この章では、WebLogic 10.3および12サーバーへのオブザーバ・ライブラリのインストールおよびアンインストールの手順を説明します。
Business Transaction Managementオブザーバは、ZIPファイルで配布されます。各ZIPファイルには、特定のアプリケーション・サーバーへのインストールに適した1種類のオブザーバが含まれています。WebLogicアプリケーション・サーバーへのオブザーバのインストールに適したZIPファイルは、次のとおりです。
BTMObserver_Wls_10.3_Universal_*.zip – このZIPファイルは、JavaEE、Oracle SOA Suite、Oracle Service Bus 11gR1およびOracle Fusion Applications (ADF-UI、ADF-BCおよびSOAデプロイメント)用のオブザーバをWebLogic 10.3サーバーへインストールする際に使用します。
BTMObserver_Wls_12_JavaEE_*.zip – このZIPファイルは、JavaEEまたはOracle Service Bus 12c用のオブザーバをWebLogic 12サーバーへインストールする際に使用します。
BTMObserver_Wls_10.3_Osb11gR1_*.zip – このZIPファイルは、Oracle Service Bus 10gR3用のオブザーバをWebLogic 10.3サーバーへインストールする際に使用します。ZIPファイル名には文字列「Osb11gR1」が含まれていますが、このオブザーバはOracle Service Bus 10gR3をサポートしていることに注意してください。このオブザーバは、Oracle Service Bus 11gR1では推奨されません(11gR1では、BTMObserver_Wls_10.3_Universal_*.zipを使用する必要があります)。
注意: 完全なZIPファイル名では、アスタリスク(*)はオブザーバのバージョン番号で置換されています。これらのオブザーバがサポートしているプラットフォームおよびアプリケーション・サーバーのバージョンの正確なリストは、Business Transaction Management (BTM)動作保証マトリックスを参照してください。このドキュメントは、 特定のオブザーバの互換性および機能の詳細は、オブザーバZIPファイルを展開した後、オブザーバのnanoagentディレクトリにあるREADME.txtファイルを参照してください。 |
個別のインストール手順も提供されています。
お使いの環境および監視ニーズに適切なオブザーバ配布ZIPファイルを探します。
WebLogic管理対象サーバーのホーム・ディレクトリ(WL_HOME)にオブザーバZIPファイルを解凍します。
ホーム・ディレクトリとは、WebLogicのインストール・ディレクトリにあるwlserver_10.3またはwlserver_12.1のディレクトリで、たとえばC:\WL_10-3-2-0\wlserver_10.3です。この手順を忘れないようにするため、文字列WL_HOMEをWebLogicホーム・ディレクトリの実際のパスで置き換えます。
ZIPファイルを解凍すると、nanoagentおよびsecurity_add_onsという名前のディレクトリが作成されます。nanoagentディレクトリには、bin、configおよびlibという名前の3つのサブディレクトリが含まれています。
注意: ライブラリを探すために、オブザーバはデフォルトでlibディレクトリを検索します。このデフォルトの場所を上書きする方法の詳細は、第9.3項「オブザーバ・ライブラリのデフォルトの場所のオーバーライド」を参照してください。 |
WebLogicを実行しているユーザー・アカウントが、最低でも以下の権限を持っていることを確認します。
nanoagent/configおよびnanoagent/libディレクトリの読取り権限(UNIX系システムでは、トラバース権限も必要)
libディレクトリ内のすべてのJARファイルの読取り権限
WebLogic管理コンソール(デフォルトのURLは、http://machine_name:7001/console)を開きます。
WebLogic起動引数の編集の準備をします。
「ドメイン構造」ペイン(左側)で、「環境」→「サーバー」に移動します。
「サーバー」表で、管理対象サーバーをクリックします。
「構成 / サーバーの起動」タブを表示します。
「ロックして編集」をクリックします。
注意: この手順は、本番環境での操作を想定しているため、WebLogicサーバーの「ロックを自動取得して変更をアクティブ化」の設定は無効になっていることを前提としています。ただし、開発環境ではこの設定が有効である場合も考えられます。その場合は、変更を行うために「ロックして編集」をクリックする必要はなく、保存後に変更をアクティブ化する必要もありません。 |
「構成 / サーバーの起動」タブが表示された状態で、WebLogic起動引数を次のように編集します。
AP_NANO_HOMEシステム・プロパティを作成し、「引数」フィールドに次の文字列を追加してプロパティにオブザーバのnanoagentディレクトリの場所を設定します。
Windowsシステムでは、次の文字列を追加します。エントリの区切り文字はスペースです。
