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リンカーとライブラリ Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語) |
このマニュアルは、Oracle Solaris リンカーと実行時リンカーの動作に加え、これらのユーティリティーが動作するオブジェクトについて説明しています。Oracle Solaris リンカーと実行時リンカーの基本動作は、オブジェクトを組み合わせることです。この結合によって、接続されるオブジェクトから別のオブジェクト内のシンボル定義へシンボル参照されるようになります。
このマニュアルは次の領域を扱っています。
リンカー ld(1) は、1 つまたは複数の入力ファイルのデータを連結および解釈します。入力ファイルは、再配置可能オブジェクト、共有オブジェクト、またはアーカイブライブラリです。これら入力ファイルから 1 つの出力ファイルが作成されます。このファイルは、再配置可能オブジェクト、動的実行可能プログラム、共有オブジェクトのいずれかです。リンカーは通常、コンパイル環境の一環として呼び出されます。
実行時リンカー ld.so.1(1) は、動的実行可能ファイルと共有オブジェクトを実行時に処理し、実行可能ファイルと共有オブジェクトを結合して、実行可能プロセスを作成します。
共有オブジェクトとは、リンク編集フェーズからの出力の形式の 1 つです。共有オブジェクトを「共有ライブラリ」と呼ぶこともあります。共有オブジェクトは、強力で柔軟な実行時環境を作成する上で重要です。
Oracle Solaris リンカー、実行時リンカー、および関連ツールは、実行可能かつリンク可能なフォーマット (executable and linking format, ELF) に準拠したファイルを処理します。
これらの領域は、それぞれのトピックに分割できますが、重複する部分も多数あります。このドキュメントでは、相互に参照させながら、各領域について説明しています。