Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド 12cリリース2 (12.1.0.2) B65085-06 |
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この章では、Enterprise Manager Cloud Controlの主要な概念を示し、操作を進める前に知っておく必要のあるインストールの重要な側面について説明します。
この章の具体的な内容は次のとおりです。
この項では、インストール・プロセスの基本的な側面について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。
Enterprise Manager Cloud Controlまたはそのコア・コンポーネントは、インタラクティブなグラフィック・モードまたはサイレント・モードのいずれかでインストールできます。
このいずれのモードでも、ソフトウェアのみのインストールを実行できます。ソフトウェアのみのインストールは、インストールを構成せずにEnterprise Manager Cloud Controlまたは管理エージェントのソフトウェア・バイナリのみをインストールする方式です。この方法は、ソフトウェアをインストールして構成は後で行う場合に適しています。
Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードは、Enterprise Manager Cloud Controlをグラフィック・モードでインストールまたはアップグレードするのに役立つJavaベースのウィザードです。初めてEnterprise Manager Cloud Controlまたはそのコア・コンポーネントをインストールする場合は、このインストール・ウィザードを使用することを強くお薦めします。
注意: UNIXプラットフォームでインストール・ウィザードを起動するには、runInstaller を起動します。Microsoft Windowsプラットフォームで起動するには、setup.exe を起動します。 |
図2-1は、インストール・ウィザードの主要な要素を示しています。
Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードには、次のインストール・タイプがあります。
このインストール・タイプでは、新規のEnterprise Manager Cloud Controlシステムを単純構成または詳細構成のいずれかの設定でインストールできます。単純および詳細インストール・タイプについては、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。
単純および詳細インストール・タイプのインストール内容は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。
このインストール・タイプを使用すると、次のソフトウェアをEnterprise Manager Cloud Control 12cリリース2 (12.1.0.2)にアップグレードできます。
Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース1 (12.1.0.1)
Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1 (11.1.0.1)
Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5 (10.2.0.5)
Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5 (10.2.0.5)およびEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1 (11.1.0.1)をアップグレードする場合は、次のいずれかの方式を選択できます。ただし、Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース1 (12.1.0.1)をアップグレードする場合は、「1システムのアップグレード」方式のみ選択できます。
1システムのアップグレード: 旧リリースのEnterprise Managerを実行しているホストでEnterprise Manager Cloud Controlにアップグレードできます。既存のOracleデータベース自体の管理リポジトリもアップグレードされます。アップグレードが同じホスト上で行われるため、ある程度の停止時間が発生します。
2システムのアップグレード: 既存のEnterprise Managerシステムを実行していないホストにEnterprise Manager Cloud Controlをインストールできます。この方式では、既存のOracleデータベースの管理リポジトリはアップグレードされませんが、バックアップ・データベースの管理リポジトリがアップグレードされ、2つのEnterprise Managerシステムが存在するためのスコープが提供されます。新しいEnterprise Managerシステムは旧システムと共存するので、停止時間はまったく発生しないか、発生したとしてもほぼゼロです。
注意: これらのアップグレード・オプションの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド』を参照してください。 |
このインストール・タイプでは、ある時点でEnterprise Manager Cloud Controlのソフトウェア・バイナリのみをインストールし、後から構成できます。
このアプローチを使用すれば、インストール・プロセスをインストール・フェーズと構成フェーズの2つフェーズに大別できます。当然のことながら、インストール・フェーズは、バイナリのコピーのみなので、構成フェーズに比べて時間はかかりません。
インストール・フェーズでインストールされる内容および構成フェーズで構成される内容の詳細は、「概要」を参照してください。
Enterprise Manager Cloud Controlとともに、Oracle Configuration Managerを有効化することを選択できます。あるいは、Enterprise Manager Cloud Controlをインストールした後に有効化することもできます。
Oracle Configuration Managerでは、自動的に一定の間隔で環境から構成情報を収集し、Oracleリポジトリにアップロードします。これにより、Oracleは環境に関する最新情報を維持し、セキュリティの脆弱性を識別し、サポートの問題を迅速に診断し、ソリューションの一貫性を高めることができます。
ただし、送信時に問題が発生した場合の連絡先となる現地担当者名を除き、企業や個人の情報が収集およびアップロードされることはありません。オラクル社は、収集されたすべての情報が機密事項として厳密に保護され、いかなる場合にも第三者と共有されないことを保証しています。
構成情報が自動的に収集されてMy Oracle Supportにアップロードされるように、インストール・ウィザードの実行に使用するホストをインターネットに接続することをお薦めします。
インストール・ウィザードの実行に使用するホストがインターネットに接続されている場合は、インストール・ウィザードの「Oracle Configuration Manager」画面で、My Oracle Supportユーザー名(または電子メール・アドレス)およびパスワードを入力します。
あるいは、電子メール・アドレスのみを入力し、その他のフィールドは空白のままにしておきます。インストールの完了後、手動で構成情報を収集してMy Oracle Supportにアップロードします。構成情報を手動で収集してアップロードする方法の詳細は、「手動による構成情報の収集およびアップロード」に示された手順を参照してください。
Enterprise Manager Cloud Controlのインストール後に有効にする場合は、「Enterprise Manager Cloud Controlインストール後のOracle Cofiguration Managerの有効化」を参照してください。
構成情報を手動で収集するには、次の手順を実行します。
OMSホームに移動し、次のコマンドを実行します。
$<OMS_HOME>/ccr/bin/emCCR collect
Oracle Configuration Manager 10.2.7以上の場合、収集された構成情報は/ccr/hosts/state/upload/ocmconfig.jar
ファイルに格納されます。それより下位のバージョンのOracle Configuration Managerでは、収集された構成情報は/ccr/state/upload/ocmconfig.jar
