17.7. Oracle Virtual Desktop Client のトラブルシューティング

17.7.1. VPN または WAN を使用しているときの接続の問題
17.7.2. 画面描画の問題
17.7.3. ログレベルを設定する方法
17.7.4. ログファイルの場所を変更する方法
17.7.5. 接続の問題を診断する方法

このセクションでは、Oracle Virtual Desktop Client のトラブルシューティング情報について説明します。

17.7.1. VPN または WAN を使用しているときの接続の問題

最大伝送単位 (MTU) は、接続の最大パケットサイズです。デフォルトで MTU は 1500 バイトに設定されています。

仮想プライベートネットワーク (VPN) または広域ネットワーク (WAN) を使用していて問題が発生した場合は、ネットワークの MTU 設定が高すぎる可能性があります。

ネットワークに適切な MTU 設定を診断するには、ping コマンドを使用して、正常に伝送できる最大パケットサイズを見つけてください。

Windows プラットフォームの場合:

ping server-name -l bytes -f

ここで、server-name は Sun Ray サーバーの名前、bytes はパケットサイズです。

Mac OS X プラットフォームの場合:

ping -s bytes -D server-name  

ここで、server-name は Sun Ray サーバーの名前、bytes はパケットサイズです。

Linux プラットフォームの場合:

ping server-name -s bytes

ここで、server-name は Sun Ray サーバーの名前、bytes はパケットサイズです。

MTU 設定を計算するには、8 バイトをパケットサイズに加えます。

MTU を設定するには、「ネットワーク」タブで設定を変更するか、次のコマンドを実行します。

ovdc --mtu bytes server-name

ここで、bytes は MTU のバイト数、server-name は Sun Ray サーバーの名前です。

17.7.2. 画面描画の問題

ネットワークに対して最大伝送単位 (MTU) 設定が高すぎる場合は、画面再描画の低下や黒いピクセルのブロックなど、画面描画の問題が発生することがあります。

MTU は、接続の最大パケットサイズです。デフォルトで MTU は 1500 バイトに設定されています。

ネットワークに適切な MTU 設定を診断する方法について詳しくは、Section 17.7.1, “VPN または WAN を使用しているときの接続の問題”を参照してください。

17.7.3. ログレベルを設定する方法

Oracle Virtual Desktop Client の問題を診断しやすいように、ログレベルを増やすことができます。

Table 17.4, “Oracle Virtual Desktop Client のログレベル”に、使用可能なログレベルを示します。

Table 17.4. Oracle Virtual Desktop Client のログレベル

レベル

説明

0

ログなし

1

重大メッセージ

2

警告

3

情報メッセージ


デフォルトではログレベルは 0 で、ログがオフに設定されます。--logging-domains オプションを使用してログドメイン (ログを記録するカテゴリ) を設定できますが、デフォルトではすべてのログドメインが記録されます。

ログレベルは累積的です。たとえば、最大ログレベル 3 には、情報メッセージ、警告、および重大メッセージが含まれます。

ログレベルを設定するには、次のコマンドを実行します。

ovdc --logging-level num server-name

ここで、num はログレベル、server-name は Sun Ray サーバーの名前です。

たとえば、sr-1.example.com Sun Ray サーバーに対する接続の警告および重大メッセージを記録するには、次のコマンドを実行します。

ovdc --logging-level 2 sr-1.example.com

17.7.4. ログファイルの場所を変更する方法

デフォルトでは、ログメッセージはクライアントコンピュータの .log テキストファイルに書き込まれます。.log ファイルには、使用されたプロファイルに基づいて名前が付けられます。たとえば、デフォルトプロファイルのログファイルは、default.log という名前になります。

ログファイルのデフォルトの場所は、インストールプラットフォームによって次のように異なります。

  • Microsoft Windows XP プラットフォームC:\Documents and Settings\username\Application Data\OVDC\profilename.log

  • Microsoft Windows Vista および Microsoft Windows 7 プラットフォームC:\Users\username\AppData\Roaming\OVDC\profilename.log

  • Mac OS X プラットフォーム$HOME/.OVDC/profilename.log

  • Linux プラットフォーム$HOME/.OVDC/profilename.log

--profile コマンドオプションを使用してプロファイルへのパスを指定する場合は、ログファイルがプロファイルと同じディレクトリに自動的に作成されます。次の例では、ログメッセージが C:\temp\fullscreen.log ファイルに書き込まれます。

ovdc --profile C:\temp\fullscreen 

17.7.4.1. --logfile コマンドオプションを使用する

--logfile コマンドオプションを使用して、ログファイルの名前や場所を変更できます。ログファイルへのパスに空白が含まれる場合は、パスを引用符 (") で囲みます。

次の例では、デフォルトプロファイルを使用し、ログメッセージをデフォルトの場所にある mylog.txt ファイルに書き込みます。

ovdc --logfile mylog.txt

次の例では、デフォルトプロファイルを使用し、ログメッセージを C:\temp\logfile.txt ファイルに書き込みます。

ovdc --logfile C:\temp\logfile.txt

次の例では、C:\profiles\fullscreen プロファイルを使用し、ログメッセージを C:\temp\logfile.txt ファイルに書き込みます。

ovdc --profile C:\profiles\fullscreen --logfile C:\temp\logfile.txt

次の例では、C:\profiles\fullscreen プロファイルを使用し、ログメッセージをデフォルトの場所にある mylog.txt ファイルに書き込みます。

ovdc --profile C:\profiles\fullscreen --logfile mylog.txt

17.7.5. 接続の問題を診断する方法

Sun Ray Software では、オンスクリーンディスプレイ (OSD) アイコンとローカライズされたエラーメッセージの組み合わせを使用して、接続のステータスを表示します。OSD アイコンを使用して、Oracle Virtual Desktop Client の接続の問題を診断できます。

使用可能な OSD アイコンについて詳しくは、Chapter 16, Sun Ray クライアントのトラブルシューティングアイコンを参照してください。