Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース1 (12.1.0.1)および12cリリース2 (12.1.0.2)では、中央エージェントのエージェント・ベース・ディレクトリはデフォルトでOracle Middleware Home (ミドルウェア・ホーム)内に保持されます。中央エージェントとは、デフォルトで最初のOracle Management Service (OMS)とともにデプロイされるOracle Management Agentです。
しかし、Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース3 (12.1.0.3)以上では、エージェント・ベース・ディレクトリをミドルウェア・ホーム内に保持することもできますが、ミドルウェア・ホーム外に保持することを強くお薦めします。各12cのアップグレードはアウトオブプレース・アップグレードであるため、アップグレード後のリリース用に新しいミドルウェア・ホームが作成されます。エージェント・ベース・ディレクトリをミドルウェア・ホーム外に保持すると、旧リリースのミドルウェア・ホームに依存しなくなるため、旧リリースのミドルウェア・ホームが必要ない場合は簡単に削除できます。
したがって、新しい12cリリース3 (12.1.0.3)、12cリリース4 (12.1.0.4)または12cリリース5 (12.1.0.5)のOMSをインストールした場合、作成された中央エージェント・ベース・ディレクトリはデフォルトで(ミドルウェア・ホーム内に保持することを選択しなければ)ミドルウェア・ホーム外にあります。同様に、新しくインストールされた12cリリース3 (12.1.0.3)または12cリリース4 (12.1.0.4)のOMSから12cリリース4 (12.1.0.4)または12cリリース5 (12.1.0.5)にそれぞれアップグレードした場合、アップグレードされたエージェント・ベース・ディレクトリはデフォルトで(旧リリースのミドルウェア・ホーム内に保持することを選択しなければ)ミドルウェア・ホーム外にあります。
しかし、12cリリース1 (12.1.0.1)から12cリリース2 (12.1.0.2)または12cリリース3 (12.1.0.3)にアップグレードしてから、12cリリース4 (12.1.0.4)または12cリリース5 (12.1.0.5)にアップグレードした場合、中央エージェント・ベース・ディレクトリは(ミドルウェア・ホーム外にまだ移行されていなければ)依然としてミドルウェア・ホーム内にあります。中央エージェント・ベース・ディレクトリは、必要に応じて、ミドルウェア外の場所に移行することもできます。
中央エージェント・ベース・ディレクトリをOracleミドルウェア・ホーム外に移動できるのは1回のみであることに注意してください。中央エージェント・ベース・ディレクトリがミドルウェア・ホームの外に移動されると、以降のアップグレード後にも同じ場所に存在し続けます。
中央エージェントが(12.1.0.1から) 12.1.0.2、または(12.1.0.1または12.1.0.2から) 12.1.0.3へアップグレードされている場合で、中央エージェント・ベース・ディレクトリをOracleミドルウェア・ホーム外に移動しようとする場合は、My Oracle Supportのノート1520010.1で概説されている手順に従ってください。
12.1.0.5または12.1.0.4の中央エージェント(当初はリリース12.1.0.1だったものが12.1.0.2または12.1.0.3にアップグレードされ、再度12.1.0.4または12.1.0.5にそれぞれアップグレードされたもの)のエージェント・ベース・ディレクトリをミドルウェア・ホーム外の場所に移動しようとする場合、次の手順に従います。
重要:
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次のスクリプトを実行します。
<AGENT_HOME>/perl/bin/perl <AGENT_HOME>/sysman/install/create_plugin_list.pl -instancehome <AGENT_INSTANCE_HOME>
<AGENT_HOME>
は現在の中央エージェントのOracleホームを表し、<AGENT_INSTANCE_HOME>
は現在の中央エージェントのインスタンス・ホームを表します。
agentimage.properties
ファイルを編集し、SBIN_MODIFIED_VERSION
パラメータを12.1.0.5.0に設定します。
<AGENT_BASE_DIRECTORY>/agentimage.properties
次のスクリプトを実行します。
<AGENT_HOME>/perl/bin/perl <AGENT_HOME>/sysman/install/ConvertToStandalone.pl -instanceHome <AGENT_INSTANCE_HOME> -newAgentBaseDir <AGENT_BASE_DIRECTORY>
<AGENT_HOME>
は現在の中央エージェントのOracleホームを、<AGENT_INSTANCE_HOME>
は新しい中央エージェントのインスタンス・ホームを、<AGENT_BASE_DIRECTORY>
は中央エージェント・ベース・ディレクトリの移行先となる場所をそれぞれ表します。
移行が成功したかどうかを確認するには、Cloud Controlコンソールに切り替えて次の手順を実行します。
「ターゲット」メニューから「すべてのターゲット」を選択します。中央エージェントのターゲットを選択します。「管理エージェント」ホームページの「サマリー」セクションで、Oracleホームのパスおよびエージェントの状態ディレクトリのパスを確認します。これらのパスの両方が新しい場所を示していることを確認します。
中央エージェントによって監視されているターゲットのホームページにアクセスします。これらのターゲットのステータスをチェックします。これらが稼働し実行中であることを確認します。