ヘッダーをスキップ
Oracle® OPatchユーザーズ・ガイド
リリース12.1 for Windows and UNIX
E49737-05
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

B OPatchautoの構文およびコマンド

この付録では、すべてのOPatchautoコマンドの包括的なリストおよび説明を提供します。


重要:

OPatchautoコマンドは、GIホームから実行する必要があります。

B.1 OPatchautoコマンド

OPatchautoコマンドは、標準的なOPatchディレクトリの外にあるGIホームから実行されます。次の標準的な例では、OPatchautoコマンドはGIホームから実行されます

$GI_HOME/OPatch/opatchauto apply <PATH_TO_PATCH_DIRECTORY>

ここで、<PATH_TO_PATCH_DIRECTORY>は、パッチをダウンロードしたローカル・ステージング領域のフルパスです。

OPatchautoは、次の5つの主なコマンドから構成されます。

OPatchautoヘルプ

-helpまたは-hオプションを指定することにより、任意のコマンドのオンライン・ヘルプを表示できます。

例:

> opatchauto -help
> opatchauto -h
> opatchauto apply -help
> opatchauto resume -help
> opatchauto rollback -help
> opatchauto version -help

B.1.1 apply

GI/RAC/DBホームにシステム・パッチを適用します。ユーザーがパッチの場所を指定するか、そうでない場合は現在のディレクトリがパッチの場所として使用されます。

重要: OPatchautoは、GIホームからrootユーザーとして実行する必要があります。

構文

<GI_HOME>/OPatch/opatchauto apply
                            [-analyze]
                            [-database <database names> ]
                            [-generateSteps]
                            [-invPtrLoc <Path to oraInst.loc> ]
                            [-jre <LOC> ]
                            [-norestart ]
                            [-nonrolling ]
                            [-ocmrf <OCM response file location> ]
                            [-oh <ORACLE_HOME> ]
                            [ <Patch Location> ]

オプション

次の表では、applyコマンドで使用可能なオプションについて説明します。

表B-1 applyコマンドのオプション

オプション 説明

-analyze

analyzeオプションは、実際にパッチを適用せず、またシステムに一切影響を与えることなく、必要な前提条件チェックをすべて実行してシステムのパッチ適用機能について確認します。

-database

databaseオプションは、パッチを適用するRDBMSホームを指定するために使用します。このオプションは、Oracle Database名のカンマ区切りのリストを入力として使用します。

-generateSteps

generateオプションは、applyセッション用の手動ステップを作成します。OPatchautoは、これらのステップを実行してパッチを適用します。

-invPtrLoc

invPtrLocオプションは、中央インベントリ・ポインタ・ファイル(oraInst.loc)の検索に使用されます。このオプションへの入力は、oraInst.locファイルへのパスです。

-norestart

norestartオプションは、パッチ適用後にGrid Infrastructureスタックを再起動しないようにOPatchautoに指示します。

-nonrolling

nonrollingオプションは、'非ローリング'モードで実行されるパッチ適用セッションを実行するようにOPatchautoに指示します。パッチ適用セッションを開始するには、次の前提条件を満たす必要があります。

  • ローカル・ノード上のスタックは稼働している必要があります

  • すべてのリモート・ノードは停止している必要があります。

-ocmrf

ocmrfオプションは、Oracle Configuration Manager (OCM)レスポンス・ファイルの絶対パスを指定します。ターゲットGI/RACホームでOCMをインストールして構成していない場合に必要です。

-oh

ohオプションは、パッチを適用するGI/RACホームを指定します。これは、RACホームまたはグリッド・インフラストラクチャ・ホーム、あるいは複数のホームの任意の組合せのカンマ区切りリストです。注意: ソフトウェアのみのインストールを実行する場合、このオプションを使用できません。

<patch location>

パッチの場所の明示的なパス。パッチの場所を指定しない場合は、現在のディレクトリがパッチの場所として使用されます。


例B-1 GIホームおよびすべてのRACホームへのパッチの適用

<GI_HOME>/OPatch/opatchauto apply

例B-2 RACホームから実行されるデータベースのみへのパッチの適用

<RAC_HOME>/OPatch/opatchauto apply -database db1,db2...dbn

例B-3 ソフトウェアのみのインストールへのパッチの適用

<RAC_HOME>/OPatch/opatchauto apply -oh <RAC_HOME>
OR
<GI_HOME>/OPatch/opatchauto apply -oh <GI_HOME>

