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Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム) Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語) |
x86: UFS ファイルシステム用のディスクの設定 (作業マップ)
x86: UFS ルートファイルシステム用のディスクを設定する方法
x86: UFS ファイルシステム用のディスクを接続する方法
x86: UFS ファイルシステム用のディスクスライスを作成する方法
x86: UFS ルートファイルシステムのブートブロックをインストールする方法
x86: ZFS ファイルシステム用のディスクの設定 (作業マップ)
x86: ZFS ルートファイルシステム用のディスクを設定する方法
x86: ZFS ルートファイルシステム用のディスクスライスの作成
x86: ZFS ルートファイルシステム用のディスクスライスを作成する方法
x86: Solaris fdisk パーティションを作成する方法
14. Oracle Solaris iSCSI ターゲットおよびイニシエータの構成 (手順)
22. UFS ファイルシステムのバックアップと復元 (概要)
23. UFS ファイルとファイルシステムのバックアップ (手順)
次の作業マップに、x86 ベースシステム上で ZFS ルートファイルシステム用の ZFS ルートプールディスクを設定する手順を示します。
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ZFS ファイルシステムでも、記述された手順に従ってディスクを設定したり、fdisk パーティションを作成したりできますが、ディスクやディスクスライスへの直接のマッピングは行われません。ZFS ファイルシステムを作成する前に、ZFS ストレージプールを作成する必要があります。詳細については、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』を参照してください。
ルートプールには、Oracle Solaris OS のブートに使用されるルートファイルシステムが含まれています。ミラー化されていないルートプールのディスクが破損すると、システムがブートしない可能性があります。ルートプールディスクが破損した場合の復旧方法としては、次の 2 つの方法が考えられます。
Oracle Solaris OS 全体を再インストールします。
ルートプールディスクを交換し、スナップショットまたはバックアップメディアからファイルシステムを復元します。ハードウェア障害によるシステムの停止時間を減らすには、冗長ルートプールを作成します。サポートされる冗長ルートプール構成は、ミラー化ルートプールだけです。
ルート以外のプールで使用されるディスクには通常、ユーザーファイルやデータファイル用の領域が含まれます。ルートプールやルート以外のプールに別のディスクを接続または追加すれば、ディスク容量を増やすことができます。あるいは、プール内の破損したディスクを次の方法で交換することもできます。
非冗長プール内のディスクは、すべてのデバイスが現在 ONLINE 状態になっている場合は交換可能です。
冗長プール内のディスクは、ほかのデバイスで十分な冗長性を確保できる場合は交換可能です。
ミラー化ルートプールでは、ディスクを交換したりディスクを接続したりしたあと、故障したディスクやサイズの小さいディスクを切り離してプールのサイズを増やすことができます。
一般に、システムへのディスクの設定方法はハードウェアごとに異なるため、システム上でディスクの追加や交換を行う際にはハードウェアのドキュメントを確認してください。ディスクを既存のコントローラに追加する必要がある場合、システムがホットプラグをサポートしていれば、空のスロットにディスクを挿入するだけですむ可能性があります。新しいコントローラを構成する必要がある場合は、「動的再構成とホットプラグ機能」を参照してください。
ディスクの交換方法については、ハードウェアの取り付けガイドを参照してください。
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ディスクの接続または交換が完了したら、fdisk パーティションを作成します。「x86: Solaris fdisk パーティションを作成する方法」を参照してください。
ZFS ルートプールで使用するためのディスクでは、ディスクスライスを作成する必要があります。これは、長年にわたるブートの制限です。ルートプールディスクの次の要件を確認してください。
ディスクスライスと SMI (VTOC) ラベルが含まれている必要があります。
ルートプールディスクでは、EFI ラベルはサポートされません。
x86 システムのルートプールディスクには fdisk パーティションが含まれている必要があります。
単一のディスクであるか、あるいはミラー化構成の一部になっている必要があります。ルートプールでは、非冗長構成や RAIDZ 構成はサポートされません。
ルートファイルシステムの、OS イメージの一部となっているサブディレクトリのうち、/var 以外のものはすべて、ルートファイルシステムと同じデータセット内に存在している必要があります。
スワップデバイスとダンプデバイス以外の Solaris OS コンポーネントはすべて、ルートプール内に存在している必要があります。
さらに、/var ディレクトリまたはデータセットは単一のデータセットでなければならない、という制限もあります。たとえば、Oracle Solaris Live Upgrade を使って ZFS BE の移行やパッチ適用を行ったり、このプールの ZFS フラッシュアーカイブを作成したりする必要もある場合には、/var/tmp のような /var の下位ファイルシステムを作成することはできません。
