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Oracle VM Server for SPARC 2.1 リファレンスマニュアル     Oracle VM Server for SPARC (日本語)
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ドキュメントの情報

システム管理

ldm(1M)

ldmconfig(1M)

ldmd(1M)

ldmp2v(1M)

virtinfo(1M)

拡張ライブラリ関数

ライブラリインタフェースおよびヘッダー

ldm

- Logical Domains Manager 用のコマンド行インタフェース

形式

ldm or ldm --help [subcommand] 
ldm -V 
ldm add-domain -i file 
ldm add-domain  [mac-addr=num] [hostid=num]
  [failure-policy=ignore|panic|reset|stop] [extended-mapin-space=on]
  [master=master-ldom1,...,master-ldom4] ldom 
ldm add-domain ldom...
ldm set-domain -i file 
ldm set-domain  [mac-addr=num] [hostid=num]
  [failure-policy=ignore|panic|reset|stop] [extended-mapin-space=[on|off]]
  [master=[master-ldom1,...,master-ldom4]] ldom
ldm remove-domain -a
ldm remove-domain ldom...
ldm list-domain [-e] [-l] [-o format] [-p] [ldom...] 

ldm migrate-domain [-f] [-n] [-p filename] source-ldom [user@]target-host[:target-ldom] 
ldm add-vcpu [-c] number ldom
ldm set-vcpu [-c] number ldom
ldm remove-vcpu [-c] number ldom
ldm add-crypto number ldom
ldm set-crypto [-f] number ldom
ldm remove-crypto [-f] number ldom 
ldm add-memory [--auto-adj] size[unit] ldom 
ldm set-memory [--auto-adj] size[unit] ldom 
ldm remove-memory [--auto-adj] size[unit] ldom 
ldm start-reconf ldom
ldm cancel-reconf ldom
ldm cancel-operation (migration | reconf | memdr) ldom 
ldm add-io bus-or-device ldom 
ldm remove-io bus-or-device ldom 
ldm list-io [-l] [-p]
ldm add-vsw [-q] [default-vlan-id=vlan-id] [pvid=port-vlan-id] [vid=vlan-id1,vlan-id2,...]
  [linkprop=phys-state] [mac-addr=num] [net-dev=device] [mode=sc] [mtu=size]
  [id=switch-id] [inter-vnet-link=on|off] vswitch-name ldom 
ldm set-vsw [-q] [pvid=port-vlan-id] [vid=vlan-id1,vlan-id2,...] [mac-addr=num]
  [net-dev=device] [linkprop=[phys-state]] [mode=[sc]] [mtu=size]
  [inter-vnet-link=[on|off]] vswitch-name 
ldm remove-vsw [-f] vswitch-name 
ldm add-vnet [mac-addr=num] [mode=hybrid] [pvid=port-vlan-id] [vid=vlan-id1,vlan-id2,...]
  [linkprop=phys-state] [id=network-id] [mtu=size] if-name vswitch-name ldom 
ldm set-vnet [mac-addr=num] [vswitch=vswitch-name] [mode=[hybrid]] [pvid=port-vlan-id]
  [linkprop=[phys-state]] [vid=vlan-id1,vlan-id2,...] [mtu=size] if-name ldom 
ldm remove-vnet [-f] if-name ldom 
ldm add-vds service-name ldom 
ldm remove-vds [-f] service-name 
ldm add-vdsdev [-f] [-q] [options={ro,slice,excl}] [mpgroup=mpgroup] backend
  volume-name@service-name
ldm set-vdsdev [-f] options=[{ro,slice,excl}] [mpgroup=mpgroup]
  volume-name@service-name
ldm remove-vdsdev [-f] volume-name@service-name 
ldm add-vdisk [timeout=seconds] [id=disk-id] disk-name volume-name@service-name ldom 
ldm set-vdisk [timeout=seconds] [volume=volume-name@service-name] disk-name ldom 
ldm remove-vdisk [-f] disk-name ldom 
ldm add-vdpcs vdpcs-service-name ldom 
ldm remove-vdpcs [-f] vdpcs-service-name 
ldm add-vdpcc vdpcc-name vdpcs-service-name ldom 
ldm remove-vdpcc [-f] vdpcc-name ldom 
ldm add-vcc port-range=x-y vcc-name ldom 
ldm set-vcc port-range=x-y vcc-name 
ldm remove-vcc [-f] vcc-name 
ldm set-vcons [port=[port-num]] [group=group] [service=vcc-server] ldom 
ldm add-variable var-name=[value]... ldom
ldm set-variable var-name=[value]... ldom
ldm remove-variable var-name... ldom 
ldm list-variable [var-name...] ldom 
ldm start-domain (-a | -i file | ldom...) 
ldm stop-domain [-f] (-a | ldom...) 
ldm panic-domain ldom 
ldm bind-domain [-f] [-q] (-i file | ldom) 
ldm unbind-domain ldom 
ldm list-bindings [-e] [-p] [ldom...] 
ldm add-spconfig config-name
ldm add-spconfig -r autosave-name [new-config-name]
ldm set-spconfig config-name 
ldm set-spconfig factory-default 
ldm remove-spconfig [-r] config-name 
ldm list-spconfig [-r [autosave-name]]
ldm list-constraints ([-x] | [-e] [-p]) [ldom...] 
ldm list-devices [-a] [-p] [core] [cpu] [crypto] [memory] [io] 
ldm list-services [-e] [-p] [ldom...]
ldm add-policy [enable=yes|no] [priority=value] [attack=value] [decay=value]
  [elastic-margin=value] [sample-rate=value] [tod-begin=hh:mm[:ss]]
  [tod-end=hh:mm[:ss]] [util-lower=percent] [util-upper=percent] [vcpu-min=value]
  [vcpu-max=value] name=policy-name ldom...
ldm set-policy [enable=[yes|no]] [priority=[value]] [attack=[value]] [decay=[value]]
  [elastic-margin=[value]] [sample-rate=[value]] [tod-begin=[hh:mm:ss]]
  [tod-end=[hh:mm:ss]] [util-lower=[percent]] [util-upper=[percent]] [vcpu-min=[value]]
  [vcpu-max=[value]] name=policy-name ldom...
ldm remove-policy [name=]policy-name... ldom
ldm init-system [-frs] -i file

機能説明

ldm コマンドは、Logical Domains Manager と相互に作用し、論理ドメインの作成および管理に使用されます。Logical Domains Manager は、サーバーごとに 1 つだけ存在できます。Logical Domains Manager は制御ドメインに対して実行します。これは、サービスプロセッサにより作成される初期ドメインです。制御ドメインの名前は primary です。

論理ドメインは、独自のオペレーティングシステム、資源、および単一のコンピュータシステム内での識別情報を持つ個別の論理グループです。各論理ドメインは、サーバーの電源の再投入を必要とせずに、作成、削除、再構成、および再起動を単独で行うことができます。セキュリティー上の理由から、論理ドメインを使用してさまざまなアプリケーションを異なるドメインで動作させて、アプリケーションの独立性を維持することができます。

論理ドメインはすべて同じですが、論理ドメインに対して指定する役割に基づいてそれぞれ区別できます。論理ドメインが実行できる役割は、次のとおりです。

制御ドメイン

ハイパーバイザと通信することによって、ほかの論理ドメインおよびサービスを作成および管理します。

サービスドメイン

仮想ネットワークスイッチ、仮想ディスクサービスなどのサービスをほかの論理ドメインに提供します。

I/O ドメイン

PCI EXPRESS (PCIe) コントローラ内のネットワークカードなどの、物理 I/O デバイスに直接アクセスできます。I/O ドメインは PCIe ルートコンプレックスを所有するか、直接 I/O (Direct I/O、DIO) 機能を使用して PCIe スロットまたはオンボードの PCIe デバイスを所有することができます。

I/O ドメインは、I/O ドメインがサービスドメインとしても使用される場合に、仮想デバイスの形式でほかのドメインと物理 I/O デバイスを共有できます。

ルートドメイン

PCIe ルートコンプレックスが割り当てられます。このドメインは、PCIe ファブリックとすべての接続されているデバイスを所有し、ファブリックのエラー処理などのファブリック関連のサービスをすべて提供します。ルートドメインは I/O ドメインでもあり、物理 I/O デバイスを所有し、それらに直接アクセスできます。

