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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
12cリリース1 (12.1.0.1)
B65085-03
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2 基本の理解

この章では、Enterprise Manager Cloud Controlの主要な概念を示し、操作を進める前に知っておく必要のあるインストールの重要な側面について説明します。

この章の具体的な内容は次のとおりです。

インストールの基本の理解

この項では、インストール・プロセスの基本的な側面について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

使用可能な各種のインストール・モード

Enterprise Manager Cloud Controlまたはそのコア・コンポーネントは、インタラクティブなグラフィック・モードまたはサイレント・モードのいずれかでインストールできます。

グラフィック・モード グラフィック・モードは、Javaベースのインストール・ウィザードや、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールに組み込まれてEnterprise Manager Cloud Controlコンソールからアクセスするブラウザベースのアプリケーションを使用するGUI方式です。インストール・プロセス全体がガイドされ、インストールの詳細は質問画面を使用して取得されるため、この方式は初めてインストールする場合に最適です。
サイレント・モード サイレント方式では、Oracle提供のレスポンス・ファイルを使用して、インストールに必要なすべての情報が取得されます。この方式のほうが簡単で時間もかかりませんが、インストール・ウィザードの質問画面を使用しなくてもレスポンス・ファイルにインストールの詳細を指定できるだけのインストール・プロセスに関する知識が必要となります。

このいずれのモードでも、ソフトウェアのみのインストールを実行できます。ソフトウェアのみのインストールは、インストールを構成せずにEnterprise Manager Cloud Controlまたは管理エージェントのソフトウェア・バイナリのみをインストールする方式です。この方法は、ソフトウェアをインストールして構成は後で行う場合に適しています。

Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードとは

Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードは、Enterprise Manager Cloud Controlをグラフィック・モードでインストールまたはアップグレードするのに役立つJavaベースのウィザードです。初めてEnterprise Manager Cloud Controlまたはそのコア・コンポーネントをインストールする場合は、このインストール・ウィザードを使用することを強くお薦めします。


注意:

UNIXプラットフォームでインストール・ウィザードを起動するには、runInstallerを起動します。Microsoft Windowsプラットフォームで起動するには、setup.exeを起動します。

図2-1は、インストール・ウィザードの主要な要素を示しています。

図2-1 Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザード

Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザード

注意:

runInstallerまたはsetup.exeを起動したとき、Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードが表示されない場合、/stageディレクトリにアクセスしていない可能性があります。

インストール・ウィザードは、クラスパス変数をOPatch用に../stage/Components/として処理します。TEMP変数が/tmpに設定されているとき、インストール・ウィザードはopatchのJARファイルを/tmp/../stageディレクトリ(/stageと同様)で検索しようとします。しかし、ユーザーに/stageへの権限がないと、インストール・ウィザードはハングします。このような場合、/stageディレクトリへのアクセス権があるかどうかを確認します。アクセス権がない場合、TEMP変数を、インストール・ユーザーがアクセス権を持つ場所に設定し、インストール・ウィザードを再起動します。


インストール・ウィザードにより提供されるインストール・タイプ

Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードには、次のインストール・タイプがあります。

Enterprise Managerシステムの新規作成

このインストール・タイプでは、新規のEnterprise Manager Cloud Controlシステムを、次のいずれかの方法で作成できます。

  • 単純: 管理リポジトリの格納に既存の認定済Oracleデータベースを使用して、デフォルトの構成設定で新規のEnterprise Manager Cloud Controlシステムを迅速にインストールします。

  • 詳細: 管理リポジトリの格納に既存の認定済Oracleデータベースを使用して、カスタム構成設定で新規のEnterprise Manager Cloud Controlシステムをインストールします。

単純および詳細のどちらのインストール・タイプでも、インストール・ウィザードで次の作業が実行されます。

  • Java Development Kit (JDK)1.6 v24、Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)がまだ存在しない場合は、インストールします。

  • oracle_commonディレクトリを含むOracle JRF 11gリリース(11.1.1.4.0)をインストールします。

  • Oracle_WTディレクトリを含むOracle Web Tier 11gリリース(11.1.1.4.0)をインストールします。

  • Oracle Management Service 12cおよびOracle Management Agent 12cをインストールします。

  • Oracle Management Plug-Ins(Oracleデータベース管理プラグイン、Oracle Fusion Middleware管理プラグイン、Oracle My Oracle Support管理プラグインおよびOracle Exadata管理プラグインなど)をインストールします。

  • GCDomainと呼ばれるOracle WebLogicドメインと、nodemanagerと呼ばれるノード・マネージャ・ユーザー・アカウントを作成します。

  • Oracle Management Serviceインスタンス・ベース・ディレクトリを、OMSに関連するすべての構成詳細を格納するために構成します。

  • 管理リポジトリ(既存のOracleデータベース内)、OMSおよび管理エージェントの構成

既存のEnterprise Managerシステムのアップグレード

このインストール・タイプでは、既存のEnterprise Manager 10g Grid Controlリリース5 (10.2.0.5.0)またはEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1 (11.1.0.1.0)を、Enterprise Manager Cloud Controlにアップグレードできます。

このインストール・タイプには、次のアプローチがあります。

  • 1システムのアップグレード: 旧リリースのEnterprise Managerを実行しているホストでEnterprise Manager Cloud Controlにアップグレードできます。既存のOracleデータベース自体の管理リポジトリもアップグレードされます。アップグレードが同じホスト上で行われるため、ある程度の停止時間が発生します。

  • 2システムのアップグレード: 既存のEnterprise Managerシステムを実行していないホストにEnterprise Manager Cloud Controlをインストールできます。この方式では、既存のOracleデータベースの管理リポジトリはアップグレードされませんが、バックアップ・データベースの管理リポジトリがアップグレードされ、2つのEnterprise Managerシステムが存在するためのスコープが提供されます。新しいEnterprise Managerシステムは旧システムと共存するので、停止時間はまったく発生しないか、発生したとしてもほぼゼロです。


注意:

これらのアップグレード・オプションの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド』を参照してください。

ソフトウェアのみインストール

このインストール・タイプでは、ある時点でEnterprise Manager Cloud Controlのソフトウェア・バイナリのみをインストールし、後から構成できます。

このアプローチを使用すれば、インストール・プロセスをインストール・フェーズと構成フェーズの2つフェーズに大別できます。当然のことながら、インストール・フェーズは、バイナリのコピーのみなので、構成フェーズに比べて時間はかかりません。

インストール・フェーズでは、インストール・ウィザードで次の作業が実行されます。

  • Java Development Kit (JDK) 1.6 v24、Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)がまだ存在しない場合は、インストールします。

  • oracle_commonディレクトリを含むOracle JRF 11gリリース(11.1.1.4.0)をインストールします。

  • Oracle_WTディレクトリを含むOracle Web Tier 11gリリース(11.1.1.4.0)をインストールします。

  • Oracle Management Service 12cおよびOracle Management Agent 12cをインストールします。

  • Oracle Management Plug-Ins(Oracleデータベース管理プラグイン、Oracle Fusion Middleware管理プラグイン、Oracle My Oracle Support管理プラグインおよびOracle Exadata管理プラグインなど)をインストールします。

