常な停止の制御」および「クラスタのサーバーを停止」を参照してください。
Windowsでは、「スタート」メニューから構成ウィザードを使用して作成した管理サーバーを停止できます。
WebLogic Serverが提供する構成ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン・ディレクトリのbin
ディレクトリに、管理サーバーを停止するためのstopWebLogic
という名前の停止スクリプトと、管理対象サーバーを停止するためのstopManagedWebLogic
という名前の停止スクリプトが作成されます。これらのスクリプトを使用するには、SERVER_NAME
、ADMIN_URL
、USERID
、およびPASSWORD
を環境変数として設定するか、またはそれらをコマンド・ラインで指定する必要があります。stopWebLogic
スクリプトの使用時にSERVER_NAME
が指定されていない場合、デフォルトでは管理サーバー名が使用されます。
管理サーバーの場合のスクリプトの呼出しは次のとおりです。
DOMAIN_NAME
\bin\stopWeblogic.cmd
username
password
admin_url
(Windows)
DOMAIN_NAME
/bin/stopWeblogic.sh
username
password
admin_url
(UNIX)
管理対象サーバーの場合のスクリプトの呼出しは次のとおりです。
DOMAIN_NAME
\bin\stopManagedWeblogic.cmd
managed_server_name
admin_url
username
password
(Windows)
DOMAIN_NAME
/bin/stopManagedWeblogic.sh
managed_server_name
admin_url
username
password
(UNIX)
注意: コマンド・ラインでは、上記の順序でパラメータを指定します。ユーザー資格証明は、stopWebLogic.cmd ではADMIN_URL の前に、stopManagedWebLogic.cmd ではADMIN_URL の後に指定します。 |
各WebLogic Serverインスタンスは、それ専用のJVMで動作します。上記の項で説明した方法でサーバー・インスタンスを停止できない場合は、オペレーティング・システム・コマンドを使用してJVMを強制停止できます。
警告: JVMを強制停止すると、サーバーは直ちにすべての処理を終了します。セッション・データはすべて失われます。サーバーがconfig.xml ファイルへの書込みを行っている間に管理サーバーのJVMを強制停止すると、config.xml ファイルが破損するおそれがあります。 |
JVMを強制停止する一般的な方法のいくつかを次に示します:
サーバーを起動したシェル(コマンド・プロンプト)がまだ開いている場合は、[Ctrl]+[C]
を押します。
Windowsコンピュータでは、タスク・マネージャを使用してJVMを強制停止できます。
UNIXコンピュータでは、ps
コマンドを使用してすべての実行中のプロセスをリストで表示できます。続いて、kill
コマンドを使用してJVMを強制停止できます。