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Oracle® Coherenceリリース・ノート
リリース3.7.1
B65031-02
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1 技術的な変更と機能強化

この章では、Oracle Coherence製品でリリース3.7.1に導入された変更と機能強化について説明します。このドキュメントの内容は、その発行時点において正確です。オラクル社では、ソフトウェアのリリース後、リリース・ノートを定期的に更新しています。

Coherence 3.7.1ドキュメント・ライブラリ

Coherenceドキュメント・ライブラリは、次のURLで入手できます。

http://download.oracle.com/docs/cd/E24290_01/index.htm

最新ソフトウェア・パッチのダウンロードとインストール

Oracle Coherenceの場合は、パッチに完全ディストリビューション・キットが含まれています。つまり、このパッチには、ベース製品(ここでは3.7.1)およびパッチのコンテンツが含まれています。

パッチはまた累積されます。つまり、各パッチには、以前のパッチのコンテンツが含まれています。たとえば、パッチ5には、パッチ4のコンテンツに加えて、以前のすべてのパッチのコンテンツが含まれています。

My Oracle Supportにアクセスして、最新のソフトウェア・パッチをダウンロードします。

https://support.oracle.com

パッチで提供されるソフトウェア修正について最新情報を入手する方法は、パッチ配布のREADMEファイルを参照してください。

  1. My Oracle Supportにログインします。

  2. パッチと更新版」タブをクリックします。

  3. 「パッチ検索」タブの下で、「製品またはファミリ(拡張検索)」を選択し、「ファミリのすべての製品を含む」チェック・ボックスを選択します。

  4. 製品名をOracle Coherenceと入力して、プラットフォームとリリースを選択し、「検索」をクリックします。

Oracle Coherenceで現在使用できるパッチのリストが表示されます。

Coherenceデータ・グリッドの新機能と改良機能

Oracle Coherence 3.7.1は、業界をリードする分散型インメモリー・データ・グリッド製品の最新版です。Coherence 3.7.1には、拡張性の高いソリューションにおける複雑さの削減、統合の簡易化、および開発期間の短縮に役立つ、数多くの新機能が搭載されています。

Oracle Coherence for Java 3.7.1

Oracle Coherence for Javaコンポーネントに新機能、機能向上および不具合修正が追加されました。

管理および監視の機能強化と修正

  • JMXレポータのdateフィールドでタイム・ゾーンと書式を構成する機能を追加しました。

  • CohQLに「エスケープ」文字機能を追加しました。

  • カスタムMBeanを何度も登録したときに発生していたメモリー・リークを修正しました。

Exalogicの機能強化と修正

  • RAM可用性の優先順位を付け、バックアップ・コピーをRAMに移動したり、必要に応じてRAMからフラッシュに移動することによって、主要なデータのコピーを保持するようにElastic Dataを最適化しました。

  • 同時実行性を劇的に向上させることで、フラッシュ・デバイスに対するElastic Dataのオーバーフローを最適化しました。

  • 残りのRAM容量がゼロに近づいたときに内部ガベージ・コレクションをトリガーするように、Elastic Data機能を強化しました。また、使用可能な容量が十分にある場合にあまりアグレッシブにならないように、Elastic Dataガベージ・コレクションを最適化しました。

パーティション・キャッシュの機能強化と修正

  • write-behindを実行しながらシングルスレッド化されたクエリーを実行すると、キャッシュのストールが発生するという問題を修正しました。

  • backup-count > 1のときに、フェイルオーバー後にMapListenerが重複イベントを受け取るという問題を修正しました。

  • 再配布時のgetAll()処理の実行時にIllegalStateExceptionが発生するという問題を修正しました。

  • アイドル・キャッシュに対するwrite-behindの更新が、次のキャッシュ・リクエストが行われるまでストールするという問題を修正しました。

  • 監視不可能なカスタム・バッキングマップの使用時に、バックアップ/イベントの紛失が発生するという問題を修正しました。

  • 間違ったRequestPolicyException (The current quorum policy prevents PartitionSet{...} from being recovered)が発生するという問題を修正しました。

  • パーティション分散時にArrayIndexOutOfBounds例外が発生するという問題を修正しました。

  • getAll()処理の結果として発生する潜在的なデッドロックを修正しました。

  • マルチスレッド化されたputAll処理を起動と組み合せるとキャッシュのストールが発生するという問題を修正しました。

  • failure to apply deltaという警告が発生するという問題を修正しました。

  • 大きい負荷がかかっているときに集計や起動でエントリがいくつかスキップされるという、3.6.1パッチ3で発生していた不具合を修正しました。

  • 大規模な削除の実行時に発生するデッドロックを修正しました。

  • 集計時、特定のメンバーに対する間欠的なすべてのデータを保持しておく必要がないように、メモリー使用率を最適化しました。警告: この修正を3.7.0に適用すると、部分的にアップグレードされたクラスタで集計を実行するときにエラーが発生する場合があります。