-DAP_NANO_HOME=WL_HOME\nanoagent
UNIX系システムでは、次の文字列を追加します。エントリの区切り文字はスペースです。
-DAP_NANO_HOME=WL_HOME/nanoagent
注意: 引数のエントリの区切り文字に改行は使用しないでください。 |
AP_NANO_CONFIG_URLシステム・プロパティを作成し、「引数」フィールドに次の文字列を追加します。
-DAP_NANO_CONFIG_URL=http://Host:Port/btmmonitor/agent/agent/
Host:Portは、オブザーバがメッセージを転送するモニターのホスト名およびポート番号で置換します。
このプロパティにURLを指定することによって、オブザーバはそのURLのモニターと関連付けられます。オブザーバは起動時に指定されたモニターから構成を取得し、監視結果をそのモニターに送信します。
注意: レプリケートされたモニターを使用している場合は、URLのホストおよびポートの部分にロード・バランサのHTTP仮想サーバーのホストおよびポートを設定する必要があります。たとえば、HTTP仮想サーバーのIPアドレスが10.147.46.152でポート番号が5072の場合、URLを次のように設定します。http://10.147.46.152:5072/btmmonitor/agent/agent/ このトピックの詳細は、第8.4項を参照してください。 |
省略可能 – オブザーバ構成ラベルでこのオブザーバのターゲットを指定する場合は、ap.nano.config.labelという名前のシステム・プロパティを作成し、その値にラベル文字列を設定するために、次の文字列を「引数」フィールドに追加します。
-Dap.nano.config.label=My_Label_String
My_Label_Stringは、このオブザーバで使用するラベルの文字列で置換します。オブザーバのターゲット指定の詳細は、第8.5項「オブザーバ通信ポリシーの適用」を参照してください。
次のどちらかのJVM引数を「引数」フィールドに追加するして、オブザーバ・ブートストラップ・モジュールをサーバーに構成します。
Windowsシステムの場合は、次の引数を追加します。
-javaagent:WL_HOME\nanoagent\lib\bootstrap\ap-nano-bootstrap.jar
UNIX系システムの場合は、次の引数を追加します。
-javaagent:WL_HOME/nanoagent/lib/bootstrap/ap-nano-bootstrap.jar
WebLogicサーバーを実行しているユーザーがオブザーバのエラー・ログ・ディレクトリへの書込み権限を持っていることを確認します。
デフォルトでは、オブザーバのエラー・ログ・ディレクトリはWebLogicドメイン・ディレクトリです。エラー・ロギングの構成の詳細は、第14章「オブザーバ・エラーおよびデバッグ情報のロギング」を参照してください。
「保存」をクリックし、「変更のアクティブ化」をクリックします。
管理対象サーバーを再起動します。
オブザーバがメッセージを転送するモニターに、オブザーバ通信ポリシーが適用されていることを確認します。
オブザーバ通信ポリシーの適用の詳細は、第8.5項「オブザーバ通信ポリシーの適用」を参照してください。
注意: この手順の実行方法によって、オブザーバをインストール済のWebLogicで定義されているすべてのサーバーへのインストールも、特定のドメインのサーバーへのインストールもできます。この手順では、グローバル・インストールという用語は、オブザーバをすべてのサーバーにインストールすることを示し、ドメイン・インストールという用語はオブザーバを特定のドメインにインストールすることを示します。 |
お使いの環境および監視ニーズに適切なオブザーバ配布ZIPファイルを探します。
WebLogicサーバーのホーム・ディレクトリ(グローバル・インストールの場合)またはドメイン・ディレクトリ(ドメイン・インストールの場合)にオブザーバZIPファイルを解凍します。
ホーム・ディレクトリとは、WebLogicのインストール・ディレクトリにあるwlserver_10.3またはwlserver_12.1のディレクトリで、たとえばC:\WL_10-3-2-0\wlserver_10.3です。この手順を忘れないようにするため、WL_HOMEをWebLogicホーム・ディレクトリの実際のパスで置き換えます。
ZIPファイルを解凍すると、nanoagentおよびsecurity_add_onsという名前のディレクトリが作成されます。nanoagentディレクトリには、bin、configおよびlibという名前の3つのサブディレクトリが含まれています。
注意: ライブラリを探すために、オブザーバはデフォルトでlibディレクトリを検索します。このデフォルトの場所を上書きする方法の詳細は、第9.3項「オブザーバ・ライブラリのデフォルトの場所のオーバーライド」を参照してください。 |
WebLogicを実行しているユーザー・アカウントが、最低でも以下の権限を持っていることを確認します。
nanoagent/configおよびnanoagent/libディレクトリの読取り権限(UNIX系システムでは、トラバース権限も必要)
libディレクトリ内のすべてのJARファイルの読取り権限