構成フェーズでは、インストール・ウィザードで次の作業が実行されます。

  • GCDomainと呼ばれるOracle WebLogicドメインと、nodemanagerと呼ばれるノード・マネージャ・ユーザー・アカウントを作成します。

  • Oracle Management Serviceインスタンス・ベース・ディレクトリを、OMSに関連するすべての構成詳細を格納するために構成します。

  • 管理リポジトリ(既存のOracleデータベース内)、OMSおよび管理エージェントの構成

ホスト・ターゲットの追加ウィザードとは

ホスト・ターゲットの追加ウィザード(図2-2)は、Cloud Controlコンソールからアクセスできる、GUIが豊富なアプリケーションで、管理対象外ホストにOracle Management Agentをインストールし、これらをEnterprise Managerシステムの管理対象ホストに変換するために使用されます。

ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用して、次を実行できます。

  • 新規管理エージェントのインストール

  • 十分にテスト済で事前にパッチが適用されている実行中の既存の管理エージェントのクローニング

  • 一元的に共有される既存の管理エージェントから管理エージェントをインストール

図2-2 ホスト・ターゲットの追加ウィザード

ホスト・ターゲットの追加ウィザード

ホスト・ターゲットの追加ウィザードは単一の管理エージェントをリモートでインストールするのに使用できますが、このウィザードは、管理エージェントの一括デプロイ、特に、異なるプラットフォームのホストに異なるリリースの管理エージェントを一括デプロイするのに最も適しています。このウィザードには、管理エージェントをインストールするホストを複数選択できる柔軟性があります。この方法は、1回の操作で複数のホストに管理エージェントをインストールする場合に便利です。

管理サービスの追加デプロイメント・プロシージャとは

デプロイメント・プロシージャは、階層構造になった一連のプロビジョニングまたはパッチ適用のステップを含むプロシージャであり、各ステップには一連の他のステップが含まれることもあります。つまり、特定のライフサイクル管理アクティビティに対して実行する必要があるすべてのタスクのワークフローは、デプロイメント・プロシージャでカプセル化されます。

Enterprise Manager Cloud Controlには複数のデプロイメント・プロシージャがあり、これらはすべてCloud Controlコンソールからアクセスできます。Enterprise Manager Cloud Controlのインストールのコンテキストに含まれるデプロイメント・プロシージャの1つが、管理サービスの追加デプロイメント・プロシージャです。

管理サービスの追加デプロイメント・プロシージャ(図2-3)は、AdminServerホストで実行中の既存のOMSを使用して追加のOMSのインストールを可能にすることにより、高可用性の要件を満たすのに役立ちます。

図2-3 管理サービスの追加デプロイメント・プロシージャ

管理サービスの追加デプロイメント・プロシージャ

簡単に言えば、管理サービスの追加デプロイメント・プロシージャにより、環境に追加のOMSをインストールできます。デプロイメント・プロシージャにより既存のOMSのクローンが作成され、その構成が接続先ホストにレプリケートされます。

Enterprise Managerの旧リリースでは、このインストール・タイプはEnterprise Managerインストール・ウィザードで提供されました。しかし、Enterprise Manager Cloud Controlリリースの場合、このインストール・タイプはデプロイメント・プロシージャとして提供されます。

デプロイメント・プロシージャの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』の追加管理サービスの追加に関する章を参照してください。

インストールに使用されるポート

この項では、Enterprise Manager Cloud Controlのインストール時に使用されるデフォルト・ポートについて説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

使用されるデフォルト・ポート

インストールに使用されるデフォルト・ポートを次に示します。

  • Enterprise Manager Cloud Control


    アップロード・ポート コンソール・ポート
    HTTPポート 4889

    4889が使用できない場合は、4889から4898の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。

    7788から7798の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。
    HTTPSポート 1159

    1159が使用できない場合、4899から4908の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。

    7799から7809の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。

  • Oracle Management Agent

    管理エージェント用のデフォルトのアップロード・ポートは、3872です。HTTPとHTTPSの両方に同じポートが使用されます。3872が使用できない場合、1830から1849の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。

  • 管理サーバー

    管理サーバー用のデフォルトのHTTPSポートは、7101です。7101が使用できない場合、7101から7200の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。

  • ノード・マネージャ

    ノード・マネージャ用のデフォルトのHTTPSポートは、7401です。7401が使用できない場合、7401から7500の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。

  • 管理対象サーバー

    管理対象サーバー用のデフォルトのHTTPポートは、7201です。7201が使用できない場合、7201から7300の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。

    管理対象サーバー用のデフォルトのHTTPSポートは、7301です。7310が使用できない場合、7301から7400の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。

ポートのカスタマイズ方法

Enterprise Manager Cloud Controlには、デフォルト・ポートのかわりにカスタム・ポートを使用できる柔軟性が備わっています。

Enterprise Manager Cloud Controlをインストール時のポートのカスタマイズ

  • グラフィック・モード、つまりEnterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードを使用してEnterprise Manager Cloud Controlをインストールする場合、「ポート構成の詳細」画面を使用してカスタム・ポートを入力できます。すでにカスタム・ポートがキャプチャされているstaticports.iniファイルをインポートすることもできます。

  • サイレント・モードでEnterprise Manager Cloud Controlをインストールする場合、つまり第II部で説明されているインストール手順を使用する場合は、適切なカスタム・ポートを指定してstaticports.iniファイルを更新します。

    staticports.iniファイルは、ソフトウェア・キット(DVD、ダウンロードされたソフトウェアなど)の次の場所にあります。

    <software_kit>/response/staticports.ini
    

Enterprise Manager Cloud Controlをインストール後のHTTP/HTTPSコンソール・ポートおよびアップロード・ポートのカスタマイズ

Enterprise Manager Cloud Controlをインストールした後で、HTTP/HTTPSコンソール・ポートおよびアップロード・ポートを変更する場合は、次の手順を実行します。

  1. OMSを停止します。

    $<OMS_HOME>/bin/emctl stop oms -all

  2. 表2-1の説明に従って、emomsプロパティのHTTPおよびHTTPSポートを更新します。パラメータ(<http_upload_new>、<https_upload_new>、<http_console_new>および<https_console_new>)の値を指定します。

    表2-1 EMOMSプロパティのHTTPおよびHTTPSポートの更新

    ポート/プロパティ・タイプ 実行するコマンド

    HTTPアップロード・ポート

    <OMS_Home>/bin/emctl set property -name oracle.sysman.emSDK.svlt.ConsoleServerPort -value <http_upload_new>

    HTTPSアップロード・ポート

    <OMS_Home>/bin/emctl set property -name oracle.sysman.emSDK.svlt.ConsoleServerHTTPSPort -value <https_upload_new>

    HTTPコンソール・ポート

    <OMS_Home>/bin/emctl set property -name oracle.sysman.emSDK.svlt.EMConsoleServerPort -value <http_console_new>

    HTTPSコンソール・ポート

    <OMS_Home>/bin/emctl set property -name oracle.sysman.emSDK.svlt.EMConsoleServerHTTPSPort -value <https_console_new>