x86 ベースシステムでは、まず fdisk パーティションを作成する必要があります。その後、スライス 0 で、ディスク領域の全体を使ってディスクスライスを作成します。
ディスク上の別のスライスを使用し、そのディスクを各種オペレーティングシステム間で共有したり、別の ZFS ストレージプールやストレージプールコンポーネントと共有したりしようとすることは、お勧めできません。
一般に、ルートプールディスクのインストールは、システムのインストール時に自動的に行われます。ルートプールディスクを交換したり、新しいディスクをミラー化ルートプールのディスクとして接続したりする必要がある場合には、次の手順を参照してください。
fdisk パーティションの完全な説明については、「x86: fdisk パーティションの作成上のガイドライン」を参照してください。
一部のハードウェアでは、故障したディスクを交換するための zpool replace 操作を試みる前に、ディスクをオフラインにして構成解除する必要があります。例:
# zpool offline rpool c2t1d0s0 # cfgadm -c unconfigure c2::dsk/c2t1d0
# cfgadm -c configure c2::dsk/c2t1d0
一部のハードウェアでは、交換用ディスクの装着後にそのディスクを再構成する必要がありません。
たとえば、次の format コマンドでは、このシステムに 4 つのディスクが接続されていることがわかります。
# format -e AVAILABLE DISK SELECTIONS: 1. c8t0d0 <Sun-STK RAID INT-V1.0 cyl 17830 alt 2 hd 255 sec 63> /pci@0,0/pci10de,375@f/pci108e,286@0/disk@0,0 2. c8t1d0 <Sun-STK RAID INT-V1.0-136.61GB> /pci@0,0/pci10de,375@f/pci108e,286@0/disk@1,0 3. c8t2d0 <Sun-STK RAID INT-V1.0-136.61GB> /pci@0,0/pci10de,375@f/pci108e,286@0/disk@2,0 4. c8t3d0 <Sun-STK RAID INT-V1.0-136.61GB> /pci@0,0/pci10de,375@f/pci108e,286@0/disk@3,0
Specify disk (enter its number): 1 selecting c8t0d0 [disk formatted] . . . format>
ディスクに fdisk パーティションが含まれていない場合は、次のようなメッセージが表示されます。
format> fdisk No Solaris fdisk partition found.
その場合は手順 4 に進み、fdisk パーティションを作成します。
ディスクに EFI fdisk やその他のパーティションタイプが含まれている場合は手順 5 に進み、Solaris fdisk パーティションを作成します。
ディスクに Solaris fdisk パーティションが含まれている場合は手順 6 に進み、ルートプール用のディスクスライスを作成します。
format> fdisk No fdisk table exists. The default partition for the disk is: a 100% "SOLARIS System" partition Type "y" to accept the default partition, otherwise type "n" to edit the partition table. y
続いて手順 6 に進み、ルートプール用のディスクスライスを作成します。
format ユーティリティーでディスクのパーティションテーブルを出力し、そのテーブル内に先頭セクターとサイズが含まれていた場合、これは EFI パーティションになります。Solaris fdisk パーティションを次のようにして作成する必要があります。
format のオプションから fdisk を選択します。
# format -e c8t0d0 selecting c8t0d0 [disk formatted] format> fdisk
オプション 3「Delete a partition」を選択して既存の EFI パーティションを削除します。
Enter Selection: 3 Specify the partition number to delete (or enter 0 to exit): 1 Are you sure you want to delete partition 1? This will make all files and programs in this partition inaccessible (type "y" or "n"). y Partition 1 has been deleted.
オプション 1「Create a partition」を選択して新しい Solaris パーティションを作成します。
Enter Selection: 1 Select the partition type to create: 1 Specify the percentage of disk to use for this partition (or type "c" to specify the size in cylinders). 100 Should this become the active partition? If yes, it will be activated each time the computer is reset or turned on. Please type "y" or "n". y Partition 1 is now the active partition.
