18.16. 印刷

18.16.1. 印刷待ち行列を設定する方法 (Oracle Solaris)
18.16.2. 印刷待ち行列を設定する方法 (Oracle Linux)
18.16.3. Sun Ray プリンタを Windows セッションで使用可能にする方法
18.16.4. プリンタキャッシュファイルの保守方法
18.16.5. フォローミー印刷の設定方法
18.16.6. プリンタのトラブルシューティング

Windows Connector は、次のプリンタ構成の印刷をサポートしています:

次に、Windows Connector でのプリンタの設定に関する重要事項を示します。

18.16.1. 印刷待ち行列を設定する方法 (Oracle Solaris)

ここでは、Oracle Solaris を実行している Sun Ray サーバーに生の印刷待ち行列を設定し、Windows システムからアクセス可能にする方法を説明します。この手順は通常、プリンタが Sun Ray サーバーにローカルに接続されている場合に必要となります。

ネットワークプリンタが Sun Ray サーバーで参照可能な場合、通常はこの待ち行列はすでに設定されているので、このタスクを実行する必要はありません。これらの説明は、生の印刷待ち行列、つまりプリンタドライバを使用しないで構成される印刷待ち行列についてのものです。PostScript ドライバの待ち行列を設定する手順については、オペレーティングシステムのドキュメントを確認してください。lplpadmin のマニュアルページも参照してください。

  1. lpadmin コマンドを使って、プリンタとプリンタデバイスノードを指定します。

    # /usr/sbin/lpadmin -p printer-name \
    -v /tmp/SUNWut/units/IEEE802.mac-address/dev/printers/device-node
    
  2. 印刷待ち行列を有効にします。

    # /usr/bin/enable printer-name
    
  3. 印刷待ち行列を許可します。

    # /usr/sbin/accept printer-name
    

Windows セッションで、サーバーの利用可能な印刷待ち行列を最新の状態に更新するには、関連する印刷待ち行列をコマンド行で指定し、Sun Ray Windows Connector を再起動します。詳細については、Section 18.16.3, “Sun Ray プリンタを Windows セッションで使用可能にする方法”を参照してください。

18.16.2. 印刷待ち行列を設定する方法 (Oracle Linux)

ここでは、Oracle Linux を実行している Sun Ray サーバーに生の印刷待ち行列を設定し、Windows システムからアクセス可能にする方法を説明します。この手順は通常、プリンタが Sun Ray サーバーにローカルに接続されている場合に必要となります。

ネットワークプリンタが Sun Ray サーバーで参照可能な場合は、この待ち行列はすでに設定されているので、このタスクを実行する必要はありません。これらの説明は、生の印刷待ち行列、つまりプリンタドライバを使用しないで構成される印刷待ち行列についてのものです。PostScript ドライバの待ち行列を設定する手順については、オペレーティングシステムのドキュメントを確認してください。lplpadmin のマニュアルページも参照してください。

  1. /etc/cups/mime.convs ファイル内で、次の行をコメント解除します:

    application/octet-stream application/vnd.cups-raw 0 -
  2. /etc/cups/mime.types ファイル内で、次の行をコメント解除します:

    application/octet-stream
  3. cups デーモンを再起動します。

    # /etc/init.d/cups restart
  4. /dev/usb にある Sun Ray プリンタノードへのソフトリンクを作成します。

    たとえば、デバイスノードが /tmp/SUNWut/units/IEEE802.mac-address/dev/printers/device-node の場合、次のコマンドを使用します:

    # ln -s /tmp/SUNWut/units/IEEE802.mac-address/dev/printers/device-node \
    /dev/usb/sunray-printer
    

    印刷待ち行列の作成時に、このソフトリンク (/dev/usb/sunray-printer) をデバイスの URI として使用します。

    Note

    リブート後に、/dev/usb ディレクトリの作成とソフトリンクの再作成が必要になる場合があります。

  5. 手順を完了するには、生の印刷待ち行列を設定します。

    # /usr/sbin/lpadmin -p printer-name -E -v usb:/dev/usb/sunray-printer
    

Windows セッションで、サーバーの利用可能な印刷待ち行列を最新の状態に更新するには、関連する印刷待ち行列をコマンド行で指定し、Sun Ray Windows Connector を再起動します。詳細については、Section 18.16.3, “Sun Ray プリンタを Windows セッションで使用可能にする方法”を参照してください。

18.16.3. Sun Ray プリンタを Windows セッションで使用可能にする方法

Windows セッションでは、Windows Connector の起動時にコマンド行で指定した印刷待ち行列だけが認識されます。Windows セッションで、サーバーの利用可能な印刷待ち行列を最新の状態に更新するには、関連する印刷待ち行列をコマンド行で指定し、Sun Ray Windows Connector を再起動します。

始める前に
  • 印刷待ち行列が Sun Ray サーバーにセットアップされていることを確認します。詳細については、Section 18.16.1, “印刷待ち行列を設定する方法 (Oracle Solaris)”およびSection 18.16.2, “印刷待ち行列を設定する方法 (Oracle Linux)”を参照してください。

  • プリンタデータが Windows システムに作成されるので、必ずプリンタの Windows ドライバ名を指定して、そのドライバを Windows システムにインストールする必要があります。ドライバを指定せずにプリンタを使用可能にしている場合、Windows Connector はデフォルトで PostScript ドライバを使用します。

  • Windows システム上のプリンタドライバ名を調べるには、次の Windows レジストリキーを確認します:

