| Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド 12c リリース5 (12.1.0.5) B65085-18 |
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注意: アップグレードした場合に、前のリリースのEnterprise Managerが複数のBI Publisherサーバーについて構成されていたときも、この章の手順を繰り返す必要があります。以前のEnterprise Managerリリースの既存の共有ストレージは引き続き使用できます。 |
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注意: 高可用性環境で(サーバー・ロード・バランサ(SLB)の背後で) Enterprise Managerを実行している場合は、次の点に注意してください。
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Enterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)以降では、複数のBI Publisherサーバーと連携するEnterprise Managerを構成できます。
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重要: それより前のバージョンのEnterprise Managerは、この章で説明するBI Publisherの複数サーバー環境をサポートしません。 |
この章の内容は次のとおりです。
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注意: BI Publisherソフトウェアは、Enterprise Manager 12.1.0.4以上がインストールされているすべてのシステムに自動でインストールされます。この章では、このようなシステムでBI Publisherサーバーを構成する手順について説明します。 |
Enterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)以上では、複数のBI PublisherサーバーをEnterprise Managerに統合できます。
追加のBI Publisherサーバーを追加する前に、最初のBI Publisherを構成する必要があります。詳細は、Enterprise Managerアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイドの、BI PublisherとEnterprise Managerとの統合に関する説明を参照してください。最初のBI PublisherサーバーはBIPと呼ばれ、プライマリBI Publisherサーバーとして参照されます。
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注意: BI Publisher複数サーバー環境は、Microsoft WindowsプラットフォームのEnterprise Manager 12cリリース4 (12.1.0.4)以上ではサポートされません。 |
BI Publisherは、すべての構成データおよびレポート定義を、オペレーティング・システムのファイルシステム・ベースのリポジトリに格納します。そのため、複数のBI Publisherサーバーをサポートするには、BI Publisherを実行するすべてのOMSシステムから、このファイルシステムへの読取り/書込み権限を有効にする必要があります。これは、標準のネットワーク・ファイルシステム・テクノロジを使用して実現します。
複数のBI Publisherサーバーを実装する場合は、BI Publisherの共有ストレージ・ファイルシステムでも高可用性を実現する必要があります。このファイルシステムは、標準のオペレーティング・システム・コマンドまたは業務用のバックアップ・ソリューションを使用して、定期的に(毎日または毎時などの頻度で)バックアップする必要があります。また、RAID (Redundant Array of Inexpensive Drives)ストレージ・デバイスなどの高可用性ディスク・ソリューションを使用することを強くお薦めします。少なくともRAID 1 (冗長性)を使用してください。その他のRAIDレベル(RAID5、RAID0+1など)も使用できます。RAID0は、冗長性ではなく速度を目的としているため、使用できません。RAID1自体はバックアップ・ソリューションではありません。RAID1は、ディスク・ドライブ障害からの保護を実現しますが、それでも定期的なバックアップは必要です。このネットワーク・ストレージ・デバイス上に保存されているファイルを損失すると、すべてのBI Publisherサーバー(プライマリとセカンダリの両方)が機能しなくなります。
RAIDストレージ・デバイスを構成したら、BI Publisherをインストールするすべてのシステムにマウントする必要があります。マウントには標準のオペレーティング・システム・コマンドを使用できます(NFSなど)。ストレージ・デバイス上の2つのディレクトリをBI Publisherファイル専用にする必要があります。これらはクラスタ・ボリュームおよび構成ボリュームと呼ばれます。
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注意: BI Publisher共有記憶域を構成するための領域要件は、レポート・カタログとそれに関連する管理情報の格納に必要な領域の容量に応じて異なります。インストール時、BI Publisherリポジトリは約400MBの記憶域を使用します。最初は、BI Publisher共有記憶域として10Gを利用できるようにします。その後、追加のEnterprise Managerプラグインをインストールし、より多くのレポートを作成するにつれて、必要な領域は増大します。そのため、この記憶域は、将来容易に拡張できるようにしてください。 |
追加のBI PublisherサーバーをEnterprise Managerに追加する前に、BI Publisherを再構成して、この共有ストレージ・デバイスを使用できるようにする必要があります。これには、プライマリOMSシステムで次のコマンドを実行します。
emctl config oms -bip_shared_storage -config_volume <vol1> -cluster_volume <vol2>
プライマリBI Publisherサーバーを構成し、共有記憶域を構成したら、追加のOMSシステムでセカンダリBI Publisherサーバーを有効にしますが、これにはいくつかの方法があります。
標準の「Oracle Management Serviceの追加」プロビジョニング・ジョブを使用します。プライマリBI Publisherサーバーの構成後にこのプロビジョニング・ジョブを実行すると、セカンダリBI Publisherサーバーを使用して追加のOMSシステムが自動的に構成されます。