  • パーティション化されたキャッシュ・サービスに新しいメンバーが加入して(ストレージ)シニア・メンバーが離脱した結果として、ユーザー・マップ索引の作成に失敗したときに発生する問題を修正しました。

  • backup-count-after-writebehindおよびPOFの使用時に差分が適用されなかった問題を修正しました。

  • 大規模な削除またはwrite-behindの実行時に発生するデッドロックを修正しました。

  • パーティション化された1つのキャッシュのキーが、リモートの(Extend)パーティション化されたキャッシュへのキーとして使用できないという問題を修正しました。

  • MapListenerSupportクラスがフィルタベースのリスナーを処理する方法を改良しました。

  • パーティションをバックアップから復元した直後に転送した場合に、EntryProcessorオブジェクトが再実行されるという問題を修正しました。

  • 混成キャッシュでConditionalIndexを含むエントリの削除に失敗するという問題を修正しました。

TCMPの機能強化と修正

  • サブネット・マスクとして明示的なIPアドレスのかわりにローカルIPアドレスを指定する機能を導入しました。

  • 手動によるパケット・サイズの構成を必要としない、(500ノードを超える)大規模クラスタのサポートを追加しました。

  • TCMP over TCPを実行する際のポートの割当て要件を減らしました。

  • マルチポイント・パケットに対する64 KBバッファの過剰使用に関する問題を修正しました。

  • -local [fe80::216:3eff:fe35:eba3%eth0]:8888などのIPv6リテラル・アドレスを解析するMulticastTestおよびDatagramTestを修正しました。

Coherence*Extendフレームワークの機能強化と修正

  • ソケットAPIで発生する予期せぬエラーに備えて、TcpConnection.getDescription()メソッドを強化しました。

  • DaemonPool$Daemon.abandonメソッドの処理に悪影響を及ぼす可能性のあるClassCastExceptionを修正しました。

  • クライアントのメンバーがProxyServiceLoadBalancer.getMemberList()メソッドに渡されないという問題を修正しました。

  • ContinuousQueryCache get処理のパフォーマンスを向上させました。

  • クライアントの接続を誤って拒否するProxyService「サーバー」ロード・バランシング・ポリシーに関する問題を修正しました。

  • Coherence*Extend .NETおよびC++クライアントで多くの場合に使用される、カスタム・キー・クラスのJava実装に対する要件を不要にしました。フィルタやクエリーなどの一部のグリッド機能では、Javaクラスがまだ必要な場合もあります。

    キー・アソシエーションは、Extendクライアント上でデフォルトで処理されるようになります。クラスタ上でキー・アソシエーションに依存している既存のクライアント実装(Javaクライアントを含む)でdefer-key-association-checkパラメータを設定して、クラスタ上のキー・クラスを強制的に処理する必要があります。

    たとえば、キー・アソシエーション処理をExtendクライアントではなくクラスタ側で強制的に実行するには、クライアント側のキャッシュ構成の<remote-cache-scheme>要素内にある<defer-key-association-check>要素をtrueに設定します。

    <remote-cache-scheme>
       .
       .
       .
       <defer-key-association-check>true</defer-key-association-check>
    </remote-cache-scheme>
    
  • DefaultOperationalContextからオプションのCommon.Loggingライブラリへの依存をなくしました。

Coherence*Webの機能強化と修正

  • セッションの無効化時に発生する例外を抑制する構成オプションを追加しました。

  • Webアプリケーションをアンデプロイした後にGlassFishにCoherenceクラスが存在しなくなるように、GlassFish SPI (GlassFish用のActiveCache)を修正しました。

  • Webアプリケーションにまたがるcoherence-session-weblogic-compatibility-modeの動作を修正しました。

  • coherence-enable-suspect-attributesを無効にした状態でSplitSessionModelを構成すると、セッションの属性が失われるという問題を修正しました。

  • session-cache-config.xmlファイルをcoherence-web.jarに移動しました。このファイルは、coherence-web-spi.warおよびwebInstaller.jar内にはありません。

