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カスタム Oracle Solaris 11 インストールイメージの作成 Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
ディストリビューションコンストラクタは、事前構成済みの Oracle Solaris イメージを作成するためのコマンド行ツールです。このツールは XML マニフェストファイルを入力として受け取り、マニフェストファイルに指定されているパラメータに基づいて、イメージを構築します。
ディストリビューションコンストラクタは、ISO イメージを構築できます。ISO イメージは、International Organization for Standardization (ISO) によって定義された形式の光学式ディスクのアーカイブファイルで、ディスクイメージとも呼ばれます。また、生成された ISO イメージに基づいて、USB イメージを作成することもできます。ただし、USB イメージは ISO イメージとは異なり、x86 システムでのみ作成および使用できます。
次の事項に注意してください。
イメージの構成に応じて、ISO イメージや USB イメージを起動可能にすることもできます。
ISO イメージと USB イメージは、どちらもシステムにインストールしたり、ライブメディア環境で実行したりできます。
ISO イメージは、CD または DVD に書き込むことができます。
USB イメージは、フラッシュ ドライブにコピーできます。
ISO イメージおよび USB イメージは、どちらもインターネットで配布できます。
ディストリビューションコンストラクタでは、さまざまな種類のフラッシュメモリーデバイスで動作する USB イメージを作成できます。ただし、Oracle Solaris リリースでドライバがサポートされているデバイスに限ります。USB イメージを USB フラッシュドライブにコピーするには、usbcopy ユーティリティーを使用する必要があります。この usbcopy ユーティリティーは、distribution-constructor パッケージに付属しています。
ディストリビューションコンストラクタでは、次の種類の Oracle Solaris イメージを作成できます。
Oracle Solaris x86 LiveCD – Oracle Solaris リリースとして配布される LiveCD イメージと互換性がある x86 ISO イメージを作成できます。また、パッケージを追加または削除することにより、この ISO イメージの内容を変更できます。作成されたブート環境のデフォルト設定を変更して、カスタムの ISO イメージまたは USB イメージを作成することもできます。
注 - LiveCD イメージに含まれるパッケージのサイズに応じて、LiveCD イメージは代わりに LiveDVD になる場合があります。
LiveCD インストールの詳細は、『Oracle Solaris 11 システムのインストール』の第 3 章「LiveCD の使用」を参照してください。
Oracle Solaris x86 または SPARC テキストインストールイメージ – Oracle Solaris オペレーティングシステムのテキストインストールを実行する際に使用できる SPARC または x86 ISO イメージを作成できます。テキストインストーラは、グラフィックカードを必要としないシステムで使用できます。
注 - テキストインストールでは、LiveCD からインストールするときに含まれるすべてのソフトウェアパッケージがインストールされるわけではありません。たとえば、テキストインストーラではデスクトップはインストールされません。テキストインストールが完了したら、solaris-desktop パッケージなどの追加パッケージを追加できます。
テキストインストールの詳細は、『Oracle Solaris 11 システムのインストール』の第 4 章「テキストインストーラの使用」を参照してください。
自動インストール用の x86 または SPARC ISO イメージ – Oracle Solaris リリースには自動インストーラツールが含まれています。自動インストーラ (AI) は、1 つ以上の SPARC および x86 システムにネットワーク経由で Oracle Solaris OS を自動インストールするために使用します。アーキテクチャー、インストールするパッケージ、ディスク容量、およびその他のパラメータは、インストールごとに異なる場合があります。自動インストーラは、SPARC または x86 AI ISO イメージを使用して Oracle Solaris OS をクライアントシステムにインストールします。ディストリビューションコンストラクタを使用して、Oracle Solaris OS を SPARC クライアントにインストールするための SPARC AI ISO イメージ、または Oracle Solaris OS を x86 クライアントにインストールするための x86 AI ISO イメージを作成できます。
自動インストーラの使用の詳細は、『Oracle Solaris 11 システムのインストール』のパート III「インストールサーバーを使用したインストール」を参照してください。
ディストリビューションコンストラクタは、マニフェストファイルと呼ばれる XML ファイルに指定された設定に基づいてイメージを作成します。マニフェストファイルには、ディストリビューションコンストラクタを使用して作成する ISO イメージの内容およびパラメータの仕様が記述されています。ディストリビューションコンストラクタには、カスタム LiveCD、x86 または SPARC AI ISO イメージ、x86 または SPARC テキストインストールイメージを作成する際に使用できるサンプルマニフェストが含まれます。
各マニフェストファイルのすべてのフィールドには、必要とする種類のイメージを作成するためのデフォルト値が事前設定されています。マニフェストファイル内のフィールドを編集することで、結果として生成されるイメージをさらにカスタマイズできます。たとえば、マニフェストのターゲット要素を編集すれば、イメージを構築できる構築領域に別の場所を指定できます。さらに、指定されたパブリッシャーをチェックして、イメージの構築に必要なパッケージをダウンロードすることについて、使用中のシステムがそのパブリッシャーに連絡できることを確認します。必要に応じて、ソフトウェア名要素を編集して、別のパブリッシャーおよびリポジトリの場所を指定できます。手順については、「イメージのカスタマイズ」を参照してください。
カスタムスクリプトを作成して、インストールイメージを変更することもできます。その後、マニフェストファイルにチェックポイントを追加して、これらのカスタムスクリプトを実行できます。詳細は、「カスタムスクリプトの作成と使用」を参照してください。
ディストリビューションコンストラクタパッケージには、マニフェストの仕様を解釈して、イメージを構築するためのコマンド行ユーティリティーである distro_const コマンドも含まれています。要件に合わせてマニフェストファイルでイメージの青写真を編集する作業が完了した後に、distro_const コマンドを実行してイメージを作成します。詳細は、第 3 章イメージの構築を参照してください。
distro_const コマンドには、構築中のイメージのチェックおよびデバッグを行うために、イメージ生成プロセスのさまざまな段階で構築プロセスを停止および再開するためのオプションが用意されています。構築プロセス中に停止および再開するこのプロセスをチェックポイント処理と呼びます。チェックポイント処理は省略可能です。デフォルトのチェックポイントは、各マニフェストファイルに指定されます。手順については、「段階的にイメージを構築する方法」、または distro_const(1M) のマニュアルページを参照してください。
x86 イメージのルートアーカイブと SPARC イメージのルートアーカイブは異なります。x86 イメージのルート全体のアーカイブである boot_archive は、UFS ファイルシステムであり、lzma を使用して圧縮されます。SPARC プラットフォームでは、ルート全体のアーカイブの圧縮はサポートされません。その代わりに、SPARC のルートアーカイブでは DCFS が使用され、各ファイルが個別に圧縮されます。個別に圧縮されたファイルは、マニフェストで特定の処理が必要になる場合があります。手順については、dc_manifest(4) のマニュアルページの <boot_archive_contents> フィールドを参照してください。