保持できるルートドメインの数は、プラットフォームアーキテクチャーによって決まります。たとえば、Sun SPARC Enterprise T5440 サーバーを使用している場合、最大で 4 つのルートドメインを保持できます。

ゲストドメイン

I/O ドメインおよびサービスドメインのサービスを使用し、制御ドメインによって管理されます。

Logical Domains Manager を使用して、ドメイン間の依存関係を確立できます。

マスタードメイン

1 つ以上のドメインが依存しているドメインです。マスタードメインは、マスタードメインに障害が発生した場合にそのスレーブドメインによって適用される障害ポリシーを指定します。たとえば、マスタードメインに障害が発生した場合、マスタードメインの障害ポリシーに基づき、スレーブドメインに対して、放置、パニックの発生、再起動、または停止を行うことができます。

スレーブドメイン

他のドメインに依存しているドメインです。ドメインは、1 つ以上のマスタードメインに障害が発生した場合に障害ポリシーを適用するように指示するマスタードメインを、最大 4 つ指定できます。

サブコマンドの要約

サポートされているサブコマンドとその説明および各サブコマンドに必要な権限は、次のとおりです。ユーザーアカウントの承認の設定については、『Oracle VM Server for SPARC 2.1 管理ガイド』の「ユーザーアカウントに対する承認およびプロファイルの作成と役割の割り当て」を参照してください。

サブコマンド
説明
承認
add-spconfig
論理ドメイン構成をサービスプロセッサ (Service Processor、SP) に追加します。
solaris.ldoms.write
add-domain
論理ドメインを作成します。
solaris.ldoms.write
add-policy
既存の論理ドメインに資源管理ポリシーを追加します。
solaris.ldoms.write
add-resource
既存の論理ドメインに資源を追加します。資源の定義については、「資源」を参照してください。
solaris.ldoms.write
bind-domain
作成された論理ドメインに資源をバインドします。
solaris.ldoms.write
cancel-operation
遅延再構成 (reconf)、メモリー動的再構成 (Dynamic Reconfiguration、DR) 削除 (memdr)、またはドメイン移行 (migration) などの処理を取り消します。
solaris.ldoms.write
cancel-reconf
primary ドメインの遅延再構成処理を取り消します。
solaris.ldoms.write
list-domain
論理ドメインおよびその状態のリストを表示します。
solaris.ldoms.read
list-type
論理ドメインのバインド、制約、デバイス、サービス、構成など、サーバー資源を表示します。
solaris.ldoms.read
list-variable
論理ドメインの変数のリストを表示します。
solaris.ldoms.read
migrate-domain
マシン間で論理ドメインを移行します。
solaris.ldoms.write
panic-domain
指定された論理ドメインの Oracle Solaris OS でパニックを発生させます。
solaris.ldoms.write
remove-spconfig
サービスプロセッサから論理ドメイン構成を削除します。
solaris.ldoms.write
remove-domain
論理ドメインを削除します。
solaris.ldoms.write
remove-policy
既存の論理ドメインから資源管理ポリシーを削除します。
solaris.ldoms.write
remove-resource
既存の論理ドメインから資源を削除します。資源の定義については、「資源」を参照してください。
solaris.ldoms.write
remove-variable
既存の論理ドメインから 1 つ以上の変数を削除します。
solaris.ldoms.write
set-spconfig
使用する論理ドメイン構成を指定します。
solaris.ldoms.write
set-domain
論理ドメインにプロパティーを設定します。
solaris.ldoms.write
set-policy
既存の論理ドメインに資源管理ポリシーのプロパティーを設定します。
solaris.ldoms.write
set-resource
既存の論理ドメインに対して資源を指定します。これは、プロパティーの変更または数量の変更のいずれかに使用できます。資源 vcpumemory、または crypto に適用する場合、これは数量の変更を表します。数量の変更の場合、このサブコマンドは動的または遅延再構成処理となり、指定した資源の数量が、指定した論理ドメインに割り当てられます。論理ドメインに割り当てられている資源の数がこのサブコマンドの指定よりも多い場合は、いくつかの資源が削除されます。論理ドメインに割り当てられている資源の数がこのサブコマンドの指定よりも少ない場合は、いくつかの資源が追加されます。資源の定義については、「資源」を参照してください。
solaris.ldoms.write
set-variable
既存の論理ドメインに 1 つ以上の変数を設定します。
solaris.ldoms.write
start-domain
1 つ以上の論理ドメインを起動します。
solaris.ldoms.write
start-reconf
primary ドメイン上で遅延再構成モードに入ります。
solaris.ldoms.write
stop-domain
1 つ以上の動作中の論理ドメインを停止します。
solaris.ldoms.write
unbind-domain
論理ドメインから、資源のバインドを解除 (資源を解放) します。
solaris.ldoms.write

注 - すべてのサブコマンドが、すべての資源タイプでサポートされているわけではありません。


別名

次の表に、ldm サブコマンドの 3 種類の別名を示します。

別名の種類
省略形式
長文形式
処理の別名 (動詞)
ls
list
処理の別名 (動詞)
rm
remove
資源の別名 (名詞)
config
spconfig
資源の別名 (名詞)
crypto
mau
資源の別名 (名詞)
dom
domain
資源の別名 (名詞)
mem
memory
資源の別名 (名詞)
var
variable
資源の別名 (名詞)
vcc
vconscon
資源の別名 (名詞)
vcons
vconsole
資源の別名 (名詞)
vdpcc
ndpsldcc
資源の別名 (名詞)
vdpcs
ndpsldcs
資源の別名 (名詞)
vds
vdiskserver
資源の別名 (名詞)
vdsdev
vdiskserverdevice
資源の別名 (名詞)
vsw
vswitch
サブコマンドのショートカット
bind
bind-domain
サブコマンドのショートカット
cancel-op
cancel-operation
サブコマンドのショートカット
create
add-domain
サブコマンドのショートカット
destroy
remove-domain
サブコマンドのショートカット
list
list-domain
サブコマンドのショートカット
migrate
migrate-domain
サブコマンドのショートカット
modify
set-domain
サブコマンドのショートカット
panic
panic-domain
サブコマンドのショートカット
start
start-domain
サブコマンドのショートカット
stop
stop-domain
サブコマンドのショートカット
unbind
unbind-domain

注 - このマニュアルページの以降の構文および例では、省略形式の処理の別名および資源の別名を使用します。


資源

次の資源がサポートされています。

io

PCIe ルートコンプレックスなどの I/O デバイスと、それらに接続されているアダプタとデバイス。ダイレクト I/O 割り当て可能デバイスでもあります。

crypto

サポートされているサーバー上でサポートされている暗号化装置。現在、モジュラー演算ユニット (Modular Arithmetic Unit、MAU) と Control Word Queue (CWQ) の 2 つの暗号化装置がサポートされています。

memmemory

バイト単位のデフォルトのメモリーサイズ。つまり、G バイト (G)、K バイト (K)、または M バイト (M) を指定します。ゲストドメインに割り当てることができる、サーバーの仮想化されたメモリーです。

vccvconscon

ゲストドメインの作成時に各ゲストドメインに割り当てるための特定範囲の TCP ポートを持つ、仮想コンソール端末集配信装置 (コンセントレータ) サービス。

vconsvconsole

システムレベルのメッセージにアクセスするための仮想コンソール。接続は、特定のポートで制御ドメイン上の vconscon サービスに接続することによって実現します。

vcpu

各仮想 CPU は、サーバーの 1 つの CPU スレッドを表します。たとえば、8 コアの Sun SPARC Enterprise T5120 サーバーには、論理ドメイン間で割り当てることができる 64 の仮想 CPU があります。

vdisk

仮想ディスクは、さまざまな種類の物理デバイス、ボリューム、またはファイルで構成される総称的なブロック型デバイスです。仮想ディスクは SCSI ディスクと同義ではありません。そのため、ディスク名内のターゲット ID (tN) は除外されます。論理ドメインの仮想ディスクの形式は、cNdNsN です。cN は仮想コントローラ、dN は仮想ディスク番号、および sN はスライスを示します。

