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Oracle® Coherenceスタート・ガイド
リリース3.7.1
B65028-01
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18 Real Time Client (RTC)

Coherence Real Time Clientは、クライアント・アプリケーションからCoherenceデータ・グリッドへのセキュアでスケーラブルなアクセスを実現します。Coherence RTCは、データ・グリッドをデスクトップにまで拡張し、他のCoherence製品ラインと同じコアAPIを提供します。

Coherenceデータ・グリッドへの接続は、Coherence*Extendテクノロジによって達成されます。このテクノロジを介して、クライアント・アプリケーションは、データ・グリッド内の特定のサーバーに接続できるようになります。データ・グリッド内のすべてのサーバー間で接続がロード・バランシングされるため、クライアント数が何万に達しても、この接続アプローチによってそれらのクライアントをスケーラブルにサポートできます。詳細は、「Coherence*Extendの構成と使用」を参照してください。

18.1 用途

Coherence RTCの主な用途は、クライアントからCoherenceクラスタに保持されているデータへの読取り専用または読取りを主体とするアクセスを実現することです。クライアントはクラスタ化されたキャッシュに問合せを実行でき、データの変更時にはリアルタイムに更新を受信できます。また、クライアントから、集計や処理などのサーバー側のデータ操作タスクを開始することもできます。集計および処理の詳細は、次のAPIを参照してください。

18.2 キャッシュ・アクセス

通常、クライアント・アプリケーションには、データ・グリッドで管理されているデータに対する読取りアクセスのみが付与されます(キャッシュの更新はデータ・グリッド・エージェントに委任されます)が、直接的な読取り/書込みアクセスを有効にすることも可能です。

18.3 ローカル・キャッシュ

クライアント・アプリケーションからデータ・グリッドで管理されているキャッシュに直接アクセスできても、ネットワーク・インフラストラクチャによってはこのアクセスが効率的でない場合があります。効率を高めるために、クライアント・アプリケーションでニア・キャッシュ(Java、C++または.NET)および連続問合せキャッシュ(Java、C++または.NET)の両方を使用してキャッシュ・データをローカルに維持できます。

ニア・キャッシュおよび連続問合せの詳細は、次を参照してください。

18.4 イベント通知

標準のCoherenceイベント・モデルを使用することによって、データ・グリッド内で発生したデータ変更がクライアント・アプリケーションで参照可能になります。クライアント・アプリケーションで興味のあるイベントを正確に指定できるため、実際に配信されるのは指定した対象イベントのみになります。これにより、ネットワーク帯域幅とクライアント処理が効率的に使用されるようになります。

イベント・モデルの詳細は、『Oracle Coherence開発者ガイド』のキャッシュ・イベントの使用に関する項を参照してください。

18.5 エージェントの起動

クライアント・アプリケーションには読取り専用アクセス権しか付与されない可能性があるため、データのあらゆる操作がデータ・グリッド自体の内部で実行されます。このメカニズムには、データ・グリッド・エージェントが使用されます。このエージェントは次のAPIによって提供されます。

クライアントは、InvocableMapメソッドを使用して、サーバー側キャッシュ・オブジェクトに対してタスク、アグリゲータおよびプロセッサを起動できます。

データ・グリッド・エージェントの詳細は、第2章「データ・グリッドの提供」を参照してください。

18.6 接続のフェイルオーバー

クライアント・アプリケーショントの接続先のサーバーで障害が発生した場合は、別のサーバーに対して接続が自動的に再確立され、ローカルにキャッシュされているすべてのデータがクラスタとの間で再び同期化されます。