    MyComputer/HKEY_LOCAL_MACHINE/System/CurrentControlSet\
    /Control/Print/Environments/Windows NT x86/Drivers/Version-3
    

    システムにインストールされているすべてのプリンタドライバが、このリストに載っています。

手順
  • プリンタの Windows ドライバを指定するには、次のコマンドを実行します:

    % /opt/SUNWuttsc/bin/uttsc -r printer:printer-name="windows-printer-driver-name" hostname.domain
    

    ここで、printer-name には、Sun Ray サーバー上の有効な生の印刷待ち行列を、windows-printer-driver-name には Windows サーバーに表示された正確なプリンタ名を入力します。プリンタの名前は二重引用符で囲む必要があります。

  • ドライバを指定しないでプリンタを使用可能にするには、次のコマンドを実行します:

    % /opt/SUNWuttsc/bin/uttsc -r printer:printer-name hostname.domain
    

    ここで、printer-name には Sun Ray サーバー上の有効な生の印刷待ち行列を入力します。

  • 複数のプリンタを使用可能にするには、次のコマンドを実行します:

    % /opt/SUNWuttsc/bin/uttsc -r printer:printer1=driver1,printer2=driver2 hostname.domain
    

18.16.4. プリンタキャッシュファイルの保守方法

Sun Ray サーバーは、ユーザーが Windows システムで設定したプリンタ構成のキャッシュを Sun Ray データストアに保持します。ユーザーが Windows Connector を使用して再接続すると、Sun Ray サーバーは該当する構成を Windows システムに提示します。

uttscprinteradm コマンドは、管理者がこの情報を管理する場合に役立ちます。使用可能な情報を一覧表示したり、ユーザーまたはプリンタを削除したときにクリーンアップを実行したりする場合に使用できます。詳細は、uttscprinteradm のマニュアルページを参照してください。

18.16.5. フォローミー印刷の設定方法

ここでは、使用されている Sun Ray クライアントにかかわらず、ユーザーの Windows セッションでのデフォルトプリンタを維持するフォローミー印刷を設定する方法について説明します。

Note

フォローミー印刷機能の実装は、デフォルトでは使用できないテクノロジと Sun Ray の非公開インタフェースに依存します。また、特定の Sun Ray 公開インタフェースを使用目的以外の目的で使用します。これらの理由から、この機能はサポート対象ではありません。

  1. 目的の各 Sun Ray クライアントについて、Sun Ray データストアのプリンタを指定します。

    1. 管理 GUI にログインします。

    2. 「デスクトップユニット」をクリックします。

    3. フォローミー印刷を設定する Sun Ray クライアントをクリックします。

    4. 「編集」をクリックし、プリンタ名を「その他の情報」フィールドに追加します。

  2. 現在の Sun Ray クライアントの Sun Ray データストアに格納されているプリンタ名を照会するシェルスクリプトを作成し、その名前をユーザーの $HOME/.printers ファイルに記述します。

    たとえば:

    #!/bin/sh
    if [ 'uname' = Linux ] ; then
    theFlag="-P"
    fi
    theMACAddress='cd $theFlag $UTDEVROOT ; /bin/pwd | sed 's/.*?............?/1/''
    thePrinter='/opt/SUNWut/sbin/utdesktop -o |
    grep $theMACAddress |
    /usr/bin/awk -F, '{print $3}''
    echo "_default $thePrinter" > $HOME/.printers
  3. utaction を使用して、最初の接続時およびそれ以降に、ユーザーが Sun Ray クライアント間を移動したときに前述したスクリプトを起動します。

    ユーザーのログインマネージャーに応じて、次のスクリプトを作成します:

    • dtlogin ログインマネージャー - Xsession.d スクリプト

    • Gnome Display Manager (GDM) - xinitrc.d スクリプト

      たとえば、次のように dtlogin のスクリプト /usr/dt/config/Xsession.d/1100.SUNWut、または GDM のスクリプト /etc/X11/xinit/xinitrc.d/1100.SUNWut を作成できます:

      #!/bin/sh
      /opt/SUNWut/bin/utaction -i -c path-to-script &
      

      ここで、path-to-script は、手順 2 でプリンタ名を取得するために作成したスクリプトのパスです。

    Note

    名前 1100.SUNWut は、既存のスクリプト 0100.SUNWut のあとにこのスクリプトが必ず実行または参照されるように意図的に選択されます。0100.SUNWut スクリプトは、手順 2 の最初のサンプルスクリプトで必要となる $UTDEVROOT を設定します。

    Note

    バンドルされている gdmgreeter については、kioskのマニュアルページを参照してください。

  4. プリンタを Windows にリダイレクトするためにキオスクセッションスクリプト引数を変更します。

    これらの引数は管理 GUI を使用して変更できます。この例では、引数 -r printer:_default を既存の引数に追加する必要があり、その結果、引数リストは次のようになります:

    -t 1800 -- -m -b -r printer:_default myHost
    

    myHost は、uttsc に渡されるサーバー引数に一致します。

18.16.6. プリンタのトラブルシューティング

18.16.6.1. 問題点: 「プリンタポートを開けません」というメッセージが表示される。

プリンタの設定に使用されるプリンタノードが作成済みであることと、/tmp/SUNWut/units/IEEE802.macid/dev/printers で使用できるかどうかを確認します。

プリンタノードが使用可能でない場合は、クライアントをリブートします。