次の手順に従い、オブザーバ・スクリプト・ファイルを呼び出すように、WebLogicのドメイン起動スクリプトを構成します。
注意: この手順では、startWebLogicスクリプトを変更していないことを仮定しています。スクリプトを変更している場合は、それに応じたインストール手順の変更が必要な場合があります。 |
サービスを監視するWebLogicドメインの1つでbinディレクトリに移動し、テキスト・エディタで起動スクリプトを開きます(Windowsシステムではbin\startWebLogic.cmdを、UNIX系システムではbin/startWebLogic.shを開きます。ドメイン・ディレクトリの直下にある起動スクリプトは編集しないでください)。
次の行を探します(最初の行はWindowsの場合、次の行はUNIX系システムの場合)。
call "%DOMAIN_HOME%\bin\setDomainEnv.cmd" . ${DOMAIN_HOME}/bin/setDomainEnv.sh
この行の直後に、オブザーバ・スクリプト・ファイルを呼び出す行を追加します。
Windowsシステムでグローバル・インストールを行っている場合は、次の行を追加します。
call "%WL_HOME%\nanoagent\bin\nanoEnvWeblogic.cmd"
UNIX系システムでグローバル・インストールを行っている場合は、次の行を追加します(最初のピリオドと空白に注意してください)。
. ${WL_HOME}/nanoagent/bin/nanoEnvWeblogic.sh
Windowsシステムでドメイン・インストールを行っている場合は、次の行を追加します。
call "%DOMAIN_HOME%\nanoagent\bin\nanoEnvWeblogic.cmd"
UNIX系システムでドメイン・インストールを行っている場合は、次の行を追加します(最初のピリオドと空白に注意してください)。
. ${DOMAIN_HOME}/nanoagent/bin/nanoEnvWeblogic.sh
注意: 第4.3.1項「Oracle Walletによるセキュリティ構成」で説明されているセキュリティ関連の構成を行った場合は、すでにこの場所にsetBtmOverriderEnv_via_CredStoreスクリプトの呼出しが追加されています。これらのスクリプトを呼び出す相対的な順序は重要ではありません。 |
サービスを監視する各ドメインで、この手順を実行します。
オブザーバ・スクリプト・ファイルをテキスト・エディタで開きます。
オブザーバ・スクリプト・ファイルとは、startWebLogicスクリプト・ファイルが呼び出すnanoEnvWeblogic.cmdまたはnanoEnvWeblogic.shファイルです。
ドメイン・インストールの場合は、次の変更を行います(ドメイン・インストール以外の場合は、次の手順にスキップします)。
Windowsシステムの場合は、次の行を探します。
set NANOAGENT_HOME=%WL_HOME%\nanoagent
この行を次のように変更します。
set NANOAGENT_HOME=%DOMAIN_HOME%\nanoagent
UNIX系システムの場合は、次の行を探します。
NANOAGENT_HOME=$WL_HOME/nanoagent
この行を次のように変更します。
NANOAGENT_HOME=$DOMAIN_HOME/nanoagent
このファイルは開いたままにします。
オブザーバをモニターに関連付けます。
注意: オブザーバ・スクリプト・ファイルは、NANOAGENT_CONFIGURATION_URL変数を使用してAP_NANO_CONFIG_URLシステム・プロパティの値を設定します。このシステム・プロパティにURLを指定することによって、オブザーバはそのURLのモニターと関連付けられます。オブザーバは起動時に指定されたモニターから構成を取得し、監視結果をそのモニターに送信します。 |
オブザーバ・スクリプト・ファイルで、次の変数定義を探します(最初の行はWindowsの場合、次の行はUNIX系システムの場合)。
set NANOAGENT_CONFIGURATION_URL=http://HOST:PORT/btmmonitor/agent/agent/ NANOAGENT_CONFIGURATION_URL=http://HOST:PORT/btmmonitor/agent/agent/
HOST:PORTは、オブザーバが監視結果を送信するモニターのホスト名およびポート番号で置換します。次に例を示します。
set NANOAGENT_CONFIGURATION_URL=http://myhost:7002/btmmonitor/agent/agent NANOAGENT_CONFIGURATION_URL=http://myhost:7002/btmmonitor/agent/agent
注意: レプリケートされたモニターを使用している場合は、URLのホストおよびポートの部分にロード・バランサのHTTP仮想サーバーのホストおよびポートを設定する必要があります。たとえば、HTTP仮想サーバーのIPアドレスが10.147.46.152でポート番号が5072の場合、URLを次のように設定します。http://10.147.46.152:5072/btmmonitor/agent/agent/ ロード・バランサのHTTP仮想サーバーの詳細は、第8.4項を参照してください。 |