  3. 次のファイルをバックアップします。

    $<OMS_INSTANCE_HOME>/emgc.properties

    ファイルのバックアップ後、元のemgc.propertiesファイルを開き、次のパラメータに新しいポート番号を指定します。

    EM_UPLOAD_HTTP_PORT=<http_upload_new>
    EM_UPLOAD_HTTPS_PORT=<https_upload_new>
    EM_CONSOLE_HTTP_PORT=<http_console_new>
    EM_CONSOLE_HTTPS_PORT=<https_console_new> 
    
  4. 次の場所にあるhttpd.confssl.confおよびhttpd_em.confファイルをバックアップします。

    $<WEBTIER_INSTANCE_HOME>/config/OHS/ohs#/

    ファイルのバックアップ後、元のファイルを開き、新しいポート番号を指定します。

    • httpd.confファイルのListenディレクティブで、<http_console_orig><http_console_new>に置き換えます。

    • ssl.confファイルのListenディレクティブで、<https_console_orig><https_console_new>に置き換えます。

    • httpd_em.confファイルのListenおよびVirtualHostディレクティブで、<http_upload_orig><http_upload_new>に、<https_upload_orig><https_upload_new>に、それぞれ置き換えます。

  5. OMSを起動して、ステータスを確認します。

    $<OMS_HOME>/bin/emctl start oms

    $<OMS_HOME>/bin/emctl status oms -details

  6. OMSにサーバー・ロード・バランサ(SLB)が構成済の場合は、SLBプールやモニターなどのポートを更新します。

  7. OMSがSSOまたはOAMを使用するように構成されている場合は、SSOまたはOAM構成を再実行します。

  8. 次のファイルをバックアップします。

    $<AGENT_INSTANCE_HOME>/sysman/config/emd.properties

    ファイルのバックアップ後、元のemd.propertiesファイルを開き、REPOSITORY_URLに記載されているURLを確認します。URLがHTTPS URLの場合は、ポート番号を<https_upload_new>に変更します。URLがHTTP URLの場合は、ポート番号を<http_upload_new>に変更します。

  9. 変更したポートを使用するように設定されたEM CLIインスタンスがある場合は、そのインスタンスを再度設定します。これを行うには、EM CLIの各インスタンスからemcli setupまたはemcli statusコマンドを実行し、表示されたEM URLをメモします。

    そのポート番号を変更した場合は、次のコマンドを実行します。

    emcli setup -url=http(s)://<host>:<new_port#>/em -dir=<dir>....

ポート番号のカスタマイズ時の注意事項

staticports.iniファイル内にエラーがあると、インストール・ウィザードで警告が表示されずにデフォルト・ポートが使用されるため、このファイルを更新するときは細心の注意を払ってください。したがって、staticports.iniファイルの更新前に、次の点を確認してください。

  • 常に1025以上65536未満のポート番号を入力します。

  • ポートがコンポーネントまたは他のアプリケーションによってすでに使用されている場合は、staticports.iniファイル内にそのポート(使用中のポート)を入力しないでください。そうした場合、関連の構成アシスタントも失敗します。

  • 複数のコンポーネントに同じポートを入力した場合、インストールでは前提条件チェック・フェーズの後にエラーが表示されます。インストールを続行する前に、このエラーを修正する必要があります。

  • staticports.iniファイル内に構文エラーがある場合(等記号(=)文字が欠落している行がある場合)、インストール・ウィザードではその行が無視されます。このような行で指定されたコンポーネントには、インストール・ウィザードによりデフォルト・ポートが割り当てられます。インストール・ウィザードでは、構文エラーのある行に対する警告は表示されません。

  • コンポーネント名のスペルを間違えた場合、インストール・ウィザードではそのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。ファイル内のコンポーネントの名前の大文字/小文字は区別されます。インストール・ウィザードでは、認識されない名前を含む行に対する警告は表示されません。

  • ポート番号に数字以外の値を指定した場合、インストール・ウィザードではその行が無視され、コンポーネントにデフォルトのポート番号が割り当てられます。これは警告の表示なしに行われます。

  • コマンドラインでパラメータのスペルを間違えた場合、インストール・ウィザードでは警告が表示されません。そのまま続行され、すべてのコンポーネントにデフォルトのポートが割り当てられます。

  • コマンドラインでstaticports.iniファイルの相対パス(たとえば、./staticports.ini)を入力すると、インストール・ウィザードではそのファイルが見つかりません。警告が表示されずにそのまま続行され、すべてのコンポーネントにデフォルトのポートが割り当てられます。staticports.iniファイルのフルパスを入力する必要があります。

Oracle Management Repositoryの構成中に作成されるデータ・ファイル

Oracle Management Repositoryの構成中に作成されるデータ・ファイルを次に示します。

mgmt.dbf 監視対象のターゲット、それらのメトリックなどの情報を格納します。
mgmt_ecm_depot1.dbf 監視対象ターゲットから収集される構成情報を格納します。
mgmt_ad4j.dbf JVM診断およびアプリケーションの依存性パフォーマンス(ADP)関連の監視データを格納します。

データ・ファイルの削除方法

データ・ファイルを削除するには、SYSMAN/MDSスキーマを削除する必要があります。それには、OMSホームから次のコマンドを実行します。

$<OMS_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager <repository_database_host> <repository_database_port> <repository_database_sid> -action dropall -dbUser <repository_database_user> -dbPassword <repository_database_password> -dbRole <repository_database_user_role> -mwHome <middleware_home> -mwOraHome <oms_home> -oracleHome <oms_home>


注意:

  • Microsoft Windowsの場合は、RepManager.batを起動してください。

  • 10gリリース2 (10.2.x.x)の管理リポジトリに属するスキーマを削除する場合は、次の引数を指定せずに前述のコマンドを実行します。

    -mwHome <middleware_home> -mwOraHome <middleware_ora_home> -oracleHome <OMS_HOME>

  • アクションdropallですべてのリポジトリ・オブジェクトが削除されない場合があります。この問題と使用する回避策の詳細は、My Oracle Supportのノート1365820.1を参照してください。


スキーマを削除した後、データベース・ファイルmgmt.dbfおよびmgmt_ecm_depot1.dbfを手動で削除します。

SYSとして次のコマンドを実行すると、これらのファイルを見つけられます。

SELECT FILE_NAME FROM DBA_DATA_FILES WHERE UPPER (TABLESPACE_NAME) LIKE 'MGMT%';

表2-2は、RepManagerの様々なバージョンでサポートされる-actionオプションを示しています。

表2-2 RepManagerでの-action dropallコマンドのサポート

RepManagerのバージョン サポートされるコマンド

RepManager 12.1

  • -action dropall

    SYSMAN、SYSMAN_MDS、APM、OPSS、EMRUNTIMEおよびSYSMAN_ROを削除します。

    注意: アクションdropallですべてのリポジトリ・オブジェクトが削除されない場合があります。この問題と使用する回避策の詳細は、My Oracle Supportのノート1365820.1を参照してください。