ファイルに格納されます。次回に同じコマンドを実行すると、ocmconfig.jarファイルは新しいデータで上書きされます。したがって、ocmconfig.jarファイルは常に1つしか存在しません。
ocmconfig.jar
ファイルをMy Oracle Supportのサービス・リクエストにアップロードします。
管理エージェント・ホームから、手順(1)および手順(2)を繰り返します。
後でOracle Configuration Managerを有効化するには、次のようにします。
環境変数ORACLE_CONFIG_HOME
をOracle Management Serviceインスタンス・ベース・ディレクトリに設定します。Oracle Management Serviceインスタンス・ベースは、OMSの構成ファイルが作成されるディレクトリです。
bash端末で、次のコマンドを実行します。
export ORACLE_CONFIG_HOME=<absolute_path_to_gc_inst>
他の端末で、次のコマンドを実行します。
setenv ORACLE_CONFIG_HOME <absolute_path_to_gc_inst>
注意: Oracle Management Serviceインスタンス・ベース・ディレクトリの詳細は、「Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所とは」を参照してください。 |
OMSホームから、次のコマンドを実行します。
$<OMS_HOME>/ccr/bin/setupCCR
この項の内容は次のとおりです。
自己更新は、Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードの組込み機能です。この機能は、インストーラの「ソフトウェアの更新」画面に表示され、これによりEnterprise Manager Cloud Controlのインストールまたはアップグレード中に最新の推奨パッチを自動的にダウンロードしてデプロイできます。
この方法では、オラクル社によってリリースされるパッチの手動チェックを継続する必要はありません。正常なインストールおよびアップグレードのためにインストーラによって必要とされるすべてのパッチが、My Oracle Supportで検出されてダウンロードされ、インストールまたはアップグレード中に適用されるため、既知の問題や潜在的な失敗が減少します。
次の理由から、インストールの進行中にこの機能を使用してソフトウェア更新を適用することを強くお薦めします。
インストール時にソフトウェア更新が使用可能かどうかを追跡することは困難です。
パッチ番号を追跡し、インストール後に手動で更新をダウンロードして適用するのは面倒なプロセスです。
インストール中にソフトウェア更新を自動的にダウンロードして適用すると、時間と労力を節約でき、重要なソフトウェア更新を逃すことがありません。
自動更新機能は、My Oracle Supportに接続して最初にパッチ6069539をダウンロードします。パッチ6069539は、基本的に、インストーラが解析するpatch.xml
というファイルで構成されており、必要なすべての更新をダウンロードするためのupdatesというディレクトリを作成します。updatesディレクトリには次のサブディレクトリが含まれます。
updates/agent
セントラル・エージェント(OMSとともにインストールされる管理エージェント)にのみ関連するパッチが含まれます。
updates/oms
OMSに関連するパッチが含まれます。
updates/metadata
サブディレクトリpatch 6069539が含まれており、その中に、ダウンロードする必要があるすべての更新と、それらを適用する必要があるOracleホームを決定するpatch.xml
があります。
この機能を使用して適用できる更新の異なるタイプは、次のとおりです。
OUI/Opatchの更新
最新のOUI/Opatchバージョンまたはその更新が含まれます。新しいバージョンのインストーラがダウンロードされると、OUIは再起動され、最新のバージョンがダウンロードされた場所から実行されます。
前提条件の更新
Enterprise Manager Cloud Controlのリリース後にレポートされた問題に対応してリリースされた新しい前提条件チェック関連の更新が含まれます。これにより、OUIでは、常に前提条件チェックの最新セットが実行されるため、インストールまたはアップグレード作業がよりスムーズに進みます。
EMインストーラの更新
OUIの問題を修正する更新が含まれます(基本的には、その適用後にOUIの自動再起動が発生する可能性の高いJavaコードの変更です)。
個別パッチの更新
DSTパッチ、パフォーマンス関連パッチなどのパッチが含まれます。これらは、自動的に検出、ダウンロードおよび適用されます。
次のいずれかの方法でソフトウェア更新をダウンロードできます。
ユーザーによるダウンロード(オフライン・モード):Enterprise Managerをインストールするホストに、My Oracle Supportに接続するインターネット接続がない場合に、このオプションを使用します。
インストール・ウィザードによる自動ダウンロード(オンライン・モード): Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードを使用してMy Oracle Supportに自動的に接続するインターネット接続がある場合、このオプションを使用します。
次の各項では、オフライン・モードおよびオンライン・モードでソフトウェア更新をダウンロードする方法について説明します。
ユーザーによるダウンロード(オフライン・モード)
インターネットが接続されているホスト上で、次の方法で-downloadUpdates
引数を指定して、Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードを起動します。この引数を使用すると、ソフトウェア更新のダウンロード専用にインストール・ウィザードが起動されます。
./runInstaller -downloadUpdates
Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードでは2つの画面のみが表示され、そのタイトルが左のメニューに表示されます。
「ソフトウェアの更新」画面で、My Oracle Supportのアカウント・ユーザー名とパスワードを入力し、「更新の検索」をクリックします。インストール・ウィザードによって、「更新をダウンロード中」ダイアログが表示され、/tmp/OraInstall<timestamp>/updates
にソフトウェア更新がダウンロードされます。「次へ」をクリックします。
インストール・ウィザードが再起動し、この時点ですべての画面が表示され、そのタイトルが左のメニューに表示されます。インストール・ウィザードはこのホスト上でソフトウェア更新のダウンロードのためにのみ起動しており、OMSのインストールのためには起動していないため、インストール・ウィザードを終了します。
OMSをインストールするホストにupdates
ディレクトリ全体をコピーします。
OMSをインストールするホストで、インストール・ウィザードを起動します。
グラフィック・モード: インストール・ウィザードの「ソフトウェアの更新」画面で、「更新の検索」を選択し、「ローカル・ディレクトリ」を選択します。更新をコピーした場所を入力し、「更新の検索」をクリックします。コンピュータを検索して場所を選択するには、「参照」をクリックします。
たとえば、updates
ディレクトリ全体を/u01/home/em/
にコピーした場合、/u01/home/em/updates
を入力します。
サイレント・モード: 「staged」
に設定されたINSTALL_UPDATES_SELECTION
パラメータおよび更新を入手可能な場所の絶対パスに設定されたSTAGE_LOCATION
パラメータとともに、レスポンス・ファイルを渡すインストーラを起動します。
注意: プロキシ・サーバーの設定がある場合には、引数-showProxy を渡してインストール・ウィザードを起動します。たとえばグラフィック・モードで起動する場合、次のようにして起動します。
|
インストール・ウィザードによる自動ダウンロード(オンライン・モード)
インターネットが接続されているホスト上で、Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードを起動します。
グラフィック・モード: インストール・ウィザードの「ソフトウェアの更新」画面で、「更新の検索」を選択し、「My Oracle Support」を選択します。My Oracle Supportのアカウント・ユーザー名とパスワードを入力し、「更新の検索」をクリックします。検索結果がパッチ番号とそれらの詳細とともに表示されたら、パッチ番号をクリックして、そのパッチに関連付けられたReadMeを表示します。