ディスク構成を更新して終了します。
Enter Selection: 6 format>
SMI パーティションテーブルを表示します。デフォルトのパーティションテーブルが適用されていた場合、スライス 0 のサイズが 0 であるか非常に小さい値である可能性があります。次の手順を参照してください。
format> partition partition> print
未割り当てのディスク領域がすべてスライス 0 に集められるように、free hog パーティションを設定します。次に、すべてのスライスサイズフィールドで Return キーを押すことで、1 つの大きなスライス 0 を作成します。
partition> modify Select partitioning base: 0. Current partition table (default) 1. All Free Hog Choose base (enter number) [0]? 1 Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 0 (0/0/0) 0 1 swap wu 0 0 (0/0/0) 0 2 backup wu 0 - 17829 136.58GB (17830/0/0) 286438950 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 usr wm 0 0 (0/0/0) 0 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 8 boot wu 0 - 0 7.84MB (1/0/0) 16065 9 alternates wm 0 0 (0/0/0) 0 Do you wish to continue creating a new partition table based on above table[yes]? Free Hog partition[6]? 0 Enter size of partition '1' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Enter size of partition '3' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Enter size of partition '4' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Enter size of partition '5' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Enter size of partition '6' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Enter size of partition '7' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 1 - 17829 136.58GB (17829/0/0) 286422885 1 swap wu 0 0 (0/0/0) 0 2 backup wu 0 - 17829 136.58GB (17830/0/0) 286438950 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 usr wm 0 0 (0/0/0) 0 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 8 boot wu 0 - 0 7.84MB (1/0/0) 16065 9 alternates wm 0 0 (0/0/0) 0 Do you wish to continue creating a new partition table based on above table[yes]? yes Enter table name (remember quotes): "c8t0d0" Ready to label disk, continue? yes
# zpool replace rpool c2t1d0s0 # zpool online rpool c2t1d0s0
一部のハードウェアでは、交換用ディスクの装着後にそのディスクをオンラインにする必要がありません。
新しいディスクを接続してミラー化ルートプールを作成したり、サイズの大きなディスクを接続してサイズの小さいディスクと交換したりする場合には、次のような構文を使用します。
# zpool attach rpool c0t0d0s0 c1t0d0s0
例:
# installgrub /boot/grub/stage1 /boot/grub/stage2 /dev/rdsk/c8t0d0s0
この手順が必要となるのは、故障したディスクやサイズの小さいディスクを交換するために新しいディスクを接続した場合だけです。
# zpool detach rpool c0t0d0s0
ZFS ルートファイルシステム用のディスクスライスを作成し終わったら、ルートプールのスナップショットを復元してルートプールを回復する必要があります。『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』の「ZFS ルートプールまたはルートプールのスナップショットを回復する」を参照してください。
# installgrub /boot/grub/stage1 /boot/grub/stage2 /dev/rdsk/cwtxdysz
詳細は、installgrub(1M) のマニュアルページを参照してください。
# init 6
例 13-2 x86: ZFS ルートファイルシステムのブートブロックのインストール
ルートプールで使用するためのディスクを物理的に交換してから Oracle Solaris OS を再インストールした場合や、ルートプール用の新しいディスクを接続した場合には、ブートブロックは自動的にインストールされます。ルートプールで使用するためのディスクを zpool replace コマンドを使用して交換する場合は、交換後のディスクからシステムをブートできるように、ブートブロックを手動でインストールする必要があります。
次の例は、ZFS ルートファイルシステムのブートブロックをインストールする方法を示しています。
# installgrub /boot/grub/stage1 /boot/grub/stage2 /dev/rdsk/c1d0s0 stage2 written to partition 0, 277 sectors starting at 50 (abs 16115) stage1 written to partition 0 sector 0 (abs 16065)
ルート以外の ZFS ファイルシステムで使用されるディスクを設定する場合、そのディスクには、プールが作成されるときやプールにディスクが追加されるときに自動的にラベルが付けられます。ディスクの全体を使ってプールが作成される場合や、ZFS ストレージプールに 1 つのディスク全体が追加される場合には、EFI ラベルが適用されます。EFI ディスクラベルの詳細は、「EFI ディスクラベル」を参照してください。
一般に、最近のバスタイプのほとんどで、ホットプラグ機能がサポートされています。これは、ユーザーが空のスロットにディスクを挿入すれば、システムがそのディスクを認識してくれることを意味します。ホットプラグ対応デバイスの詳細は、第 6 章デバイスの動的構成 (手順)を参照してください。
詳細は、ディスクのハードウェアインストールガイドを参照してください。
一部のハードウェアでは、故障したディスクを交換するための zpool replace 操作を試みる前に、ディスクをオフラインにして構成解除する必要があります。例:
# zpool offline tank c1t1d0 # cfgadm -c unconfigure c1::dsk/c1t1d0 <Physically remove failed disk c1t1d0> <Physically insert replacement disk c1t1d0> # cfgadm -c configure c1::dsk/c1t1d0
一部のハードウェアでは、交換用ディスクの装着後にそのディスクを再構成する必要がありません。
format ユーティリティーの出力を確認し、AVAILABLE DISK SELECTIONS の下にディスクが表示されているかチェックします。その後、format ユーティリティーを終了します。
# format
# zpool replace tank c1t1d0 # zpool online tank c1t1d0
新しいディスクの再同期化が実行されていることを確認します。
# zpool status tank
例:
# zpool attach tank mirror c1t0d0 c2t0d0
新しいディスクの再同期化が実行されていることを確認します。
# zpool status tank
詳細については、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』の第 4 章「Oracle Solaris ZFS ストレージプールの管理」を参照してください。