ヘッダーをスキップ
Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
12cリリース3 (12.1.0.3)
B65085-09
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

A Enterprise Managerのディレクトリ構造の理解

メンテナンスと詳細構成タスクを実行する前に、Enterprise Managerをインストールするとディスクにコピーされるディレクトリおよびファイルについて理解しておく必要があります。各ファイルの場所を理解すると、インストールまたは構成上の問題の解決が必要な場合に役立ちます。

Enterprise Managerのインストール時にWebLogic Serverを含まない場所を選択すると、WebLogic Serverのインストール前に、JDKがjdk16ディレクトリにインストールされます。

Enterprise Managerをインストールするとディスクに作成されるディレクトリについて理解を深めるには、次の項を使用してください。

A.1 Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cとともにインストールされるEnterprise Managerのディレクトリの理解

Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cをインストールする場合は、Oracle Management Serviceをインストールします。Oracle Management Serviceでは、次のOracleホーム・ディレクトリをインストールします。

  • Oracle Management Serviceホーム・ディレクトリ

  • ミドルウェアWebTierホーム・ディレクトリ

  • ミドルウェア共通ホーム・ディレクトリ

  • Oracle Management Serviceインスタンス・ホーム・ディレクトリ

  • Oracle Management Agentホーム・ディレクトリ

  • Oracle Management Agent Instanceホーム・ディレクトリ

  • Oracle Management Serviceプラグイン・ホーム

  • Oracle Management Agentプラグイン・ホーム

  • Oracle Business Intelligence Publisherホーム(オプション)

A.1.1 Oracle Management Serviceホーム・ディレクトリについて

Oracle Management Serviceは、Oracle WebLogic Serverを使用してインストールおよびデプロイされるJ2EEアプリケーションです。

インストール時には、Oracle Management Serviceを含むEnterprise ManagerコンポーネントがCloud Controlホーム内にインストールされます。

Fusion Middlewareインストールに固有のディレクトリの詳細は、Fusion Middlewareのドキュメントを参照してください。

A.1.2 Oracle Management Agentホーム(AGENT_HOME)ディレクトリについて

AGENT_HOMEディレクトリには、ホスト上でOracle Management Agentを構成および実行するために必要なすべてのバイナリが含まれています。

このディレクトリは、Oracle Management AgentのOracleホームとして使用されます。

Fusion Middlewareインストールに固有のディレクトリの詳細は、Fusion Middlewareのドキュメントを参照してください。

A.1.3 Business Intelligence Publisherホーム・ディレクトリについて

Business Intelligence PublisherはJ2EEアプリケーションで、第15章の説明に従ってインストールおよび構成されます。

A.1.4 Oracle Management Serviceホーム内の重要なディレクトリの要約

図A-1は、基本的なCloud Controlインストールにおける、理解しておく必要のある重要なディレクトリの一部を示しています。この情報は、Oracle Management Serviceのインストールの管理、トラブルシューティングおよび構成を開始する際に使用してください。

図A-1

図A-1については周囲のテキストで説明しています。

表A-1 Enterprise Managerとともにインストールされるディレクトリ

ディレクトリ 説明

wlserver_10.3、logs、utils、modules

これらのディレクトリにはFusion Middlewareファイルが含まれています。

jdk16

このディレクトリには、JDK構成ファイルが含まれています。

oms

このディレクトリには、OMS構成ファイルが含まれています。詳細は、第10.2.2項を参照してください。

plugins

このディレクトリには、OMSにインストールされるメタデータ・プラグイン構成ファイルが含まれています。

agent

このディレクトリには、エージェント構成ファイルが含まれています。詳細は、第10.2.3項を参照してください。

(オプション) Oracle_BI1

このディレクトリには、Oracle Business Intelligence Publisherの構成ファイルが格納されます。

oracle_WT

このディレクトリには、Oracle WebTier構成ファイルが含まれています。

oracle_common

このディレクトリには、OMS、Oracle WebTierおよびWebLogic Serverのディレクトリで使用される共通ファイルが含まれています。


A.2 管理サービスとともにインストールされるEnterprise Managerのディレクトリの理解

表A-2では、Oracle Management ServiceとともにインストールされるOracle Management Serviceのディレクトリについて詳しく説明します。この表で示されているORACLE_HOMEは、Oracle Management ServiceがインストールおよびデプロイされるOracle Management Serviceホーム・ディレクトリを指しています。

