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SPARC プラットフォームでの Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
1. SPARC ベースシステムのブートおよびシャットダウン (概要)
SPARC ベースシステムのブートおよびシャットダウン (トピックマップ)
システムがマルチユーザー状態 (実行レベル 3) にブートされたときの処理
2. 指定された状態への SPARC ベースシステムのブート (手順)
5. SPARC ベースシステムのネットワークからのブート (手順)
6. SPARC ベースシステムでのブートパラメータの変更 (手順)
7. SPARC プラットフォームでの ZFS ブート環境の作成と管理、およびこのブート環境からのブート (手順)
8. SPARC ベースシステムのブート可能状態の維持 (手順)
Oracle Solaris SPARC ブートアーキテクチャーには次の基本特性が含まれています。
ブートアーカイブの使用
ブートアーカイブとは、システムのブートに必要なすべてのファイルが含まれている RAM ディスクイメージのことです。
ブート管理インタフェースを使用した Oracle Solaris ブートアーカイブの整合性の維持
bootadm コマンドは、ブートアーカイブの更新と検証を細部にわたって処理します。インストールまたはアップグレードの間、bootadm コマンドは初期ブートアーカイブを作成します。通常のシステムシャットダウンの処理中に、シャットダウンプロセスではブートアーカイブの内容がルートファイルシステムと比較されます。システムにドライバや構成ファイルなどの更新がある場合、ブートアーカイブがこれらの変更を含むように再構築されることによって、リブート時にブートアーカイブとルートファイルシステムの同期がとられます。bootadm コマンドを使用して、ブートアーカイブを手動で更新することができます。手順については、「ブートアーカイブの整合性の維持」を参照してください。
注 - 一部の bootadm コマンドオプションは SPARC プラットフォームに適用されません。
詳細は、bootadm(1M) および boot(1M) のマニュアルページを参照してください。
インストール中のルートファイルシステムとしての RAM ディスクイメージの使用
このプロセスは、SPARC および x86 の両方のプラットフォームで同じです。RAM ディスクイメージは、ブートアーカイブから生成されたあと、ブートデバイスからシステムに転送されます。
注 - SPARC プラットフォームでは、OpenBoot PROM を引き続き使用してブートデバイスにアクセスし、ブートアーカイブをシステムのメモリーに転送します。
ソフトウェアをインストールする場合、RAM ディスクイメージは、インストールプロセス全体に使用されるルートファイルシステムになります。RAM ディスクイメージを使用するとブートプロセスが速くなります。これは、Oracle Solaris とドライバおよび必要なアプリケーションが、リムーバブルメディアから 1 回読み込まれてメモリーに配置されるためです。その後システムは、RAM ディスクに基づいてインストールプロセスを実行します。RAM ディスクファイルシステムのタイプには、HSFS (High Sierra File System) を指定できます。
このセクションでは Oracle Solaris SPARC プラットフォーム上の基本的なブートプロセスについて説明します。サービスプロセッサを持つシステムや、複数の物理ドメインを持つシステムなど、特定のハードウェアタイプ上のブートプロセスについての詳細は、http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html にある特定ハードウェアについての製品ドキュメントを参照してください。
スタンドアロンプログラムの読み込みと実行のプロセスをブートストラップと呼びます。通常、スタンドアロンプログラムはオペレーティングシステムカーネルです。ただし、カーネル以外の任意のスタンドアロンプログラムをブートできます。
SPARC プラットフォームでは、ブートストラッププロセスは次の基本フェーズで構成されます。
システムをオンに設定したあと、システムファームウェア (PROM) は電源投入時自己診断 (POST) を実行します。
診断テストが正常に完了したあと、マシンのファームウェアが使用する不揮発性記憶領域に適切なフラグが設定されていれば、ファームウェアは自動ブートを試みます。
第 2 レベルのプログラムは、ディスクからブートする場合はファイルシステム固有のブートブロック、ネットワーク経由または自動インストーラ (AI) ユーティリティーを使用してブートする場合は inetboot と wanboot のいずれかです。
ネットワークブートプロセスは次のとおりです。
最初に、クライアントは二次ブーターをロードするために必要な IP アドレスおよびその他のパラメータを取得します。
次に、二次ブーターがブートデバイスからブートアーカイブをロードします。
SPARC ベースシステムをネットワークからブートする場合の詳細については、第 5 章SPARC ベースシステムのネットワークからのブート (手順)を参照してください。
Oracle Solaris 10 リリース以降では、SPARC プラットフォームのブートプロセスは、x86 プラットフォームとの共通点を増やすために変更されて拡張されました。
次の 4 つのブートフェーズは、互いに独立しています。
オープンブート PROM フェーズ
SPARC プラットフォーム上でのブートプロセスのオープンブート PROM (OBP) フェーズは変更されていません。
ディスクデバイスの場合、ファームウェアドライバは通常 OBP ラベルパッケージの「読み込み」メソッドを使用します。このメソッドは、ディスクの先頭にある VTOC ラベルを解析して、指定されたパーティションを見つけます。 そして、パーティションのセクター 1 - 15 がシステムのメモリーに読み込まれます。この領域は一般にブートブロックと呼ばれ、通常はファイルシステムリーダーが格納されています。
ブーターフェーズ
このフェーズの間に、ブートアーカイブが読み取られ、実行されます。ブートファイルシステムの形式を認識しておく必要があるのは、ブートプロセスのこのフェーズだけです。ブートローダーとブートアーカイブの転送に使用されるプロトコルには、ローカルディスクアクセス、NFS、および HTTP があります。
RAM ディスクフェーズ
RAM ディスクは、Oracle Solaris のインスタンスのブートに必要なカーネルモジュールおよびその他のコンポーネントで構成されるブートアーカイブです。
カーネルフェーズ
カーネルフェーズは、ブートプロセスの最終段階です。このフェーズの間に、Oracle Solaris が初期化され、ブートアーカイブから構築された RAM ディスク上に最小ルートファイルシステムがマウントされます。インストールなどの一部の環境では、RAM ディスクはルートファイルシステムとして使用され、マウントされたままになります。RAM ディスクには、指定されたルートデバイス上にルートファイルシステムをマウントするために十分な 1 組のカーネルファイルおよびドライバが格納されます。
そして、カーネルはブートアーカイブから主モジュールの残りを抽出し、それ自体を初期化し、実際のルートファイルシステムをマウントして、ブートアーカイブを破棄します。