省略可能 – オブザーバ構成ラベルでオブザーバのターゲットを指定する場合は、次の手順を実行します。
注意: オブザーバ・スクリプト・ファイルは、NANOAGENT_CONFIGURATION_LABEL変数を使用してap.nano.config.labelシステム・プロパティの値を設定します。オブザーバのターゲット指定の詳細は、第8.5項「オブザーバ通信ポリシーの適用」を参照してください。 |
オブザーバ・スクリプト・ファイルで、次の変数定義を探します(最初の行はWindowsの場合、次の行はUNIX系システムの場合)。
set NANOAGENT_CONFIGURATION_LABEL= NANOAGENT_CONFIGURATION_LABEL=
次のように、変数定義のラベル文字列を追加します。
set NANOAGENT_CONFIGURATION_LABEL=My_Label NANOAGENT_CONFIGURATION_LABEL=My_Label
WebLogicサーバーを実行しているユーザーがオブザーバのエラー・ログ・ディレクトリへの書込み権限を持っていることを確認します。
デフォルトでは、オブザーバのエラー・ログ・ディレクトリはWebLogicドメイン・ディレクトリです。エラー・ロギングの構成の詳細は、第14章「オブザーバ・エラーおよびデバッグ情報のロギング」を参照してください。
サーバーを再起動します。
オブザーバがメッセージを転送するモニターに、オブザーバ通信ポリシーが適用されていることを確認します。
オブザーバ通信ポリシーの適用の詳細は、第8.5項「オブザーバ通信ポリシーの適用」を参照してください。
この項では、WebLogic 10.3サーバーからオブザーバ・ライブラリをアンインストールする方法について説明します。手順は、ノード・マネージャまたはローカル・スクリプトのどちらでサーバーを構成するかによって異なります。
ノード・マネージャでサーバーを構成する場合は、第10.3.1項「ノード・マネージャで構成された管理対象サーバーからのアンインストール」を参照してください。
ローカル・スクリプトでサーバーを構成する場合は、第10.3.2項「ローカル・スクリプトで構成されたサーバーからのアンインストール」を参照してください。
WebLogic管理対象サーバーを停止します。
WebLogicホーム・ディレクトリ(WL_HOME)にあるnanoagentフォルダを削除します。
ホーム・ディレクトリとは、WebLogicのインストール・ディレクトリにあるwlserver_10.3またはwlserver_12.1のディレクトリで、たとえばC:\WL_10-3-2-0\wlserver_10.3です。この手順を忘れないようにするため、WL_HOMEをWebLogicホーム・ディレクトリの実際のパスで置き換えます。
WebLogic管理コンソール(デフォルトのURLは、http://Machine_Name:7001/console)を開きます。
次の手順に従い、オブザーバに関連するすべての起動引数を削除します。
ナビゲーション・ペイン(左側)で、「環境」→「サーバー」に移動します。
「サーバー」表で、管理対象サーバーをクリックします。
「構成 / サーバーの起動」タブを表示します。
「ロックして編集」をクリックします。
「引数」フィールドから、次の文字列をすべて削除します。
-DAP_NANO_HOME=WL_HOME/nanoagent -DAP_NANO_HOME=WL_HOME\nanoagent -DAP_NANO_CONFIG_URL=http://HOST:PORT/btmmonitor/agent/agent/ -Dap.nano.config.label=My_Label -javaagent:WL_HOME\nanoagent\lib\bootstrap\ap-nano-bootstrap.jar -javaagent:WL_HOME/nanoagent/lib/bootstrap/ap-nano-bootstrap.jar
「保存」をクリックし、「変更のアクティブ化」をクリックします。
WebLogicサーバーを再起動します。
WebLogicサーバーを停止します。
WebLogicホーム・ディレクトリ(WL_HOME)にあるnanoagentフォルダを削除します。
ホーム・ディレクトリとは、WebLogicのインストール・ディレクトリにあるwlserver_10.3またはwlserver_12.1のディレクトリで、たとえばC:\WL_10-3-2-0\wlserver_10.3です。この手順を忘れないようにするため、WL_HOMEをWebLogicホーム・ディレクトリの実際のパスで置き換えます。
サービスを監視する必要がなくなったWebLogicドメインのbinディレクトリに移動し、startWebLogicスクリプト(Windowsの場合はstartWebLogic.cmd、UNIX系システムの場合はstartWebLogic.sh)を編集します。スクリプトから次の行を削除します(最初の行はWindowsの場合、次の行はUNIX系システムの場合)。
call "%WL_HOME%\nanoagent\bin\nanoEnvWeblogic.cmd" . ${WL_HOME}/nanoagent/bin/nanoEnvWeblogic.sh
WebLogicサーバーを再起動します。