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Oracle® Enterprise Managerライセンス情報ユーザー・マニュアル
12c リリース5 (12.1.0.5)
B66197-15
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7 エンド・ユーザーの監視

この章では、エンド・ユーザーを監視するためにEnterprise Managerによって提供される管理パックについて説明します。次の管理パックが含まれています。

7.1 Oracle Real User Experience Insight

Oracle Real User Experience Insight (RUEI)を使用すると、企業は、実際のエンドユーザー・エクスペリエンスについての洞察を得ることで、ビジネス・クリティカルなアプリケーションの価値を最大限に高めることができます。ユーザーを失望させたことで失った収益を確認したり、コール・センターの規模を縮小することによってサポート・コストを削減したり、パフォーマンスのよくないアプリケーションの問題の解決を促進したり、ビジネス・トレンドやユーザーの嗜好を洞察することによって変化するニーズにビジネスを適応させたりするのに役立ちます。パフォーマンスの分析と使用状況の分析が1つに統合されるため、ビジネス・ステークホルダやITステークホルダは、アプリケーション・ユーザーの真のエクスペリエンスに対し共通理解を深めることができます。

機能

Oracle Real User Experience Insightは、次のようなエンドユーザー・エクスペリエンスと動作の全体像を独自にとらえます。

  • 主要なシステム・トランザクションに対する実際のユーザー・エクスペリエンス・レスポンス時間

  • 統合トランザクションベースの監視

  • システムやアプリケーションのエラーおよびユーザーによるエラーを含むエクスペリエンスの総合的な質

  • どのトランザクションがどのユーザーによって使用されたか、最も問題となるのは何か、その理由は何かなどのアプリケーションの利用状況に対する包括的な見解

RUEIのパッシブ型監視機能は、最新のNetwork Protocol Analysisテクノロジを使用して構築され、アプリケーションの修正、変更やインスツルメンテーションは必要ありません。パッシブモニタリング手法によって、企業はコストのかかるテスト/QA環境での検証を行うことなく本番環境にデプロイできます。

次の各項で、Enterprise Managerによって提供されるこの管理パックについて説明します。

7.1.1 Oracle Real User Experience Insightの機能

Oracle Real User Experience Insightには次の機能が含まれています。

機能 説明
アプリケーション/スイート/サービス・モデリング 広範なサポート対象プロトコルに基づき、ドメイン、URLおよび引数のフィルタリングによって重要なアプリケーション環境をモデル化します。
ユーザー・エクスペリエンスの完全な監視 定義済アプリケーション環境とエンド・ユーザー間のリクエストおよびレスポンスをすべて監視し、使用状況、パフォーマンスおよびサービス・レベル・コンプライアンスを監視します。
カスタマイズされたレポートおよびダッシュボード データセットを動的にグループ化およびフィルタリングし、フィルタを適用し、データ・ポイントを結合して、保存、印刷、メール送信、ダッシュボードへの公開が可能なグラフと表を作成し、レポートや様々な形式のエクスポート・データとして共有できます。
高度なデータ交換 監視対象の全データを構造化されたデータベース表に格納し、外部データと統合したり、カスタム・レポート・ツールに公開したりできます。
主要業績評価指標(KPI)の追跡およびレポート メトリックのしきい値を設定し、条件を追加してフィルタリングを行い、異常を特定してトレンドライン・データを作成します。
ユーザー・フローのモデリング エンド・ユーザーが事前定義済のクリック・パスとして実行する必要のあるビジネス機能をモデル化します。
ユーザー・セッションの診断とセッションのリプレイ ユーザー・セッション全体をクリックストリームの観点からレポート、レビューおよびリプレイし、関連する未加工データと構造化データを保存して共有できます。

7.1.2 Oracle Real User Experience Insightのライセンスが必要なリンクへのアクセス

その場合、スイート・タイプE-Business SuiteにはOracle Real User Experience Insightのライセンスが必要になる可能性があり、Oracle Enterprise Manager Application Management Suite for Oracle E-Business Suiteのライセンスは不要です。

この項では、Oracle Enterprise Management Application Management Suitesのいずれかのライセンスを必要とするRUEIのリンクについて説明します。

  • Real User Experience Insightのメイン・コンソールで、一番上にあるメイン(タブ化された)ナビゲーション・ペインに移動し、「構成」を選択します。左側のメイン・ナビゲーション・パネルで、「アプリケーション」に移動し、「スイート」を選択します。

