このマニュアルは、Oracle VM Managerをインストールするシステム管理者を対象としています。このマニュアルでは、Oracle VM Serverのダウンロードとインストールについて説明します。内容は次のとおりです。
Oracle VM Serverのインストールを開始する前に、コンピュータが最低限のハードウェア要件およびソフトウェア要件を満たしていることを確認してください。この項では、次の内容について説明します。
このリリースのOracle VM Serverでは、x86_64ホスト・ハードウェアのみをサポートしています。Oracle VM Serverでは64ビットのプロセッサが必要です。
ハードウェアの仮想化に対応した(未修正の)ゲスト・オペレーティング・システム(Microsoft Windowsなど)の場合、ハードウェアの仮想化をサポートするCPUが必要です。また、この機能をBIOSで有効化する必要があります。ハードウェアの仮想化がサポートされているかどうか、またBIOSでの有効化方法については、ご使用のプロセッサのドキュメントを参照してください。
複数のゲストを実行する場合は、デュアル・コアCPUまたは複数のCPUを使用するようお薦めします。
最小のメモリー要件は1GB RAMですが、2GB RAMを搭載したコンピュータの使用をお薦めします。ゲストのメモリー要件は、ゲスト・オペレーティング・システムごとに異なります。ゲスト・オペレーティング・システムについては、個別にメモリーのサイジングを行ってください。
ソフトウェアには前提条件はありません。Oracle VM Serverには、Linuxベースの小規模な管理オペレーティング・システムが含まれます。Oracle VM Serverをインストールする際、既存のオペレーティング・システムとデータはすべて失われます。
オペレーティング・システムまたは以前の仮想化環境からの移行は、このリリースではサポートされていません。
Oracle VM Serverは、静的IPアドレスのマシンにインストールすることをお薦めします。マシンでDHCPを使用する場合は、DHCPサーバーを構成して静的DHCPアドレスを割り当てる必要があります。これによって、ホストは常に同じIPアドレスを受信できます。DHCPのリース期限切れによってIPアドレスが変わる可能性のある環境で使用すると、Oracle VM Serverホストの動作が不確定になります。
DHCPを使用すると、デフォルト・ゲートウェイでも問題が発生する場合があります。Linuxシステムでは、Oracle VM Serverを実行するコンピュータの設定にかかわらず、DHCPサーバーによって提供されたルートを使用し、デフォルトのゲートウェイを設定します。これがユーザーの希望するデフォルト・ルートでない場合があります。DHCPを使用する場合、Oracle VM Serverを実行するマシンにデフォルトのゲートウェイを提供しないようにDHCPサーバーを設定する必要があります。
dom0メモリー値はデフォルトのままにすることをお薦めします。インストール時にデフォルトで502 + 0.0205 * 物理メモリー(MB)に設定されています。
Oracle VM Serverソフトウェアを準備していない場合は、次のURLからOracle VM ServerのISOファイルをダウンロードします。
http://www.oracle.com/virtualization
Oracle VM ServerのISOファイルから起動用CD-ROMを作成します。
CD-ROMからOracle VM Serverをインストールする方法の詳細は、第2.2項「CD-ROMからのOracle VM Serverのインストール」を参照してください。
CD-ROMからOracle VM Serverをインストールするには、次の手順を実行します。
サーバーBIOSがCD-ROMから起動するように設定されていることを確認します。
Oracle VM ServerのCD-ROMをCD-ROMドライブに挿入します。
Oracle VM ServerのCD-ROMからサーバーを起動します。
Oracle VM Server画面が表示されます。
[Enter]を押して、インストールを開始します。1分間キーを押さなかった場合、インストーラが自動的に起動されます。インストーラは、テキスト・モードでのみ使用できます。
「CD Found」画面が表示されます。
CD-ROMが正しく作成されているかを確認するには、インストーラを使用してエラー・テストを実行します。CD-ROMをテストするには、「OK」を選択し、[Enter]を押します。CD-ROMがテストされ、エラーが通知されます。
メディア・テストをスキップしてインストールを続行するには、「Skip」を選択し、[Enter]を押します。
「Keyboard Selection」画面が表示されます。
使用できるオプションのリストからキーボード・レイアウト・タイプ(米語のusなど)を選択します。選択したキーボードは、オペレーティング・システムのデフォルトのキーボードになります。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。
Oracle VM Server 3.0の「End User License Agreement」画面が表示されます。
ライセンス契約のテキストを読み、「Accept」をクリックして条項に同意し、インストールを続行します。
既存のOracle VM Serverインストールがコンピュータに存在する場合は、「System to Upgrade」画面が表示されます。
既存のインストールを上書きするには、「Reinstall System」を選択します。
以前の2.xリリースからのOracle VM Serverのアップグレードは、3.0の初期リリースではサポートされていません。フレッシュ・インストールを実行する必要があります。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。
「Partitioning Type」画面が表示されます。
必要なものを選択します。
Remove all partitions and create a new default partition layout
Remove all Linux partitions and create a new default partition layout
Use the free space on selected drives to create a new default partition layout
Create a minimal partition layout for installation to a USB drive
Create a custom partition layout
デフォルトのパーティション・レイアウトを使用することをお薦めします。
インストールに使用するドライブを選択します。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。
パーティションの削除を選択すると、パーティション(パーティションに格納されているデータを含む)の削除を確認する「Warning」画面が表示されます。
