Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド 12cリリース2 (12.1.0.2) B65085-06 |
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My Oracle Supportでは、カスタマによるOracleサポートの利用を大幅に促進する一連の機能が提供されています。My Oracle Supportでは、カスタマの構成固有のコンテキスト内情報の他、予防的なサポートも提供することで、サービス・リクエストの発行プロセスを合理化しています。My Oracle Supportのこれらの機能を有効にするには、カスタマの構成情報をOracleにアップロードする必要があります。構成データが定期的にアップロードされると、カスタマ・サポート担当者はこのデータを分析してカスタマによりよいサービスを提供できます。
構成データを収集し、Oracleにアップロードするために、次のメカニズムが提供されています。
Oracle Enterprise Manager Harvester (Oracle Harvester)
Oracle Configuration Manager (OCM)
詳細は次のとおりです。
各製品をインストールする際、最初の画面でMy Oracle Supportの資格証明が求められます。これは、インストールにおいてきわめて重要な画面です。指定するユーザー名とパスワードは、構成データがOracleにアップロードされる際に使用される資格証明になります。
24時間ごとに構成の収集が実行され、構成データがアップロードされます。
データがアップロードされた後は、製品のインストール時に指定した資格証明を使用して、My Oracle Support (https://support.oracle.com
)にログインしデータを参照できます。
注意: Enterprise Managerを使用してアプリケーションを管理している場合、構成のOracleへのアップロードには、Oracle Harvesterを使用することをお薦めします。それ以外の場合は、OCMを使用してください。
Oracle Harvesterでは、Enterprise Managerによって管理されているターゲットのデータのみが収集されます。Oracle Harvesterは同じOCM依存性のため、Oracle Harvesterを使用すると、Enterprise Managerの収集メソッドを利用してターゲットの構成データを収集できます。このため、Oracle Harvesterが管理するターゲットのホームにOCMをインストールする必要がありません。
Oracle Harvesterの特徴
Oracle Harvesterの特徴は次のとおりです。
すべてのターゲットのデータは、Oracle Management Service (OMS)ホームのOCMが構成されている資格証明と同じ資格証明に対してデフォルトでアップロードされます。Enterprise Manager Cloud Control 12cで、CSI割当てページからCSIを割り当てて、ターゲットのこのデフォルト値を変更できます。「設定」、「My Oracle Support」の順にクリックして開始します。
Enterprise ManagerのOMSホームでOCMが構成済で実行中である必要があります。
管理リポジトリからターゲットの構成データを収集します。
定期的に自動実行されるため、ユーザーが操作する必要はありません。
Oracle HarvesterとOCM
Enterprise Managerのインストール時、Oracle HarvesterおよびOracle Configuration Managerが、必要なサブコンポーネントと同じく自動的にインストールされます。Oracle Harvesterは、OMSホームのOCMが構成および実行されているかぎり実行されます。
OCMがOMSのOracleホームで有効化され、OMSのインスタンス・ホームで構成(および接続モードで実行)されている必要があります。ORACLE_CONFIG_HOMEが設定されていない場合、Oracle OMSターゲットがOCMコレクタによって検出されないためです。
次の手順を実行して、Oracle OMSターゲットが検出されるようにします。
OMSインスタンス・ホームを探します。
$ORACLE_HOME/sysman/config/emInstanceMapping.propertiesファイル(ここでのORACLE_HOMEはOMSのOracleホームです)に、emgc.propertiesという名前のファイルを参照するエントリがあります。
emgc.propertiesファイルが存在するディレクトリは、OMSのインスタンス・ホームです。次の例では、/u01/app/oracle/product/gc_inst/em/EMGC_OMS1がOMSのインスタンス・ホームです。
EMGC_OMS1=/u01/app/oracle/product/gc_inst/em/EMGC_OMS1/emgc.properties
環境変数ORACLE_CONFIG_HOMEをこのemgc.propertiesファイルのディレクトリに設定します。
例: $export ORACLE_CONFIG_HOME=/u01/app/oracle/product/gc_inst/em/EMGC_OMS1