表B-2 OPatchautoコマンドの例

コマンド アクション コメント

<GI_HOME>/OPatch/opatchauto apply <SYSTEM_PATCH_TOP_DIR> <GI_HOME>

GIホームとすべてのRACホームの両方にパッチを適用します。

OPatchautoは、Grid Infrastructureホーム・ディレクトリ(GI HOME)から実行する必要があります。

<GI_HOME>/OPatch/opatchauto apply <SYSTEM_PATCH_TOP_DIR> -oh <GI_HOME>

GIホームのみにパッチを適用します。

ローカル・スタックが停止する場合があります。ローカル・スタックが停止した場合、opatchautoはパッチ適用を継続します。

opatchautoは、GI HOMEから実行する必要があります。

<RAC_HOME>/OPatch/opatchauto apply <SYSTEM_PATCH_TOP_DIR> -database db1,db2

データベースdb1とdb2、およびそれらの関連するGI/RACホームにパッチを適用します。

db1およびdb2を実行するGI/RACホームは同じでも別でもかまいません。

スタックを起動する必要があります。起動しないと、エラーが発生します。

同じGI/RACからdb1として実行されている別のdb-99が存在する場合、opatchautoを実行すると–silentおよびnon-silentの両方のモードでエラーが発生し、db-99が影響を受けていることをユーザーに通知します。この場合、ユーザーはすべてのデータベースを指定するか、または–ohオプションを使用する必要があります。

opatchauoは、パッチを適用しているいずれかのRACホームから実行する必要があります

<RAC_HOME>/OPatch/opatchauto apply <SYSTEM_PATCH_TOP_DIR> –oh <RAC_HOME>

指定したRACホームから実行されているすべてのターゲットにパッチを適用します。

opatchautoは、パッチを適用している<RAC_HOME>から実行する必要があります。

多数のRACホームにパッチを適用する場合は、このコマンドを必要な回数だけ繰り返し実行します。

データベース・インスタンスが作成されていない(または、作成されたがOCRで登録されていない)ようなソフトウェアのみでインストールされたホームまたはRACホームにパッチを適用する場合は、–ohオプションを使用します。


注意:

opatchauto applyを実行した際に、インストールできない個別のパッチがパッチ・セット内に発生した場合、そのパッチは省略され、OPatchautoは引き続き順序内の次のパッチをインストールします。

opatchauto applyを実行した際に、GI/RACホームにすでにインストールされているパッチと同じパッチ(同じパッチIDおよび一意のパッチ識別子(UPI))が発生した場合、OPatchautoは特定のパッチ条件に基づいて次の処理を実行します。

  • GI/RACホームのパッチより後に個別のパッチが作成された場合、OPatchautoはその個別のパッチをインストールします。

  • 個別のパッチの作成日がGI/RACホームのパッチと同じである場合、OPatchautoはその個別のパッチのインストールを省略します。

  • GI/RACホームのパッチより前に個別のパッチが作成された場合、エラーが発生します。

analyzeオプションは、システム(ビットまたは構成のいずれか)を変更することなく、(可能な場合は)すべての前提条件チェックを実行することにより、opatchauto applyセッションをシミュレートします。analyzeコマンドはシステムを変更せずに、次のチェックを実行します。

  • SQL同期を分析モードで実行します。

  • すべてのpreおよびpost処理ステップを検証し、コマンドが存在して実行可能であることを確認します。

B.1.2 resume

最後のOPatchautoセッションを再開します。現在このコマンドは、再起動パッチ適用からの再開にのみ使用できます。

重要: OPatchautoは、GIホームからrootユーザーとして実行する必要があります。

構文

<GI_HOME>/OPatch/opatchauto resume [-invPtrLoc <Path to oraInst.loc>]
               [-jre <LOC>]
               [-oh <ORACLE_HOME>]
               [-reboot]

オプション

次の表では、resumeコマンドで使用可能なオプションについて説明します。

表B-3 resumeコマンドのオプション

オプション 説明

-invPtrLoc

invPtrLocオプションは、中央インベントリ・ポインタ・ファイル(oraInst.loc)の検索に使用されます。このオプションへの入力は、oraInst.locファイルへのパスです。

-jre

このjreオプションは、GI/RACホームの下のデフォルトの場所のかわりに、特定のJRE (Java)の場所を使用するようにOPatchautoに指示します。

-oh

ohオプションは、処理するGI/RACホームを指定します。環境変数ORACLE_HOMEよりも優先されます。注意: ソフトウェアのみのインストールを実行する場合、このオプションを使用できません。