表A-2 管理サービスOracleホーム内の重要なディレクトリ

ディレクトリ 説明

ORACLE_HOME/bin

管理サービス・ホーム内のbinディレクトリには、Cloud Controlインストールのコンポーネントを制御するためのコマンドが含まれています。

OMS_INSTANCE_HOME/WebTierIH1

このディレクトリには、EMGC_OMS#に対応するWeb層インスタンスOracleホームが含まれます。

OMS_INSTANCE_HOME/NodeManager

このディレクトリには、WebLogicノード・マネージャのプロパティ、ログおよびドメイン情報が含まれます。

OMS_INSTANCE_HOME/em

これはOMSインスタンス・ディレクトリで、emgc.propertiesとEnterprise Managerログ・ファイルが含まれます。

OMS_INSTANCE_HOME/user_projects

このディレクトリには、EMGC_ADMINSERVERおよびEMGC_OMS#ドメインとそのログが含まれます。

ORACLE_HOME/sysman/log

このディレクトリには、スキーマ・ログ・ファイルが含まれています。リポジトリ・ログ・ファイルはsysman/log/schemamanagerの下にあります。インストール・ログはORACLE_HOME/cfgtoollogsの下にあります。操作ログはOMS_INSTANCE_HOME/em/EMGC_OMS1/sysman/logの下にあります。


A.3 管理エージェントとともにインストールされるEnterprise Managerのディレクトリの理解

Oracle Management Agentは、Oracle Management Serviceをインストールすると自動的にインストールされます。このOracle Management Agentのローカル・インスタンスにより、Oracle Management Serviceホスト上のターゲットに関する管理情報が収集されます。これにより、これらのターゲット(ホスト自身など)をCloud Controlコンソールから管理できます。

各種のインストール方法を使用して、追加のOracle Management Agentをインストールできます。このため、エンタープライズ全体の各ホストにOracle Management Agentをインストールできます。Oracle Management Agentでは、各ホスト上のターゲットに関する管理データを収集できるため、Cloud Controlコンソールからこれらのターゲットを管理できます。

具体的には、Oracle Management Agentのファイルは、Oracle Management Serviceをインストールした際のagentディレクトリ内の構造と同じディレクトリ構造(図A-1)にインストールされます。

スタンドアロン・エージェントまたはOMSをインストールする場合のエージェント・ディレクトリの構造は同じです。AGENT_BASE_DIRは、エージェントがインストールされるディレクトリで、次のメイン・ディレクトリが含まれます。

  • AGENT_HOME

  • AGENT_INSTANCE_HOME

  • SBIN_HOME

  • PLUGIN_HOME

Oracle Management Agentの実行に必要なファイルが含まれているディレクトリは、AGENT_INSTANCE_HOMEディレクトリと呼ばれます。たとえば、Oracle Management Agentを起動または停止するには、AGENT_INSTANCE_HOMEのbinディレクトリにあるemctlコマンドを使用します。同様に、Oracle Management Agentのファイルを構成するには、AGENT_INSTANCE_HOMEsysman/configディレクトリにある構成ファイルを変更します。エージェントのディレクトリ構造については、図A-2を参照してください。

図A-2 エージェントのディレクトリ構造

前後のテキストで図A-2を説明しています。

A.3.1 Oracle Management Agentホーム内の重要なディレクトリの要約

表A-3では、重要なエージェント・ディレクトリの一部について説明します。

表A-3 Oracle Management Agentホーム内の重要なディレクトリ

ディレクトリ 説明

AGENT_HOME

AGENT_HOMEディレクトリには、このホスト上でOracle Management Agentを構成および実行するために必要なすべてのバイナリが含まれています。