『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』に従って、setupCCR
コマンドを実行してOCMを構成します。
Enterprise Managerリリース12.1の新機能
デフォルトでは、すべてのターゲットが、OMSホームのOracle Configuration Managerの登録に使用した資格証明を使用してアップロードされます。Enterprise Managerリリース12.1では、各ターゲット・ホームにカスタマ・サポートID (CSI)を割り当てるオプションがあります。
Oracle Harvesterは、各Oracleホームのそれぞれ異なるCSIへの構成データのアップロードをサポートしています。
手順は次のとおりです。
Oracle Harvesterが実行されていることを確認します。このジョブは自動的に実行されます。実行のステータスは、「サポートID割当て」ページから監視できます。Enterprise Managerのホームページからこのページにアクセスするには、「設定」を選択し、次に「My Oracle Support」を選択します。メニューから「サポートID割当て」を選択します。
My Oracle Supportの優先資格証明を設定します。Enterprise Managerのホームページで「設定」を選択し、次に「My Oracle Support」を選択します。メニューから「資格証明の設定」を選択し、有効なMy Oracle Supportの資格証明を指定します。
サポートIDを割り当てます。
Enterprise Managerのホームページで「設定」を選択し、次に「My Oracle Support」を選択します。「サポートID割当て」を選択し、正しいユーザー名とパスワードを指定します。「資格証明の設定」を選択します。
「ホーム」を選択します。「割当て」ボタンをクリックします。「CSI」を選択し、「OK」をクリックします。
割当てが成功したことを示すメッセージが表示されることを確認します。メッセージは次のとおりです。
Support Identifier has been assigned for 1 Oracle homes. The changes in the Customer Support Identifiers will be reflected in My Oracle Support after the next Harvester run.
Enterprise ManagerでのCSIの表示
ターゲットに関連付けられているCSIを確認するには、ターゲットのプロパティを表示するか、または検索条件にCSIを設定して構成検索を行います。特定のOracleホームのすべてのターゲットに対してオペレータ権限を持つユーザーは、そのOracleホームに対するCSIを割り当てることができます。
詳細は、Enterprise Managerインタフェース上のヘルプを参照してください。
Oracle Harvesterでは、OCMによって収集されるターゲットのセットと同じセットについて、Enterprise Managerからデータが収集されます。ターゲットのリストについては、表E-1を参照してください。
表E-1 Enterprise Manager 12cでサポートされているターゲット
ターゲット |
---|
ホスト |
Oracle Application Server |
Oracle Database |
Oracleホーム |
Oracle Exadata Storage Server |
Oracle Virtual Manager |
Oracle WebLogic Server |
管理エージェント |
管理リポジトリ |
Oracle Database Machine |
Oracle Fusion Applications |
Oracle Fusion Middleware |
Oracle Management Service |
Oracle SOA Suite |
Enterprise Managerの以前のバージョンでは、構成データがMy Oracle Supportにすでにある場合、スタンドアロンOCMコレクタによるデータの最後のアップロードから30日経過すると、Oracle Harvester構成データがMy Oracle Supportにアップロードされていました。
この制限は、Enterprise Manager 12cではなくなりました。Enterprise Managerリリース12cで実行されているOracle Harvesterから収集されたターゲットの構成データは、スタンドアロンOCMコレクタによる最後のデータのアップロードがいつだったかに関係なく、My Oracle Supportにただちに表示されます。
Oracle Configuration Managerは、Oracle製品のインストール時に自動的にインストールおよび構成されます。OCMは、製品のホームにインストールされ、そのホームにインストールされているすべてのターゲットの構成データを収集します。
OCMの設定で、My Oracle Supportのアカウントとパスワード、またはMy Oracle Supportのアカウントとカスタマ・サポートID (CSI)を指定する必要があります。構成データは、この情報を使用してアップロードされ、その後同じ資格証明を使用してMy Oracle Supportにログインすることで表示できます。
