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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Scripting Tool
11g リリース1(10.3.5)
B61621-03
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4 サーバーのライフサイクルの管理

存続期間中、サーバーは停止、起動、スタンバイ、管理、再開中、実行中など、複数の動作状態を遷移できます。サーバーのライフサイクルの詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の「サーバーのライフサイクルについて」を参照してください。

以下の節では、WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して、サーバーのライフサイクルを管理およびモニターする方法について説明します。

サーバー・インスタンスを起動および停止するその他の方法については、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の「サーバーの起動と停止」を参照してください。

WLSTとノード・マネージャを使用したサーバー管理

ノード・マネージャは、単一のWLSTセッションおよび単一のネットワーク接続を介して複数のサーバーのライフサイクルを制御できるユーティリティです(障害発生後にサーバーを自動的に再起動することもできます)。ノード・マネージャの詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』を参照してください。

WLSTでは、ノード・マネージャに関して次のことを実行できます。

図4-1 マシン上のサーバーの起動

図4-1の説明が続きます
「図4-1 マシン上のサーバーの起動」の説明

ノード・マネージャ・プロセスは、特定のWebLogicドメインではなく、マシンに関連付けられます。サーバー・インスタンスがノード・マネージャ・プロセスと同じマシン上に存在しているかぎり、同じノード・マネージャ・プロセスを使用して任意のWebLogicドメインのサーバー・インスタンスを制御できます。

ノード・マネージャ・クライアントとして動作しているときにWLSTで使用可能なコマンドについては、WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのノード・マネージャ・コマンドに関する項を参照してください。

図4-2 WebLogicドメイン内のサーバーの起動

図4-2の説明が続きます
「図4-2 WebLogicドメイン内のサーバーの起動」の説明

このケースでは、WLSTが管理サーバーのクライアントで、管理サーバーでは1つまたは複数のノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動しています。

管理サーバー・クライアントとして動作しているときにWLSTで使用可能なライフサイクル・コマンドについては、WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのライフサイクル・コマンドに関する項を参照してください。

ノード・マネージャを使用したマシン上のサーバーの起動

WLSTでは、任意のマシン上で実行されているノード・マネージャに接続でき、そのマシン上の1つまたは複数のWebLogic Serverインスタンスを起動できます。この方法を使用してWLSTおよびノード・マネージャでサーバー・インスタンスを起動するために、WebLogicドメインの管理サーバーが実行されている必要はありません。

WLSTをノード・マネージャに接続し、サーバーを起動するには:

  1. サーバーを起動するようにノード・マネージャを構成します。

    『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』の「ノード・マネージャの一般的な構成」を参照してください。

  2. WLSTを起動します。

  3. ノード・マネージャを起動します。

    通常はノード・マネージャの構成において、ホスト・コンピュータの起動時にノード・マネージャを自動的に起動するWindowsサービスまたはデーモンを作成します。『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』の「サービスとしてのノード・マネージャの実行」を参照してください。

    ノード・マネージャがまだ起動していない場合、ホスト・コンピュータにログオンし、WLSTを使用して起動できます。

    wls:/offline> startNodeManager() 
    

    startNodeManagerの詳細は、WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのstartNodeManagerに関する項を参照してください。

  4. nmConnectコマンドを入力して、WLSTをノード・マネージャに接続します。

    wls:/offline>nmConnect('username','password','nmHost','nmPort', 
    'domainName','domainDir','nmType')
    

    次に例を示します。

    nmConnect('weblogic', 'welcome1', 'localhost', '5556',
    'mydomain','c:/bea/user_projects/domains/mydomain','SSL')
    Connecting to Node Manager ...
    Successfully connected to Node Manager.
    wls:/nm/mydomain>
    

    nmConnectコマンド引数の詳細は、WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのnmConnectに関する項を参照してください。

  5. nmStartコマンドを使用して、サーバーを起動します。

    wls:/nm/mydomain>nmStart('AdminServer') 
    starting server AdminServer
    ...
    Server AdminServer started successfully
    wls:/nm/mydomain>
    
  6. nmServerStatusコマンドを入力して、管理サーバーのステータスをモニターします。

    wls:/nm/mydomain>nmServerStatus('serverName') 
    RUNNING 
    wls:/nm/mydomain>
    
  7. nmKillコマンドを入力して、サーバーを停止します。

    wls:/nm/mydomain>nmKill('serverName') 
    Killing server AdminServer
    Server AdminServer killed successfully
    wls:/nm/mydomain>
    

WLSTノード・マネージャのコマンドの詳細は、WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのノード・マネージャのコマンドに関する項を参照してください。

ノード・マネージャを使用したWebLogicドメインまたはクラスタの管理対象サーバーの起動

ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーおよびクラスタを起動するには:

  1. サーバーを起動するようにノード・マネージャを構成します。

    『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』の「ノード・マネージャの一般的な構成」を参照してください。

  2. WLSTを起動します。

  3. ノード・マネージャを起動します。

    通常はノード・マネージャの構成において、ホスト・コンピュータの起動時にノード・マネージャを自動的に起動するWindowsサービスまたはデーモンを作成します。『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』の「サービスとしてのノード・マネージャの実行」を参照してください。