サイレント・モード: 「download」
に設定されたINSTALL_UPDATES_SELECTION
パラメータおよびMy Oracle Support資格証明に設定されたMYORACLESUPPORT_USERNAME_FOR_SOFTWAREUPDATES
およびMYORACLESUPPORT_PASSWORD_FOR_SOFTWAREUPDATES
パラメータとともに、レスポンス・ファイルを渡すインストーラを起動します。
適用されているパッチを識別するには、OMSホームまたは管理エージェント・ホームから次のコマンドを実行します。このコマンドの出力に、すべての適用済パッチがリストされます。
<ORACLE_HOME>/OPatch/opatch lsinventory
Enterprise Manager Cloud Controlを詳細構成設定(詳細インストール・タイプ)でインストールする場合、デプロイメント・サイズを選択するオプションが用意されています。このオプションは、グラフィック・モード(Enterprise Manager Cloud Controlのインストール・ウィザード)およびサイレント・モード(レスポンス・ファイル)の両方にあります。
基本的に、デプロイメント・サイズでは、監視予定のターゲットの数と予定している管理エージェントおよび同時ユーザー・セッションの数を指定します。
表2-1に、各デプロイメント・サイズを示します。
デプロイメント・サイズ | ターゲット数 | 管理エージェント数 | 同時ユーザー・セッション数 |
---|---|---|---|
小 |
最大999 |
最大99 |
最大10 |
中 |
1000から9999 |
100から999 |
10から24 |
大 |
10,000以上 |
1000以上 |
25から50 |
前提条件チェックは選択内容に関係なく実行されますが、様々なパラメータに設定される値は、選択内容に応じてチェックされます。これらのデプロイメント・サイズおよびそれぞれに設定されているデータベース・パラメータの詳細は、第11章を参照してください。
特定のデプロイメント・サイズを指定してEnterprise Manager Cloud Controlをインストールした後で、ターゲット数、管理エージェント数または同時ユーザー・セッション数を増減することも可能です。ただし、選択したデプロイメント・サイズに適していないレベルまで数量を増やすと、パフォーマンスが低下する可能性があります。そのような場合は、第11章の説明に従い、必要なデプロイメント・サイズに合せてデータベース・パラメータを変更することをお薦めします。
ホスト・ターゲットの追加ウィザード(図2-2)は、Cloud Controlコンソールからアクセスできる、GUIが豊富なアプリケーションで、管理対象外ホストにOracle Management Agentをインストールし、これらをEnterprise Managerシステムの管理対象ホストに変換するために使用されます。
ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用して、次を実行できます。
新規管理エージェントのインストール
十分にテスト済で事前にパッチが適用されている実行中の既存の管理エージェントのクローニング
一元的に共有される既存の管理エージェントから管理エージェントをインストール
ホスト・ターゲットの追加ウィザードは単一の管理エージェントをリモートでインストールするのに使用できますが、このウィザードは、管理エージェントの一括デプロイ、特に、異なるプラットフォームのホストに異なるリリースの管理エージェントを一括デプロイするのに最も適しています。このウィザードには、管理エージェントをインストールするホストを選択できる柔軟性があります。この方法は、1回の操作で複数のホストに管理エージェントをインストールする場合に便利です。
デプロイメント・プロシージャは、階層構造になった一連のプロビジョニングまたはパッチ適用のステップを含むプロシージャであり、各ステップには一連の他のステップが含まれることもあります。つまり、特定のライフサイクル管理アクティビティに対して実行する必要があるすべてのタスクのワークフローは、デプロイメント・プロシージャでカプセル化されます。
Enterprise Manager Cloud Controlにはデプロイメント・プロシージャがあり、これらはすべてCloud Controlコンソールからアクセスできます。Enterprise Manager Cloud Controlのインストールのコンテキストに含まれるデプロイメント・プロシージャの1つが、管理サービスの追加デプロイメント・プロシージャです。
管理サービスの追加デプロイメント・プロシージャ(図2-3)は、AdminServerホストで実行中の既存のOMSを使用して追加のOMSのインストールを可能にすることにより、高可用性の要件を満たすのに役立ちます。
簡単に言えば、管理サービスの追加デプロイメント・プロシージャにより、使用環境に追加のOMSインスタンスをインストールできます。デプロイメント・プロシージャにより既存のOMSのクローンが作成され、その構成が接続先ホストにレプリケートされます。
Enterprise Managerの旧リリースでは、このインストール・タイプはEnterprise Managerインストール・ウィザードで提供されました。しかし、Enterprise Manager Cloud Controlリリースの場合、このインストール・タイプはデプロイメント・プロシージャとして提供されます。
デプロイメント・プロシージャの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』の追加管理サービスの追加に関する章を参照してください。
この項では、Enterprise Manager Cloud Controlのインストール時に使用されるデフォルト・ポートについて説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。
インストールに使用されるデフォルト・ポートを次に示します。
Enterprise Manager Cloud Control
管理エージェント用のデフォルトのアップロード・ポートは、3872です。HTTPとHTTPSの両方に同じポートが使用されます。3872が使用できない場合、1830から1849の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。
管理サーバー用のデフォルトのHTTPSポートは、7101です。7101が使用できない場合、7101から7200の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。
ノード・マネージャ用のデフォルトのHTTPSポートは、7401です。7401が使用できない場合、7401から7500の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。
管理対象サーバー用のデフォルトのHTTPポートは、7201です。7201が使用できない場合、7201から7300の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。
管理対象サーバー用のデフォルトのHTTPSポートは、7301です。7310が使用できない場合、7301から7400の範囲で使用可能な最初の空きポートが選択されます。
Enterprise Manager Cloud Controlには、デフォルト・ポートのかわりにカスタム・ポートを使用できる柔軟性が備わっています。
Enterprise Manager Cloud Controlをインストール時のポートのカスタマイズ
警告: どのポートも1024以下の値に設定しないでください。1024までのポートは、通常、ルート・ユーザー(スーパーユーザー)用に予約されています。そのため、カスタマイズするポートは、必ず1024より大きい値に設定してください。 |
グラフィック・モードで(Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードを使用して) Enterprise Manager Cloud Controlをインストールする場合(拡張インストール)、「ポート構成の詳細」画面を使用してカスタム・ポートを入力できます。すでにカスタム・ポートがキャプチャされているstaticports.ini
ファイルをインポートすることもできます。
サイレント・モードでEnterprise Manager Cloud Controlをインストールする場合、つまり第II部で説明されているインストール手順を使用する場合は、適切なカスタム・ポートを指定してstaticports.ini