  • スイートの構成ページで、「新規スイート」リンクをクリックするとウィザードが起動します。ウィザードの2ページ目で、スイート・タイプを選択する必要があります。

  • 次のスイート・タイプは、前述のOracle Application Management Suitesのライセンスを必要とします。

スイート・タイプ 必要なライセンス・パック
Siebel Oracle Application Management Suite for Siebel
E-Business Suite Oracle Application Management Suite for Oracle E-Business Suite
JD Edwards Oracle Application Management Suite for JD Edwards EnterpriseOne
Fusionフレームワーク Oracle Application Management Suite for Oracle Fusion Applications
PeopleSoft Oracle Enterprise Manager Application Management Suite for PeopleSoft

前述のリンクは、上記のOracle Application Management Suiteパックのライセンスがある場合にのみ使用できます。


注意:

スイート・タイプE-Business Suiteは、Oracle E-Business Suiteのライセンスが不要なスタンドアロンのOracle Formsアプリケーションの監視に使用できます。Oracle Real User Experience Insight (RUEI)のすべてのページは、RUEIのライセンスと必要とする機能であり、パック・ライセンスが必要です。


注意:

この項にはすべての機能リンクが記載され、RUEIにスイートを作成した後で関連付けられる情報も含まれている可能性があり、そのようなリンクにもOracle Enterprise Manager Application Management Suitesのライセンスが必要です。

RUEIのスタンドアロン・アクセラレータのライセンスを以前購入したユーザーは、以前のライセンス条件に基づいて引き続きRUEIを使用できます。ただし、前述のOracle Application Management Suitesに含まれる機能を使用することはできません。


パック機能にアクセスするすべての方法で(Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c、デスクトップ・ウィジェット、コマンドラインAPI、または基礎となるデータへの直接アクセスのいずれの方法でも)、パック・ライセンスが必要です。

また、RUEIにはEnterprise Manager Cloud Control Service Level Managementの全機能が含まれます。

7.1.2.1 ビジネス・アプリケーションに適用されるライセンスが必要なリンク

次のリンクはビジネス・アプリケーションのターゲットのライセンスを必要とします。

ライセンスが必要なページ/リンク アクセス方法
Real User Experience (RUEI)データ Enterprise Managerのホームページで「ターゲット」メニューをクリックし、「ビジネス・アプリケーション」を選択します。リストからビジネス・アプリケーションのターゲットを選択します。ビジネス・アプリケーションのホームページで、「ビジネス・アプリケーション」のターゲット・メニューを選択し、「Real User Experience (RUEI)」「RUEI」データの順に選択します。このページのすべてのリンクは、Real User Experience Insight packのライセンスが必要です。
RUEIセッション診断 Enterprise Managerのホームページで「ターゲット」メニューをクリックし、「ビジネス・アプリケーション」を選択します。リストからビジネス・アプリケーションのターゲットを選択します。ビジネス・アプリケーションのホームページで、「ビジネス・アプリケーション」のターゲット・メニューを選択し、「Real User Experience (RUEI)」「RUEIセッション診断」の順に選択します。このページのすべてのリンクは、Real User Experience Insight packのライセンスが必要です。
RUEIメトリック Enterprise Managerのホームページで「ターゲット」メニューをクリックし、「ビジネス・アプリケーション」を選択します。リストからビジネス・アプリケーションのターゲットを選択します。ビジネス・アプリケーションのホームページで、「ビジネス・アプリケーション」のターゲット・メニューを選択し、「Real User Experience (RUEI)」「RUEIセッション診断」の順に選択します。このページのすべてのリンクは、Real User Experience Insight packのライセンスが必要です。
ビジネス・トランザクションのドリルダウン・ページ Enterprise Managerのホームページで「ターゲット」メニューをクリックし、「ビジネス・アプリケーション」を選択します。リストからビジネス・アプリケーションのターゲットを選択します。ビジネス・アプリケーションのホームページで、そのビジネス・トランザクション領域内のリンクを選択します。
「ビジネス・アプリケーション」メニューから、ホームページにアクセスできます。このホームページの領域には、Real User Experience Insightのライセンスが必要なリンクがあります。ライセンスが必要なこれらのリンクには、次の領域があります。
ビジネス・アプリケーションのホームページ
  • RUEI - キー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)

  • RUEI - 実行された上位ユーザー・リクエスト

  • RUEI - 上位ユーザーおよびアプリケーション違反

  • RUEI - 上位ユーザー

  • RUEI - ユーザー・フロー

  • サービス・テストのステータス

  • SLAダッシュボード

  • SLAサマリー・リージョン

ここに示す領域のすべての機能は、Real User Experience Insight Packのライセンスが必要です。

7.1.3 Oracle Real User Experience Insightの制限付きライセンス

Real User Experience Insight (RUEI)のリポジトリでレポートを実行し、既定のレイアウトを変更するユーザーには、Business Intelligence Publisherの制限付きライセンスが含まれています。