「Yes」を選択し、[Enter]を押します。
「Review Partition Layout」画面が表示されます。
パーティションのレイアウトを確認せずにデフォルトのパーティション・レイアウトをそのまま使用する場合は、「No」を選択し、[Enter]を押します。
パーティションのレイアウトを確認する場合は、「Yes」を選択し、[Enter]を押します。
「Partitioning」画面が表示されます。
パーティションのレイアウトを確認し、必要な変更を行います。
「OK」を選択し、[Enter]を押して変更を保存します。
「Boot Loader Configuration」画面が表示されます。
必要に応じて、「Change drive order」をクリックして別ドライブを選択し、マスター・ブート・レコードのドライブを変更できます。
リストからドライブを選択し、「Move up」および「Move down」ボタンをクリックして順序を変更し、マスター・ブート・レコードの場所を指定するドライブが一番上であることを確認します。
「Back」を選択して[Enter]を押し、「Boot Loader Configuration」画面に戻ります。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。
「Oracle VM Management Interface」画面が表示されます。
コンピュータの管理に使用するネットワーク・インタフェースを選択します。
次のいずれかのオプションを選択します。
インタフェースを通常のネットワークに接続する場合、「OK」を選択します。
インタフェースをVLANタイプのネットワークに接続する場合、「Add to VLAN」を選択します。
[Enter]を押します。
VLAN以外のインストールの場合、手順15に進みます。
「Add to VLAN」を選択した場合は、「Oracle VM Management VLAN」画面が表示されます。
Oracle VM ManagementネットワークがVLAN上にある場合は、適切なVLANタグを入力します。0は予約済で、1は「タグなし」であることに注意してください。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。
「Network Interface Configuration」画面が表示されます。
コンピュータで静的IPアドレスを使用する場合は、コンピュータのIPアドレスおよび接頭辞(ネットマスク)を入力します。
コンピュータでDHCPを使用してIPアドレスを割り当てる場合は、「Dynamic IP configuration (DHCP)」を選択します。Oracle VM ServerでDHCPを使用する場合の詳細は、第2.1.3項「ネットワーク要件」を参照してください。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。
「Miscellaneous Network Settings」画面が表示されます。
Gateway、Primary DNS、およびSecondary DNS(オプション)の各フィールドを入力します。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。
「Hostname Configuration」画面が表示されます。
マシンに固有のホスト名がある場合は、「manually」を選択し、ホスト名またはIPアドレスを入力します。myserver.example.comなど、完全修飾されたホスト名を使用する必要があります。
マシンでDHCPを使用してホスト名を割り当てる場合は、「automatically via DHCP」を選択します。Oracle VM ServerでDHCPを使用する場合の詳細は、第2.1.3項「ネットワーク要件」を参照してください。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。
「Time Zone Selection」画面が表示されます。
オペレーティング・システムでCoordinated Universal Time(UTC)を使用する場合は、「System clock uses UTC」を選択します。
タイムゾーンは、コンピュータが物理的に存在する場所に最も近い都市から選択します。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。
「Oracle VM Agent password」画面が表示されます。
「Password」フィールドで、Oracle VM Agentに使用するパスワードを入力します。このパスワードは、Oracle VM Managerが、Oracle VM ServerおよびOracle VM Serverに作成したゲストを管理し、監視するために使用されます。
「Password (confirm)」フィールドで、パスワードを再度入力します。
パスワードの文字は、画面に反映されません。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。2つのパスワードが一致しないときは、インストーラから再入力のプロンプトが表示されます。
「Root Password」画面が表示されます。
「Password」フィールドで、root
ユーザーのパスワードを入力します。root
ユーザーのパスワードは、少なくとも6文字以上にする必要があります。
「Password (confirm)」フィールドで、パスワードを再度入力します。
パスワードの文字は、画面に反映されません。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。2つのパスワードが一致しないときは、インストーラから再入力のプロンプトが表示されます。
「Installation to begin」画面が表示されます。
「OK」を選択し、[Enter]を押します。インストーラによってOracle VM Serverがインストールされ、構成されます。パッケージのインストールの進捗は、画面で確認できます。
すべてのファイルがインストールされて構成が完了すると、「Complete」画面が表示されます。
Oracle VM ServerのCD-ROMを取り出します。
「Reboot」を選択し、[Enter]を押します。コンピュータが再起動されます。
再起動後、Oracle VM Serverのステータス・コンソールが表示されます。
ステータス・コンソールには、サーバーのハードウェアおよび構成についての有効な情報、およびクラスタとサーバー・プール・メンバーシップが表示されます。
Oracle VM Serverにログオンするには、[Alt]キーを押しながら[F2]キーを押し、ログイン・コンソールを表示します。
インストール時に設定したパスワードを使用し、Oracle VM Serverにroot
としてログインします。ステータス・コンソールに戻るには、[Alt]キーを押しながら[F1]キーを押します。
これでOracle VM Serverのインストールは完了です。Oracle VM Agentは自動的に起動され、コンピュータを再起動するたびに再起動されます。