ファイルを更新します。
staticports.ini
ファイルは、ソフトウェア・キット(DVD、ダウンロードされたソフトウェアなど)の次の場所にあります。
<software_kit>/response/staticports.ini
Enterprise Manager Cloud Controlをインストール後のHTTP/HTTPSコンソール・ポートおよびアップロード・ポートのカスタマイズ
警告: どのポートも1024以下の値に設定しないでください。1024までのポートは、通常、ルート・ユーザー(スーパーユーザー)用に予約されています。そのため、カスタマイズするポートは、必ず1024より大きい値に設定してください。 |
Enterprise Manager Cloud Controlをインストールした後で、HTTP/HTTPSコンソール・ポートおよびアップロード・ポートを変更する場合は、次の手順を実行します。
OMSを停止します。
$<OMS_HOME>/bin/emctl stop oms -all
表2-2の説明に従って、emgcプロパティのHTTPおよびHTTPSポートを更新します。パラメータ(<http_upload_new>、<https_upload_new>、<http_console_new>
および<https_console_new>
)の値を指定します。
表2-2 EMOMSプロパティのHTTPおよびHTTPSポートの更新
ポート/プロパティ・タイプ | 実行するコマンド |
---|---|
HTTPアップロード・ポート |
|
HTTPSアップロード・ポート |
|
HTTPコンソール・ポート |
|
HTTPSコンソール・ポート |
|
次のファイルをバックアップします。
$<OMS_INSTANCE_HOME>/emgc.properties
ファイルのバックアップ後、元のemgc.properties
ファイルを開き、次のパラメータに新しいポート番号を指定します。
EM_UPLOAD_HTTP_PORT=<http_upload_new> EM_UPLOAD_HTTPS_PORT=<https_upload_new> EM_CONSOLE_HTTP_PORT=<http_console_new> EM_CONSOLE_HTTPS_PORT=<https_console_new>
次の場所にあるhttpd.conf
、ssl.conf
およびhttpd_em.conf
ファイルをバックアップします。
$<WEBTIER_INSTANCE_HOME>/config/OHS/ohs#/
ファイルのバックアップ後、元のファイルを開き、新しいポート番号を指定します。
httpd.conf
ファイルのListenディレクティブで、<http_console_orig>
を<http_console_new>
に置き換えます。
ssl.conf
ファイルのListenディレクティブで、<https_console_orig>
を<https_console_new>
に置き換えます。
httpd_em.conf
ファイルのListenおよびVirtualHostディレクティブで、<http_upload_orig>
を<http_upload_new>
に、<https_upload_orig>
を<https_upload_new>
に、それぞれ置き換えます。
OMSを起動して、ステータスを確認します。
$<OMS_HOME>/bin/emctl start oms
$<OMS_HOME>/bin/emctl status oms -details
OMSにサーバー・ロード・バランサ(SLB)が構成済の場合は、SLBプールやモニターなどのポートを更新します。
OMSがSSOまたはOAMを使用するように構成されている場合は、SSOまたはOAM構成を再実行します。
次のファイルをバックアップします。
$<AGENT_INSTANCE_HOME>/sysman/config/emd.properties
注意: OMSと通信しているすべての管理エージェントのemd.properties ファイルをバックアップします。 |
ファイルのバックアップ後、元のemd.properties
ファイルを開き、REPOSITORY_URL
に記載されているURLを確認します。URLがHTTPS URLの場合は、ポート番号を<https_upload_new>
に変更します。URLがHTTP URLの場合は、ポート番号を<http_upload_new>
に変更します。
変更したポートを使用するように設定されたEM CLIインスタンスがある場合は、そのインスタンスを再度設定します。これを行うには、EM CLIの各インスタンスからemcli setup
またはemcli status
コマンドを実行し、表示されたEM URLをメモします。
そのポート番号を変更した場合は、次のコマンドを実行します。
emcli setup -url=http(s)://<host>:<new_port#>/em -dir=<dir>....
staticports.ini
ファイル内にエラーがあると、インストール・ウィザードで警告が表示されずにデフォルト・ポートが使用されるため、このファイルを更新するときは細心の注意を払ってください。したがって、staticports.ini
ファイルの更新前に、次の点を確認してください。
どのポートも1024以下の値に設定しないでください。1024までのポートは、通常、ルート・ユーザー(スーパーユーザー)用に予約されています。そのため、カスタマイズするポートは、必ず1024より大きい値に設定してください。
ポートがコンポーネントまたは他のアプリケーションによってすでに使用されている場合は、staticports.ini
ファイル内にそのポート(使用中のポート)を入力しないでください。そうした場合、関連の構成アシスタントも失敗します。
複数のコンポーネントに同じポートを入力した場合、インストールでは前提条件チェック・フェーズの後にエラーが表示されます。インストールを続行する前に、このエラーを修正する必要があります。
staticports.ini
ファイル内に構文エラーがある場合(等記号(=)文字が欠落している行がある場合)、インストール・ウィザードではその行が無視されます。このような行で指定されたコンポーネントには、インストール・ウィザードによりデフォルト・ポートが割り当てられます。インストール・ウィザードでは、構文エラーのある行に対する警告は表示されません。
コンポーネント名のスペルを間違えた場合、インストール・ウィザードではそのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。ファイル内のコンポーネントの名前の大文字/小文字は区別されます。インストール・ウィザードでは、認識されない名前を含む行に対する警告は表示されません。
ポート番号に数字以外の値を指定した場合、インストール・ウィザードではその行が無視され、コンポーネントにデフォルトのポート番号が割り当てられます。これは警告の表示なしに行われます。
コマンドラインでパラメータのスペルを間違えた場合、インストール・ウィザードでは警告が表示されません。そのまま続行され、すべてのコンポーネントにデフォルトのポートが割り当てられます。
コマンドラインでstaticports.ini
ファイルの相対パス(たとえば、./staticports.ini
)を入力すると、インストール・ウィザードではそのファイルが見つかりません。警告が表示されずにそのまま続行され、すべてのコンポーネントにデフォルトのポートが割り当てられます。staticports.ini
ファイルのフルパスを入力する必要があります。
データ・ファイルを削除するには、SYSMAN/MDSスキーマを削除する必要があります。それには、OMSホームから次のコマンドを実行します。
$<OMS_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager <repository_database_host> <repository_database_port> <repository_database_sid> -action dropall -dbUser <repository_database_user> -dbPassword <repository_database_password> -dbRole <repository_database_user_role> -mwHome <middleware_home> -mwOraHome <oms_home> -oracleHome <oms_home>
注意:
|
スキーマを削除した後、データベース・ファイルmgmt.dbf
およびmgmt_ecm_depot1.dbf
を手動で削除します。
SYSとして次のコマンドを実行すると、これらのファイルを見つけられます。
