ドメインへの物理リソースの割り当て

ドメインに割り当てる物理リソースは、ドメインマネージャーによって自動的に選択されます。ドメインに割り当てる物理リソースを明示的に選択することもできます。制御ドメイン以外のドメインでは、Oracle VM Server for SPARC 2.1 ソフトウェアをサポートしているいずれかのプラットフォームで Oracle Solaris 10 または Oracle Solaris 11 OS を実行している場合に、この機能を使用できます。制御ドメインでは、Oracle Solaris 11 OS を実行している場合のみ、この機能を使用できます。

明示的に割り当てるリソースは、「名前付きリソース」と呼ばれます。自動的に割り当てられるリソースは、「匿名リソース」と呼ばれます。

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注意 - 名前付きリソースを割り当てる機能は、慎重に計画して使用する必要があるため、上級管理者だけが使用するように意図されています。

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制御ドメインとゲストドメインに物理リソースを明示的に割り当てることができます。制御ドメインはアクティブなままなので、物理リソースの割り当てを行う前に、遅延再構成モードにしておくこともできます。あるいは、物理的な割り当てを行うと遅延再構成モードが自動的に設定されます。「制御ドメインの物理リソースの管理」を参照してください。物理リソースの制限については、「ドメインの物理リソースの管理における制限」を参照してください。

制御ドメインとゲストドメインに次の物理リソースを明示的に割り当てることができます。

• 物理 CPU。cid プロパティーを設定することにより、物理コア ID をドメインに割り当てます。このプロパティーを設定するには、次のコマンドを実行します。

  # ldm add-core cid=core-ID[,core-ID[,...]] ldom
  # ldm set-core cid=core-ID[,core-ID[,...]] ldom
  # ldm rm-core [-f] cid=core-ID[,core-ID[,...]] ldom

  cid プロパティーの値としてコア ID を指定すると、core-ID が明示的にドメインに割り当てられるかドメインから削除されます。

• 物理メモリー。mblock プロパティーを設定することにより、連続する物理メモリー領域のセットをドメインに割り当てます。各物理メモリー領域は、物理メモリーの開始アドレスとサイズで指定されます。このプロパティーを設定するには、次のコマンドを実行します。

  # ldm add-mem mblock=PA-start:size[,PA-start:size[,...]] ldom
  # ldm set-mem mblock=PA-start:size[,PA-start:size[,...]] ldom
  # ldm rm-mem mblock=PA-start:size[,PA-start:size[,...]] ldom

  メモリーブロックをドメインに割り当てるまたはドメインから削除するには、mblock プロパティーを設定します。有効な値は、物理メモリーの開始アドレス (PA-start) とメモリーブロックサイズ (size) をコロン文字 (:) で区切ったものです。

ldm list-constraints コマンドを使用すると、ドメインのリソースの制約を表示できます。physical-bindings 制約は、ドメインに物理的に割り当てられているリソースタイプを示します。physical-bindings 制約は、ドメインの作成時には未設定で、そのドメインに物理リソースが割り当てられると設定されます。mblock プロパティーを設定すると、physical-bindings 制約は memory に設定されます。同様に、cid プロパティーを設定すると、physical-bindings 制約は core に設定されます。cid プロパティーと mblock プロパティーの両方を設定すると、physical-bindings 制約は core,memory に設定されます。

制御ドメインのリソースタイプの physical-bindings 制約を変更するには、まずリソースの数をゼロに設定することによってその種類のリソースをすべて削除する必要があります。次のいずれかの方法を使用します。

• ldm set-core 0 または ldm set-mem 0 コマンドを使用して、リソースの数を 0 に設定します。

• 特定のリソースタイプの、指定された physical-bindings 制約をすべて削除します。

  名前付きのコアおよびメモリーブロックをすべて削除するには、それぞれ ldm set-core cid= および ldm set-mem mblock= コマンドを実行します。匿名のコアおよびメモリーブロックをすべて削除するには、それぞれ ldm set-core 0 および ldm set-mem 0 コマンドを実行します。

  制御ドメインには CPU とメモリーが割り当てられている必要があるため、制御ドメインに cid= または mblock= を指定するとエラーが返されます。

• ドメインから各リソースを個別に削除します。

ldm add-mem または ldm set-mem コマンドを使用して複数の物理メモリーブロックを割り当てる場合は、アドレスとサイズがただちに確認されます。また、部分的なコアが割り当てられているドメインでは、それらのコアの残りの CPU が未使用で使用可能な場合に限り、コア全体のセマンティクスを使用できます。

制御ドメインの物理リソースの管理

制御ドメインは常にアクティブなので、物理リソースの割り当てを行う前に、遅延再構成モードにしておくこともできます。物理リソースを明示的に割り当てると、制御ドメインは自動的に遅延再構成モードになり、physical-bindings 制約が設定されます。

physical-bindings=core の場合、ldm set-core cid=core-ID primary コマンドまたは ldm set-vcpu CPU-count primary コマンドを実行すると、次回の再起動時に physical-bindings 制約がクリアーされます。physical-bindings 制約が core に設定されていない場合、ldm set-core cid=core-ID primary コマンドを実行すると、次回の再起動時に physical-bindings=core が設定されます。

physical-bindings=memory の場合、ldm set-mem size primary コマンドを実行すると、次回の再起動時に physical-bindings 制約がクリアーされます。physical-bindings 制約が memory に設定されていない場合、ldm set-mem mblock=PA-start:size primary コマンドを実行すると、次回の再起動時に physical-bindings 制約が設定されます。

ドメインの物理リソースの管理における制限

ドメインの物理リソースの割り当てには、次の制限が適用されます。

• 同じドメインで、物理メモリーバインドと非物理メモリーバインド、または、物理コアバインドと非物理コアバインドを作成することはできません。ただし、同じドメインで、非物理メモリーバインドと物理コアバインド、または、非物理コアバインドと物理メモリーバインドを設定することはできます。

• ドメインに物理リソースを追加すると、対応するリソースタイプが物理バインドとして制約されます。

• physical-bindings=core の場合、個々の CPU をドメインに追加またはドメインから削除しようとすると失敗します。

• バインドされていないリソースの場合、リソースの割り当てと確認を行うことができるのは、ldm bind コマンドを実行したときのみです。

• ドメインから物理メモリーを削除する場合は、以前に追加したものと正確に同じ物理メモリーブロックを削除する必要があります。

• 物理メモリーの範囲が重複してはいけません。

• ldm add-vcpu -c または ldm set-vcpu -c コマンドを使用してドメインに物理リソースを割り当てることはできません。