vdsvdiskserver

ほかの論理ドメインに仮想ディスクをエクスポートできる仮想ディスクサーバー。

vdsdevvdiskserverdevice

仮想ディスクサーバーがエクスポートしたデバイス。このデバイスには、ディスク全体、ディスクのスライス、ファイル、またはディスクボリュームを指定できます。

vdpcc

仮想データプレーンのチャンネルクライアント。Netra Data Plane Software (NDPS) 環境でのみ使用されます。

vdpcs

仮想データプレーンのチャンネルサービス。Netra Data Plane Software (NDPS) 環境でのみ使用されます。

vnet

仮想 Ethernet デバイスを実装し、仮想ネットワークスイッチ (vsw) を使用するシステム内のほかの vnet デバイスと通信する仮想ネットワークデバイス。

vswvswitch

仮想ネットワークデバイスを外部ネットワークに接続し、仮想ネットワークデバイス間でのパケットの切り替えも行う仮想ネットワークスイッチ。

リストの種類

次の種類のリストがサポートされています。

bindings

論理ドメインにバインドされている資源のリスト。

config

サービスプロセッサ (Service Processor、SP) 上に格納される論理ドメインの構成を一覧表示します。SPARC T3 ベースのサーバーでは、作成日の古いものから新しいものへ順番に構成が表示されます。

constraints

論理ドメインの作成に使用される制約のリスト。

devices

サーバー用の使用されていないすべてのデバイスの一覧表示。

services

論理ドメインによってエクスポートされるすべてのサービスの一覧表示。

オプション

次の表に、ldm コマンドのオプションを示します。適用可能な場合、オプションの省略形式に続いて長形式を示します。

-a
--all
すべての種類のオペランドで動作します。
 
--auto-adj

add-memoryset-memory、および remove-memory サブコマンドが、256M バイトの境界でのメモリーの変更を揃えることを指定します。--auto-adj オプションの動作は、影響を受けるドメインの状態によって決まります。

  • アクティブなドメイン。「動的再構成」の場合、このオプションは、256M バイト境界で追加または削除されるメモリーの量を揃えます。量は add-memory 操作の場合は切り上げられ、remove-memory 操作の場合は切り下げられます。set-memory 操作は、add-memory 操作または remove-memory 操作として扱われます。これらのサブコマンドのいずれかに対して、--auto-adj 操作は、ドメインのメモリーの「結果として得られるサイズ」が要求されたサイズより大きいか等しくなるようにします。

    「遅延再構成」の場合、このオプションは境界または非アクティブドメインと同じ動作になります。遅延再構成は次の状況下で発生します。

    • ドメインが遅延再構成を開始する。

    • 遅延再構成がドメイン内で未処理になっている。

  • 境界ドメインまたは非アクティブドメイン。このオプションは、次の 256M バイトの境界まで切り上げることにより、ドメインの結果として得られるサイズを揃えます。この位置揃えは、add-memoryset-memory、および remove-memory 操作で発生します。

-c number
--core number
論理ドメインに対してコア全体の割り当てが実行されることを指定します。number は、割り当てられるコア全体の数です。
-e
--extended
自動的に設定されるサービスおよびデバイスを含む拡張リストを生成します。これは制御できません。
-f
--force
処理を強制的に試行します。
-i file
--input file
論理ドメインの作成に使用する XML 構成ファイルを指定します。
-l
--long
長いリストを生成します。
-n
--dry-run
移行が成功するかどうかを確認するために、移行の予行演習を行います。ドメインの移行が実際に行われるわけではありません。
-o format
--output format
表示する内容に応じて、ldm list コマンドの形式を指定します。consolecorecpucryptodiskdomainmemorynetworkphysioresmgmtserial、および status のうち 1 つ以上を指定します。複数の形式を指定する場合は、各形式をコンマで区切ります。スペースは入れません。
-p
--parseable
マシンが読み取り可能なバージョンの出力を生成します。
-q
 
ネットワークデバイスまたはディスクバックエンドデバイスの検証を無効にするため、コマンドをより迅速に実行できるようになります。
-r
 
add-spconfiglist-spconfig、および remove-spconfig サブコマンドの場合: 手動の構成回復を実行します。
-r
--reboot
init-system サブコマンドの場合: 構成後にシステムを再起動します。
-s
--services-only
仮想サービス構成のみを復元します (vdsvcc、および vsw)。
-x file
--xml file
論理ドメインの制約を含む XML ファイルを標準出力 (stdout) に書き込むことを指定します。バックアップファイルとして使用できます。
-V
--version
バージョン情報を表示します。
 
--help
使用法の説明を表示します。

Properties


注 - さまざまな ldm set-* コマンドで、空の値を指定してプロパティーをデフォルト値にリセットすることができます。たとえば、次の ldm set-policy コマンドを実行すると、attack プロパティーをデフォルト値にリセットできます。

# ldm set-policy attack= high-policy ldom1

次の種類のプロパティーがサポートされています。

attack=value

いずれか 1 つの資源制御サイクル中に追加する資源の最大量を指定します。使用可能な資源がこの量よりも少ない場合は、使用可能な資源がすべて追加されます。使用可能な仮想 CPU をできるだけ多く追加できるよう、デフォルトでは attack に制限はありません。有効な値は、1 から、システムで使用していない仮想 CPU の数までです。

decay=value

いずれか 1 つの資源制御サイクル中に削除する資源の最大量を指定します。このプロパティーで指定されている値のほうが大きい場合でも、現在バインドされている仮想 CPU の数から vcpu-min の値を引いた数だけが削除できます。デフォルトでは、値は 1 です。有効な値は、1 から、仮想 CPU の合計数より 1 少ない数までです。

default-vlan-id=

仮想ネットワークデバイスまたは仮想スイッチをメンバーにする必要があるデフォルトの仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) を、タグ付きモードで指定します。最初の VLAN ID (vid1) は、この default-vlan-id に予約されています。

elastic-margin=value

util-lower と使用していない仮想 CPU 数の間のバッファー量を指定して、仮想 CPU の数を減らした場合の変動を回避します。有効な値は、0 から 100 までです。デフォルト値は 5 です。

enable=yes|no

個々のドメインの資源管理を有効または無効にします。デフォルトでは、enable=yes です。

extended-mapin-space=on|off

ドメインの拡張されたマップイン領域を有効または無効にします。デフォルトでは extended-mapin-space=off に設定されています。

拡張されたマップイン領域は、追加の LCD 共有メモリー空間を参照します。このメモリー空間は、直接マップされた共有メモリーを使用する多数の仮想 I/O デバイスをサポートするために必要となります。この拡張されたマップイン領域も、パフォーマンスとスケーラビリティーを向上するために仮想ネットワークデバイスによって使用されます。

failure-policy=

マスタードメインの障害ポリシーを指定します。このポリシーは、マスタードメインに障害が発生した場合のスレーブドメインの動作を制御します。このプロパティーは、マスタードメインで設定します。デフォルト値は ignore です。次に、有効なプロパティー値を示します。