SELECT FILE_NAME FROM DBA_DATA_FILES WHERE UPPER (TABLESPACE_NAME) LIKE 'MGMT%';
表2-3は、RepManagerの様々なバージョンでサポートされる-action
オプションを示しています。
表2-3 RepManagerでの-action dropallコマンドのサポート
RepManagerのバージョン | サポートされるコマンド |
---|---|
|
|
RepManager 11.1 |
|
RepManager 10.2.0.5 |
SYSMANのみを削除します。 |
Enterprise Manager Cloud Controlには、Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24+が必要です。
Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24+が使用環境にまだインストールされていない場合、新規のEnterprise Manager Cloud Controlのインストール時に、インストール・ウィザードにより自動的にインストールされます。
この項では、Enterprise Manager Cloud Controlをインストールする前に知っておく必要のある、Oracle WebLogic Serverに関連する重要な側面について説明します。
この項の具体的な内容は次のとおりです。
Oracle WebLogic Serverがインストールされているかどうかを確認するには、Oracle WebLogic Serverホームにある次のファイルを確認します。
$<WLS_HOME>/logs/log.txt
release 10.3.5.0 [Added] |_____Common Infrastructure Engineering 7.1.0.0 [Added] | |_____Uninstall [Added] | |_____Patch Client [Added] | |_____Patch Attachment Facility [Added] | |_____Clone Facility [Added] |_____WebLogic Server 10.3.5.0 [Added] | |_____Core Application Server [Added] | |_____Administration Console [Added] | |_____Configuration Wizard and Upgrade Framework [Added] | |_____Web 2.0 HTTP Pub-Sub Server [Added] | |_____WebLogic SCA [Added] | |_____WebLogic JDBC Drivers [Added] | |_____Third Party JDBC Drivers [Added] | |_____WebLogic Server Clients [Added] | |_____WebLogic Web Server Plugins [Added] | |_____UDDI and Xquery Support [Added] | |_____Server Examples [Added] | |_____Evaluation Database [Added] | |_____Workshop Code Completion Support [Added] |_____Oracle Configuration Manager 10.3.3.1 [Added] | |_____Data Collector [Added] |_____Oracle Coherence 3.6.0.3 [Not Installed] |_____Coherence Product Files [Not Installed] |_____Coherence Examples [Not Installed]
Oracle WebLogic Serverクラスタは複数のOracle WebLogic Serverで構成され、それぞれが同時に実行されて互いに連携して動作することで、スケーラビリティと信頼性を高めています。1つのクラスタは、1つのOracle WebLogic Serverインスタンスと考えられます。クラスタを構成する各サーバー・インスタンスは同じホスト上で実行することも、別々のホストに配置することもできます。
Enterprise Manager Cloud ControlはOracle WebLogic Serverクラスタにインストールできますが、クラスタ構成を利用することはできません。
Oracle WebLogic Serverがすでに存在する場合、既存のドメインは使用されません。かわりに、Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードにより新規ドメインが作成され、Enterprise Manager Cloud Controlソフトウェアがそれにデプロイされます。
Enterprise Manager Cloud Controlをインストールまたはアップグレードするときには、Oracle WebLogic Serverの資格証明(ユーザー名とパスワード)を入力するように要求されます。資格証明は、WebLogicドメインおよびその他の関連コンポーネント(管理サーバー、管理対象サーバー、ノード・マネージャなど)を作成するために使用されます。
WebLogicユーザー名は、WebLogicドメイン用の管理ユーザーとして使用されるデフォルト・ユーザー名です。デフォルトのユーザー名は、weblogic
です。また、WebLogicパスワードは、このデフォルトの管理ユーザー・アカウントのパスワードです。
Enterprise Manager Cloud Controlをインストールまたはアップグレードするときには、デフォルトのノード・マネージャ・ユーザー・アカウントのパスワード、nodemanager
を入力するよう要求されます。パスワードは、ノード・マネージャの構成に使用されます。ノード・マネージャを使用すると、Oracle WebLogic Serverインスタンスのリモートでの起動、停止または再起動が可能になるため、ノード・マネージャは高可用性の要件を持つアプリケーションに推奨されます。
管理サーバー・ポートを見つけるには、emgc.properties
ファイルのAS_HTTPS_PORT
パラメータに設定された値を表示します。このファイルは、Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所にあります。
次に例を示します。
/DATA/oracle/Middleware/gc_inst/em/EMGC_OMS1/emgc.properties
追加のOMSをインストールするには、第1のOMSで使用されている管理サーバーが実行されている必要があります。管理サーバーが実行されているかどうかを確認するには、次のURLを使用して管理サーバー・コンソールにアクセスします。
https://host:port/console
ここで、hostとportは、emgc.propertiesファイルで、パラメータのEM_INSTANCE_HOST
とAS_HTTPS_PORT
にそれぞれ指定されている値です。このプロパティ・ファイルは、次の場所、つまり最初にインストールされたOMSホーム(最初のOMS)にあります。
$<MIDDLEWARE_HOME>/gc_inst/em/EMGC_OMS1/emgc.properties
この項では、Enterprise Manager Cloud Controlまたはそのコア・コンポーネントのインストール時に入力する必要のあるインストール・ディレクトリについて説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。
Enterprise Manager Cloud Controlが、インストールする初めてのOracle製品である場合、Enterprise Manager Cloud Controlのインストール・ウィザードで、インベントリ・ディレクトリ(oraInventoryディレクトリとも呼ばれる)を入力するように要求されます。
インストール・ウィザードにより、このインベントリ・ディレクトリを使用して、ホスト上にすべてのインストーラ・ファイルおよびディレクトリが配置されます。インベントリ・データを格納するためのサブディレクトリがOracle製品ごとに自動的に設定されます。
oraInventoryディレクトリは、次の2つの方法で入力できます。