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注意: プライマリBI Publisherサーバーを構成する場合、「Oracle Management Serviceの追加」プロビジョニング・ジョブは、BI Publisherが再構成されて共有ストレージ・デバイスを使用できるようになるまで利用できません。 |
「Oracle Management Serviceの追加」プロビジョニング・ジョブがすでに実行されている場合、または追加のOMSシステムが構成済の場合は、次のコマンドを使用してセカンダリBI Publisherを既存の追加OMSシステムに追加できます。
configureBIP -addBIP
このコマンドは、追加のOMSが存在するシステム上で実行する必要があります。
BI Publisherの共有記憶域の場所の特定
BI Publisherの共有記憶域の場所は、Enterprise Manager OMSプロパティとして格納されています。次のemctlコマンドを使用して、共有記憶域の場所を問い合せることができます。
emctl get property -name oracle.sysman.core.eml.ip.bip.SharedStorageConfigVolume emctl get property -name oracle.sysman.core.eml.ip.bip.SharedStorageClusterVolume
例:
-bash-3.2$ emctl get property -name oracle.sysman.core.eml.ip.bip.SharedStorageConfigVolume Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c Release 4 Copyright (c) 1996, 2014 Oracle Corporation. All rights reserved. SYSMAN password: Value for property oracle.sysman.core.eml.ip.bip.SharedStorageConfigVolume at Global level is /oracle/BIP/config
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重要: UNIXのNetwork File System (NFS)をBI Publisher共有記憶域に使用する場合、NFSオートマウンタによって管理されるNFSボリュームを使用しないでください(NFSオートマウンタは通常、/netディレクトリ(固定でないマウント・ポイント)をマウントするため)。かわりに、固定のマウント・ポイントを使用するNFSマウントを使用します。たとえば、/oracle/em/BIPなどです。 |
前述の概要説明のとおり、複数のBI Publisherサーバーをサポートするには、次のコマンドを実行する必要があります。
emctl config oms -bip_shared_storage -config_volume <vol1> -cluster_volume <vol2>
これらのボリューム(前の項で示したvol1およびvol2など)の記憶域の場所は、いつでも使用できるように保持してください。これらのファイルを削除しないでください。
このコマンドは、WebLogic管理サーバーのパスワードと、リポジトリ・ユーザー(SYSMAN)のパスワードを求めるプロンプトを表示します。
コマンドは次の手順を実行します。
指定された資格証明を検証します。
いくつかの前提条件テストを実行します。これには次のものがあります。
2つのボリュームが、以前に構成した共有ストレージ・ボリュームと同一であってはなりません(存在する場合)。
2つのボリュームが個別のものである必要があります。
2つのボリュームに対応するファイルシステムのマウント・ポイントが存在する必要があります。
2つのボリュームは完全に空である必要があります。
2つのボリュームが書込み可能である必要があります。
ローカル・システム上のBI Publisherサーバー(BIPという名前のBI Publisherサーバー)が停止されます。
既存のBI Publisherファイルシステムベースのリポジトリ(BI Publisherの構成時にインストールされたもの)が、構成ボリューム(-config_volume)にコピーされます。
BIPという名前のプライマリBI Publisherサーバーが再構成されて、クラスタ・ボリューム(-cluster_volume)に格納されたWebLogic JMSキューおよびWebLogic永続ストア(BI Publisherのスケジューラによって使用される)を使用するようになります。
BI Publisherのスケジューラが再構成されて、複数のBI Publisherサーバーをサポートし、前述の新しい場所を使用できるようになります。
2つのボリュームの値は、Enteprise Managerリポジトリ・データベースにOMSプロパティとして格納されます。
プライマリBI Publisherが構成されて、新しい構成ボリュームを指すようになります。
BI Publisherが起動されます。
全体的なステータスが表示されます。
次の例は、emctl config oms -bip_shared_storageコマンドを実行すると生成される出力を示しています。
$ emctl config oms -bip_shared_storage -config_volume /BIP_STORAGE/config -cluster_volume /BIP_STORAGE/cluster Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c Release 4 Copyright (c) 1996, 2014 Oracle Corporation. All rights reserved. Enter Admin User's Password : Enter Enterprise Manager Root (SYSMAN) Password : Stopping BI Publisher Server... BI Publisher Server Successfully Stopped BI Publisher Server is Down Copying The BI Publisher repository from the location '...........gc_inst/user_projects/domains/GCDomain/config/bipublisher/repository' to the location '/BIP_STORAGE/config/bipublisher/repository'. This can take some time. Do not interrupt this command while it is running. Copied BI Publisher repository to the location '/BIP_STORAGE/config/bipublisher/repository' Configuring BI Publisher server named 'BIP' for use in a High Availability environment. This operation can take some time. Do not interrupt this command while it is running. Updating BI Publisher Scheduler configuration ... Updating BI Publisher shared storage properties ... The BI Publisher properties have been updated. The BI Publisher storage for configuration data is in the location '/BIP_STORAGE/config' The BI Publisher storage for cluster data is '/BIP_STORAGE/cluster' BI Publisher has been configured to point to the BI Publisher repository in the location '/BIP_STORAGE/config' Starting BI Publisher Server ... BI Publisher Server Successfully Started BI Publisher Server is Up BI Publisher storage has been configured for the BI Publisher server named 'BIP' running at the URL: https://em.example.com:9702/xmlpserver Overall result of operations: SUCCESS
前述したように、追加のBI Publisherサーバーを構成する方法は2つあります。使用する方法は、プライマリBI Publisherサーバーを構成するタイミングによって異なり、これは「OMSの追加」プロビジョニング・ジョブ(または他の方法)で追加のOMSサーバーを作成するタイミングに関連します。次のパスに、これらの方法を示します。
パスA
Enterprise Managerのインストール
configureBIPまたはconfigureBIP -upgradeを使用して、プライマリBI Publisherサーバーを構成します。
emctl config oms -bip_shared_storageを使用して、BI Publisherの共有記憶域を構成します。
「OMSの追加」プロビジョニング・ジョブを使用してOMSを追加します。
セカンダリBI Publisherサーバーが追加のOMSシステムとともに自動的に構成されます。
パスB
Enterprise Managerのインストール
「OMSの追加」プロビジョニング・ジョブ(または、ソフトウェアのみインストールするなどの他の手段)を使用してOMSを追加します。
configureBIPまたはconfigureBIP -upgradeを使用して、プライマリBI Publisherサーバーを構成します。
emctl config oms -bip_shared_storageを使用して、BI Publisherの共有記憶域を構成します。
複数のBI Publisherサーバーを実行する追加のOMSシステム上で、configureBIP -addBIPを使用して追加のBI Publisherサーバーを構成します。
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注意: configureBIP -addBIPコマンドを実行するには、現在のシステムのOMSが実行されている必要があります。次の例に示すように、emctl status omsコマンドを実行してこれを確認できます。$ emctl status oms Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c Release 4 Copyright (c) 1996, 2015 Oracle Corporation. All rights reserved. WebTier is Up Oracle Management Server is Up |
この2つのパスが示すとおり、プライマリBI Publisherサーバーをいつ構成するかを決定すると、セカンダリBI Publisherサーバーを追加するために必要な前提条件を確認できます。
Enterprise ManagerのHAインストールを構築してBI Publisherのレポート作成機能を活用することを計画している場合は、パスAの方が簡単な方法です。追加したすべての追加OMSシステムに、セカンダリBI Publisherが自動的に構成されます。
アドバンスト・インストレーションおよび構成ガイドのBI PublisherとEnterprise Managerとの統合に関する説明を参照してください。
プライマリBI Publisherサーバーをインストールし、正常に動作することを検証したら(詳細はこの章で説明)、共有記憶域を使用するためのBI Publisherの再構成に進むことができます。「共有ストレージ・デバイスを使用するためのBI Publisherの再構成」を参照してください。
BI Publisherの共有記憶域を構成すると、「OMSの追加」プロビジョニング・ジョブが、構成されたBI Publisherを認識するようになります。ここで必要な操作は、追加のOMSシステムで、プライマリBI Publisherサーバー用のHTTPおよびHTTPSポートを入力することのみです。「OMSの追加」プロビジョニング・ジョブが、前提条件の手順を実行して、BI Publisherの共有記憶域が構成されていることを確認します。セカンダリBI Publisherサーバーの自動構成でエラーが発生した場合は、パスBにフォールバックできます。
Enterprise Managerトポロジにすでに追加OMSシステムが含まれていて、プライマリBI Publisherサーバーがまだ構成されていない場合には、プライマリBI Publisherサーバーを使用可能にするための追加の手順と、追加のOMSシステムでセカンダリBI Publisherサーバーを構成するための1つ以上の手順があります。
詳細は、Enterprise Managerアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイドのBI PublisherとEnterprise Managerとの統合に関する説明を参照してください。
プライマリBI Publisherサーバーをインストールしたら(また、前述したように正常に動作することを検証したら)、共有記憶域を使用するためのBI Publisherの再構成に進むことができます。
