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Oracle® Enterprise Manager Business Transaction Managementオンライン・ヘルプ
リリース12.1.0.6
E59455-01
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2 Business Transaction Managementの開始

この章では、Business Transaction Managementを使用するための基本ワークフローについて説明します。また、オンライン・ヘルプの主要セクションの紹介としても役立ちます。この章は、このマニュアルの残りの部分に進む前に参照する必要があります。

BTMを使用する方法のデモンストレーションを表示するには、次のURLにアクセスして「Begin Video」をクリックします。

https://apex.oracle.com/pls/apex/f?p=44785:24:539253248237801::NO:24:P24_CONTENT_ID,P24_PREV_PAGE:6366,1

2.1 基本ワークフロー

Business Transaction Managementを使用するための基本ワークフローには、次の手順が含まれます。

2.1.1 トラフィックの実行

Business Transaction Managementの検出プロセスは、完全にトラフィックベースです。監視対象のエンドポイントをメッセージが流れていない場合、システムでアプリケーション・コンポーネントを検出することも、これらのコンポーネント間の依存性を検出することもできません。そのため、Business Transaction Managementを使用するための最初の手順は、トラフィックを実行し、メッセージ・トラフィックを監視する機会をシステムに与えるために少しの時間そのままにして、デプロイされたシステムの図を作成することです。

Business Transaction Managementを使用するのが初めての場合、次に実行が必要なことは、管理コンソールを表示して、その基本部分および構成をおおまかに理解することです。トラフィックが実行済の場合、管理コンソールを開くと、サービスおよびその依存性を確認できます。少し時間をかけてコンソールの基本動作について理解します。

  • 「管理コンソールについて」では、管理コンソールの各部分と構成について説明しています。

  • 「データの表示」では、管理コンソールを使用して様々なデータ・タイプを表示する方法について詳細に説明しています。パフォーマンス・データを示すのに使用する基本要素(マップ、チャート、表形式ビューおよびダッシュボード)についても説明します。この説明は、今参照することも、後でパフォーマンス情報を表示および解析するときに参照することも可能です。

2.1.2 サービスおよび依存性の検出

トラフィックを実行すると、Business Transaction Managementはすぐにデータの収集を開始し、使用している環境の全体図を提供して作業の流れを理解できるようにします。分散アプリケーションを構成するコンポーネントを識別し、これらのコンポーネントの相互関係を理解することで、「どのようなコンポーネントがあるか」および「何が実行されているか」という2つの質問に回答できるようになります。

Business Transaction Managementでは、表形式ビューおよびグラフィカル・ビューを使用して、トポロジおよびパフォーマンス情報が表示されます。次のスクリーン・ショットに、エンドポイントの依存性、ステータスおよびパフォーマンス・データが1つのグラフィカル・ビューにどのように表現されるかを示します。

endpoint_dependencies.gifの説明が続きます
図endpoint_dependencies.gifの説明

まず最初に使用している環境を参照したときには、監視対象のコンポーネントを実行しているコンテナの場所とステータスを把握します。次に、サービスを表示して、監視対象のすべてのサービスが検出されていることを確認します。続いて、サービスが相互にやり取りする方法と、サービスがレプリケートされている場合にトラフィックがサービスに分散される方法について確認できます。

ここで、検出できないサービスの登録、レプリケーションまたは重複の問題の解決、バージョニング問題の対応などを実行して、作成された図を調整することが必要になる場合があります。

2.1.3 対象領域の識別

環境内のサービス操作の正確な全体図が作成されると、今度は操作データに注目できるようになります。デフォルトでは、スループット、トラフィック、フォルト、平均レスポンス時間、最大レスポンス時間および稼働時間のデータがシステムによって表示されます。これにより、ボトルネック、障害のあるコンポーネント、速度の遅いコンポーネント、異常に軽いまたは重いトラフィックを特定できます。

フィルタを使用して、表示されるサービスの数を絞ることができます。また、表形式ビューに表示されるコア測定にインスツルメントを追加して、ビューをカスタマイズすることもできます。

この情報を使用して、サービスのレプリケート、その他の処理容量の調整、障害のあるコンポーネントの詳細な調査など、デプロイメントのトポロジの変更を決定できます。

2.1.4 トランザクションの定義

トランザクションは、1つの単位として監視する一連の操作です。Business Transaction Managementでは、トランザクションの監視に重点を置いて、パフォーマンス関連の問題の特定と解決、使用状況のプロファイリング、ビジネス・プロセスで問題のあるコンポーネントの原因特定を支援します。

検出で明らかになる依存性に基づいて、目的の相互作用を備えたサービスを含めるようにトランザクションを定義できます。制御下にないサービスを除外したり、パフォーマンスに適切な効果があると思われる補助サービスを含めるよう決定することができます。トランザクションの定義は簡単です。一連の操作の開始操作と終了操作を特定します。その後、様々な観点からのトランザクション調査を可能にする追加機能を有効にできます。

2.1.5 トランザクション監視の必要性の評価

デフォルトでは、Business Transaction Managementは単にトランザクションの基本パフォーマンスを監視します。パフォーマンスおよび使用状況について、必要な詳細レベルを正確に提供する監視機能が有効になるように、デフォルトのトランザクション定義を変更できます。たとえば、次の処理を可能にする機能を追加できます。

  • ホスト・アドレス別または使用状況別のパフォーマンス情報の分割。使用状況は、ユーザー別、サプライヤ別または有用なパフォーマンス情報の取得に役立つ基準別にまとめることができます。

  • トランザクション・インスタンスのロギング。

  • メッセージ・コンテンツのロギング。これによって特定の情報のログ・メッセージを検索できます。たとえば、「15,000冊の書籍の注文を含むメッセージはどれか」などです。

常に収集され、いつもで表示できるパフォーマンス情報に加えて、ビジネス・トランザクションでは次のような特別な場合に警告を送信できます。

  • 固定値または過去の基準に基づいてサービス・レベル合意を定義し、パフォーマンスが定義済のしきい値を超えた場合には必ず通知するよう要求している場合。たとえば、トランザクションのスループットが直近の10分間で100リクエストよりも下がった場合に通知を受けるなどです。

  • メッセージ・コンテンツまたは特定のフォルトをテストする条件を定義し、この条件に一致した場合に通知するよう要求している場合。たとえば、注文数量に関連するプロパティの値が1,000よりも大きい場合に通知を受けるなどです。

  • 特定期間内のメッセージの到着をテストする条件を定義し、メッセージが到着しなかった場合に通知するよう要求している場合。これを使用して、完了していないトランザクションについての警告を受け取ることができます。

ご覧のように、Business Transaction Managementでは、トランザクションを監視するための様々なオプションが提供されています。これらの監視技術のいずれを使用するかは、ユーザーが回答する質問およびユーザーが解決しようとする問題によって異なります。このような質問は、開発からテスト、本番へと進むにつれて変わる可能性があります。監視機能を選択的に有効および無効にできるシステムを作成することにより、管理システムのパフォーマンス・コストを最小限に抑えながら、必要な情報を正確に取得できるようにすることが可能です。

2.1.6 スクリプトの作成

最後に、Business Transaction Managementの使用について学習し、任意でアーカイブおよび実行する処理(特に管理タスク)を識別するときに、コマンドライン・インタフェースを使用してスクリプトを作成できます。このようなスクリプトを使用すると、次の処理を実行できます。

  • システムの構成

  • 検出問題の解決

  • サービスの登録

  • レプリケーション問題の解決

  • データの移行

  • レポートの生成