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Oracle Solaris の管理: 一般的なタスク     Oracle Solaris 11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris のコマンドに関する情報の検索

2.  ユーザーアカウントとグループの管理 (概要)

3.  ユーザーアカウントとグループの管理 (手順)

4.  Oracle Solarisシステムのブートとシャットダウン

5.  Oracle Configuration Manager の操作

6.  サービスの管理 (概要)

7.  サービスの管理 (手順)

8.  障害管理の使用

9.  システム情報の管理 (手順)

10.  システムプロセスの管理 (手順)

11.  システムパフォーマンスの監視 (手順)

12.  ソフトウェアパッケージの管理 (手順)

13.  ディスク使用の管理 (手順)

14.  システムタスクのスケジュール設定 (手順)

15.  CUPS を使用したプリンタの設定と管理 (手順)

16.  システムコンソール、端末デバイス、および電源サービスの管理 (手順)

17.  システムクラッシュ情報の管理 (手順)

システムクラッシュ情報の管理に関する新機能

高速クラッシュダンプ機能

システムクラッシュ情報の管理 (作業マップ)

システムクラッシュ (概要)

x86: GRUB ブート環境のシステムクラッシュ

システムクラッシュダンプファイル

クラッシュダンプの保存

dumpadm コマンド

dumpadm コマンドの動作

システムクラッシュダンプ情報の管理

現在のクラッシュダンプ構成を表示する方法

クラッシュダンプ構成を変更する方法

クラッシュダンプを検査する方法

クラッシュダンプディレクトリが一杯になった場合に復元する方法 (省略可能)

クラッシュダンプの保存を無効または有効にする方法

18.  コアファイルの管理 (手順)

19.  システムおよびソフトウェアのトラブルシューティング (手順)

20.  その他各種のシステムおよびソフトウェアの トラブルシューティング (手順)

索引

システムクラッシュダンプ情報の管理

システムクラッシュ情報を処理する場合には、次の点に注意してください。

現在のクラッシュダンプ構成を表示する方法

  1. root の役割になります。
  2. 現在のクラッシュダンプ構成を表示します。
    # dumpadm
    Dump content: kernel pages
    Dump device: /dev/dsk/c0t3d0s1 (swap)
    Savecore directory: /var/crash
     Savecore enabled: yes
      Saved compressed: on

    上記の出力例の意味は次のとおりです。

    • ダンプの内容は、カーネルメモリーページである

    • カーネルメモリーがスワップデバイス /dev/dsk/c0t3d0s1 にダンプされる。swap -l コマンドにより、すべてのスワップ領域を識別できる

    • システムクラッシュダンプファイルは /var/crash/ ディレクトリに保存される

    • システムクラッシュダンプファイルの保存は有効に設定されている

    • クラッシュダンプを圧縮した形式で保存する

クラッシュダンプ構成を変更する方法

  1. root の役割になります。
  2. 現在のクラッシュダンプ構成を確認します。
    # dumpadm
          Dump content: kernel pages
           Dump device: /dev/dsk/c0t3d0s1 (swap)
    Savecore directory: /var/crash
     Savecore enabled: yes
         Save commpressed: on

    この出力は、Oracle Solaris 10 リリースを実行するシステムのデフォルトダンプ構成を表しています。

  3. クラッシュダンプ構成を変更します。
    #  /usr/sbin/dumpadm  [-nuy] [-c content-type] [-d dump-device] [-m mink | minm | min%]
    [-s savecore-dir] [-r root-dir] [-z on | off]
    -c content

    ダンプするデータの種類を指定する。すべてのカーネルメモリーをダンプするには kernel を、すべてのメモリーをダンプするには all を、カーネルメモリーとクラッシュ時に実行中だったスレッドを持つプロセスのメモリーページとをダンプするには curproc を使用する。デフォルトはカーネルメモリー

    -d dump-device

    システムがクラッシュしたときに、ダンプデータを一時的に保存するデバイスを指定する。デフォルトのダンプデバイスは 1 次スワップデバイス

    -m nnnk | nnnm | nnn%

    現在の savecore ディレクトリに minfree ファイルを作成することにより、クラッシュダンプファイルを保存する最小限の空き容量を指定する。このパラメータは K バイト (nnnk)、M バイト (nnnm)、またはファイルシステムサイズのパーセント (nnn%) で指定できる。savecore コマンドは、クラッシュダンプファイルを書き込む前にこのファイルを調べる。クラッシュダンプファイルを書き込むと空き容量が minfree の値より少なくなる場合、ダンプファイルは書き込まれず、エラーメッセージが記録される。このような問題を解決するには、「クラッシュダンプディレクトリが一杯になった場合に復元する方法 (省略可能)」を参照してください。