セカンダリBI Publisherサーバーを実行する各追加OMSシステムで、configureBIP -addBIPコマンドを実行する必要があります。
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注意: このコマンドは、プライマリOMSシステムが存在するシステムではなく、追加のOMSシステムをホストするシステム上で実行します。 |
次の例に、追加のOMSシステムでセカンダリBI Publisherサーバーを構成するときのコマンド出力を示します。
$ configureBIP -addBIP Configuring BI Publisher Version "11.1.1.7.0" to work with Enterprise Manager Logging started at /oracle/Middleware/oms/cfgtoollogs/bip/bipca_20140221125351.log. A new BI Publisher server is going to be added. Do You really want to add a BI Publisher server (Y|N):y Enter sysdba user name (sys): Enter sysdba user password: Enter Administration Server user password: Configuring BI Publisher in Oracle Home located in /oracle/Middleware/Oracle_BI1 ... Enter an integer between 9701 and 49152 for the BI Publisher HTTP server port. (9701): Enter an integer between 9702 and 49152 for the BI Publisher HTTPS server port. (9702): Configuring BI publisher on additional OMS system. This operation can take some time. Do not interrupt this command while it is running... Locking Enterprise Manager ... OMS Console is locked. Access the console over HTTPS ports. Restart OMS. Restarting Enterprise Manager ... Stopping Enterprise Manager, this can take some time ... Starting Enterprise Manager. This operation can take some time. Do not interrupt this command while it is running. OMS Started Successfully Successfully configured additional BI Publisher server.
セカンダリBI Publisherサーバーの構成でパスAまたはBのどちらを選択したかに関係なく、emctl status omsコマンドを使用して、構成が正常であることを確認できます。
$ emctl status oms Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c Release 4 Copyright (c) 1996, 2014 Oracle Corporation. All rights reserved. WebTier is Up Oracle Management Server is Up BI Publisher Server is Up
セカンダリBI Publisherサーバーの情報を取得するには、次のコマンドを実行します。
emctl status oms -details
セカンダリBI Publisherサーバーのサーバー名はBIPxで、xはOMSのサーバー番号と一致します(たとえば、EMGC_OMS2 : BIP2、EMGC_OMS3 : BIP3)。
$ emctl status oms -details Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c Release 4 Copyright (c) 1996, 2014 Oracle Corporation. All rights reserved. Enter Enterprise Manager Root (SYSMAN) Password : Console Server Host : em.example.com HTTP Console Port : 7788 HTTPS Console Port : 7799 HTTP Upload Port : 4889 HTTPS Upload Port : 4900 EM Instance Home : /oracle/gc_inst/em/EMGC_OMS2 OMS Log Directory Location : /oracle/gc_inst/em/EMGC_OMS2/sysman/log OMS is not configured with SLB or virtual hostname Agent Upload is locked. OMS Console is locked. Active CA ID: 1 Console URL: https://em.example.com:7799/em Upload URL: https://em.example.com:4900/empbs/upload WLS Domain Information Domain Name : GCDomain Admin Server Host : emas.example.com Admin Server HTTPS Port: 7101 Oracle Management Server Information Managed Server Instance Name: EMGC_OMS2 Oracle Management Server Instance Host: em.example.com WebTier is Up Oracle Management Server is Up BI Publisher Server is Up BI Publisher Server named 'BIP2' running at local URL: https://em.example.com:7799/xmlpserver BI Publisher Server Logs: /oracle/gc_inst/user_projects/domains/GCDomain/servers/BIP2/logs/ BI Publisher Log : /oracle/gc_inst/user_projects/domains/GCDomain/servers/BIP2/logs/bipublisher/bipublisher.log