  • ignore は、マスタードメインの障害を無視します。スレーブドメインは影響を受けません。

  • panic は、マスタードメインに障害が発生した場合、すべてのスレーブドメインにパニックを発生させます。

  • reset は、マスタードメインに障害が発生した場合、すべてのスレーブドメインをリセットします。

  • stop は、マスタードメインに障害が発生した場合、すべてのスレーブドメインを停止します。

group=

コンソールを接続するグループを指定します。グループ引数を使用すると、同一の TCP 接続上で複数のコンソールを多重化できます。

hostid=

特定のドメインのホスト ID を指定します。ホスト ID を指定しない場合、Logical Domains Manager により一意のホスト ID が各ドメインに割り当てられます。

id=

新しい仮想ディスクデバイス、仮想ネットワークデバイス、および仮想スイッチデバイスの ID をそれぞれ指定します。

inter-vnet-link=on|off

仮想ネットワークデバイス間でチャネルを割り当てるかどうかを指定します。デフォルト値は on です。

inter-vnet-link=on の場合、Logical Domains Manager は、ゲスト間のパフォーマンスを向上するために、同じ仮想スイッチに接続している仮想ネットワークデバイスの各ペア間にチャネルを割り当てます。

inter-vnet-link=off の場合、Logical Domains Manager は、仮想ネットワークデバイスと仮想スイッチ間の通信に対してのみチャネルを割り当てます。このとき、ゲスト間の通信トラフィックは仮想スイッチを経由します。この設定を使用すると、仮想ネットワークデバイスに使用されるチャネルの数が減少します。そのため、システムに追加できる仮想デバイスの最大数が増加します。

linkprop=phys-state

配下の物理ネットワークデバイスに基づいて、仮想デバイスがリンクステータスをレポートするかどうかを指定します。コマンドラインで linkprop=phys-state を指定すると、仮想デバイスのリンクステータスは物理リンクステータスを反映します。デフォルトでは、仮想デバイスのリンクステータスは物理リンクステータスを反映しません。

mac-addr=

MAC アドレスを定義します。番号は、標準のオクテット記述法で指定する必要があります。たとえば、80:00:33:55:22:66 とします。

master=

1 つのスレーブドメインに対して最大 4 つのマスタードメインの名前を指定します。このプロパティーは、スレーブドメインで設定します。デフォルトでは、ドメインに対してマスタードメインは設定されていません。ldm add-domain 操作の前に、そのドメインが存在している必要があります。


注 - Logical Domains Manager では、依存サイクルが生じるドメイン関係を作成することはできません。


mode=

add-vsw および set-vsw サブコマンドの場合:

ゲストドメインで Oracle Solaris クラスタ ソフトウェアが動作していない場合は、仮想ネットワークのパフォーマンスに影響を与える可能性があるため、このオプションを指定しないでください。

そうでない場合は、次のいずれかを指定します。

  • Logical Domains 環境で Oracle Solaris クラスタ ハートビートパケットの処理を優先順位付けするために、仮想ネットワークのサポートを有効にするには、mode=sc を指定します。

  • ハートビートパケット用の特別な処理を停止するには、set-vsw サブコマンドの mode= 引数を空白のままにします。

add-vnet および set-vnet サブコマンドの場合:

NIU ハイブリッド I/O を使用しない場合は、このオプションを省略します。

そうでない場合は、次のいずれかを指定します。

mpgroup=

複数の仮想ディスクサーバーデバイス (vdsdev) のマルチパスグループ名を定義します。したがって、仮想ディスクが仮想ディスクサーバーデバイスと通信できない場合、マルチパスグループ内のほかの仮想ディスクサーバーデバイスに対してフェイルオーバーが開始されます。

mtu=

仮想スイッチ、その仮想スイッチにバインドされている仮想ネットワークデバイス、またはその両方の最大転送単位 (Maximum Transmission Unit、MTU) を指定します。有効な値の範囲は 1500 潤オ 16000 です。無効な値を指定すると、ldm コマンドでエラーが発生します。

name=policy-name

資源管理ポリシー名を指定します。

net-dev=

実際のネットワークデバイスのパス名を定義します。

options=

特定の仮想ディスクサーバーデバイスに、次のオプションのすべてまたはサブセットを指定します。2 つ以上のオプションは、空白文字を入れずにコンマで区切って、ro,slice,excl のように指定します。

  • ro - 読み取り専用アクセスを指定

  • slice - 単一スライスのディスクとしてバックエンドをエクスポート

  • excl - 排他的なディスクアクセスを指定

add-vdsdev サブコマンドの options= 引数を指定しないか空白のままにすると、デフォルト値であるディスク、非排他的、および読み取り/書き込みになります。以前に指定したオプションをオフにするには、set-vdsdev サブコマンドの options= 引数を空白のままにします。

port=

特定のポート番号を指定するか、空白のままにして、Logical Domains Manager によるポート番号の設定を可能にします。

port-range=

TCP ポートの範囲を定義します。

priority=value

Dynamic Resource Management (DRM) ポリシーの優先順位を指定します。優先順位の値は、単一ドメイン内の DRM ポリシー間の関係、および単一システム内の DRM 対応ドメイン間の関係を決定するために使用されます。数値が低いほど、優先度は高く (良く) なります。有効な値は、1 から 9999 までです。デフォルト値は 99 です。

priority プロパティーの動作は、次に示すように、使用していない CPU リソースプールが使用可能であるかどうかによって異なります。

  • 使用していない CPU リソースがプール内にあります。この場合、priority プロパティーは、1 つのドメインに対して複数の重複するポリシーが定義されている場合に、どの DRM ポリシーが有効であるかを決定します。

  • 使用していない CPU リソースがプール内にありません。この場合、priority プロパティーは、同じシステム内の優先順位の低いドメインから優先順位の高いドメインへリソースを動的に移動できるかどうかを指定します。ドメインの優先順位は、そのドメインで有効になっている DRM ポリシーによって指定された優先順位です。

    たとえば、優先順位の高いドメインは、優先順位の低い DRM ポリシーを持つ別のドメインから CPU リソースを取得できます。このリソース取得機能は、DRM ポリシーが有効になっているドメインのみに適用されます。priority 値が等しいドメインは、この機能の影響を受けません。そのため、すべてのポリシーに対してデフォルトの優先順位が使用されている場合、ドメインは優先順位の低いドメインからリソースを取得できません。この機能を活用するには、値が等しくならないように priority プロパティーの値を調整します。

pvid=

仮想ネットワークデバイスをメンバーにする必要のある VLAN をタグなしモードで指定します。

sample-rate=value

DRM のサンプリングレートとなるサイクル時間を秒で指定します。有効な値の範囲は、1 - 9999 です。推奨値はデフォルトの 10 です。

service=

コンソール接続を処理する既存の仮想コンソール端末集配信装置の名前を指定します。

timeout=

仮想ディスククライアント (vdc) と仮想ディスクサーバー (vds) の間の接続を確立する際の秒数を定義します。複数の仮想ディスク (vdisk) パスがある場合、vdc は、別の vds への接続を試みることができます。また、タイムアウトによって、いずれかの vds への接続が指定の時間内に確実に行われます。0 を指定すると set-vdisk サブコマンドのタイムアウトは無効になります。

tod-begin=hh:mm[:ss]

ポリシーの有効開始時刻を指定します。単位は時、分、秒 (オプション) です。この時間は、午前 0 時から 23:59:59 の範囲で、tod-end で指定された時間よりも早い時間に設定する必要があります。デフォルト値は 00:00:00 です。

tod-end=hh:mm[:ss]

ポリシーの有効停止時刻を指定します。単位は時、分、秒 (オプション) です。この時間は、午前 0 時から 23:59:59 の範囲で、tod-begin で指定された時間よりも遅い時間に設定する必要があります。デフォルト値は 23:59:59 です。

util-lower=percent

ポリシー分析がトリガーされる使用率の下限レベルを指定します。有効な値は、1 から、util-upper より 1 少ない数までです。デフォルト値は 60 です。

util-upper=percent

ポリシー分析がトリガーされる使用率の上限レベルを指定します。有効な値は、util-lower に 1 を足した数から 99 までです。デフォルト値は 85 です。

vcpu-max=value

ドメインの仮想 CPU 資源の最大値を指定します。デフォルトでは、仮想 CPU の最大数に制限はありません。有効な値は、vcpu-min に 1 を足した数から、システムで使用していない仮想 CPU の合計数までです。

vcpu-min=value

ドメインの仮想 CPU 資源の最小値を指定します。有効な値は、1 から、vcpu-max より 1 少ない数までです。デフォルト値は 1 です。

vid=

仮想ネットワークデバイスまたは仮想スイッチをメンバーにする必要がある VLAN を、タグ付きモードで指定します。

volume=

仮想ディスクのボリューム名を変更します。

vswitch=

仮想ネットワークの仮想スイッチ名を変更します。

list サブコマンド出力内のフラグ

次に、list サブコマンド出力内のフラグの定義を示します。

-

可変部分

c

制御ドメイン

d

遅延再構成

e

エラー

n

通常

r

進行中のメモリー DR

s

列 1 - 起動または停止

列 6 - ソースドメイン

t

列 2 - 切り替え

列 6 - ターゲットドメイン

v

仮想 I/O サービスドメイン

リストフラグ値は位置に依存します。次に、左から順に 5 つの列のそれぞれに表示される可能性のある値を示します。

表 1 リストフラグの位置

列 1
列 2
列 3
列 4
列 5
列 6
s または -
n または t
dr、または -
c または -
v または -
st、または e

サブコマンドの使用法

この節では、サポートされているコマンド行インタフェース (Command-Line Interface、CLI) のすべての処理、つまり、すべてのサブコマンドと資源の組み合わせについて説明します。