インストール・ウィザードを使用してEnterprise Manager Cloud Controlをインストールするときに、「Oracleインベントリ」画面でoraInventoryディレクトリを入力できます。この画面でディレクトリを入力するときは、oraInventoryディレクトリを所有する適切なオペレーティング・システム・グループ名も選択する必要があります。oraInventoryディレクトリに対する書込み権限があるグループを選択する必要があります。
インストール・ウィザードを使用せずにサイレント・モードでEnterprise Manager Cloud Controlをインストールするときに、-invPtrLoc
パラメータを使用してoraInventoryディレクトリを入力できます。このパラメータでは、インベントリ・ポインタ・ファイル(oraInst.loc
)のある場所のパスが考慮されます。ただし、このパラメータはUNIXプラットフォームでのみサポートされ、Microsoft Windowsプラットフォームではサポートされません。
次に例を示します。
./runInstaller -invPtrLoc /scratch/OracleHomes/oraInst.loc
注意: oraInventoryディレクトリが共有の場所にないことを確認してください。ある場合は、共有でない場所に変更してください。 |
ホストにOracle製品がすでにインストールされている場合、インストール・ウィザードは、そのOracle製品のインストール中に作成された既存のoraInventoryディレクトリを使用します。そのディレクトリへの書込み権限を持っていることを確認します。これを行うには、他のOracle製品をインストールしたオペレーティング・システム・ユーザーと同じユーザーとしてインストーラを実行します。
Enterprise Manager Cloud Controlをインストールまたはアップグレードするときには、Oracleミドルウェア・ホームを入力する必要があります。
Oracleミドルウェア・ホーム(ミドルウェア・ホーム)は、Oracle WebLogic Serverホーム、Java Development Kit、Web層インスタンス・ファイル、1つ以上のOracleホーム、OMSインスタンス・ベース・ディレクトリおよびその他の関連ファイルが含まれる親ディレクトリです。OMSおよびプラグインは、ここにデプロイされます。
次に例を示します。
/u01/app/Oracle/Middleware
Enterprise Manager Cloud Controlをインストールまたはアップグレードする場合、次のようになります。
Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24+が使用環境にすでにインストールされている場合、インストーラが自動的に検出して、これらがインストールされているミドルウェア・ホームの絶対パスを表示します。
この場合、デフォルトで検出され表示されるミドルウェア・ホームを検証します。場所が正しくない場合、正しい場所のパスを入力します。選択または入力するミドルウェア・ホームに、OMSおよび管理エージェントのOracleホームが1つもないことを確認してください。
Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24+が使用環境にまだインストールされていない場合、Enterprise Manager Cloud Controlのインストール時に、インストール・ウィザードにより自動的にインストールされます。
この場合、それらをインストールするディレクトリの絶対パスを入力します。入力するディレクトリにファイルまたはサブディレクトリが含まれていないことを確認してください。
次に例を示します。
/u01/app/Oracle/Middleware/
Enterprise Manager Cloud Controlをインストールするときには、Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所を入力する必要があります。
Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所は、OMSの構成ファイルが格納されているミドルウェア・ホーム内のディレクトリ(gc_inst
)です。
インストール・ウィザードでは、組込みアルゴリズムを使用してこの場所が特定され、ユーザーが検証できるようにその場所が表示されます。ミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middleware/
であれば、Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所はデフォルトで次のようになります。
/u01/app/Oracle/Middleware/gc_inst
デフォルトの場所を受け入れるか、または書込み権限のある別の場所を指定できます。
Oracle HomeまたはOracleホームは、OMS、管理エージェントおよびプラグインがインストールされているディレクトリです。表2-4は、デフォルトのOracleホームが作成される場所を示しています。
表2-4 OMS、管理エージェント、プラグインのOracleホーム
コンポーネント | デフォルトのOracleホーム | 場所の例 |
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ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用してEnterprise Manager Cloud Controlおよびスタンドアロンの管理エージェントをインストールする際、インストール・ベース・ディレクトリ(基本的にはエージェント・ベース・ディレクトリ)の入力を求められます。
エージェント・ベース・ディレクトリは、Oracleミドルウェア・ホーム外のディレクトリで、管理エージェント・ホームが作成されます。
たとえば、エージェント・ベース・ディレクトリが/u01/app/Oracle/agent
の場合、管理エージェント・ホームは/u01/app/Oracle/agent/core/12.1.0.2.0
のように作成されます。
エージェント・インスタンス・ディレクトリは、管理エージェント関連のすべての構成ファイルを格納するために作成されるディレクトリ(agent_inst
)です。
エージェント・インスタンス・ディレクトリは、エージェント・ベース・ディレクトリ内に作成されます。
たとえば、エージェント・ベース・ディレクトリが/u01/app/Oracle/agent
の場合、デフォルトでは、エージェント・インスタンス・ディレクトリは次のようになります。
/u01/app/Oracle/agent/agent_inst
Enterprise Manager Cloud Controlのインストール・ウィザードを起動すると、自動的にいくつかの実行可能ファイルおよびリンク・ファイルがホスト上の一時ディレクトリにコピーされます。
たとえば、UNIXホストでは/tmp
ディレクトリが、Microsoft WindowsホストではC:\Temp
がデフォルトで使用されます。
定期的に実行される他の多数のプロセスとともにcron
ジョブを実行するようにホストが設定されている場合、これらのジョブによってデフォルトの一時ディレクトリのクリーンアップが試行されます。このため、一部のファイルが削除され、インストール・ウィザードは失敗します。
ホストで自動的に実行されて一時ディレクトリをクリーンアップするcron
ジョブまたはプロセスがある場合は、必ず、TMP
またはTEMP
環境変数をデフォルトの場所とは別の場所に設定してください。デフォルト以外の場所を設定する場合は必ず、ハード・ドライブ上のセキュアな場所、つまりクリーンアップ・ジョブが実行されない場所に設定してください。また、この代替ディレクトリへの書込み権限を持っていることも確認してください。
これは、インストーラを実行してEnterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードを起動する前に行う必要があります。(UNIXオペレーティング・システムの場合はrunInstaller
を起動し、Microsoft Windowsの場合はsetup.exe
を起動します。)
注意: 一時ディレクトリの代替場所の指定は必須ではありません。/tmp ディレクトリをクリーンアップするcron ジョブがコンピュータ上に設定されている場合のみ 、指定する必要があります。 |
この項では、インストール・ウィザードで実行されるインストール後のアクティビティについて説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。
