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Oracle® Coherenceクライアント・ガイド
リリース3.7.1
B65027-01
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6 C++アプリケーション・ビルドの設定

この項は、次のトピックで構成されています。

6.1 Coherenceベースのアプリケーション向けのコンパイラの設定

アプリケーションのビルド・プロセスにCoherence for C++を統合する場合は、コンパイラとリンカーのいくつかの設定を有効にすることが重要です。これらの設定の中にはオプションのものもありますが、それらも含め、有効にすることを強くお薦めします。

*MSVC(Visual Studio)*

表6-1 MSVC(Visual Studio)向けのコンパイラの設定

設定 ビルド・タイプ 必須? 説明

/EHsc

すべて

はい

C++の例外のサポートを有効化

/GR

すべて

はい

C++のRTTIを有効化

/O2

リリース

いいえ

スピードの最適化を有効化

/MD

リリース

はい

マルチスレッド化したDLLに対してリンク

/MDd

デバッグ

はい

マルチスレッド化したデバッグDLLに対してリンク


g++ / SunPro

表6-2 g++向けのコンパイラの設定

設定 ビルド・タイプ 必須 説明

-O3

リリース

いいえ

スピードの最適化を有効化

-m32 / -m64

すべて

いいえ

コンパイラを明示的に32ビット・モードまたは64ビット・モードに設定


6.2 Coherenceのヘッダー・ファイルの組込み

Coherenceには、Coherence APIを使用し、アプリケーションとともにコンパイルする必要のある一連のヘッダー・ファイルが付属しています。このヘッダー・ファイルは、インストール先のincludeディレクトリにあります。使用しているコンパイラのinclude検索パスで、このincludeディレクトリを指定する必要があります。

6.3 Coherenceライブラリのリンク

Coherence for C++には、Coherenceライブラリのリリース・バージョンが付属しています。アプリケーション・コードのデバッグ・バージョンとのリンクでも、このライブラリが適しています。このライブラリは、インストール先のlibディレクトリにあります。リンクの際、リンカーのライブラリ・パスでこのディレクトリを指定する必要があります。

表6-3 リリース・バージョン向けおよびデバッグ・バージョン向けのリンク・ライブラリの名前

オペレーティング・システム ライブラリ

Windows

coherence.lib

Solaris

libcoherence.so

Linux

libcoherence.so

Apple OS X

libcoherence.dylib


6.4 ランタイム・ライブラリと検索パスの設定

Coherence対応アプリケーションを実行しているときは、そのアプリケーションのライブラリ検索パスからCoherence for C++の共有ライブラリを利用できる必要があります。そのためには、この共有ライブラリが含まれているディレクトリを、オペレーティング・システム固有の環境変数に追加します。各ライブラリは、インストール先のlibサブディレクトリに格納されます。

表6-4 Coherence for C++のライブラリ名と環境変数

オペレーティング・システム 環境変数

Windows

PATH

Solaris

LD_LIBRARY_PATH

Linux

LD_LIBRARY_PATH

Apple (Mac) OS X

DYLD_LIBRARY_PATH


たとえば、WindowsでPATH環境変数を設定するには、次を実行します。

c:\coherence\coherence-cpp\examples> set PATH=%PATH%;c:\coherence\coherence-cpp\lib

JavaバージョンのCoherence同様、C++バージョンでも、構成のデフォルト設定より優先するシステム・プロパティの概念がサポートされています。C++で使用するシステム・プロパティは、オペレーティング・システムの標準的な環境変数を使用して設定します。使用するプロパティの名前は、Javaバージョンと同じです。tangosol.coherence.cacheconfigシステム・プロパティは、キャッシュ構成ファイルの場所を指定します。この構成ファイルの場所は、アプリケーション・コードでのプログラム処理(>CacheFactory::configure())でも設定できますが、この例ではその方法は採用していません。

表6-5 様々なオペレーティング・システム向けのキャッシュ構成のシステム・プロパティの値

オペレーティング・システム システム・プロパティ

Windows

tangosol.coherence.cacheconfig

Linux

TangosolCoherenceCacheConfig

Solaris

TangosolCoherenceCacheConfig

Apple (Mac) OS X

TangosolCoherenceCacheConfig



注意:

UNIXのbashシェルなど、一部のオペレーティング・システム・シェルでは、.記号を含んだ環境変数をサポートしていません。この場合はキャメル・ケースを使用して、先頭の文字と各ピリオド文字(.)の後の1文字を大文字で記述します。つまり、tangosol.coherence.cacheconfigTangosolCoherenceCacheConfigとします。

たとえば、Windowsでこの構成ファイルの場所を設定するには、次のコマンドを実行します。

c:\coherence\coherence-cpp\examples> set tangosol.coherence.cacheconfig=config\extend-cache-config.xml

6.5 Coherence for C++のデプロイメント

Coherence for C++には、専用のデプロイメント構成は必要ありません。アプリケーションをCoherenceライブラリとリンクするのみです。Coherence for C++には、第16章「サンプルC++アプリケーション」で説明されている、ビルド・スクリプトおよび構成を示すサンプル・アプリケーションが含まれています。


注意:

Microsoft Windowsにデプロイする場合は、 Visual Studio 2005 SP1 C++ランタイム・ライブラリが必要です。このサンプルをビルドするには、Visual Studio 2005 SP1以降が必要です。