ドメインの追加、設定、削除、および移行

ドメインの追加

このサブコマンドは、1 つ以上の論理ドメイン名を指定するかまたは XML 構成ファイルを使用して、1 つ以上の論理ドメインを追加します。MAC アドレス、ホスト ID、マスタードメインのリスト、障害ポリシーなど、ドメインをカスタマイズするためのプロパティー値を指定することもできます。これらのプロパティー値を指定しない場合、Logical Domains Manager により自動的にデフォルト値が割り当てられます。

ldm add-dom -i file
ldm add-dom [mac-addr=num] [hostid=num] [failure-policy=ignore|panic|reset|stop] [extended-mapin-space=on] [master=master-ldom1,...,master-ldom4] ldom
ldm add-dom ldom...

ここでは、次のように指定します。

ドメインのオプションの設定

このサブコマンドでは、各ドメインの mac-addrhostidfailure-policyextended-mapin-space、および master プロパティーのみを変更できます。このコマンドをリソースのプロパティーを更新するために使用することはできません。


注 - スレーブドメインがバインドされている場合、ldm set-domain コマンドを呼び出す前に、指定したすべてのマスタードメインもバインドしておく必要があります。


ldm set-dom -i file
ldm set-dom [mac-addr=num] [hostid=num] [failure-policy=ignore|panic|reset|stop] [extended-mapin-space=[on|off]] [master=[master-ldom1,...,master-ldom4]] ldom

ここでは、次のように指定します。

ドメインの削除

次のサブコマンドは、1 つ以上の論理ドメインを削除します。

ldm rm-dom -a
ldm rm-dom ldom...

ここでは、次のように指定します。

Logical Domainsの移行

このサブコマンドは、ドメインをある場所から別の場所に移行します。

ldm migrate-domain [-f] [-n] [-p filename] source-ldom [user@]target-host[:target-ldom]

ここでは、次のように指定します。

再構成処理

Logical Domains は次の種類の再構成処理をサポートしています。

動的再構成と遅延再構成の詳細については、『Oracle VM Server for SPARC 2.1 管理ガイド』の「リソースの再構成」を参照してください。

CPU の操作

仮想 CPU の追加

次のサブコマンドは、指定された数の仮想 CPU またはコア全体の数を論理ドメインに追加します。ドメインにはコア全体と CPU スレッドを同時に構成することはできません。コア全体の構成と CPU スレッドの構成は相互排他的です。

ldm add-vcpu [-c] number ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想 CPU の設定

次のサブコマンドは、論理ドメインで設定する仮想 CPU の数またはコア全体の数を指定します。ドメインにはコア全体と CPU スレッドを同時に構成することはできません。コア全体の構成と CPU スレッドの構成は相互排他的です。

ldm set-vcpu [-c] number ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想 CPU の削除

次のサブコマンドは、指定された数の仮想 CPU またはコア全体を論理ドメインから削除します。ドメインにはコア全体と CPU スレッドを同時に構成することはできません。コア全体の構成と CPU スレッドの構成は相互排他的です。

ldm rm-vcpu [-c] number ldom

ここでは、次のように指定します。

暗号化装置の操作

暗号化装置の追加

次のサブコマンドは、論理ドメインに追加する暗号化装置の数を指定します。現在、サポートされているサーバー上でサポートされている暗号化装置は、モジュラー演算ユニット (Modular Arithmetic Unit、MAU) および Control Word Queue (CWQ) です。

ldm add-crypto number ldom

ここでは、次のように指定します。

暗号化装置の設定

次のサブコマンドは、論理ドメインで設定する暗号化装置の数を指定します。アクティブなドメインからすべての暗号化装置を削除する場合は、-f オプションを指定する必要があります。

ドメインがアクティブなときに primary ドメインから最後の暗号化装置を削除する場合は、次のいずれかの操作を実行します。

ldm set-crypto [-f] number ldom

ここでは、次のように指定します。

暗号化装置の削除

次のサブコマンドは、指定した数の暗号化装置を論理ドメインから削除します。アクティブなドメインからすべての暗号化装置を削除する場合は、-f オプションを指定する必要があります。

ドメインがアクティブなときに primary ドメインから最後の暗号化装置を削除する場合は、次のいずれかの操作を実行します。

ldm rm-crypto [-f] number ldom

ここでは、次のように指定します。

メモリーの操作

メモリーの追加

次のサブコマンドは、指定された量のメモリーを論理ドメインに追加します。

ldm add-mem [--auto-adj] size[unit] ldom

ここでは、次のように指定します。

メモリーの設定

次のサブコマンドは、論理ドメインで一定量のメモリーを設定します。指定したメモリーの量に応じて、このサブコマンドは add-memory または remove-memory 操作として扱われます。

ldm set-mem [--auto-adj] size[unit] ldom

ここでは、次のように指定します。

メモリーの削除

次のサブコマンドは、指定された量のメモリーを論理ドメインから削除します。

ldm rm-mem [--auto-adj] size[unit] ldom

ここでは、次のように指定します。

遅延再構成モードの入力

次のサブコマンドは、ドメインの遅延再構成モードへの切り替えを有効にします。primary は、ldom の唯一の有効な値です。

ldm start-reconf ldom

遅延再構成処理の取り消し

次のサブコマンドは、遅延再構成を取り消します。primary は、ldom の唯一の有効な値です。

ldm cancel-reconf ldom

操作の取り消し

次のサブコマンドは、論理ドメインに対する遅延再構成 (reconf)、メモリー DR 削除 (memdr)、またはドメイン移行 (migration) を取り消します。reconf 操作の場合、primaryldom の唯一の有効な値です。

ldm cancel-op migration ldom
ldm cancel-op reconf ldom
ldm cancel-op memdr ldom

I/O デバイス

I/O デバイスの追加

次のサブコマンドは、指定された論理ドメインに PCI バスまたはデバイスを追加します。

ldm add-io bus-or-device ldom

ここでは、次のように指定します。

I/O デバイスの削除

次のサブコマンドは、指定された論理ドメインから PCI バスまたはデバイスを削除します。

ldm rm-io bus-or-device ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想ネットワークサーバー

仮想スイッチの追加

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインに仮想スイッチを追加します。

ldm add-vsw [-q] [default-vlan-id=vlan-id] [pvid=port-vlan-id] [vid=vlan-id1,vlan-id2,...] [linkprop=phys-state] [mac-addr=num] [net-dev=device] [mode=sc] [mtu=size] [id=switch-id] [inter-vnet-link=on|off] vswitch-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想スイッチのオプションの設定

次のサブコマンドは、すでに追加されている仮想スイッチのプロパティーを変更します。

ldm set-vsw [-q] [pvid=port-vlan-id] [vid=vlan-id1,vlan-id2,...] [mac-addr=num] [net-dev=device] [linkprop=[phys-state]] [mode=[sc]] [mtu=size] [inter-vnet-link=[on|off]] vswitch-name

ここでは、次のように指定します。

仮想スイッチの削除

次のサブコマンドは、仮想スイッチを削除します。

ldm rm-vsw [-f] vswitch-name

ここでは、次のように指定します。

仮想ネットワーク - クライアント

仮想ネットワークデバイスの追加

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインに仮想ネットワークデバイスを追加します。

ldm add-vnet [mac-addr=num] [mode=hybrid] [pvid=port-vlan-id] [vid=vlan-id1,vlan-id2,...] [linkprop=phys-state] [id=network-id] [mtu=size] if-name vswitch-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想ネットワークデバイスのオプションの設定