    ノード・マネージャがまだ起動していない場合、ホスト・コンピュータにログオンし、WLSTを使用して起動できます。

    wls:/offline> startNodeManager() 
    

    startNodeManagerの詳細は、WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのstartNodeManagerに関する項を参照してください。

  4. 管理サーバーを起動します。

  5. connectコマンドを使用して管理サーバー・インスタンスにWLSTを接続します。

    wls:/(offline)> connect('username','password') 
    
    Connecting to weblogic server instance running at t3://localhost:7001 as 
    username weblogic ...
    Successfully connected to Admin Server 'myserver' that belongs to domain 
    'mydomain'.
    Warning: An insecure protocol was used to connect to the server.
    To ensure on-the-wire security, the SSL port or Admin port should be used 
    instead.
    
    wls:/mydomain/serverConfig>
    

    connectコマンド引数の詳細は、WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのconnectに関する項を参照してください。

  6. 以下のいずれかを行います。

    • 管理対象サーバーを起動するには次のコマンドを入力します - ここで、managedServerNameはサーバー名を示します。

      start('managedServerName','Server')

    • クラスタを起動するには次のコマンドを入力します - ここで、 clusterNameはクラスタ名を示します。

      start('clusterName','Cluster')

    詳細は、WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのstartに関する項を参照してください。

ノード・マネージャを使用しないサーバーの起動および管理

以下の節では、ノード・マネージャを使用せずにサーバーを起動し、サーバー状態を管理する方法について説明します。

ノード・マネージャを使用しないと、WLSTでは管理対象サーバーを起動できません。サーバー・インスタンスを起動および停止するその他の方法については、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の「サーバーの起動と停止」を参照してください。

ノード・マネージャを使用しない管理サーバーの起動

ノード・マネージャを使用せずに管理サーバーを起動するには:

  1. まだドメインを作成していない場合は、WLSTでWebLogicドメインを作成します。

    詳細は、第3章「WLSTオフラインを使用したWebLogicドメインの作成」を参照してください。

  2. ドメインを作成したコンピュータでシェル(コマンド・プロンプト)を開きます。

  3. ドメインを配置したディレクトリに移動します。

    デフォルトでは、このディレクトリはMW_HOME\user_projects\domains\domain_nameです。MW_HOMEは、Oracle WebLogic製品の最上位インストール・ディレクトリです。

  4. 次のスクリプトのいずれかを実行して、環境を設定します。

    • bin\setDomainEnv.cmd (Windowsの場合)

    • bin/setDomainEnv.sh (UNIXの場合: このスクリプトをKornシェルから実行することをお薦めします。)

    Windowsの場合は、「スタート」メニューのショートカットで環境変数を設定し、WLSTを呼び出すことができます(「ツール」>「WebLogic Scripting Tool」)。

  5. 「WLSTの呼出し」での説明に従って、WLSTを呼び出します。

    WLSTプロンプトが表示されます。

    wls:/(offline)>
    
  6. WLSTのstartServerコマンドを使用して、管理サーバーを起動します。

    startServer([adminServerName], [domainName], [url], [username], 
    [password],[domainDir], [block], [timeout], [serverLog], 
    [systemProperties], [jvmArgs] [spaceAsJvmArgsDelimiter])
    

    startServerコマンド引数の詳細は、WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのstartServerに関する項を参照してください。

    例:

    wls:offline/>startServer('AdminServer','mydomain','t3://localhost:7001',
    'weblogic','welcome1','c:/bea/user_projects/domains/mydomain',
    'true',60000,'false')
    

WLSTがサーバー・インスタンスを起動した後は、サーバーはWLSTとは別個のプロセスで実行されます。WLSTを終了しても、サーバーは停止されません。

ノード・マネージャを使用しないサーバー状態の管理

WLSTライフサイクル・コマンドを使うと、サーバー・インスタンスが遷移する状態を制御できます。WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのライフサイクル・コマンドに関する項を参照してください。サーバーに接続し、管理コマンドを発行する際は、WebLogicドメインの管理ポートを有効化および使用することをお薦めします。「WLST接続の保護」を参照してください。

例4-1に示すコマンドは、サーバーを明示的に次のサーバー状態に遷移させます: RUNNING->ADMIN->RUNNING->SHUTDOWN

WebLogic Serverを起動してからこのスクリプトを実行します。

例4-1 WLSTライフサイクルのコマンド

# Connect to the Administration Server
connect("username","password","t3://localhost:7001")

# First enable the Administration Port. This is not a requirement.
# After you enable the Administration Port in a domain, WebLogic Server
# persists the setting in its configuration files. You do not need to repeat
# the process in future WLST sessions.
edit()
startEdit()
cmo.setAdministrationPortEnabled(1)
activate(block="true")

# check the state of the server
state("myserver")

# now move the server from RUNNING state to ADMIN
suspend("myserver", block="true")

# check the state
state("myserver")

# now resume the server to RUNNING state
resume("myserver",block="true")

# check the state
state("myserver")

# now take a thread dump of the server
threadDump("./dumps/threadDumpAdminServer.txt")

# finally shutdown the server
shutdown(block="true")