このドキュメントの内容は次のとおりです。
Coherenceエコシステムは、Coherenceクライアント・エディションとCoherenceサーバー・エディションの2つのサブセクションに分類されます。クライアント・エディションには、次の2つがあります。
データ・クライアント
サーバー・エディションには、次の3つがあります。
Standard Edition
Enterprise Edition
Grid Edition
エディションごとに、異なる(等級別)機能群を備えています。各エディションの機能リストについては、『Oracle Fusion Middlewareライセンス情報』を参照してください。
図20-1は、それぞれのクライアント・エディションから接続できるサーバー・エディションを示しています。ここでは、重要な点が2つあります。
Coherenceデータ・クライアントからは、あらゆるエディションのCoherenceサーバーに接続できます。
Coherence Real Time Clientからは、Coherence Grid Editionにのみ接続できます。
Coherenceクライアント・エディションとサーバー・エディションの接続には、次の2つのCoherenceモジュールが関連します。
Coherence*Extend: Coherenceクライアント・プロセスとサーバー・プロセス間で使用されるプロトコル(TCP/IP準拠)。
Coherence*Extend TCP Proxy: Coherenceサーバー・エディション・プロセス内で稼働し、クライアントからのCoherence Extend*TCP接続を管理するモジュール。
注意: Coherenceでは、Java、.NET (C#)およびC++用のネイティブ・クライアントを提供することによって、クロス・プラットフォーム・クライアントをサポートしています。そのため、Coherenceデータ・グリッドに接続することによって、さまざまなプラットフォームから、プログラミング言語の境界を越えてデータにアクセスし、データに対して変更、問合せなどの操作を実行できます。データ・グリッドの詳細は、第1章「データ・グリッドの定義」を参照してください。 |
図20-2は、Coherenceクライアント・プロセスから内部データ記憶域にリクエストがどのように渡されるかを示しています。
Coherenceクライアント・プロセスが、Extend*TCPを使用して、Coherence(サーバー側)データ・グリッドへの接続を開始し、維持します。
Extend*TCPは、CoherenceサーバーJVMプロセス(具体的には、プロセス領域内で実行されているExtend Proxyサービス)に接続します。
Extend*Proxyサービスは、内部データ記憶域にクライアント・リクエストをルーティングします。
この項では、前の例と同じコンポーネントを使用することを前提としています。図20-3は、内部データ記憶域にCoherenceサーバーJVMプロセスが複数存在する場合に、複数のクライアント・プロセスからのリクエストが内部データ記憶域にどのように渡されるかを示しています。
Coherenceクライアントの複数のプロセスが、Extend*TCPを使用してCoherence(サーバー側)データ・グリッドへの接続を開始し、維持します。
Extend*TCPは、単一のCoherenceサーバーJVMプロセス(具体的には、プロセス領域内で実行されているExtend*Proxyサービス)に接続します。接続に失敗すると、クライアント・プロセスは、Extend*Proxyサービスを実行している別のCoherenceサーバーJVMプロセスに接続します。
その後、Extend*Proxyサービスは、クライアント・リクエストを、図で「内部データ記憶域」として示している適切なCoherenceサーバーJVMプロセス(そのクライアント・リクエストに関連するデータを保持する1つ以上のプロセス)にルーティングします。