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインで仮想ネットワークデバイスのオプションを設定します。

ldm set-vnet [mac-addr=num] [vswitch=vswitch-name] [mode=[hybrid]] [pvid=port-vlan-id] [linkprop=[phys-state]] [vid=vlan-id1,vlan-id2,...] [mtu=size] if-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想ネットワークデバイスの削除

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインから仮想ネットワークデバイスを削除します。

ldm rm-vnet [-f] if-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想ディスク - サービス

仮想ディスクサーバーの追加

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインに仮想ディスクサーバーを追加します。

ldm add-vds service-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想ディスクサーバーの削除

次のサブコマンドは、仮想ディスクサーバーを削除します。

ldm rm-vds [-f] service-name

ここでは、次のように指定します。


注意

注意 - -f オプションを指定すると、削除前にすべてのクライアントのバインド解除が試行されます。書き込みが進行中の場合は、ディスクデータが失われる可能性があります。


仮想ディスクサーバーへのデバイスの追加

次のサブコマンドは、仮想ディスクサーバーにデバイスを追加します。このデバイスには、ディスク全体、ディスクのスライス、ファイル、またはディスクボリュームを指定できます。『Oracle VM Server for SPARC 2.1 管理ガイド』の第 7 章「仮想ディスクの使用」を参照してください。

ldm add-vdsdev [-f] [-q] [options={ro,slice,excl}] [mpgroup=mpgroup] backend volume-name@service-name

ここでは、次のように指定します。

仮想ディスクサーバーデバイスのオプションの設定

次のサブコマンドは、仮想ディスクサーバーのオプションを設定します。『Oracle VM Server for SPARC 2.1 管理ガイド』を参照してください。

ldm set-vdsdev [-f] options=[{ro,slice,excl}] [mpgroup=mpgroup] volume-name@service-name

ここでは、次のように指定します。

仮想ディスクサーバーからのデバイスの削除

次のサブコマンドは、仮想ディスクサーバーからデバイスを削除します。

ldm rm-vdsdev [-f] volume-name@service-name

ここでは、次のように指定します。


注意

注意 - -f オプションを指定しない場合、デバイスがビジーだと rm-vdsdev サブコマンドは仮想ディスクサーバーのデバイスの削除を許可しません。-f オプションを指定した場合は、開いているファイルのデータが失われる可能性があります。


仮想ディスク - クライアント

仮想ディスクの追加

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインに仮想ディスクを追加します。仮想ディスクサーバーとの接続を確立することができない場合、オプションのタイムアウトプロパティーを使用すると、仮想ディスクのタイムアウトを指定することができます。

ldm add-vdisk [timeout=seconds] [id=disk-id] disk-name volume-name@service-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想ディスクのオプションの設定

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインで仮想ディスクのオプションを設定します。仮想ディスクサーバーとの接続を確立することができない場合、オプションのタイムアウトプロパティーを使用すると、仮想ディスクのタイムアウトを指定することができます。

ldm set-vdisk [timeout=seconds] [volume=volume-name@service-name] disk-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想ディスクの削除

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインから仮想ディスクを削除します。

ldm rm-vdisk [-f] disk-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想データプレーンのチャンネル - サービス

仮想データプレーンのチャンネルサービスの追加

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインに仮想データプレーンのチャンネルサービスを追加します。このサブコマンドは、Netra Data Plane Software (NDPS) 環境でのみ使用してください。

ldm add-vdpcs vdpcs-service-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想データプレーンのチャンネルサービスの削除

次のサブコマンドは、仮想データプレーンのチャンネルサービスを削除します。このサブコマンドは、Netra Data Plane Software (NDPS) 環境でのみ使用してください。

ldm rm-vdpcs [-f] vdpcs-service-name

ここでは、次のように指定します。

仮想データプレーンのチャンネル - クライアント

仮想データプレーンのチャンネルクライアントの追加

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインに仮想データプレーンのチャンネルクライアントを追加します。このサブコマンドは、Netra Data Plane Software (NDPS) 環境でのみ使用してください。

ldm add-vdpcc vdpcc-name vdpcs-service-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想データプレーンのチャンネルクライアントの削除

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインから仮想データプレーンのチャンネルクライアントを削除します。このサブコマンドは、Netra Data Plane Software (NDPS) 環境でのみ使用してください。

ldm rm-vdpcc [-f] vdpcc-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想コンソール

仮想コンソール端末集配信装置の追加

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインに仮想コンソール端末集配信装置を追加します。

ldm add-vcc port-range=x-y vcc-name ldom

ここでは、次のように指定します。

仮想コンソール端末集配信装置のオプションの設定

次のサブコマンドは、特定の仮想コンソール端末集配信装置のオプションを設定します。

ldm set-vcc port-range=x-y vcc-name

ここでは、次のように指定します。

仮想コンソール端末集配信装置の削除

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインから仮想コンソール端末集配信装置を削除します。

ldm rm-vcc [-f] vcc-name

ここでは、次のように指定します。


注意

注意 - -f オプションを指定すると、削除前にすべてのクライアントのバインド解除が試行されます。書き込みが進行中の場合は、データが失われる可能性があります。


仮想コンソールのオプションの設定

次のサブコマンドは、指定した論理ドメインで特定のポート番号とグループを設定します。また、接続されているコンソールのサービスを設定することもできます。このサブコマンドは、ドメインがアクティブでない場合にのみ使用できます。

ldm set-vcons [port=[port-num]] [group=group] [service=vcc-server] ldom

ここでは、次のように指定します。

変数

変数の追加

次のサブコマンドは、論理ドメインに 1 つ以上の変数を追加します。

ldm add-var var-name=[value]... ldom

ここでは、次のように指定します。

変数の設定

次のサブコマンドは、論理ドメインの変数を設定します。

ldm set-var var-name=[value]... ldom

ここでは、次のように指定します。


注 - value を空白のままにすると、var-name は値なしに設定されます。


変数の削除

次のサブコマンドは、論理ドメインの変数を削除します。

ldm rm-var var-name... ldom

ここでは、次のように指定します。

その他の操作

ドメインの起動

次のサブコマンドは、1 つ以上の論理ドメインを起動します。

ldm start -a
ldm start -i file
ldm start ldom...

ここでは、次のように指定します。

ドメインの停止

次のサブコマンドは、1 つ以上の動作中の論理ドメインを停止します。Oracle Solaris OS が起動している場合、このサブコマンドは論理ドメインに shutdown(1M) 要求を送信します。

ldm stop [-f] -a
ldm stop [-f] ldom...

ここでは、次のように指定します。

Oracle Solaris OS でのパニックの発生

次のサブコマンドは、指定した論理ドメイン上の Oracle Solaris OS でパニックを発生させます。Oracle Solaris OS でパニックが発生するように設定されている場合、このサブコマンドはバックトレースおよびクラッシュダンプを提供します。dumpadm(1M) コマンドは、クラッシュダンプを構成する手段を提供します。

ldm panic ldom

ldom は、パニックを発生させる論理ドメインを指定します。

ヘルプ情報の表示

次のサブコマンドは、すべてのサブコマンドまたは指定したサブコマンドの使用法を表示します。また、ldm コマンドを単独で使用することでも、すべてのサブコマンドの使用法を表示できます。

ldm --help [subcommand]

subcommand は、使用法についての情報を表示する ldm サブコマンドを指定します。

バージョン情報の表示

次のサブコマンドは、バージョン情報を表示します。

ldm --version
ldm -V
ドメインへの資源のバインド

次のサブコマンドは、論理ドメインに構成済みの資源をバインド (接続) します。

ldm bind-dom [-f] [-q] -i file
ldm bind-dom [-f] [-q] ldom

ここでは、次のように指定します。

ドメインからの資源のバインド解除

次のサブコマンドは、構成された論理ドメインにバインドされている資源を解放します。

ldm unbind-dom ldom

ldom は、資源のバインドを解除する論理ドメインを指定します。

構成の操作

論理ドメイン構成の追加

次のサブコマンドは、現在アクティブな構成または以前に自動保存された構成に基づいて、論理ドメイン構成を追加します。この構成は、サービスプロセッサ (Service Processor、SP) に格納されます。

ldm add-config config-name
ldm add-config -r autosave-name [new-config-name]

ここでは、次のように指定します。

論理ドメイン構成の設定

次のサブコマンドを使用すると、使用する論理ドメイン構成を指定できます。この構成は、SP に格納されます。

ldm set-config config-name

config-name は、使用する論理ドメイン構成の名前です。

デフォルトの構成名は、factory-default です。デフォルトの構成を指定するには、次のサブコマンドを使用します。

ldm set-config factory-default
論理ドメイン構成の削除

次のサブコマンドは、SP に格納されている論理ドメイン構成を削除し、対応する自動保存構成を制御ドメインから削除します。

ldm rm-config [-r] config-name

ここでは、次のように指定します。

リスト

ドメインおよび状態の一覧表示

次のサブコマンドは、論理ドメインおよびその状態のリストを表示します。論理ドメインを指定しない場合、すべての論理ドメインが表示されます。

ldm ls-dom [-e] [-l] [-o format] [-p][ [ldom...]