  • -action drop

    SYSMANのみを削除します。

RepManager 11.1

  • -action dropall

    SYSMANおよびSYSMAN_MDSのみを削除します。

    注意: アクションdropallですべてのリポジトリ・オブジェクトが削除されない場合があります。この問題と使用する回避策の詳細は、My Oracle Supportのノート1365820.1を参照してください。

  • -action drop

    SYSMANのみを削除します。

RepManager 10.2.0.5

-action drop

SYSMANのみを削除します。


Oracle WebLogic Serverの要件の理解

Enterprise Manager Cloud Controlには、Oracle WebLogic Server 11gリリース(10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24+が必要です。

Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24+が環境にまだインストールされていない場合、新規のEnterprise Manager Cloud Controlのインストール時に、インストール・ウィザードにより自動的にインストールされます。

この項では、Enterprise Manager Cloud Controlをインストールする前に知っておく必要のある、Oracle WebLogic Serverに関連する重要な側面について説明します。

この項の具体的な内容は次のとおりです。

Oracle WebLogic Serverがインストールされているかどうかを確認する方法

Oracle WebLogic Serverがインストールされているかどうかを確認するには、Oracle WebLogic Serverホームにある次のファイルを確認します。

$<WLS_HOME>/logs/log.txt

log.txtファイルの出力例を次に示します。

release  10.3.5.0 [Added]
    |_____Common Infrastructure Engineering 7.1.0.0 [Added]
    |    |_____Uninstall [Added]
    |    |_____Patch Client [Added]
    |    |_____Patch Attachment Facility [Added]
    |    |_____Clone Facility [Added]
    |_____WebLogic Server 10.3.5.0 [Added]
    |    |_____Core Application Server [Added]
    |    |_____Administration Console [Added]
    |    |_____Configuration Wizard and Upgrade Framework [Added]
    |    |_____Web 2.0 HTTP Pub-Sub Server [Added]
    |    |_____WebLogic SCA [Added]
    |    |_____WebLogic JDBC Drivers [Added]
    |    |_____Third Party JDBC Drivers [Added]
    |    |_____WebLogic Server Clients [Added]
    |    |_____WebLogic Web Server Plugins [Added]
    |    |_____UDDI and Xquery Support [Added]
    |    |_____Server Examples [Added]
    |    |_____Evaluation Database [Added]
    |    |_____Workshop Code Completion Support [Added]
    |_____Oracle Configuration Manager 10.3.3.1 [Added]
    |    |_____Data Collector [Added]
    |_____Oracle Coherence 3.6.0.3 [Not Installed]
         |_____Coherence Product Files [Not Installed]
         |_____Coherence Examples [Not Installed]

Oracle WebLogic Serverクラスタがサポートされているか

Oracle WebLogic Serverクラスタは複数のOracle WebLogic Serverで構成され、それぞれが同時に実行されて互いに連携して動作することで、スケーラビリティと信頼性を高めています。1つのクラスタは、1つのOracle WebLogic Serverインスタンスと考えられます。クラスタを構成する各サーバー・インスタンスは同じホスト上で実行することも、別々のホストに配置することもできます。

Enterprise Manager Cloud ControlはOracle WebLogic Serverクラスタにインストールできますが、クラスタ構成を利用することはできません。

Oracle WebLogic Serverがすでに存在する場合、既存のドメインが使用されるか

Oracle WebLogic Serverがすでに存在する場合、既存のドメインは使用されません。かわりに、Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードにより新規ドメインが作成され、Enterprise Manager Cloud Controlソフトウェアがそれにデプロイされます。

Oracle WebLogic Serverの資格証明はいつ、どのような理由で必要か

Enterprise Manager Cloud Controlをインストールまたはアップグレードするときには、Oracle WebLogic Serverの資格証明(ユーザー名とパスワード)を入力するように要求されます。資格証明は、WebLogicドメインおよびその他の関連コンポーネント(管理サーバー、管理対象サーバー、ノード・マネージャなど)を作成するために使用されます。

WebLogicユーザー名は、WebLogicドメイン用の管理ユーザーとして使用されるデフォルト・ユーザー名です。デフォルトのユーザー名は、weblogicです。また、WebLogicパスワードは、このデフォルトの管理ユーザー・アカウントのパスワードです。

ノード・マネージャの資格証明はいつ、どのような理由で必要か

Enterprise Manager Cloud Controlをインストールまたはアップグレードするときには、デフォルトのノード・マネージャ・ユーザー・アカウントのパスワード、nodemanagerを入力するよう要求されます。パスワードは、ノード・マネージャの構成に使用されます。ノード・マネージャを使用すると、Oracle WebLogic Serverインスタンスのリモートでの起動、停止または再起動が可能になるため、ノード・マネージャは高可用性の要件を持つアプリケーションに推奨されます。

Enterprise Managerのインストール後に管理サーバー・ポートを見つける方法

管理サーバー・ポートを見つけるには、emgc.propertiesファイルのAS_HTTPS_PORTパラメータに設定された値を表示します。このファイルは、Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所にあります。

次に例を示します。

/DATA/oracle/Middleware/gc_inst/em/EMGC_OMS1/emgc.properties

管理サーバーが実行されているかどうかを確認する方法

追加のOMSをインストールするには、最初のOMSで使用されている管理サーバーが実行されている必要があります。管理サーバーが実行されているかどうかを確認するには、次のURLを使用して管理サーバー・コンソールにアクセスします。

https://host:port/console

ここで、hostとportは、emgc.propertiesファイルで、パラメータのEM_INSTANCE_HOSTAS_HTTPS_PORTにそれぞれ指定されている値です。このプロパティ・ファイルは、次の場所、つまり最初にインストールされたOMSホーム(最初のOMS)にあります。

$<MIDDLEWARE_HOME>/gc_inst/em/EMGC_OMS1/emgc.properties

管理サーバーを起動する方法

次のコマンドを実行して管理サーバーを起動できます。このコマンドは基本的にはOMSを起動するために使用するものですが、そのOMSが実行されている管理サーバーも起動します。このため、OMSがすでに実行されていることがわかっていても、このコマンドを実行してください。

emctl start oms

インストール・ディレクトリの理解

この項では、Enterprise Manager Cloud Controlまたはそのコア・コンポーネントのインストール時に入力する必要のあるインストール・ディレクトリについて説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

Oracleインベントリ・ディレクトリとは

Enterprise Manager Cloud Controlが、インストールする初めてのOracle製品である場合、Enterprise Manager Cloud Controlのインストール・ウィザードで、インベントリ・ディレクトリ(oraInventoryディレクトリとも呼ばれる)を入力するように要求されます。

インストール・ウィザードにより、このインベントリ・ディレクトリを使用して、ホスト上にすべてのインストーラ・ファイルおよびディレクトリが配置されます。インベントリ・データを格納するためのサブディレクトリがOracle製品ごとに自動的に設定されます。

oraInventoryディレクトリは、次の2つの方法で入力できます。

  • インストール・ウィザードを使用してEnterprise Manager Cloud Controlをインストールするときに、「Oracleインベントリ」画面でoraInventoryディレクトリを入力できます。この画面でディレクトリを入力するときは、oraInventoryディレクトリを所有する適切なオペレーティング・システム・グループ名も選択する必要があります。oraInventoryディレクトリに対する書込み権限があるグループを選択する必要があります。

