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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド
12cリリース4 (12.1.0.4)
B65084-14
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1 Enterprise Manager Cloud Controlの概要

この章では、Oracle Enterprise Manager Cloud Control(Enterprise Manager Cloud Control)の概要、そのアーキテクチャ、およびこの製品に統合されている様々なコア・コンポーネントについて説明します。

この章では、次の項目について説明します。


注意:

これまでのEnterprise Manager Cloud Controlリリースの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

1.1 Enterprise Manager Cloud Controlの概要

Enterprise Manager Cloud Controlは、OracleおよびOracle以外のテクノロジを実行するシステムを含むITインフラストラクチャ全体に対して、集中化された監視機能、管理機能およびライフ・サイクル管理機能を提供するシステム管理ソフトウェアです。

ご使用の環境は複数のOracle Database、Oracle WebLogic Serverと、そこにデプロイされたWebアプリケーション、ターゲットを稼働しているホストから構成されている可能性があります。個々の製品のコンソールを使用して、各ターゲットのステータスを監視することは可能ですが、複数のコンソール・ウィンドウを切り替えたり、多くのウィンドウを使用して各ターゲットのパフォーマンスを追跡するのは効率的ではありません。

Enterprise Manager Cloud Controlは、Oracle ITインフラストラクチャ全体を単一のコンソールから監視および管理できるソリューションを提供します。さらに、ビジネス指向のIT管理とビジネス中心のトップダウン型アプリケーション管理をサポートし、ビジネス・サービス、ユーザー・エクスペリエンス、インフラストラクチャの管理を行います。また、IBM WebSphere Application Server、Microsoft SQL Server、Juniper Networks NetScreen Firewallなど、Oracle以外の特定の製品監視もサポートしています。

図1-1 Enterprise Manager Cloud Controlのコンソール

Enterprise Manager Cloud Controlのコンソール

エンドツーエンドの監視、管理、構成管理、プロビジョニングおよびセキュリティ機能などの幅広い機能により、Enterprise Manager Cloud Controlは、コンピューティング環境の管理コストや複雑さを軽減します。Enterprise Manager Cloud Controlの堅牢なサービス・レベルの管理機能が提供する豊富なトランザクションおよびエンドユーザー・パフォーマンスの監視、ならびに複数階層のインターネット・アプリケーションの詳細な診断を利用することでサービス・レベルが劇的に向上します。

Enterprise Manager Cloud Controlの詳細は、次のURLにアクセスしてください。

http://www.oracle.com/us/products/enterprise-manager/index.html

1.2 Enterprise Manager Cloud Controlのアーキテクチャ

Enterprise Manager Cloud Controlには、次のコンポーネントが含まれています。

  • Oracle Management Agent

  • Oracle Management Service

  • Oracle Management Repository

  • プラグイン

  • Enterprise Manager Cloud Controlのコンソール

図1-2はEnterprise Manager Cloud Controlのアーキテクチャの一例を示したもので、これらのコア・コンポーネントがアーキテクチャにどのように組み込まれているのかを示しています。

図1-2 Enterprise Manager Cloud Controlのアーキテクチャ

Enterprise Manager Cloud Controlのアーキテクチャ

注意:

図1-2では、ロード・バランサと複数のOMSインスタンスを使用して、大規模な組織におけるEnterprise Manager Cloud Controlアーキテクチャの例を示しています。これはEnterprise Managerシステムのインストールの前提条件や要件ではありません。ロード・バランサがなければ、管理エージェントはOMSインスタンスと直接通信します。

以降の各項では、Enterprise Manager Cloud Controlのコア・コンポーネントについて説明します。

Oracle Management Agent(管理エージェント)

管理エージェントは組み込まれたソフトウェア・コンポーネントで、Enterprise Managerシステムで管理対象外ホストを管理対象ホストに変換できます。管理エージェントはプラグインと連携することにより、管理対象ホスト上で実行されているターゲットを監視します。

Oracle Management Service (OMS)

