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Oracle Solaris 10 8/11 の新機能 Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris 10 8/11 リリースの新機能
sd.conf 設定ファイルのフラッシュデバイス用のチューニング可能パラメータ
x86: Nehalem-EX プラットフォーム用の Oracle Solaris I/O 割り込みフレームワークの拡張機能
Oracle Key Manager の PKCS#11 プロバイダ
新しいパスワードを割り当ててもロックされたアカウントはロック解除されない
パスワード作成ポリシーがデフォルトで root ユーザーに適用される
Apache C++ Standard Library バージョン 4
e1000g(7D) ドライバでの LAN-On-Motherboard (LOM) デバイスのサポート
mcxnex/mcxe(7D) ドライバでの新しいデバイスのサポート
Oracle Solaris 10 8/11 リリースでは、次のシステムパフォーマンス強化機能が追加されました。
smt_pause() 関数は、ビジーウェイトまたはアイドルループを実行する CMT システムのアプリケーションで使用できます。この関数を使用すると、同じコアを共有している他のハードウェアストランドのビジーウェイト中の実行速度が向上します。
詳細は、smt_pause(3C) のマニュアルページを参照してください。
特に多数のスレッドを使用する 64 ビットのアプリケーションで、libmtmalloc のパフォーマンスが向上しました。libmtmalloc には、次の拡張機能があります。
デフォルトの設定では、割り込みのできない原子動作が優先されて、多数のロックが除去されました。これらによって一貫した状態が保証されます。
リンクリスト検索がマトリックス検索に置き換えられました。
追加ロックを除去するオプション (MTEXCLUSIVE) と、過大な割り当てのしきい値をチューニング可能にするオプション (MTMAXCACHE) が追加されました。詳細は、mtmalloc(3MALLOC) のマニュアルページを参照してください。
新しいスイッチ MTREALFREE は、madvise を使用してメモリーをオペレーティングシステムに返します。
これらの拡張機能により、ロックの競合が減少して、パフォーマンスが向上します。特に、多数のスレッドが割り当てられているアプリケーションで効果があります。ただし、libmtmalloc をデフォルトの設定で使用する単一スレッドのアプリケーションでは、20% のパフォーマンス低下が見られます。
単一スレッドのアプリケーションには libc を使用することをお勧めします。libumem は、スレッド数の少ないアプリケーションに対して優れたパフォーマンスを発揮します。スレッド数が 16 以上の場合は、libmtmalloc が優れたパフォーマンスを発揮します。
詳細は、libmtmalloc(3LIB) および mallocctl(3MALLOC) のマニュアルページを参照してください。
エミュレーションモードのフラッシュデバイスに対して、新しいチューニング可能パラメータ emulation-rmw が sd.conf 設定ファイルに追加されました。?emulation-rmw チューニング可能パラメータは、設定ファイルで読み取り・修正・書き込み (RMW) を on または off にするのに役立ちます。RMW アルゴリズムが適切でない半導体ドライブ (SSD) に対しては、ファームウェアを使用するのではなく、RMW エミュレーションを sd ドライバに割り当てることができます。
このチューニング可能パラメータを設定すると、raw ディスク I/O のパフォーマンスが、SSD ファームウェア内で RMW を実行するのに比べて著しく向上します。
Oracle Solaris I/O 割り込みフレームワークは、Nehalem-EX プラットフォーム用に機能が拡張され、システム内に構成されているプロセッサの数に合わせてスケーリングする多数の MSI/MSI-X 割り込みベクトルを提供します。これらの拡張機能には、次の利点があります。
システム内の多数のデバイスの設定をサポートする
利用可能な多数の MSI/MSI-X 割り込みを使用するデバイスドライバをサポートして、デバイス操作のパフォーマンス向上を実現する
これらの拡張機能は Oracle Solaris ユーザーからは見えませんが、システム内で使用されるプラットフォームやデバイスに応じて I/O パフォーマンスが向上する可能性があります。さらに、pcitool(1M) コマンドが更新され、構文とオプションが改訂されました。
Oracle Solaris で、Intel AVX (Advanced Vector Extensions) 命令セットをサポートするようになりました。Intel AVX は、SSE (ストリーミング SIMD 拡張命令) を 256 ビットの命令セットに拡張したものです。この命令セットは、浮動小数点を扱うことの多いアプリケーション向けに設計されています。Intel AVX は、オーディオ/ビデオ処理、シミュレーション、財務分析、3D モデリングなどの作業のパフォーマンス向上に役立ちます。Intel AVX は、Intel SandyBridge プロセッサファミリに属しています。
Intel AVX の詳細は、http://software.intel.com/en-us/avx/ を参照してください。
Intimate Shared Memory (ISM) および Dynamic Intimate Shared Memory (DISM) の作成、ロック、ロック解除、および破棄に関する変更によって、Oracle データベースの起動およびシャットダウン時のパフォーマンスが大幅に向上しました。