  • インストール・ウィザードを使用せずにサイレント・モードでEnterprise Manager Cloud Controlをインストールするときに、-invPtrLocパラメータを使用してoraInventoryディレクトリを入力できます。このパラメータでは、インベントリ・ポインタ・ファイル(oraInst.loc)のある場所のパスが考慮されます。ただし、このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされません。

    次に例を示します。

    ./runInstaller -invPtrLoc /scratch/OracleHomes/oraInst.loc


注意:

oraInventoryディレクトリが共有の場所にないことを確認してください。ある場合は、共有でない場所に変更してください。

ホストにOracle製品がすでにインストールされている場合、インストール・ウィザードは、そのOracle製品のインストール中に作成された既存のoraInventoryディレクトリを使用します。そのディレクトリへの書込み権限を持っていることを確認します。これを行うには、他のOracle製品をインストールしたオペレーティング・システム・ユーザーと同じユーザーとしてインストーラを実行します。


注意:

oraInventoryディレクトリは、インストール・ディレクトリとは異なります。インストール・ディレクトリの詳細は、「Oracleミドルウェア・ホームとは」を参照してください。

Oracleミドルウェア・ホームとは

Enterprise Manager Cloud Controlをインストールまたはアップグレードするときには、Oracleミドルウェア・ホームを入力する必要があります。

Oracleミドルウェア・ホーム(ミドルウェア・ホーム)は、Oracle WebLogic Serverホーム、Java Development Kit、Web層インスタンス・ファイル、1つ以上のOracleホームおよびその他の関連ファイルが含まれる親ディレクトリです。OMSおよびプラグインは、ここにデプロイされます。

次に例を示します。

/u01/app/Oracle/Middleware

Enterprise Manager Cloud Controlをインストールまたはアップグレードする場合、次のようになります。

  • Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24+が環境にすでにインストールされている場合、インストール・ウィザードにより自動的に検出され、それらがインストールされているミドルウェア・ホームの絶対パスが表示されます。

    この場合、デフォルトで検出され表示されるミドルウェア・ホームを検証します。場所が正しくない場合、正しい場所のパスを入力します。選択または入力するミドルウェア・ホームに、OMSおよび管理エージェントのOracleホームが1つもないことを確認してください。

  • Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24+が環境にまだインストールされていない場合、Enterprise Manager Cloud Controlのインストール時に、インストール・ウィザードにより自動的にインストールされます。

    この場合、それらをインストールするディレクトリの絶対パスを入力します。入力するディレクトリにファイルまたはサブディレクトリが含まれていないことを確認してください。

    次に例を示します。

    /u01/app/Oracle/Middleware/


注意:

Oracleミドルウェア・ホームは、OMSまたは管理エージェントのOracleホームとは異なります。Oracleホームの詳細は、「Oracleホームとは」を参照してください。

Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所とは

Enterprise Manager Cloud Controlをインストールするときには、Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所を入力する必要があります。

Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所は、OMSの構成ファイルが格納されているミドルウェア・ホーム内のディレクトリ(gc_inst)です。

インストール・ウィザードでは、組込みアルゴリズムを使用してこの場所が特定され、ユーザーが検証できるようにその場所が表示されます。ミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middleware/であれば、Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所はデフォルトで次のようになります。

/u01/app/Oracle/Middleware/gc_inst

デフォルトの場所を受け入れるか、または書込み権限のある別の場所を指定できます。


注意:

Oracleミドルウェア・ホームの詳細は、「Oracleミドルウェア・ホームとは」を参照してください。

Oracleホームとは

Oracle HomeまたはOracleホームは、OMS、管理エージェントおよびOracle Management Plug-ins(プラグイン)がインストールされているディレクトリです。表2-3は、デフォルトのOracleホームが作成される場所を示しています。

表2-3 OMS、管理エージェント、管理プラグインのOracleホーム

コンポーネント デフォルトのOracleホーム 場所の例

Oracle Management Service

$<MIDDLEWARE_HOME>/oms

/u01/app/Oracle/Middleware/oms

Oracle管理エージェント

OMSとともにインストールされる管理エージェントの場合:

$<MIDDLEWARE_HOME>/agent/core/12.1.0.1.0

スタンドアロンの管理エージェントの場合:

$<AGENT_BASE_DIR>/core/12.1.0.1.0

OMSとともにインストールされる管理エージェントの場合:

/u01/app/Oracle/Middleware/agent/core/12.1.0.1.0

スタンドアロンの管理エージェントの場合:

/u01/app/Oracle/software/core/12.1.0.1.0

Oracle Management Plug-In(エージェント固有のプラグイン)

OMSとともにインストールされる管理エージェントの場合:

$<MIDDLEWARE_HOME>/agent/plugins

スタンドアロンの管理エージェントの場合:

$<AGENT_BASE_DIR>/plugins

OMSとともにインストールされる管理エージェントの場合:

/u01/app/Oracle/Middleware/agent/plug-ins

スタンドアロンの管理エージェントの場合:

/u01/app/Oracle/software/plugins

Oracle Management Plug-In(OMS固有のプラグイン)

$<MIDDLEWARE_HOME>/plugins

/u01/app/Oracle/software/plugins



注意:

OracleホームOraInventoryとは異なります。OraInventoryディレクトリの詳細は、「Oracleインベントリ・ディレクトリとは」を参照してください。

エージェント・ベース・ディレクトリとは

ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用してスタンドアロンの管理エージェントをインストールする際、インストール・ベース・ディレクトリの入力を求められます。インストール・ベース・ディレクトリは、基本的にはエージェント・ベース・ディレクトリです。

エージェント・ベース・ディレクトリは、管理エージェント・ホームが作成されるディレクトリです。

たとえば、エージェント・ベース・ディレクトリが/u01/app/Oracleの場合、管理エージェント・ホームは/u01/app/Oracle/core/12.1.0.1.0のように作成されます。

エージェント・インスタンス・ディレクトリとは

エージェント・インスタンス・ディレクトリは、管理エージェント関連のすべての構成ファイルを格納するために作成されるディレクトリ(agent_inst)です。

エージェント・インスタンス・ディレクトリは、エージェント・ベース・ディレクトリ内に作成されます。

たとえば、エージェント・ベース・ディレクトリが/u01/app/Oracle/の場合、デフォルトでは、エージェント・インスタンス・ディレクトリは次のようになります。

/u01/app/Oracle/agent_inst

/TMP C:\Tempディレクトリの用途

Enterprise Manager Cloud Controlのインストール・ウィザードを起動すると、自動的にいくつかの実行可能ファイルおよびリンク・ファイルがホスト上の一時ディレクトリにコピーされます。

たとえば、UNIXホストでは/tmpディレクトリが、Microsoft WindowsホストではC:\Tempがデフォルトで使用されます。

定期的に実行される他の多数のプロセスとともにcronジョブを実行するようにホストが設定されている場合、これらのジョブによってデフォルトの一時ディレクトリのクリーンアップが試行されます。このため、一部のファイルが削除され、インストール・ウィザードは失敗します。