ここでは、次のように指定します。

ドメインのバインドの一覧表示

次のサブコマンドは、論理ドメインのバインドのリストを表示します。論理ドメインを指定しない場合、すべての論理ドメインが表示されます。

ldm ls-bindings [-e] [-p] [ldom...]

ここでは、次のように指定します。

ドメインのサービスの一覧表示

次のサブコマンドは、論理ドメインによってエクスポートされるすべてのサービスのリストを表示します。論理ドメインを指定しない場合、すべての論理ドメインが表示されます。

ldm ls-services [-e] [-p] [ldom...]

ここでは、次のように指定します。

ドメインの制約の一覧表示

次のサブコマンドは、1 つ以上の論理ドメインを作成するための制約のリストを表示します。論理ドメインを指定しない場合、すべての論理ドメインが表示されます。

ldm ls-constraints [-x] [ldom...]
ldm ls-constraints [-e] [-p] [ldom...]

ここでは、次のように指定します。

デバイスのリスト

次のサブコマンドは、使用していない (バインドされていない) 資源またはすべてのサーバー資源のいずれかのリストを表示します。デフォルトでは、使用していないすべての資源を表示します。

ldm ls-devices [-a] [-p] [core] [cpu] [crypto] [memory] [io]

ここでは、次のように指定します。

電源管理列 (PM) またはフィールド (pm=) で、yes は、仮想 CPU の電源が管理されていることを示します。no は、仮想 CPU の電源が投入されていることを示します。100% 使用されていない CPU は、デフォルトで電源が管理されます。

I/O デバイスの一覧表示

次のサブコマンドは、システム上で構成されている I/O デバイスのリストを表示します。デバイスのリストには、I/O バス (NIU を含む) およびダイレクト I/O 割り当て可能デバイスが含まれます。

出力は次のセクションに分かれます。

ldm list-io [-l] [-p]

ここでは、次のように指定します。

論理ドメイン構成の一覧表示

次のサブコマンドは、サービスプロセッサ (Service Processor、SP) 上に格納される論理ドメインの構成のリストを表示します。

ldm ls-config [-r [autosave-name]]

-r [autosave-name] は、制御ドメインに存在する自動保存ファイルの構成を表示します。autosave-name が指定されている場合、autosave-name でのみレポートされます。出力には、対応する SP 構成よりも自動保存ファイルが新しいかどうかも示されます。


注 - 遅延再構成が保留中の場合は、構成の変更はただちに自動保存されます。そのため、ldm ls-config -r コマンドを実行すると、自動保存構成は現在の構成より新しいものとして表示されます。


変数の一覧表示

次のサブコマンドは、論理ドメインの 1 つ以上の変数のリストを表示します。ドメインのすべての変数を表示するには、var-name を空白のままにします。

ldm ls-var [var-name...] ldom

ここでは、次のように指定します。

資源管理ポリシーの追加、設定、および削除

資源管理ポリシーの追加

このサブコマンドでは、1 つ以上の論理ドメインの資源管理ポリシーを追加できます。資源管理ポリシーは、オプションのプロパティーとそれらの値で構成されています。

電源管理がエラスティックモード「でない限り」、CPU DR をサポートするアクティブドメインで資源管理ポリシーを有効にできます。

ldm add-policy [enable=yes|no] [priority=value] [attack=value] [decay=value] [elastic-margin=value] [sample-rate=value] [tod-begin=hh:mm[:ss]] [tod-end=hh:mm[:ss]] [util-lower=percent] [util-upper=percent] [vcpu-min=value] [vcpu-max=value] name=policy-name ldom...

ここでは、次のように指定します。

資源管理ポリシーの変更

このサブコマンドでは、オプションのプロパティーに値を指定して、1 つ以上の論理ドメインの資源管理ポリシーを変更できます。

ldm set-policy [enable=[yes|no]] [priority=[value]] [attack=[value]] [decay=[value]] [elastic-margin=[value]] [sample-rate=[value]] [tod-begin=[hh:mm:ss]] [tod-end=[hh:mm:ss]] [util-lower=[percent]] [util-upper=[percent]] [vcpu-min=[value]] [vcpu-max=[value]] name=policy-name ldom...

ここでは、次のように指定します。

資源管理ポリシーの削除

このサブコマンドでは、1 つ以上のポリシー名を指定して、論理ドメインから資源管理ポリシーを削除できます。

ldm remove-policy [name=]policy-name... ldom

ここでは、次のように指定します。

XML ファイルからのドメインの構成または再構成

次のサブコマンドでは、既存の構成を使用して、1 つ以上のゲストドメインまたは制御ドメイン、あるいはこの両方の種類のドメインを構成できます。ldm init-system コマンドは、XML ファイル (ldm ls-constraints -x の出力など) を入力として取り込み、指定したドメインを構成し、制御ドメインを再起動します。出荷時のデフォルトの構成を使用してこのコマンドを実行します。

ldm init-system [-frs] -i file

ここでは、次のように指定します。

使用例

例 1 デフォルトのサービスの作成

3 つのデフォルトのサービスである、仮想ディスクサーバー、仮想スイッチ、および仮想コンソール端末集配信装置を設定して、これらのサービスをゲストドメインにエクスポートできるようにします。

# ldm add-vds primary-vds0 primary
# ldm add-vsw net-dev=nxge0 primary-vsw0 primary
# ldm add-vcc port-range=5000-5100 primary-vcc0 primary

例 2 サービスの一覧表示

サービスのリストを表示して、サービスが正常に作成されたこと、または使用可能なサービスを確認することができます。

# ldm ls-services primary
VCC
    NAME         LDOM    PORT-RANGE
    primary-vcc0 primary 5000-5100
VSW
    NAME         LDOM    MAC             NET-DEV   DEVICE     DEFAULT-VLAN-ID PVID VID MODE
    primary-vsw0 primary 00:14:4f:f9:68:d0 nxge0 switch@0 1               1
VDS
    NAME         LDOM    VOLUME         OPTIONS      MPGROUP   DEVICE
    primary-vds0 primary

例 3 制御ドメインの初期設定

制御ドメインは、primary と呼ばれ、Logical Domains Manager のインストール時に存在する初期ドメインです。制御ドメインではすべての資源を利用でき、それらの資源は使用しているサーバーによって異なります。制御ドメインで維持する資源のみを設定し、残りの資源をゲストドメインに割り当てられるようにします。次に、構成をサービスプロセッサに保存します。再起動して変更を有効にする必要があります。

制御ドメインとその他のドメイン間のネットワークを使用可能にする場合、制御ドメインで仮想スイッチを plumb します。ゲストドメインでコンソールを使用するには、仮想ネットワーク端末サーバーデーモン (vntsd(1M)) を使用可能にする必要があります。

# ldm start-reconf primary
# ldm set-crypto 1 primary
# ldm set-vcpu 4 primary
# ldm set-mem 4G primary
# ldm add-config initial
# shutdown -y -g0 -i6
# ifconfig -a
# ifconfig vsw0 plumb
# ifconfig nxge0 down unplumb
# ifconfig vsw0 IP-of-nxge0 netmask netmask-of-nxge0 broadcast + up
# svcadm enable vntsd