障害発生時のリカバリのためのその他のデータベース・オプションやサーバーには追加のライセンスが必要です。ユーザーに配布されるのは、RUEIのリポジトリを備える1つの単一インスタンス・データベースです。Oracle Real User Experience Insightのスケーリングを伴うデプロイメントでは、複数のRUEI処理エンジンがデプロイされ、顧客はエンジンごとに単一インスタンスのデータベースを受け取ります。Data Guardでリポジトリを保護するには、スタンバイ・サイトのためのライセンスを購入する必要があります。Oracle Real Application Clustersでリポジトリを保護するには、データベースの2番目のノードのライセンスが必要であり、両方のノードにOracle Real Application Clustersのライセンスが必要です。

エンリッチ・データのエクスポート機能のためにRUEIリポジトリを使用するライセンスが含まれています。Enriched Data Exchange機能が、RUEIリポジトリの一部ではなく個別のデータベース・インスタンスを格納するように構成されている場合、これらのノードにOracle Databaseのライセンスが必要です。

7.2 Enterprise Manager Cloud Control Service Level Management

Enterprise Manager Cloud Control Service Level Management (SLM)は、高機能なモニタリング・ソリューションであり、IT組織がビジネス・サービスにおいて高可用性と高パフォーマンスを確保し、最適化されたサービス・レベルを実現するために役立ちます。SLMは、エンドユーザー・ビジネス機能、Webアプリケーション、インフラストラクチャ・コンポーネントなどの各サービスについて、可用性とパフォーマンスをアクティブに監視し、それらをレポートします。リモート・ユーザーの場所(ビーコン)から実行されるサービス・テストや統合トランザクションを使用することにより、エンドユーザーの観点からサービスを監視したり、基礎となるITインフラストラクチャとの相関関係を監視できます。また、SLMでは、サービスの問題や障害がビジネスに対してどのような影響を与えるかを評価したり、サービス・レベルの目標が満たされているかどうかを確認することもできます。

Enterprise Manager Cloud Control Service Level Managementは、Enterprise Managerバージョン10gリリース2ではスタンドアロンのService Level Management Packとして導入されました。Enterprise Manager 11g以降、Service Level Managementはいずれかの一部としてライセンス化されています。

  • Oracle Real User Experience Insight

  • WebLogic Server Management Pack Enterprise Edition

  • SOA Management Pack Enterprise Edition

  • Management Pack for WebCenter

  • Management Pack for Non-Oracle Middleware

  • Business Intelligence Management Pack

  • Management Pack Plus for Identity Management

Service Level Management Packの一部の機能サブセットは、以前はApplication ServerライセンスのDiagnostics Packの一部として提供されていました。Application Server 10gリリース1のDiagnostics Packのライセンスを保有するユーザーは、前述のどのパックのライセンスがなくても次に示す機能を使用できます。

  • HTTPおよびHTTPSプロトコルを使用したWebアプリケーションのサービス・テストの監視(テスト・タイプ自体は非推奨、既存のテストは引き続き動作します)

  • pingプロトコルを使用したホストの監視

次の各項で、Enterprise Managerによって提供されるこの管理パックについて説明します。

7.2.1 Enterprise Manager Cloud Control SLMの機能

Enterprise Manager Cloud Control Service Level Management (SLM)には次の機能が含まれています。

機能 説明
ビーコン 代表となる主要ユーザーの場所から可用性およびパフォーマンスを測定します。
完全サービス監視 サービスの可用性、パフォーマンス、使用状況およびサービス・レベルのコンプライアンスを監視します。
サービス・ダッシュボード 一部のサービスを設定して格納し、「サービス・ダッシュボード」ページと詳細ページを介してそれらをレポートできるため、ダッシュボードの直接的な確認とメール送信が可能です。
サービス・モデリング 広範なサポート対象プロトコルに基づいて重要なビジネス機能をモデル化します。

7.2.2 Enterprise Manager Cloud Control SLMのライセンスが必要なリンクへのアクセス

この項では、SLMのライセンスを必要とするEnterprise Managerのリンクについて説明します。一部の機能リンクは、テストやビーコンを作成した後でそれらに関連付けられる可能性がありますが、そのようなリンクはこの項には記載しません。ただし、それらのリンクにもSLMのライセンスが必要となります。次に示す説明では、ユーザーがCloud Controlのメインのホームページから操作を開始する場合を想定しています。

7.2.2.1 サービス・リンクへのアクセス

ライセンスが必要なサービス・リンクには、構成ページにアクセスするものと監視ページにアクセスするものがあります。

  • 構成ページを使用するには、Enterprise Managerのホームページで「ターゲット」メニュー、「サービス」の順に選択します。

    • 「サービス」ページで、汎用サービス作成の「サービス・テスト」手順の一環として、サービス・テストの実行に基づいてサービスの可用性を定義するには、Oracle Real User Experience Insight (RUEI)のライセンス機能が必要です。

