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Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール) Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語) |
次の手順では、障害の発生したディスクドライブから回復させるためにターゲットシステムにロードできるフラッシュアーカイブイメージを作成する最も簡単な手順について説明します。
始める前に
これらの手順を実行するには、次のものを利用できる必要があります。
インストール CD や DVD などの初期ブートメディア、またはネットインストールサービス
システムの外部にある、FLAR イメージ用の記憶領域
この手順では、置換用のディスクドライブのサイズが同じで、元のドライブと同じようにパーティション分割されていることを前提としています。
次の 2 つの方法のいずれかを使用して、ディスクドライブのパーティションテーブルに関する情報を取得します。
# format
format コマンドは、パーティションの名前を表示します。
通常は、リスト内の最初のディスクがブートドライブです。
詳細は、format(1M) のマニュアルページを参照してください。
# prtvtoc /dev/dsk/c0t0d0s0
prtvtoc コマンドは、各パーティションのシリンダの数でパーティションのサイズを表示します。
情報を安全な場所に保管します。この情報は、回復時にシステムイメージの復元を行うときに使用します。
FLAR アーカイブには、圧縮なしで最大 15G バイトの容量が必要です。
# df -h /tmp
注 - /tmp に十分な容量がない場合は、代わりに /export などの別のファイルシステムを試してみてください。その場合は、次の手順で、/tmp の代わりに、/export などの代替ファイルシステムを使用します。
システムを停止する手順については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「スタンドアロンシステムをシャットダウンする方法」を参照してください。
>OK boot -s
詳細については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「システムを実行レベル S (シングルユーザーレベル) でブートする方法」を参照してください。
次の例に示すように、flarcreate コマンドを実行します。
この例で、FLAR イメージは、 /tmp の下の FLAR_recovery という名前のディレクトリに保存されます。FLAR イメージの名前は、newsystem_recovery.flar になります。
# mkdir /FLAR_recovery # flarcreate -n my_recovery_image -x /FLAR_recovery \ /FLAR_recovery/newsystem_recovery.flar
上記の例では、
-n my_recovery_image によって名前が FLAR イメージに埋め込まれます。この名前は、システム用の FLAR イメージであることがすぐ見分けられるように、一意でわかりやすいものにしてください。
-x /FLAR_recovery によって、回復イメージに必要のない /FLAR_recovery ディレクトリとその内容が FLAR イメージから除外されます。
注 - デフォルトでは、flarcreate コマンドは、「スワップ」パーティションにある項目を無視します。
/FLAR_recovery/newsystem_recovery.flar は、FLAR イメージのパスおよびファイル名です。このファイル名は、システム用の FLAR イメージであることがすぐ見分けられるように、一意でわかりやすいものにしてください。
FLAR イメージは、ブートデバイス以外のローカルのストレージデバイス、または NFS を介したリモートの場所に保存する必要があります。ストレージデバイスまたはリモートの場所は、回復時にシステムからアクセスできる必要があります。
次の例に示すように、新しい FLAR を安全な場所に保存します。
# cp /FLAR_recovery/newsystem_recovery.flar \ /net/my-safe-machine/FLAR_image
回復プロセスは、選択したインストール方法を使用して通常のインストールとして開始されます。ブート方式でインストールする代わりに、インストーラを使用して FLAR イメージからインストールします。
ok> boot net
たとえば、次のようなパスを入力します。
/net/my-safe-machine/FLAR_image/newsystem_recovery.flar
「フラッシュアーカイブの一覧」画面が表示されます。
この例では、場所は次のようになります。
my-safe-machine:/FLAR_image/newsystem_recovery.flar
パーティションテーブルは、ディスクの各スライスに対応しています。パーティションテーブルのパーティション 0 は、ハードドライブのスライス 0 (s0) にマッピングされます。
パーティションテーブルの出力との一致精度を上げるために、スライスサイズを「シリンダ」に表示できます。パーティション形式で「Cyl」を選択すると、シリンダ数で形式が表示されます。
スライス 2 のサイズは変更しないでください。スライス 2 は、割り当てられる容量に関係なくディスク全体を網羅する必要があります。
パーティション形式の「開始」と「サイズ」の値を取得するには、前に prtvtoc コマンドを実行したときに記録したパーティション情報を使用します。パーティション形式の「開始」の値を取得するには、「First Sector」の値を「Sectors/Cylinder」の値で割ります。両方とも、prtvtoc コマンドの出力にあります。パーティション形式の「サイズ」の値は、「Sector Count」を「Sectors/Cylinder」の値で割ると得られます。この情報も、prtvtoc コマンドの出力から得られます。
置換用のディスクに元のディスクより多くの記憶容量がある場合は、パーティション分割して利用可能な容量を使用できます。ただし、各パーティションに少なくとも元のディスクで割り当てられていたのと同じ容量を割り当てる必要があります。
システムをリブートすると、回復が完了します。
上記の回復の手順では、回復イメージを作成してから回復を実行するまでの間、ハードウェアコンポーネントを追加、削除、または移動していないことを前提としています。ただし、ハードウェアの変更後にシステムを回復した場合は、デバイスツリー (/dev と /devices) を更新する必要があることがあります。この更新は、再構成時のシステムのリブートを使用するか、devfsadm コマンドを使用して、実行できます。
デバイスツリーを再構築するには、ルートレベルユーザーとして、次に示すように devfsadm コマンドを使用します。
# devfsadm -C