-reboot

このオプションは、以前に停止した再起動パッチ適用セッションから再開するようにOPatchautoに指示します。


B.1.3 rollback

GI/RACホームから適用したシステム・パッチをロールバックします。パッチの場所を指定する必要があり、または現在のディレクトリがパッチの場所として使用されます。

重要: OPatchautoは、GIホームからrootユーザーとして実行する必要があります。

構文

<GI_HOME>/OPatch/opatchauto rollback
                            [-analyze]
                            [-database <database names> ]
                            [-generateSteps]
                            [-invPtrLoc <Path to oraInst.loc> ]
                            [-jre <LOC> ]
                            [-norestart ]
                            [-nonrolling ]
                            [-oh <ORACLE_HOME> ]
                            [ <Patch Location> ]

オプション

次の表では、rollbackコマンドで使用可能なオプションについて説明します。

表B-4 rollbackコマンドのオプション

オプション 説明

-analyze

このオプションは、実際にパッチを適用せず、またシステムに一切影響を与えることなく、必要な前提条件チェックをすべて実行してシステムのパッチ適用機能について確認します。

-database

databaseオプションは、パッチを適用するRDBMSホームを指定するために使用します。このオプションは、Oracle Database名のカンマ区切りのリストを入力として使用します。

-generateSteps

ロールバック・セッション時にOPatchatuoが実行する手動ステップを生成します。

-invPtrLoc

invPtrLocオプションは、中央インベントリ・ポインタ・ファイル(oraInst.loc)の検索に使用されます。このオプションへの入力は、oraInst.locファイルへのパスです。

-jre

このjreオプションは、GI/RACホームの下のデフォルトの場所のかわりに、特定のJRE (Java)の場所を使用するようにOPatchautoに指示します。

-norestart

norestartオプションは、パッチ適用後にGrid Infrastructureスタックを再起動しないようにOPatchautoに指示します。

-nonrolling

nonrollingオプションは、'非ローリング'モードで実行されるパッチ適用セッションを実行するようにOPatchautoに指示します。パッチ適用セッションを開始するには、次の前提条件を満たす必要があります。

  • ローカル・ノード上のスタックは稼働している必要があります

  • すべてのリモート・ノードは停止している必要があります。

-oh

ohオプションは、パッチを適用するGI/RACホームを指定します。これは、RACホームまたはグリッド・インフラストラクチャ・ホーム、あるいは複数のホームの任意の組合せのカンマ区切りリストです。注意: ソフトウェアのみのインストールを実行する場合、このオプションを使用できません。

<patch location>

パッチの場所の明示的なパス。パッチの場所を指定しない場合は、現在のディレクトリがパッチの場所として使用されます。


例B-4 GIホームおよびすべてのRACホームでのパッチのロールバック

<GI_HOME>/OPatch/opatchauto rollback

例B-5 RACホームから実行されているデータベースのみでのパッチのロールバック

<RAC_HOME>/OPatch/opatchauto rollback -database db1,db2...dbn

例B-6 ソフトウェアのみのインストールからのパッチのロールバック

<RAC_HOME>/OPatch/opatchauto rollback -oh <RAC_HOME>
OR
<GI_HOME>/OPatch/opatchauto rollback -oh <GI_HOME>

B.1.4 version

OPatchユーティリティのバージョン、依存するOPlanバージョンおよびosysmodelバージョンを出力します。

重要: OPatchautoは、GIホームからrootユーザーとして実行する必要があります。

構文

<GI_HOME>/OPatch/opatchauto version [-invPtrLoc <Path to oraInst.loc>]
               [-jre <LOC>]
               [-oh <ORACLE_HOME>]
               [-oui_loc <Custom OUI Location>
               [-help] [-h]

オプション

次の表では、versionコマンドで使用可能なオプションについて説明します。

表B-5 versionコマンドのオプション

オプション 説明

-invPtrLoc

invPtrLocオプションは、中央インベントリ・ポインタ・ファイル(oraInst.loc)の検索に使用されます。このオプションへの入力は、oraInst.locファイルへのパスです。

-jre

このjreオプションは、GI/RACホームの下のデフォルトの場所のかわりに、特定のJRE (Java)の場所を使用するようにOPatchautoに指示します。

-oh

ohオプションは、処理するGI/RACホームを指定します。環境変数ORACLE_HOMEよりも優先されます。

-oui_loc

oui_locオプションは、OPatchが実行されるカスタムのOUIの場所を表示します。