    -n

    システムがリブートするときに、savecore を実行しないように指定する。このダンプ構成は推奨できない。システムクラッシュ情報がスワップデバイスに書き込まれているときに、savecore が有効でないと、クラッシュダンプ情報はシステムがスワップを開始すると上書きされる

    -s

    クラッシュダンプファイルを保存する別のディレクトリを指定する。Oracle Solaris 11 では、デフォルトのディレクトリは /var/crash です。

    -u

    /etc/dumpadm.conf ファイルの内容に基づいてカーネルダンプ構成を強制的に更新します。

    -y

    リブート時に自動的に savecore コマンドを実行するようにダンプ構成を変更します。このダンプ設定では、このコマンドの自動実行がデフォルトです。

    -z on | off

    リブート時の savecore コマンドの動作を制御するために、ダンプ構成を変更します。on 設定では、圧縮した形式でのコアファイルの保存が有効になります。off 設定では、クラッシュダンプファイルを自動的に圧縮解除します。クラッシュダンプファイルはサイズが非常に大きくなる場合があり、圧縮した形式で保存すれば必要なシステム領域が小さくなるため、デフォルトは on です。

例 17-1 クラッシュダンプ構成を変更する

次の例は、すべてのメモリーを専用のダンプデバイス /dev/dsk/c0t1d0s1 にダンプします。また、クラッシュダンプファイルを保存した後に残っていなければならない最小空き容量は、ファイルシステム容量の 10% です。

# dumpadm
      Dump content: kernel pages
       Dump device: /dev/dsk/c0t3d0s1 (swap)
Savecore directory: /var/crash
  Savecore enabled: yes
   Save compressed: on
 # dumpadm -c all -d /dev/dsk/c0t1d0s1 -m 10%
      Dump content: all pages
       Dump device: /dev/dsk/c0t1d0s1 (dedicated)
Savecore directory: /var/crash (minfree = 77071KB)
  Savecore enabled: yes
    Save compressed: on

クラッシュダンプを検査する方法

  1. root の役割になります。
  2. クラッシュダンプを検査するには、mdb ユーティリティーを使用します。
    # /usr/bin/mdb [-k] crashdump-file
    -k

    オペレーティングシステムのクラッシュダンプファイルの場合のカーネルデバッグモードを指定します。

    crashdump-file

    オペレーティングシステムのクラッシュダンプファイルを指定します。

  3. クラッシュ状態情報を表示します。
    # /usr/bin/mdb file-name
    > ::status
       .
       .
       .
    > ::system
       .
       .
       .

例 17-2 クラッシュダンプを検査する

次の例は、mdb ユーティリティーの出力例を示します。このシステムのシステム情報と /etc/system ファイルに設定されている調整可能パラメータが含まれています。

# /usr/bin/mdb -k unix.0 
Loading modules: [ unix krtld genunix ip nfs ipc ptm ]
> ::status
debugging crash dump /dev/mem (64-bit) from ozlo
operating system: 5.10 Generic sun4v
> ::system
set ufs_ninode=0x9c40 [0t40000]
set ncsize=0x4e20 [0t20000]
set pt_cnt=0x400 [0t1024]

クラッシュダンプディレクトリが一杯になった場合に復元する方法 (省略可能)

ここでは、システムがクラッシュしたが、十分な空き容量が savecore ディレクトリに残っておらず、それでも、一部の重要なシステムクラッシュダンプ情報を保存したい場合を考えます。

  1. システムのリブート後、root ユーザーとしてログインします。
  2. すでにサービスプロバイダに送ってある既存のクラッシュダンプファイルを削除して、savecore ディレクトリ (通常は /var/crash/) を整理します。
    • 別の方法として、savecore コマンドを手作業で実行し、十分なディスク容量がある代替ディレクトリを指定することができます。
      # savecore [ directory ]

クラッシュダンプの保存を無効または有効にする方法

  1. root の役割になります。
  2. システム上のクラッシュダンプの保存を有効または無効にします。
    # dumpadm -n | -y

例 17-3 クラッシュダンプの保存を無効にする

次の例は、システムでのクラッシュダンプの保存を無効にします。

# dumpadm -n
      Dump content: all pages
       Dump device: /dev/dsk/c0t1d0s1 (dedicated)
Savecore directory: /var/crash (minfree = 77071KB)
  Savecore enabled: no
   Save Compressed: on

例 17-4 クラッシュダンプの保存を有効にする

次の例は、システムでのクラッシュダンプの保存を有効にします。

# dumpadm -y
      Dump content: all pages
       Dump device: /dev/dsk/c0t1d0s1 (dedicated)
Savecore directory: /var/crash (minfree = 77071KB)
  Savecore enabled: yes
   Save compressed: on