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Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム) Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語) |
14. Oracle Solaris iSCSI ターゲットおよびイニシエータの構成 (手順)
22. UFS ファイルシステムのバックアップと復元 (概要)
23. UFS ファイルとファイルシステムのバックアップ (手順)
newfs コマンドによって割り当てられるデフォルトのファイルシステムパラメータを変更しようとする前に、各パラメータについて理解しておく必要があります。この節では、次の各パラメータについて説明します。
これらのパラメータをカスタマイズするコマンドオプションについては、newfs(1M) と mkfs_ufs(1M) のマニュアルページを参照してください。
論理ブロックサイズは、UNIX カーネルがファイルの読み書きに使用するブロックのサイズです。一般に、論理ブロックサイズは物理ブロックサイズとは異なります。物理ブロックサイズは、通常は 512K バイトで、ディスクコントローラが読み書きできる最小ブロックのサイズです。
論理ブロックサイズは、デフォルトでシステムのページサイズに設定されます。UFS ファイルシステムの場合、このデフォルト論理ブロックサイズは 8192 バイト (8K バイト) です。UFS ファイルシステムでは、ブロックサイズとして 4096 バイトまたは 8192 バイト (4K または 8K バイト) がサポートされます。論理ブロックの推奨サイズは 8K バイトです。
SPARC のみ - sun-4u プラットフォームでは、8192 バイトのブロックサイズしか指定できません。
システムに最善の論理ブロックサイズを選択するには、必要なパフォーマンスと使用可能容量を検討してください。ほとんどの UFS システムでは、8K バイトのファイルシステムが最高のパフォーマンスを発揮し、ディスクパフォーマンスと一次メモリーやディスク上の領域の使用量が適切なバランスに保たれます。
原則として、効率を高めるには、ほとんどのファイルがきわめて大きいファイルシステムには大きめの論理ブロックサイズを使用します。ほとんどのファイルがきわめて小さいファイルシステムには、小さめの論理ブロックサイズを使用します。ファイルシステム上で quot -c filesystem コマンドを使用すると、ファイルの分散に関する詳細なレポートをブロックサイズ別に表示できます。
ただし、通常は、ファイルシステムの作成時に設定されたページサイズが最適です。
ファイルが作成または拡張されると、論理ブロック全体または「フラグメント」と呼ばれる部分のディスク容量が割り当てられます。ファイルのためにディスク容量が必要になると、まずブロック全体が割り当てられ、次に残りの部分にブロックのうち 1 つまたは複数のフラグメントが割り当てられます。小型ファイルの場合、割り当てはフラグメントから始まります。
ブロック全体ではなく、そのフラグメントを割り当てることができるので、ブロック内の未使用のホールによって生じるディスク容量の「断片化」が減少し、容量の節約になります。
UFS ファイルシステムを作成するときに、「フラグメントサイズ」を定義します。デフォルトのフラグメントサイズは 1K バイトです。各ブロックは、1 個、2 個、4 個、または 8 個のフラグメントに分割できます。この場合、フラグメントサイズは 8192 バイトから 512 バイト (4K バイトのファイルシステムのみ) までです。実際には、下限はディスクのセクターサイズ、通常は 512 バイトに連動します。
マルチテラバイトのファイルシステムの場合、フラグメントサイズはファイルシステムのブロックサイズに等しくなります。
注 - フラグメントサイズの上限は論理ブロックサイズに等しくなります。この場合、フラグメントは存在しないことになります。容量よりも速度を重視する場合、きわめて大型のファイルがあるファイルシステムには、この構成が最適なことがあります。
フラグメントサイズを選択するときには、処理時間と容量の兼ね合いを考慮してください。 フラグメントサイズが小さければ容量の節約になりますが、割り当てには時間がかかります。原則として、格納効率を高めるには、ほとんどのファイルが大型のファイルシステムには、大きめのフラグメントサイズを使用します。ほとんどのファイルが小型のファイルシステムには、小さめのフラグメントサイズを使用します。
「最小空き容量」とは、ファイルシステムの作成時に予約分として保持されるディスク容量の割合です。デフォルトの予約分は、((64M バイト/パーティションサイズ) * 100) で算出し、その値はもっとも近い整数に切り捨てられ、ディスク容量の 1% から 10% の範囲に制限されます。
ファイルシステム内の空き容量が少なくなるほど、アクセス速度が低下するので、空き容量は重要です。十分な空き容量があれば、UFS ファイルシステムは効率よく動作します。ファイルシステムがいっぱいになって、使用可能なユーザー領域を使い果たすと、スーパーユーザー以外は予約済みの空き容量にアクセスできなくなります。
df などのコマンドは、最小空き容量として割り当て済みの分を差し引いて、ユーザーに使用可能な容量をパーセントで表示します。コマンドでファイルシステム内のディスク容量の 100 パーセント以上が使用中であると表示される場合は、予約分の一部がスーパーユーザーによって使用されています。
ユーザーに割り当てを適用する場合に、各ユーザーが使用可能な容量には予約分の空き容量は含まれません。tunefs コマンドを使用すると、既存のファイルシステムの最小空き容量の値を変更できます。
このパラメータはもう使用しません。指定した値に関わらず、値は常に 0 に設定されます。
「最適化のタイプ」パラメータの設定には、「space」と「time」があります。
space – 最適化のタイプに space を選択すると、断片化を最小限度に抑え、ディスクの使用状況が最適化されるようにディスクブロックが割り当てられます。
time – 最適化のタイプに time を選択すると、配置はあまり重視されず、できるだけ高速になるようにディスクブロックが割り当てられます。空き容量が十分ある場合、それほど細かく断片化しなくても、比較的簡単にディスクブロックを割り当てることができます。デフォルトは time です。
既存のファイルシステムの場合は、tunefs コマンドを使用して最適化タイプのパラメータ値を変更できます。
詳細は、tunefs(1M) のマニュアルページを参照してください。
i ノード 1 個あたりのバイト数によって、ファイルシステム内における i ノードの密度が決まります。ファイルシステムの合計サイズをこの値で割ると、作成すべき i ノードの個数が得られます。i ノードが割り当てられたら、ファイルシステムを作成し直さないかぎり、その数は変更できません。
1G バイト未満ファイルシステムが 1G バイト以下の場合、i ノード 1 個あたりのデフォルトのバイト数は 2048 バイト (2K バイト) です。ファイルシステムが 1G バイトを超える場合、次の公式が使用されます。
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多数のシンボリックリンクを持つファイルシステムでは、平均ファイルサイズが小さくなることがあります。ファイルシステムに多数の小型ファイルが格納される場合は、このパラメータに小さい値を与えてもかまいません。i ノード数が少ないために i ノードが不足するよりも、多すぎる方が好ましいことを留意してください。i ノード数が少なすぎると、実際には空のディスクスライス上でも最大ファイル数に達してしまうことがあります。
UFS ファイルシステムの最大サイズは、およそ 16T バイトで、使用できる領域は、そこから約 1 パーセントのオーバーヘッドを引いたサイズです。「空白」ファイルの論理サイズは 1T バイトです。ただし、ファイルに格納できる実際のデータ容量は、1T バイトから約 1 パーセントのファイルシステムオーバーヘッドを引いたサイズです。
UFS ファイルシステム内のディレクトリあたりのサブディレクトリの最大数は、32,767 です。この制限はあらかじめ定義されたものなので、変更できません。