Enterprise Manager Cloud ControlをGUIモード(インストール・ウィザードを使用)またはサイレント・モード(レスポンス・ファイルを使用)のいずれかでインストールまたはアップグレードするとき、インストール・プロセスの終了時に一連の構成アシスタントが実行されて、インストールまたはアップグレード済のコンポーネントが構成されます。これらのコンフィギュレーション・アシスタントを使用してすべてのコンポーネントを構成して初めて、インストールまたはアップグレード・プロセスは完了します。
注意: Enterprise Managerのソフトウェアのみのインストールを実行する場合でも、ConfigureGC.sh スクリプトを実行してインストールを構成するときには、コンフィギュレーション・アシスタントが内部で実行されます。(Microsoft Windowsの場合は、ConfigureGC.bat スクリプトを実行)。 |
この項では、インストール・タイプごとにインストール・ウィザードが実行するコンフィギュレーション・アシスタントを示しています。
Enterprise Managerの新規インストール(つまり、インストール・ウィザードで「Enterprise Managerシステムの新規作成」を選択した場合)で実行されるコンフィギュレーション・アシスタントを次に示します。
プラグイン前提条件チェック・コンフィギュレーション・アシスタント
リポジトリ・コンフィギュレーション・アシスタント
注意: オラクル社提供のデータベース・テンプレートを使用し、事前構成済の管理リポジトリで作成されたデータベース・インスタンスを使用する場合は、リポジトリ・コンフィギュレーション・アシスタントのかわりに、リポジトリ即時使用可能コンフィギュレーション・アシスタントが実行されます。 |
MDSスキーマ・コンフィギュレーション・アシスタント
OMSコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・デプロイおよびコンフィギュレーション・アシスタント
Oracle Management Serviceの起動コンフィギュレーション・アシスタント
OMSのOracle Configuration Managerコンフィギュレーション・アシスタント
エージェント・コンフィギュレーション・アシスタント
既存のEnterprise Managerのアップグレード(つまり、インストール・ウィザードで「既存のEnterprise Managerシステムのアップグレード」を選択した場合)で実行されるコンフィギュレーション・アシスタントを次に示します。
1システムのアップグレード方式
プラグイン前提条件チェック・コンフィギュレーション・アシスタント
リポジトリ・アップグレード・コンフィギュレーション・アシスタント
MDSスキーマ・コンフィギュレーション・アシスタント
OMSコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・デプロイおよびコンフィギュレーション・アシスタント
Oracle Management Serviceの起動コンフィギュレーション・アシスタント
OMSのOracle Configuration Managerコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・インベントリの移行コンフィギュレーション・アシスタント
また、12cリリース1 (12.1.0.1)を12cリリース2 (12.1.0.2)にアップグレードする場合は、次が実行されます。
APMエンジン・コンフィギュレーション・アシスタントの停止
管理サーバー・コンフィギュレーション・アシスタントの停止
注意: 管理エージェントは、Enterprise Manager 12cアップグレード・コンソールで事前デプロイされるか(10.2.0.5または11.1の管理エージェントの場合)、またはエージェントのアップグレード・コンソール(12.1.0.1の管理エージェントの場合)を使用してアップグレードされるので、このアップグレードの対象外となるため、エージェント・コンフィギュレーション・アシスタントは実行されません。 |
2システムのアップグレード方式
プラグイン前提条件チェック・コンフィギュレーション・アシスタント
リポジトリ・アップグレード・コンフィギュレーション・アシスタント
MDSスキーマ・コンフィギュレーション・アシスタント
OMSコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・デプロイおよびコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・インベントリの移行コンフィギュレーション・アシスタント
Oracle Management Serviceの起動コンフィギュレーション・アシスタント
OMSのOracle Configuration Managerコンフィギュレーション・アシスタント
エージェント・コンフィギュレーション・アシスタント
異なるホストでの1システムのアップグレード方式
プラグイン前提条件チェック・コンフィギュレーション・アシスタント
リポジトリ・アップグレード・コンフィギュレーション・アシスタント
MDSスキーマ・コンフィギュレーション・アシスタント
OMSコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・デプロイおよびコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・インベントリの移行コンフィギュレーション・アシスタント
Oracle Management Serviceの起動コンフィギュレーション・アシスタント
OMSのOracle Configuration Managerコンフィギュレーション・アシスタント
エージェント・コンフィギュレーション・アシスタント
追加OMSのアップグレード(つまり、インストール・ウィザードで「既存のEnterprise Managerシステムのアップグレード」を選択し、追加OMSを選択した場合)で実行されるコンフィギュレーション・アシスタントを次に示します。
1システムのアップグレード方式
プラグイン前提条件チェック・コンフィギュレーション・アシスタント
OMSコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・デプロイおよびコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・インベントリの移行コンフィギュレーション・アシスタント
Oracle Management Serviceの起動コンフィギュレーション・アシスタント
OMSのOracle Configuration Managerコンフィギュレーション・アシスタント
また、12cリリース1 (12.1.0.1)を12cリリース2 (12.1.0.2)にアップグレードする場合は、次が実行されます。
APMエンジン・コンフィギュレーション・アシスタントの停止
管理サーバー・コンフィギュレーション・アシスタントの停止
注意: 管理エージェントは、Enterprise Manager 12cアップグレード・コンソールで事前デプロイされるか(10.2.0.5または11.1の管理エージェントの場合)、またはエージェントのアップグレード・コンソール(12.1.0.1の管理エージェントの場合)を使用してアップグレードされるので、アップグレードの対象外となるため、エージェント・コンフィギュレーション・アシスタントは実行されません。 |
異なるホストでの1システムのアップグレード方式
プラグイン前提条件チェック・コンフィギュレーション・アシスタント
OMSコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・デプロイおよびコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・インベントリの移行コンフィギュレーション・アシスタント
Oracle Management Serviceの起動コンフィギュレーション・アシスタント
OMSのOracle Configuration Managerコンフィギュレーション・アシスタント
オプションのコンフィギュレーション・アシスタントが失敗した場合、インストール・ウィザードではその失敗は無視され、自動的に次のコンフィギュレーション・アシスタントが実行されます。ただし、必須のコンフィギュレーション・アシスタントが失敗した場合は、インストール・プロセスが停止します。この場合、問題を解決して、構成アシスタントを戻す必要があります。
コンフィギュレーション・アシスタントが失敗したときに調べるログ・ファイルと、問題を解決するために取る処置の詳細は、付録Hを参照してください。