AGENT_HOMEのデフォルトの場所はAGENT_BASE_DIR/core/12.1.0.2.0です。

このディレクトリは、Oracle Management AgentのOracleホームとして使用されます。

AGENT_HOME/bin

このディレクトリには、Oracle Management Agentのバイナリが含まれています。

AGENT_HOME/install

このディレクトリには、エージェントをデプロイするためのインストール関連のファイルが含まれています。

AGENT_HOME/prereqs

このディレクトリには、EMPrereqKitの前提条件ファイルが含まれています。

AGENT_HOME/oui

このディレクトリには、インストーラ・フレーワークに関連するファイルが含まれています。

AGENT_HOME/cfgtoollogs

このディレクトリには、エージェントのデプロイおよび構成のログ・ファイルが含まれています。

AGENT_HOME/EMStage

このディレクトリは、プロビジョニング・アクティビティのプロビジョニング・フレームワークで使用されます。

AGENT_HOME/sysman/admin

このディレクトリには、エージェント・コアのターゲット・タイプ(データベースやホストなど)の定義、構成スクリプトの実行、および他の管理タスクを行う際にOracle Management Agentによって使用されるファイルが含まれています。

AGENT_INSTANCE_HOME

AGENT_INSTANCE_HOMEディレクトリには、エージェントのインストールおよび構成後のエージェント関連のファイルが含まれています。

AGENT_INSTANCE_HOMEのデフォルトの場所はAGENT_BASE_DIR/agent_instです。

AGENT_INSTANCE_HOME/bin

Cloud ControlホームのAGENT_INSTANCE_HOME/binディレクトリには、このホストでOracle Management Agentを制御するためのemctlコマンドが含まれています。

このホスト上でOracle Management Agentを起動および停止するには、このディレクトリ内の次のemctlコマンドを使用します。

<AGENT_INSTANCE_HOME>/bin/emctl start agent

<AGENT_INSTANCE_HOME>/bin/emctl stop agent

AGENT_INSTANCE_HOME/sysman/config

このディレクトリには、Oracle Management Agentの構成ファイルが含まれています。たとえば、Enterprise Managerではemd.propertiesファイルがここに格納されます。emd.propertiesファイルは、このエージェントのOracle Management ServiceアップロードURLなどの設定を定義するものです。

AGENT_INSTANCE_HOME/sysman/log

このディレクトリには、Oracle Management Agentのログ・ファイルが含まれています。

AGENT_INSTANCE_HOME/sysman/emd

emdディレクトリには、ホスト上で検出されたターゲットの情報が含まれています。

SBIN_HOME

このディレクトリには、エージェントのセットUIDが含まれています。デフォルトの場所はAGENT_BASE_DIR/sbinです。

PLUGIN_HOME

このディレクトリには、エージェントに必要な検出および監視のすべてのプラグインが含まれています。

デフォルトの場所はAGENT_BASE_DIR/pluginsです。


A.3.2 WindowsのOracle Management Agentディレクトリ構造の理解

WindowsシステムにOracle Management Agentをインストールした場合、AGENT_HOMEディレクトリのディレクトリ構造は、UNIXシステムにインストールした場合のディレクトリ構造と同様になります。

A.4 emctlコマンド使用時のエージェント・インスタンス・ホームの識別

Cloud Controlをインストールした結果として作成されるディレクトリ構造に、同じ名前のサブディレクトリが複数含まれる場合があります。たとえば、agent_instance_homeディレクトリ内にbinディレクトリが含まれる場合があります。agent_instance_home/binディレクトリ内のemctlコマンドは、Oracle Management Agentを制御するために使用します。

また、Oracle Management ServiceのOracleホームにもbinディレクトリが作成されます。このディレクトリ内のemctlコマンドは、Oracle Management Serviceを制御するために使用します。

特定のbinディレクトリ内のファイルによって制御されるエージェント・インスタンス・ホームを即座に識別するには、次のコマンドを使用します。

$PROMPT> emctl getemhome

このコマンドを使用すると、emctlコマンドのこのインスタンスによって実行されるコマンドの影響を受ける現行のエージェント・インスタンス・ホームへのパスが表示されます。