例 4 バインドの一覧表示

バインドのリストを表示して、指定した資源が制御ドメインにあるかどうか、または任意のドメインにバインドされている資源を確認できます。

# ldm ls-bindings primary
NAME             STATE    FLAGS    CONS    VCPU  MEMORY  UTIL  UPTIME
primary          active   -t-cv            4     4G      12%   11m

MAC
    08:00:90:11:11:10

VCPU
    VID    PID    UTIL STRAND
    0      0      18%   100%
    1      1      13%   100%
    2      2     9.8%   100%
    3      3     5.4%   100%

MEMORY
    RA               PA             SIZE
    0x4000000        0x4000000      4G

IO
DEVICE           PSEUDONYM        OPTIONS
pci@400          pci_0
pci@500          pci_1
pci@400/pci@0/pci@9  PCIE2
pci@400/pci@0/pci@9  MB/SASHBA
pci@500/pci@0/pci@8  MB/NET0

VCC
    NAME             PORT-RANGE
    primary-vcc0     5000-5100

VSW
    NAME           MAC                 NET-DEV   DEVICE     MODE
    primary-vsw0   00:14:4f:f9:68:d0   nxge0   switch@0   prog,promisc

VDS
    NAME             VOLUME         OPTIONS          DEVICE
    primary-vds0

例 5 論理ドメインの作成

必要とするゲストドメイン構成を作成するための資源の存在の確認、ゲストドメインの追加、ドメインに必要な資源およびデバイスの追加、起動時の動作をシステムに指示する起動パラメータの設定、ドメインへの資源のバインド、バックアップ用の XML ファイルへのゲストドメインの構成の保存を実行します。また、primary ドメインおよびゲストドメインの構成を SC に保存する場合があります。その後、ドメインを起動し、ドメインの TCP ポートを検出し、デフォルトの仮想コンソールサービスを介してその TCP ポートに接続することができます。

# ldm ls-devices
# ldm add-dom ldg1
# ldm add-vcpu 4 ldg1
# ldm add-mem 1g ldg1
# ldm add-vnet vnet1 primary-vsw0 ldg1
# ldm add-vdsdev /dev/dsk/c0t1d0s2 vol1@primary-vds0
# ldm add-vdisk vdisk1 vol1@primary-vds0 ldg1
# ldm set-var auto-boot\?=false ldg1
# ldm set-var boot-device=vdisk1 ldg1
# ldm bind-dom ldg1
# ldm ls-constraints -x ldg1 > ldg1.xml
# ldm add-config ldg1_4cpu_1G
# ldm start ldg1
# ldm ls -l ldg1
# telnet localhost 5000

例 6 多数のゲストドメインに対する 1 つの端末の使用

通常、作成した各ゲストドメインには、そのドメイン専用の TCP ポートおよびコンソールがあります。1 つめのゲストドメイン (この例では、ldg1) を作成したあとは、ldm set-vcons コマンドを使用して、その他すべてのドメイン (この例での 2 つめのドメインは ldg2) を同じコンソールポートに接続できます。set-vcons サブコマンドは、アクティブでないドメインでのみ機能します。

# ldm set-vcons group=ldg1 service=primary-vcc0 ldg2

1 つめ以外のすべてのゲストドメインで set-vcons コマンドを実行したあとに、ldm ls -l コマンドを実行すると、すべてのドメインが同じポートに接続していることを確認できます。コンソールの使用法については、vntsd(1M) マニュアルページを参照してください。

例 7 論理ドメインへの仮想 PCI バスの追加

I/O ドメインは、物理 I/O デバイスの直接所有権を持ち、これらに直接アクセスできるサービスドメインの一種です。I/O ドメインは、仮想 I/O デバイスの形式でゲストドメインにサービスを提供します。この例では、論理ドメインに仮想 PCI バスを追加する方法について示します。

# ldm add-io pci@7c0 ldg1

例 8 仮想データプレーンのチャンネル機能の追加 (Netra のみ)

使用しているサーバーに Netra Data Plane Software (NDPS) 環境がある場合、仮想データプレーンのチャンネル機能を追加することがあります。まず、サービスドメインに仮想データプレーンのチャンネルサービス (primary-vdpcs0 など) を追加します。この場合のサービスドメインは、primary ドメインです。

# ldm add-vdpcs primary-vdpcs0 primary

サービスドメイン (primary) にサービスを追加したら、ゲストドメイン (ldg1) に仮想データプレーンのチャンネルクライアント (vdpcc1) を追加できます。

# add-vdpcc vdpcc1 primary-vdpcs0 ldg1

例 9 制御ドメインの遅延再構成処理の取り消し

1 つの遅延再構成処理によって、その他すべてのドメインの構成処理がブロックされます。制御ドメインの遅延再構成処理の取り消しが必要になる場合があります。たとえば、目的のドメインまたは他のドメインでほかの構成コマンドを実行できるように、処理を取り消す場合があります。このコマンドを使用すると、遅延再構成処理を取り消して、目的のドメインまたは他のドメインでほかの構成処理を行うことができます。

# ldm cancel-op reconf primary

例 10 ドメインの移行

論理ドメインは、別のマシンに移行することができます。次に、成功する移行の例を示します。

# ldm migrate ldg1 root@dt90-187:ldg
Target password:

例 11 構成の一覧表示

次の例は、構成を表示する方法を示しています。1 つめのコマンドは、SP に格納されている構成を表示します。2 つめのコマンドは、SP 上の構成と、制御ドメイン上の自動保存構成に関する情報を表示します。

# ldm ls-config
factory-default
3guests [current]
data1
reconfig_primary
split1
# ldm ls-config -r
3guests [newer]
data1 [newer]
reconfig_primary
split1
unit

現在の 3guests 構成と data1 構成の両方で、SP に保存されていない変更が自動保存されています。この状態のときにシステムの電源が再投入されると、Logical Domains Manager は指定の手順に基づき、自動保存された 3guests の構成を回復します。3guests が current としてマークされているため、自動保存の回復処理はこのシステムに対して実行されます。

reconfig_primary および split1 自動保存構成は、SP 上のバージョンと同一で、より新しいバージョンではありません。

unit 構成は、自動保存構成として制御ドメインにのみ存在します。unit に対応する構成は、SP 上には存在しません。この状況は、SP で構成が失われると発生することがあります。SP を交換した場合、または SP 上の持続的なバージョンの構成に問題が発生した場合、構成が失われる可能性があります。rm-config コマンドを使用して構成を明示的に削除すると、制御ドメインの自動保存構成も削除されます。その結果、制御ドメインにも SP にも構成は残りません。

例 12 I/O デバイスの一覧表示

次の例では、システム上の I/O デバイスを一覧表示します。最初のセクションには、primary ドメイン上にある PCIe バスに関する情報が表示されます。2 つ目のセクションには、ダイレクト I/O 割り当て可能デバイスに関する情報が表示されます。

# ldm ls-io
IO              PSEUDONYM       DOMAIN          
--              ---------       ------          
pci@400         pci_0           primary         
pci@500         pci_1           primary         

PCIE                 PSEUDONYM  STATUS  DOMAIN
----                 ---------  ------  ------
pci@400/pci@0/pci@c  PCIE1      EMP     -
pci@400/pci@0/pci@9  PCIE2      OCC     ldg1
pci@400/pci@0/pci@d  PCIE3      OCC     ldg2
pci@400/pci@0/pci@8  MB/SASHBA  OCC     primary
pci@500/pci@0/pci@9  PCIE0      EMP     -
pci@500/pci@0/pci@d  PCIE4      OCC     ldg2
pci@500/pci@0/pci@c  PCIE5      OCC     ldg1
pci@500/pci@0/pci@8  MB/NET0    OCC     primary

終了ステータス

次の終了値が返されます。

0

正常に完了しました。

>0

エラーが発生しました。

属性

次の属性の説明については、attributes(5) マニュアルページを参照してください。

属性型
属性値
使用条件
SUNWldm
インタフェースの安定性
未確定

関連項目

dumpadm(1M)ifconfig(1M)shutdown(1M)vntsd(1M)attributes(5)

『Oracle VM Server for SPARC 2.1 管理ガイド』