Microsoft ターミナルサービスのライセンス情報は、既存の LDAP スキーマを使用して、Windows セッション起動時に自動的に Sun Ray データストアに格納されます。管理者による設定または介入の必要はありません。
ライセンスの一覧表示や削除といったライセンスの管理は、utlicenseadm コマンドで行います。詳細は、utlicenseadm
のマニュアルページを参照してください。
Windows Connector は、ユーザー単位およびデバイス単位のターミナルサーバークライアントアクセスライセンス (Terminal Server Client Access Licenses: TS-CAL) をサポートします。
ユーザー単位モード - ユーザーによるホットデスクはほぼシームレスに行われます。
デバイス単位モード - ユーザーは、TS-CAL ライセンスの正しい処理を保証するため、別のクライアントに対してホットデスクを行うたびに認証をやり直す必要があります。
Microsoft のオペレーティングシステム製品が提供するターミナルサーバー機能にアクセスする場合、その製品を使用するための追加ライセンスを購入する必要があります。使用している Microsoft のオペレーティングシステム製品のライセンス契約書を確認して、どのライセンスを入手する必要があるかを判断してください。現在、ターミナルサービスに関する情報は、次のサイトに記載されています: http://www.microsoft.com/windowsserver2008/en/us/how-to-buy.aspx
ユーザー単位モードとデバイス単位モードとの動作の違いを示すため、ユーザーがスマートカードで Sun Ray セッションにログインし、Windows セッションへの接続を開いた場合について最初に説明します。Table 18.9, “Windows ライセンスモード”は、ユーザーがスマートカードを取り外し、再度挿入した場合の動作を示したものです。
Table 18.9. Windows ライセンスモード
ユーザーがスマートカードを取り外して... | ユーザー単位モード | デバイス単位モード |
---|---|---|
同じクライアントにスマートカードを再挿入した場合。 | ユーザーは瞬時に既存の Windows セッションに再接続されます。 | ユーザーは瞬時に既存の Windows セッションに再接続されます。 |
別のクライアントにスマートカードを挿入した場合。 | ユーザーは瞬時に既存の Windows セッションに再接続されます。 | ユーザーは Windows のログイン画面でユーザー名とパスワードの入力を求められ、そのあとに既存の Windows セッションに再接続されます。その他の機能およびサービスはそれと同様の影響を受けます。たとえば:
|
uttsc コマンドの -H nodisconnect
オプションを使用すると、ホットデスクイベントの検出時に Windows Connector による切断が行われないように設定できます。
-H nodisconnect
オプションを指定すると、ホットデスクイベントの発生時に Windows Connector による切断と再接続は行われず、別のクライアント上でライセンスがリフレッシュされることもありません。その代わりに、最初のクライアントに接続したときに与えられた元のライセンスが使用されます。この動作により、不注意で Microsoft ターミナルサーバーのライセンス契約に違反してしまう可能性があります。ライセンスに完全に準拠するためにも、-H nodisconnect
オプションの使用は違反の危険性を十分認識した上で、慎重に行なってください。