インストール・ウィザードを使用してEnterprise Manager Cloud Controlをインストールするたびに、一連の前提条件チェックが実行され、環境がインストール成功のための最小要件を満たしているかどうかが確認されます。インストール・ウィザードによって、必要なオペレーティング・システム・パッチ、オペレーティング・システム・パッケージ、カーネル・パラメータを含む様々な要素が確認されます。
次の各項で、これらの前提条件チェックについて説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。
異なるインストール・タイプ(Enterprise Managerシステムの新規作成および既存のEnterprise Managerシステムのアップグレード)で実行されるデフォルトの前提条件チェックは、次のとおりです。
インストールが動作保証済のオペレーティング・システムで実行されているかどうかを確認するための前提条件チェック。
すべての動作保証済パッケージおよびライブラリがインストールされているかどうかを確認するための前提条件チェック。
glibcパッケージがインストールされているかどうかを確認するための前提条件チェック。(管理エージェントのインストールには適用されません。)
temp
ディレクトリに十分なディスク領域があるかどうかを確認するための前提条件チェック。(管理エージェントのインストールには適用されません。)
インベントリ・ディレクトリに十分なディスク領域があるかどうかを確認するための前提条件チェック。
インベントリ・ディレクトリに書込み権限があるかどうかを確認するための前提条件チェック。(OMSのインストールには適用されません。)
ソフトウェアが現在のオペレーティング・システムと互換性があるかどうかを確認するための前提条件チェック。
十分な物理メモリーがあるかどうかを確認するための前提条件チェック。
必須のulimit
値を確認するための前提条件チェック。(管理エージェントのインストールには適用されません。)
ホスト名を確認するための前提条件チェック。
LD_ASSUME_KERNEL
環境変数が設定されているかどうかを確認するための前提条件チェック。(管理エージェントのインストールには適用されません。)
適切なタイムゾーンが設定されているかどうかを確認するための前提条件チェック。
4GBのスワップ領域があるかどうかを確認するための前提条件チェック。(管理エージェントのインストールには適用されません。)
インストール・ウィザードの起動前に、スタンドアロン・モードで前提条件チェックを実行できます。これにより、インストールの失敗の原因となる問題を特定して解決できます。
表2-5に、スタンドアロン・モードで前提条件チェックを実行するために実行する必要のあるコマンドを示します。
表2-5 スタンドアロン・モードでの前提条件チェックの実行
インストール・タイプ | コマンド |
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注意: Microsoft Windowsの場合、/runInstaller をsetup.exe で置き換えてください。また、表2-5のコマンドに示されている<Software_Location> は、Enterprise Managerソフトウェアが含まれている場所です。たとえば、DVDなどです。Oracle Technology Network (OTN)からソフトウェアをダウンロードした場合は、そのダウンロード場所の絶対パスを入力します。 |
この項では、Enterprise Manager Cloud Controlの使用時に直面する可能性のある制限事項について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。
メディア・パック内のインストール・メディアには多数のOracleコンポーネントが含まれていますが、使用できるのは、ライセンスを購入したコンポーネントのみです。Oracleサポート・サービスは、ライセンスを購入していないコンポーネントのサポートは提供しません。
詳細は、次のURLでEnterprise Managerドキュメント・ライブラリにアクセスし、Oracle Enterprise Managerライセンス情報ガイドを参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html
Enterprise Manager Cloud Controlでは、デフォルトで、OMSおよび管理エージェントのすべてのインストールにgcstartup
という起動スクリプトが付属します。起動スクリプトによって、ホストが再起動するたびに、OMSおよび管理エージェントが自動的に起動されることが保証されるため、ユーザーは手動による作業から解放されます。
起動スクリプトの格納場所
起動スクリプトは、OMSホストおよび管理エージェント・ホストの次の場所に存在します。
/etc/init.d/gcstartup
起動スクリプトの呼出し対象
OMSホストでは、起動スクリプトによって次のファイルが呼び出され、ホストの再起動時にOMSが起動されます。
$<OMS_HOME>/install/unix/scripts/omsstup
同様に、管理エージェント・ホストでは、起動スクリプトによって次のファイルが呼び出され、ホストの再起動時に管理エージェントが起動されます。
$<AGENT_HOME>/install/unix/scripts/agentstup
起動スクリプトによるOMSまたは管理エージェントの起動を停止する方法
ホストの再起動時に起動スクリプトでOMSおよび管理エージェントを起動しない場合、それぞれのホストからomsstup
ファイルとagentstup
ファイルを削除します。
起動スクリプトによってリモート・ホストのOMSまたは管理エージェントを起動できるかどうか
起動スクリプトは、OMSまたは管理エージェントがインストールされているホストに固有です。したがって、起動スクリプトでリモート・ホストのOMSまたは管理エージェントを起動することはできません。
起動スクリプトをすべてのオペレーティング・システムで使用できるかどうか
UNIXオペレーティング・システムには起動スクリプトが存在しますが、Microsoft Windowsオペレーティング・システムにはこのようなスクリプトは存在しません。ただし、Microsoft Windowsでは、Microsoft Windowsフレームワーク内で使用できる固有のWindowsサービスによって起動機能が提供されます。
この項では、Enterprise Manager Cloud Controlのインストールに関連するその他の概念について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。
ホスト・ターゲットの追加ウィザードを使用している場合、Oracle Management Agentをインストールするホストを、ホスト名またはIPアドレスを入力するか、ホストのリストを含む外部ファイルを選択するかのいずれかの方法で入力できます。
外部ファイルを選択する場合、そのファイルにホスト名のみが含まれている(例2-1)か、またはホスト名の後にプラットフォーム名が続いている(例2-2)かを確認してください。
Enterprise Manager Cloud Controlまたは管理エージェントのインストール中またはインストール後に少なくとも1回、rootユーザーとしてログインして、oraInstRoot.sh
、allroot.sh
またはroot.sh
を実行するように要求されます。rootユーザーとしてログインする必要がある理由は、スクリプトにより/etc
ディレクトリ内のファイルが編集され、ローカルのbinディレクトリ(デフォルトでは/usr/local/bin
)内にファイルが作成されます。
インストールが終わるたびに、中央インベントリ(oraInventory
)ディレクトリを特定するためのチェックが実行されます。中央インベントリ・ディレクトリは、Oracle製品が初めてホストにインストールされると、インストール・ウィザードによって自動的に作成されるディレクトリです。
注意: 中央インベントリの場所を共有ファイル・システム上に指定しないでください。それがすでに共有ファイル・システム上にある場合は、共有されていないファイル・システムに切り替えてください。 |
ホストにOracle製品をまだインストールしていない場合は、中央インベントリからoraInstRoot.sh
スクリプトを実行します。
$Home/oraInventory/oraInstRoot.sh
oraInstRoot.sh
スクリプトが実行されると、oraInst.loc
ファイルが作成されます。oraInst.loc
ファイルには、中央インベントリの場所が含まれています。
ただし、ホスト上にOracle製品がすでに存在する場合は、OMSホームからallroot.sh
スクリプトを実行します。
<OMS_HOME>/allroot.sh