ホストで自動的に実行されて一時ディレクトリをクリーンアップするcronジョブまたはプロセスがある場合は、必ず、TMPまたはTEMP環境変数をデフォルトの場所とは別の場所に設定してください。デフォルト以外の場所を設定する場合は必ず、ハード・ドライブ上のセキュアな場所、つまりクリーンアップ・ジョブが実行されない場所に設定してください。また、この代替ディレクトリへの書込み権限を持っていることも確認してください。

これは、インストーラを実行してEnterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードを起動する前に行う必要があります。(UNIXオペレーティング・システムの場合はrunInstallerを起動し、Microsoft Windowsの場合はsetup.exeを起動します。)


注意:

一時ディレクトリの代替場所の指定は必須ではありません。/tmpディレクトリをクリーンアップするcronジョブがコンピュータ上に設定されている場合のみ、指定する必要があります。

インストールされる追加コンポーネントの理解

この項では、Enterprise Manager Cloud Controlのコア・コンポーネントとともにインストールされる追加コンポーネントについて説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

Oracle Configuration Managerとは

Enterprise Manager Cloud Controlとともに、Oracle Configuration Managerを有効化することを選択できます。あるいは、Enterprise Manager Cloud Controlをインストールした後に有効化することもできます。

Oracle Configuration Managerでは、自動的に一定の間隔で環境から構成情報を収集し、Oracleリポジトリにアップロードします。これにより、Oracleは環境に関する最新情報を維持し、セキュリティの脆弱性を識別し、サポートの問題を迅速に診断し、ソリューションの一貫性を高めることができます。

ただし、送信時に問題が発生した場合の連絡先となる現地担当者名を除き、企業や個人の情報が収集およびアップロードされることはありません。オラクル社は、収集されたすべての情報が機密事項として厳密に保護され、いかなる場合にも第三者と共有されないことを保証しています。

構成情報が自動的に収集されてMy Oracle Supportにアップロードされるように、インストール・ウィザードの実行に使用するホストをインターネットに接続することをお薦めします。

インストール・ウィザードの実行に使用するホストがインターネットに接続されている場合は、インストール・ウィザードの「Oracle Configuration Manager」画面で、My Oracle Supportユーザー名(または電子メール・アドレス)およびパスワードを入力します。

あるいは、電子メール・アドレスのみを入力し、その他のフィールドは空白のままにしておきます。インストールの完了後、手動で構成情報を収集してMy Oracle Supportにアップロードします。構成情報を手動で収集してアップロードする方法の詳細は、「手動による構成情報の収集およびアップロード」に示された手順を参照してください。

Enterprise Manager Cloud Controlのインストール後に有効にする場合は、「Enterprise Manager Cloud Controlインストール後のOracle Cofiguration Managerの有効化」を参照してください。

手動による構成情報の収集およびアップロード

構成情報を手動で収集するには、次の手順を実行します。

  1. OMSホームに移動し、次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/ccr/bin/emCCR collect

    Oracle Configuration Manager 10.2.7以上の場合、収集された構成情報は/ccr/hosts/state/upload/ocmconfig.jarファイルに格納されます。それより下位のバージョンのOracle Configuration Managerでは、収集された構成情報は/ccr/state/upload/ocmconfig.jarファイルに格納されます。次回に同じコマンドを実行すると、ocmconfig.jarファイルは新しいデータで上書きされます。したがって、ocmconfig.jarファイルは常に1つしか存在しません。

  2. ocmconfig.jarファイルをMy Oracle Supportのサービス・リクエストにアップロードします。

  3. 管理エージェント・ホームから、手順(1)および手順(2)を繰り返します。

Enterprise Manager Cloud Controlインストール後のOracle Configuration Managerの有効化

後でOracle Configuration Managerを有効化するには、次のようにします。

  1. 環境変数ORACLE_CONFIG_HOMEをOracle Management Serviceインスタンス・ベースに設定します。Oracle Management Serviceインスタンス・ベースは、OMSの構成ファイルが作成されるディレクトリです。

    • bash端末で、次のコマンドを実行します。

      export ORACLE_CONFIG_HOME=<absolute_path_to_gc_inst>

    • 他の端末で、次のコマンドを実行します。

      setenv ORACLE_CONFIG_HOME <absolute_path_to_gc_inst>

  2. OMSホームから、次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/ccr/bin/setupCCR

  3. 管理エージェント・ホームから、次のコマンドを実行します。

    $<AGENT_HOME>/ccr/bin/setupCCR

ソフトウェア更新とは

Enterprise Manager Cloud Controlをインストールまたはアップグレードするときに、ソフトウェア更新をインストールするように選択できます。

ソフトウェア更新には、オラクル社が定期的にリリースする個別パッチ、重要なパッチ更新、前提条件更新、インストール更新などが含まれます。

ソフトウェア更新のダウンロード方法

ソフトウェア更新は、手動でダウンロードするか、またはEnterprise Manager Cloud Controlのインストール・ウィザードで自動的にダウンロードできます。

  • ユーザーによる手動ダウンロード: ソフトウェア更新を手動でダウンロードするように選択した場合は、次のユーティリティを実行し、必要な情報を入力します。

    <DVD>/install/utility/downloadSWUpdates -u <My_Oracle_Support_Username>


    注意:

    このユーティリティとともに渡すことができる各種の引数を確認する場合は、次のコマンドを実行します。

    <DVD>/install/utility/downloadSWUpdates -h


    手動ダウンロードのオプションは、Enterprise Manager Cloud Controlをサイレント・モードでインストールする場合に最も適しています。グラフィック・モードでインストールする場合でも、このオプションを使用することをお薦めします。

    デフォルトでソフトウェア更新がダウンロードされる場所の詳細、およびカスタムの場所にダウンロードする方法の詳細は、「ソフトウェア更新がダウンロードされる場所」を参照してください。

  • インストール・ウィザードによる自動ダウンロード: Enterprise Manager Cloud Controlのインストール・ウィザードで自動的にソフトウェア更新をダウンロードするように選択した場合、インストール・ウィザードの「ソフトウェアの更新」画面で、My Oracle Supportのアカウント・ユーザー名およびパスワードを入力します。インストール・ウィザードはMy Oracle Supportに接続され、そこから自動的に更新がダウンロードされます。

ソフトウェア更新を適用できる場合

ダウンロードのメカニズムに応じて、次のいずれかの方法でソフトウェア更新を適用できます。

  • ユーザーによる手動ダウンロード: ソフトウェア更新を手動でダウンロードした場合は、次のようにします。

    • グラフィック・モード: インストール・ウィザードの「ソフトウェアの更新」画面で、「更新の検索」を選択し、「ローカル・ディレクトリ」を選択します。更新を入手できる場所を入力し、「更新の検索」をクリックします。コンピュータを検索して場所を選択するには、「参照」をクリックします。