  • 現在coherence-web.jarファイルは、coherence/libディレクトリに配布されるようになっています。

シリアライズ・フレームワークの機能強化と修正

  • 均一なアレイおよびコレクション内のNull値の間違った処理を修正しました。

  • Null要素を含むコレクションをシリアライズしたときにアサーションを発生するという、PofBufferWriterクラスの不具合を修正しました。

  • SerializationHelperクラス使用時のバッファの割当てを最適化しました。

  • POFの機能が強化され、ユーザー定義オブジェクトに対するオブジェクトのアイデンティティと参照の使用がサポートされています。サイズの大きい多数のオブジェクトを何度も繰り返し処理したり、オブジェクトが入れ子型または円環型のデータ構造を使用する場合に、参照を使用できます。

  • truefalseなどの一部のコンパクトな「小さい」POF値の場合に、POF抽出が失敗するという問題を修正しました。

  • POF注釈のサポートにより、シリアライズ可能なクラスおよびフィールドを(直接またはアクセッサを使用して)開発者がPortable注釈やPortableProperty注釈でマークできるようにすることで、POFシリアライズ可能クラスの開発が簡素化されます。

他の機能強化と修正

  • Coherence配布にTopLink Gridが組み込まれています。

  • 指定されたキーがすでに記録されている場合にContinuousQueryCache.IsEventDeferred()メソッドによって発生するArgumentExceptionを修正しました。

  • BinaryEntry.getOriginalValueメソッドのコール時に発生するEOFExceptionを修正しました。

  • coherence.jarファイルがアンデプロイされた後もアプリケーション・サーバーのデプロイメント・ディレクトリ内に残っているという問題を修正しました。

  • 範囲比較フィルタによってソートされた索引へのアクセス速度が遅くなるという問題を修正しました。

  • backup-count=0に設定されているときに配布時に発生するNullPointerException (NPE)を修正しました。

  • 大きい負荷がかかっているときにデッドロックが検出されるとIllegalMonitorStateExceptionが発生するという問題を修正しました。

  • 重複した値を持つエントリを使用してaddIndexをコールする際のパフォーマンス・リグレッションを修正しました。

  • Coherence*Extendの使用時にガードのタイムアウトが実行されないという問題を修正しました。

  • FMWアプリケーションでの実行時に発生するXML検証の問題を修正しました。

  • CoherenceからDTDファイルを削除しました(現在はXSDを使用して構成ファイルを検証しています)。

  • Coherence配布には現在、クエリー・コマンドライン・ユーティリティで使用するjline.jarファイルが組み込まれています。

  • XMLパーサーがエンコーディングを適切に処理しないという問題を修正しました。

  • QueryHelperベースのLikeFilterクラスに、「エスケープ」文字のサポートを追加しました。

Oracle Coherence for .NET 3.7.1

Oracle Coherence for .NETコンポーネントに新機能、機能向上および不具合修正が追加されました。

Oracle Coherence for C++ 3.7.1

Oracle Coherence for C++コンポーネントに新機能、機能向上および不具合修正が追加されました。

変更点および拡張機能3.7.1.1

次の変更および拡張機能は、3.7.1.1リリース用に作成されています。

変更点および拡張機能3.7.1.2

次の変更および拡張機能は、3.7.1.2リリース用に作成されています。

変更点および拡張機能3.7.1.3

次の変更および拡張機能は、3.7.1.3リリース用に作成されています。

変更点および拡張機能3.7.1.4

次の変更および拡張機能は、3.7.1.4リリース用に作成されています。

変更点および拡張機能3.7.1.5

次の変更および拡張機能は、3.7.1.5リリース用に作成されています。

変更点および拡張機能3.7.1.6

次の変更および拡張機能は、3.7.1.6リリース用に作成されています。

変更点および拡張機能3.7.1.7

次の変更および拡張機能は、3.7.1.7リリース用に作成されています。

既知の問題とその回避策

この項では、リリース時に判明している問題について説明します。

POFオブジェクトの問合せ

オブジェクト・アイデンティティおよび参照の使用には次の制限があります。

  • オブジェクト参照は、ユーザー定義のオブジェクト・タイプに対してのみサポートされています。

  • Evolvableオブジェクトは、オブジェクト参照を使用できません。

  • 参照をサポートしていないPOFコンテキストによって記述されたオブジェクトは、参照をサポートするPOFコンテキストで読み込むことができません。また、この逆の場合も同様です。

  • POFエクストラクタを使用して、オブジェクト・アイデンティティおよび参照を使用するPOFオブジェクトを問い合せることはできません。かわりに、ValueExtractor APIを使用してオブジェクト値を問い合せるか、またはオブジェクト参照を無効にしてください。

非推奨となった機能

Coherence 3.7.1リリースでは、次の機能が非推奨または削除になりました。