OMSは、管理エージェントおよびプラグインと連携し、ターゲットを検出して、その監視および管理を行い、将来の参照および分析のために収集した情報をリポジトリ内に格納するWebベースのアプリケーションです。OMSは、Enterprise Manager Cloud Control用のユーザー・インタフェースもレンダリングします。OMSは、Oracle WebLogic Serverホーム、OMSホーム、管理エージェント・ホーム、プラグイン・ホーム、Java Development Kit (JDK)、OMSインスタンスのベース・ディレクトリ、Oracle WTディレクトリ、Oracle Commonディレクトリなど、関連する構成ファイルおよびディレクトリの親ディレクトリであるOracle Middlewareホーム(ミドルウェア・ホーム)にデプロイされます。使用している環境内にOracle WebLogic Serverがない場合は、OMSのデプロイ中に、Enterprise Manager Cloud Controインストール・ウィザードによってインストールされます。その結果、WebLogic Server管理コンソールもインストールされます。

Oracle Management Repository(管理リポジトリ)

管理リポジトリは、管理エージェントが収集したすべての情報が保存される場所です。データベース・ジョブ、パッケージ、プロシージャ、ビュー、表領域などのオブジェクトから構成されます。

OMSは、管理エージェントから受け取った監視データを管理リポジトリにアップロードします。その後、管理リポジトリは、データをOMSで検索したり、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールで表示できるように構成します。データは管理リポジトリに格納されるため、Enterprise Manager Cloud Controlにアクセスする任意の数の管理者間で共有できます。

インストール時に、Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードが、既存の動作保証済データベース内に管理リポジトリを構成します。ただしこのウィザードは新しいデータベースのインストールは行いません。

プラグイン

プラグインは、特定のターゲット・タイプに合せてカスタマイズされた特殊な管理機能を提供するプラガブル・エンティティです。Enterprise Managerのこれまでのリリースとは異なり、Enterprise Manager Cloud Controlでは、プラグインはOMSおよび管理エージェントと連携して機能し、環境内の各ターゲットの監視を行います。したがって、OMSと管理エージェントの両方にデプロイされます。以前のリリースでは、プラグインでの監視はサード・パーティ・ターゲットに限定されていましたが、Enterprise Manager Cloud Controlでは環境内のすべてのターゲット・タイプを監視することができます。

プラグインには個別のリリース・サイクルがあるので、新しいOracle製品バージョンがリリースされるたびに、その新製品をEnterprise Manager Cloud Controlで監視するために新しいプラグイン・バージョンがリリースされます。これにより新しい製品バージョンのサポートのためにEnterprise Managerシステムのアップグレードを待つ必要がなくなり、プラグインをアップグレードして新しい製品バージョンを監視できるので、作業が簡単になります。

表1-1は、新しいEnterprise Managerシステムにインストールされるデフォルトのプラグインを示しています。これらのプラグイン以外に、ソフトウェア・キット(DVD、ダウンロードしたソフトウェア・バンドルなど)に含まれている他のプラグインをオプションでインストールできます。オプションのプラグインを選択してインストールできる画面がインストーラで用意されています。

表1-1 Enterprise Manager Cloud Controlでインストールされるデフォルトのプラグイン

名前 説明

Oracleデータベース

Oracle DatabaseおよびOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)などの関連ターゲットを検出、監視および管理できます。

Oracle Fusion Middleware

Oracle WebLogic Domain、Oracle WebLogic AdminServer、Oracle WebLogic Server、Oracle SOA Suite、Oracle Web TierなどのOracle Fusion Middleware製品を検出、監視および管理することができます。

My Oracle Support

Cloud Controlコンソール内からのMy Oracle Supportへのログイン、ノートおよびドキュメントのナレッジ・ライブラリの検索、サービス・リクエストの呼出し、監視ターゲットのパッチを適用するパッチ計画およびテンプレートの作成を実行できます。

Oracle Exadata

Oracle Exadataターゲットを検出、監視および管理できます。

Oracle Cloud Framework

Middleware as a Service (MWaaS)、Database as a Service (DBaaS)、Infrastructure as a Service (IaaS)およびTesting as a Service (TaaS)などのクラウド・サービス間で共通の基本機能にアクセスできます。


Enterprise Manager Cloud Controlのコンソール

Enterprise Manager Cloud Controlのコンソールは、Enterprise Manager Cloud Controlをインストールすると表示されるユーザー・インタフェースです。このコンソールでは、コンピューティング環境全体の監視および管理をネットワーク上の1箇所から行うことができます。エンタープライズ・アプリケーション・システム、データベース、ホスト、ミドルウェア・アプリケーション・サーバー、リスナーなどのすべてのシステムおよびサービスを、単一の場所から簡単に管理できます。