    • サイレント・モード: レスポンス・ファイルを使用してインストーラを起動する前に、レスポンス・ファイルを編集して、INSTALL_UPDATES_SELECTIONパラメータを"staged"に設定します。次に、STAGE_LOCATIONパラメータに、更新を入手できる場所の絶対パスを入力します。

  • インストール・ウィザードによる自動ダウンロード: My Oracle Supoprtから自動的にソフトウェア更新をダウンロードして適用する場合は、次のようにします。

    • グラフィック・モード: インストール・ウィザードの「ソフトウェアの更新」画面で、「更新の検索」を選択し、My Oracle Supportを選択します。My Oracle Supportのアカウント・ユーザー名とパスワードを入力し、「更新の検索」をクリックします。検索結果がパッチ番号とそれらの詳細とともに表示されたら、パッチ番号をクリックして、そのパッチに関連付けられたReadMeを表示します。

    • サイレント・モード: レスポンス・ファイルを使用してインストーラを起動する前に、レスポンス・ファイルを編集して、INSTALL_UPDATES_SELECTIONパラメータを"download"に設定します。次に、My Oracle Support資格証明をMYORACLESUPPORT_USERNAME_FOR_SOFTWAREUPDATESパラメータとMYORACLESUPPORT_PASSWORD_FOR_SOFTWAREUPDATESパラメータに入力します。

次の理由から、インストールの進行中に更新を適用することを強くお薦めします。

  • インストール時にソフトウェア更新が使用可能かどうかを追跡することは困難です。

  • パッチ番号を追跡し、インストール後に手動で更新をダウンロードして適用するのは面倒なプロセスです。

インストール中にソフトウェア更新を自動的にダウンロードして適用すると、時間と労力を節約でき、重要なソフトウェア更新を逃すことがありません。

ソフトウェア更新がダウンロードされる場所

デフォルトでは、ソフトウェア更新は、一時ディレクトリにあるUpdatesというサブディレクトリにダウンロードされ、格納されます。たとえば、/tmp/Updatesなどです。

ソフトウェア更新を一時ディレクトリの場所にダウンロードしない場合は、次のコマンドを実行し、目的のダウンロード場所を入力します。

<DVD>/install/utility/downloadSWUpdates -u <My_Oracle_Support_Username> -s <Custom_Download_Location>

次のオプションは、このスクリプトとともに渡すことができます。

-u <My Oracle Supportユーザー名>

-p <My oracle Supportパスワード>

-ph <プロキシ・ホスト> [オプション・パラメータ]

-po <プロキシ・ポート> [オプション・パラメータ]

-pu <プロキシ・ユーザー名> [オプション・パラメータ]

-pp <プロキシ・パスワード> [オプション・パラメータ]

-s <ダウンロードの場所> [オプション・パラメータ]

コンフィギュレーション・アシスタントの理解

この項では、インストール・ウィザードで実行されるインストール後のアクティビティについて説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

コンフィギュレーション・アシスタントとは

Enterprise Manager Cloud ControlをGUIモード(インストール・ウィザードを使用)またはサイレント・モード(レスポンス・ファイルを使用)のいずれかでインストールまたはアップグレードするとき、インストール・プロセスの終了時に一連の構成アシスタントが実行されて、インストールまたはアップグレード済のコンポーネントが構成されます。これらのコンフィギュレーション・アシスタントを使用してすべてのコンポーネントを構成して初めて、インストールまたはアップグレード・プロセスは完了します。


注意:

Enterprise Managerのソフトウェアのみのインストールを実行する場合でも、configureGC.shスクリプトを実行してインストールを構成するときには、構成アシスタントが内部で実行されます。(Microsoft Windowsの場合は、configureGC.bat scriptスクリプトを実行)。

インストール・ウィザードにより実行されるコンフィギュレーション・アシスタント

表2-4は、異なるインストール・タイプでインストール・ウィザードにより実行される構成アシスタントを示しています。


注意:

これらのインストール・タイプの詳細は、「インストール・ウィザードにより提供されるインストール・タイプ」を参照してください。

表2-4 異なるインストール・タイプで実行される構成アシスタント

インストール・タイプ コンフィギュレーション・アシスタント

Enterprise Managerシステムの新規作成

(Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードにより提供されるインストール・タイプ)

  • プラグイン前提条件チェック

  • リポジトリ構成

  • MDSスキーマ構成

  • OMS構成

  • プラグイン・デプロイおよび構成

  • プラグイン・インベントリ移行

  • Oracle Configuration Managerリピータ構成

  • エージェント・コンフィギュレーション・アシスタント

Enterprise Manager 11gへのアップグレード

(Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードにより提供されるインストール・タイプ)

Enterprise Manager Cloud Controlのアップグレード

  • 1システム・アップグレード・アプローチ: このアプローチで実行される構成アシスタントは、リポジトリ構成アシスタントおよびエージェント構成アシスタントを除き、フレッシュ・インストールで実行されるものと同じです(この表の前の行で説明)。

    リポジトリ構成アシスタントのかわりに、リポジトリ・アップグレード構成アシスタントが実行されます。エージェント構成アシスタントは、管理エージェントがEnterprise Manager 12cアップグレード・コンソールによって事前デプロイされたときにアップグレードされていないため、実行されません。

  • 2システム・アップグレード・アプローチ: このアプローチで実行される構成アシスタントは、リポジトリ構成アシスタントを除き、フレッシュ・インストールで実行されるものと同じです(この表の前の行で説明)。

    リポジトリ構成アシスタントのかわりに、リポジトリ・アップグレード構成アシスタントが実行されます。

  • 別のホストでの1システム・アップグレード・アプローチ: このアプローチで実行される構成アシスタントは、リポジトリ構成アシスタントを除き、フレッシュ・インストールで実行されるものと同じです(この表の前の行で説明)。

    リポジトリ構成アシスタントのかわりに、リポジトリ・アップグレード構成アシスタントが実行されます。

追加のOMSのアップグレード

  • 1システム・アップグレード・アプローチ: このアプローチで実行される構成アシスタントは、リポジトリ構成アシスタントMDSスキーマ構成アシスタントおよびエージェント構成アシスタントを除き、フレッシュ・インストールで実行されるものと同じです(この表の1行目で説明)。

    エージェント構成アシスタントは、管理エージェントがEnterprise Manager 12cアップグレード・コンソールによって事前デプロイされたときにアップグレードされていないため、実行されません。

  • 2システム・アップグレート・アプローチ: このアプローチで実行される構成アシスタントは、フレッシュ・インストールで実行されるものと同じです(この表の1行目で説明)。

  • 異なるホストでの1システム・アップグレード・アプローチ: このアプローチで実行される構成アシスタントは、リポジトリ構成アシスタントMDSスキーマ構成アシスタントおよびエージェント構成アシスタントを除き、フレッシュ・インストールで実行されるものと同じです(この表の1行目で説明)。



注意:

これらのアップグレード・オプションの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド』を参照してください。

コンフィギュレーション・アシスタントが失敗した場合の処理

オプションのコンフィギュレーション・アシスタントが失敗した場合、インストール・ウィザードではその失敗は無視され、自動的に次のコンフィギュレーション・アシスタントが実行されます。ただし、必須のコンフィギュレーション・アシスタントが失敗した場合は、インストール・プロセスが停止します。この場合、問題を解決して、構成アシスタントを戻す必要があります。

