システム電源サービスの管理

Oracle Solaris 11 リリースでは、電源管理設定が SMF 構成リポジトリに移動しました。電源関連のコマンド、デーモン、および設定ファイルを組み合わせて使用する代わりに、新しい poweradm コマンドを使用してシステムの電源管理プロパティーを直接管理します。これらの変更は、Oracle Solaris 11 で電源管理フレームワークを刷新するために広範囲で行われた変更の一部です。

次の電源管理機能は使用できなくなりました:

• /etc/power.conf

• pmconfig および powerd

• デバイス電源管理

次の 2 つの新しいプロパティーは、時間コンポーネントを管理する電源設定を示します:

• time-to-full-capacity - システムがアクティブなままで低稼働状態または応答性の低い状態からフル稼働状態に達することが許可される最大時間を定義します。

• time-to-minimum-responsiveness - システムがアクティブな状態に戻ることが許可される時間を定義します。

poweradm のプロパティーを表示するには、次のコマンドを使用します:

# poweradm list
active_control/administrative-authority      smf=platform, current=platform
suspend/suspend-enable                       smf=false, current=false
active_config/time-to-full-capacity          platform=250, current=250
active_config/time-to-minimum-responsiveness platform=0, current=0
disabled                                     platform=false

上記の出力で、active_control/administrative-authority は2つの設定がある構成のソースを示します:

• platform - プラットフォームに由来する電源管理の設定です。これがデフォルト値です。

• smf - poweradm コマンドを使用してほかの電源管理プロパティーを設定できます。

以前にシステムの保存停止と復元再開を行うために /etc/power.conf ファイルで S3-support を有効にしていた場合、類似する poweradm の構文は:

# poweradm set suspend-enable=true

suspend-enable プロパティーはデフォルトで false に設定されます。

電源管理を無効にするには、次の構文を使用します:

# poweradm set administrative-authority=none

次の SMF 電源管理サービスを無効にしても、電源管理は無効になりません:

online         Sep_02   svc:/system/power:default

詳細は、poweradm(1M)を参照してください。

保守モードの電源サービスから回復する方法

time-to-full-capacity と time-to-minimum-responsiveness の両方を設定する前に administrative-authority を smf に設定すると、サービスが保守モードに移行します。

1. 管理者になります。
2. administrative-authority を none に設定します。

   # poweradm set administrative-authority=none

3. time-to-full-capacity と time-to-minimum-responsiveness の両方を必要な値に設定します。

   # poweradm set time-to-full-capacity=value
   # poweradm set time-to-minimum-responsiveness=value

4. サービスをクリアします。

   # svcadm clear power

5. administrative-authority を smf に設定します。

   # poweradm set administrative-authority=smf