構成データのOracleへのアップロード元となるすべてのOracleホームに、OCMをインストールする必要があります。OCMは、製品のインストールの一部に含まれていますが、My Oracle Supportからダウンロードすることもできます。OCMをデータ・センター全体にデプロイする場合、一括デプロイメント・ツールの使用が便利です。OCMキットは、My Oracle Supportの「コレクタ」タブから入手できます。
OCMのインストール後、必要な追加作業はありません。デフォルトで自動更新が有効になるため、この機能を使用して、常に最新バージョンのOCMが実行されている状態を保てます。この機能は、セキュリティ上の理由などから必要に応じて無効にできます。この機能を無効にした場合、次のコマンドを実行して有効にできます。
<ocm_install_root>/ccr/bin/emCCR automatic_update on
My Oracle Supportの詳細情報は、次のURLを参照してください。
OCMについてより詳細な情報を得るには、次の手順を実行してください。
My Oracle Support (https://support.oracle.com
)にログインします。
「コレクタ」タブにアクセスします。「内容」、「理由」、「方法」、「使用中」および「追加リソース」の各セクションに、役立つ情報が含まれています。
次の項では、構成データの収集に関する問題の解決方法について説明しています。
Enterprise Managerリリース12.1.0.2では、emccr status
コマンドを使用して、収集データがOracleにアップロードされていることを確認します。最後にアップロードされた日付と時刻を参照してください。
注意: このemccr status
コマンドでは、収集されたデータがアップロードされたことは示されますが、Oracle Harvesterによる収集が成功しデータがアップロードされたことは確認されません。
エラー・ログの場所:
Oracle Harvesterのエラー・ログ:
Harvesterジョブのエラーについては、次を参照してください。
INSTANCE_HOME/sysman/log/emoms_pbs.trc
UIエラー(CSI割当てエラーなど)の場合、次を参照してください。
INSTANCE_HOME/sysman/log/emoms.trc for example: /gc_inst/user_projects/domains/GCDomain/servers/EMGC_OMS1/sysman/log/emoms.trc
Oracle Configuration Managerログは、次の場所にあります。
ccr/hosts/<hostname>/log/collector.log
Oracle Harvesterによる収集が次のエラーにより失敗すると、externalという名前の必須ディレクトリが存在しなくなります。
[JobWorker 75210:Thread-61] ERROR gcharvester.GcCollectionMgr initOcm.? - GC OCM Harvester: Caught GC Harvester exception from GCInit.init(): The installed version of Oracle Configuration Manager in the ORACLE_HOME (/scratch/aime/work/midlwre8937/oms11g) is prior to 10.3.1. The Grid Control Configuration harvesting requires at a minimum, 10.3.1
この問題を解決するには、externalディレクトリを作成します。
$ORACLE_INSTANCE_HOME/ccr/state/upload/external
(Oracle Bug#12795503)
OCMが実行されていない場合、次のエラーが表示される場合があります。
2011-08-29 16:34:20,709 [JobWorker 97285:Thread-60] WARN gcharvester.HarvesterJobUtils performOCMCollections.? - GC OCM Harvester: OCM was stopped and is not running
この問題を解決するには、OCMが適切なディレクトリにインストールされ、構成されていることを確認します(emCCR status
を実行)。
具体的には、OCMがOMS Oracleホームにインストールされ、OMSインスタンス・ホームで構成(および接続モードで実行)されている必要があります。
My Oracle Supportで構成データが見つからない場合、Oracle Harvesterによる収集が実行されていない可能性があります。
この問題を解決するには、OCMが正しくインストールされ、適切なディレクトリ(emCCR status
を実行)に構成されていることを確認してください。具体的には、OCMがOMS Oracleホームにインストールされ、OMSインスタンス・ホームで構成(および接続モードで実行)されている必要があります。
OCMが実行中であることを確認するには、次の手順を実行します。
ORACLE_CONFIG_HOMEをINSTANCE HOMEに設定します。
$ORACLE_HOME/ccr/bin/emCCR status
を実行します。