構成アシスタントが失敗したときに調べるログ・ファイルと、問題を解決するために取る処置の詳細は、付録Eを参照してください。

前提条件チェックの理解

インストール・ウィザードを使用してEnterprise Manager Cloud Controlをインストールするたびに、一連の前提条件チェックが実行され、環境がインストール成功のための最小要件を満たしているかどうかが確認されます。インストール・ウィザードによって、必要なオペレーティング・システム・パッチ、オペレーティング・システム・パッケージ、カーネル・パラメータを含む様々な要素が確認されます。

次の各項で、これらの前提条件チェックについて説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

デフォルトで実行される前提条件チェック

異なるインストール・タイプ(新規のEnterprise Managerシステムの作成および既存のEnterprise Managerシステムのアップグレード)で実行されるデフォルトの前提条件チェックは、次のとおりです。

  • インストールが動作保証済のオペレーティング・システムで実行されているかどうかを確認するための前提条件チェック。

  • すべての動作保証済パッケージおよびライブラリがインストールされているかどうかを確認するための前提条件チェック。

  • glibcパッケージがインストールされているかどうかを確認するための前提条件チェック。(管理エージェントのインストールには適用されません。)

  • tempディレクトリに十分なディスク領域があるかどうかを確認するための前提条件チェック。(管理エージェントのインストールには適用されません。)

  • インベントリ・ディレクトリに十分なディスク領域があるかどうかを確認するための前提条件チェック。

  • インベントリ・ディレクトリに書込み権限があるかどうかを確認するための前提条件チェック。(OMSのインストールには適用されません。)

  • ソフトウェアが現在のオペレーティング・システムと互換性があるかどうかを確認するための前提条件チェック。

  • 十分な物理メモリーがあるかどうかを確認するための前提条件チェック。

  • 必須のulimit値を確認するための前提条件チェック。(管理エージェントのインストールには適用されません。)

  • ホスト名を確認するための前提条件チェック。

  • LD_ASSUME_KERNEL環境変数が設定されているかどうかを確認するための前提条件チェック。(管理エージェントのインストールには適用されません。)

  • 適切なタイムゾーンが設定されているかどうかを確認するための前提条件チェック。

  • 4GBのスワップ領域があるかどうかを確認するための前提条件チェック。(管理エージェントのインストールには適用されません。)

スタンドアロン・モードで前提条件チェックを実行する方法

インストール・ウィザードの起動前に、スタンドアロン・モードで前提条件チェックを実行できます。これにより、インストールの失敗の原因となる問題を特定して解決できます。

表2-5に、スタンドアロン・モードで前提条件チェックを実行するために実行する必要のあるコマンドを示します。

表2-5 スタンドアロン・モードでの前提条件チェックの実行

インストール・タイプ コマンド
  • Enterprise Managerシステムの新規作成

  • 既存のEnterprise Managerシステムのアップグレード

  • ソフトウェアのみのインストール

<Software_Location>/install/runInstaller -prereqchecker PREREQ_CONFIG_LOCATION=<Software_Location>/stage/prereq -entryPoint "oracle.sysman.top.oms_Core" -prereqLogLoc <absolute_path_to_log_location> -silent -waitForCompletion



注意:

Microsoft Windowsの場合、/runInstallersetup.exeで置き換えてください。また、表2-5のコマンドに示されている<Software_Location>は、Enterprise Managerソフトウェアが含まれている場所です。たとえば、DVDなどです。Oracle Technology Network (OTN)からソフトウェアをダウンロードした場合は、そのダウンロード場所の絶対パスを入力します。

Enterprise Manager Cloud Controlの制限事項の理解

この項では、Enterprise Manager Cloud Controlの使用時に直面する可能性のある制限事項について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

ライセンスのないコンポーネントにアクセスできるか

メディア・パック内のインストール・メディアには多数のOracleコンポーネントが含まれていますが、使用できるのは、ライセンスを購入したコンポーネントのみです。Oracleサポート・サービスは、ライセンスを購入していないコンポーネントのサポートは提供しません。

詳細は、次のURLでEnterprise Managerドキュメント・ライブラリにアクセスし、Oracle Enterprise Managerライセンス情報ガイドを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html

DHCP対応のマシンに関連する制限事項

DHCP対応のコンピュータではOMSを実行しないでください。Enterprise Manager Cloud Controlコンポーネントが正常に機能するために、ネットワーク上で割り当てられている静的なホスト名またはIPアドレスを使用することを強くお薦めします。

詳細は、次のURLにあるMy Oracle Supportノート428665.1を参照してください。

https://support.oracle.com/

その他の概念の理解

この項では、Enterprise Manager Cloud Controlのインストールに関連するその他の概念について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

ホスト・リスト・ファイルとは

ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用している場合、Oracle Management Agentをインストールするホストを、ホスト名またはIPアドレスを入力するか、ホストのリストを含む外部ファイルを選択するかのいずれかの方法で入力できます。

外部ファイルを選択する場合、そのファイルにホスト名のみが含まれている(例2-1)か、またはホスト名の後にプラットフォーム名が続いている(例2-2)かを確認してください。

例2-1 ホスト名のみの外部ファイル

host1.example.com
host2.example.com

例2-2 ホスト名とプラットフォーム名の外部ファイル

host1.example.com linux
host2.example.com aix

インストール・プロセス中に実行されるスクリプト

Enterprise Manager Cloud Controlまたは管理エージェントのインストール中またはインストール後に少なくとも1回、rootユーザーとしてログインして、oraInstRoot.shallroot.shまたはroot.shを実行するように要求されます。(Microsoft Windowsの場合は、.batスクリプトです)。rootユーザーとしてログインする必要がある理由は、スクリプトにより/etcディレクトリ内のファイルが編集され、ローカルのbinディレクトリ(デフォルトでは/usr/local/bin)内にファイルが作成されます。

インストールが終わるたびに、中央インベントリ(oraInventory)ディレクトリを特定するためのチェックが実行されます。中央インベントリ・ディレクトリは、Oracle製品が初めてホストにインストールされると、インストール・ウィザードによって自動的に作成されるディレクトリです。


注意:

中央インベントリの場所を共有ファイル・システム上に指定しないでください。それがすでに共有ファイル・システム上にある場合は、共有されていないファイル・システムに切り替えてください。

  • ホストにOracle製品をまだインストールしていない場合は、中央インベントリからoraInstRoot.sh (Microsoft Windowsの場合はoraInstRoot.bat)スクリプトを実行します。

    $Home/oraInventory/oraInstRoot.sh

    oraInstRoot.shスクリプトが実行されると、oraInst.locファイルが作成されます。oraInst.locファイルには、中央インベントリの場所が含まれています。

  • ただし、ホストにOracle製品をインストール済の場合は、OMSホームからallroot.sh (Microsoft Windowsの場合はallroot.bat)スクリプトを実行します。

    <OMS_HOME>/allroot.sh