    • 「サービス」ページで、汎用サービス作成の一環である「ビーコン」ページはRUEIのライセンスを必要とします。

    • 「サービス」ページで、表内のいずれかの「名前」リンク(「集約サービス」を除く)をクリックします。表示される「サービス」ページで、「監視構成」サブタブを選択します。「監視構成」ページの「サービス・テストとビーコン」リンクは、RUEIのライセンスを必要とします。

    • 「サービス」ページで、表内の「汎用サービス」または「Formsアプリケーション」の「名前」リンクをクリックします。表示される「サービス」ページで、「監視構成」サブタブを選択します。「監視構成」ページで、「Formsトランザクション監視の有効化」リンクは、RUEIのライセンスを必要とします。

    • 「監視構成」ページで、「可用性定義」を選択します。「可用性定義」 ページにあるドロップダウン・リストから、「サービス・テスト」を選択します。実行するサービス・テストに基づいたサービスの可用性の定義は、RUEIのライセンスを必要とします。

  • 監視ページを使用するには、Enterprise Managerのホームページで「ターゲット」メニュー、「サービス」の順に選択します。

    • 「サービス」ページで、表内のいずれかのサービスの「名前」リンクをクリックします。表示される「サービス」ページで、「テスト・パフォーマンス」サブタブと「ブラックアウト」ボタンはRUEIのライセンスを必要とします。

    • 「サービス」ページで、表内のいずれかのサービスの「名前」リンクをクリックします。表示される「サービス」ページで、「テスト・パフォーマンス」サブタブを選択します。このページにあるすべてのリンクおよびコントロールは、RUEIのライセンスを必要とします。

  • 次の「関連リンク」もRUEIの要素です。

    • アラート履歴

    • ブラックアウト

    • メトリック・ベースライン

    • 過去の変更

    • 保留中の変更(該当する場合)

7.2.2.2 Formsアプリケーション・リンクへのアクセス

ライセンスが必要なサービス・リンクには、構成ページにアクセスするものと監視ページにアクセスするものがあります。

  • 構成ページを使用するには、Enterprise Managerのホームページで「ターゲット」メニュー、「サービス」の順に選択します。

    • 「サービス」ページで、ドロップダウン・リストから「Formsアプリケーション」を選択し、「実行」をクリックします。Formsアプリケーションの作成ウィザードの「可用性」ページにあるドロップダウン・メニューから、「サービス・テスト」を選択します。実行するサービス・テストに基づいたフォーム・アプリケーションの可用性の定義は、Oracle Real User Experience Insight (RUEI)のライセンスを必要とします。

    • 「サービス」ページで、ドロップダウン・リストから「Formsアプリケーション」を選択し、「実行」をクリックします。Webアプリケーションの作成ウィザードの「ビーコン」ページは、RUEIのライセンスを必要とします。

    • 「サービス」ページで、いずれかのFormsアプリケーションのリンクをクリックし、次に「監視構成」サブタブを選択します。「監視構成」ページの「汎用タスク」セクションにある「サービス・テストとビーコン」リンクは、RUEIのライセンスを必要とします。

    • 「監視構成」ページで、「汎用タスク」セクションから「可用性定義」を選択します。「可用性定義」ページにおけるドロップダウン・リストからの「サービス・テスト」の選択は、RUEIのライセンスを必要とします。

  • 監視ページを使用するには、Enterprise Managerのホームページで「ターゲット」メニュー、「サービス」の順に選択します。

    • 「サービス」ページで、表のFormsアプリケーションのリンクをクリックして、Formsアプリケーションのホームページに移動します。「テスト・パフォーマンス」リンクおよび「ブラックアウト」ボタンは、RUEIのライセンスを必要とします。

  • 次の「関連リンク」もRUEIの要素です。

    • アラート履歴

    • ブラックアウト

    • メトリック・ベースライン

    • 過去の変更

    • 保留中の変更(該当する場合)

7.2.3 Enterprise Manager Cloud Control SLMのライセンスが必要なCLI動詞

次のEnterprise Managerコマンドライン・インタフェース(CLI)動詞は、使用するのにEnterprise Manager Cloud Control Service Level Managementのライセンスが必要です。

add_beacon
apply_template_tests
assign_test_to_target
delete_test
disable_test
enable_test
extract_template
remove_beacon
set_availability
set_key_beacons_and_tests
sync_beacon

7.2.4 Oracle Enterprise Manager Cloud Control Service Level Managementの使用制限付きライセンス

Oracle Functional Testing (OFT)の使用制限付きライセンスが、テスト・スクリプトを記録するためにのみ含まれています。