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Oracle Solaris 10 から Oracle Solaris 11 への移行 Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris 10 から Oracle Solaris 11 への移行 (概要)
2. Oracle Solaris 11 インストール方法への移行
10. 仮想環境での Oracle Solaris リリースの管理
Oracle Solaris 11 での ZFS ストレージプールの作成は、Oracle Solaris 10 でのプールの作成と似ています。次のセクションでは、ZFS ルートプールおよびルート以外のプールに対してディスクを準備するためのサマリー情報を提供します。
プールデバイスの構成に関する次の全般的な推奨事項を確認してください。
ルート以外のプールはディスク全体を使用して作成します。これは、ディスクスライスよりも簡単に管理できます。たとえば、4 つのデバイスを持つミラー化されたストレージプールを次のように簡単に作成できます。
# zpool create tank mirror c0t1d0 c0t2d0 mirror c1t1d0 c1t2d0
ZFS ストレージプールをディスク全体を使用して作成した場合、そのディスクは SMI ラベルではなく EFI ラベルでラベル付けされます。フォーマットユーティリティーで表示されるディスクラベルにシリンダ情報がないことによって EFI ラベルを識別できます。例:
partition> print Current partition table (original): Total disk sectors available: 286478269 + 16384 (reserved sectors) Part Tag Flag First Sector Size Last Sector 0 usr wm 256 136.60GB 286478302 1 unassigned wm 0 0 0 2 unassigned wm 0 0 0 3 unassigned wm 0 0 0 4 unassigned wm 0 0 0 5 unassigned wm 0 0 0 6 unassigned wm 0 0 0 8 reserved wm 286478303 8.00MB 286494686
ルート以外のプールはディスク全体を使用して作成することを推奨しますが、ルートプールのディスクにはブートのための SMI ラベルが必要です。
ルートプールのインストールに関する次の改善点を確認してください。
ディスクラベルの改善 - ディスクラベルまたは OS を含めることを意図したラベルが不明または EFI である場合、そのディスクのラベルは SMI ラベルに自動的に変更されます。
また、AI インストーラでは whole_disk キーワード構文が改善され、whole_disk が true に設定されている場合は、既存のパーティションまたはスライスがあっても、ディスクの内容が置き換えられるようになりました。
ミラー化されたルートプールの AI インストール - Oracle Solaris 10 のインストール機能では、インストール時にミラー化されたルートプールを作成できます。
Oracle Solaris 11 の自動インストール時には、AI マニフェストのキーワード構文を使用して、ミラー化されたルートプールを作成できます。例:
<!DOCTYPE auto_install SYSTEM "file:///usr/share/install/ai.dtd.1"> <auto_install> <ai_instance name="default"> <target> <disk whole_disk="true" in_zpool="rpool" in_vdev="root_mirror"> <disk_name name="c8t0d0" name_type="ctd"/> </disk> <disk whole_disk="true" in_zpool="rpool" in_vdev="root_mirror"> <disk_name name="c8t1d0" name_type="ctd"/> </disk> <zpool name="rpool" is_root="true"> <vdev name="root_mirror" redundancy="mirror"/> <be name="solaris"/> </zpool> </target>
上の例では、インストーラはミラー化されたルートプールの作成に使用される各ディスク (c8t0d0 および c8t1d0) にスライス 0 を自動的に作成します。また、SMI ラベルがルートプールのディスクに作成されるため、x86 システムではインストーラはスライス 2 およびスライス 8 も作成します。
通常、システムのインストール時に、ルートプールのデバイスのラベルが変更されて、ルートプールが作成されます。インストール後に zpool attach コマンドを使用してミラー化されたルートプールを作成する場合、またはルートプールのディスクを交換する場合は、次のデバイスの要件に留意してください。
システムのインストール後に zpool attach コマンドを使用してルートプールのディスクに接続し、ミラー化されたルートプールを作成するときに、目的のディスクに EFI ラベルが含まれている場合、ディスクのラベルを SMI ラベルに変更する必要があります。
Oracle Solaris 11 リリースでは、次のショートカットコマンドを使用して、既存のルートプールに接続できる、EFI ラベルを持つディスクに SMI ラベルを適用できます。例:
# format -L vtoc -d c1t0d0 Searching for disks...done selecting c1t0d0 [disk formatted] c1t0d0 is labeled with VTOC successfully.
このコマンドはエラーチェックを行わないため、適切なディスクのラベルを変更してください。
ルートプールに使用するディスクに SMI (VTOC) ラベルを適用する場合は、デフォルトのパーティションテーブルが適用されます。これは、デフォルトの s0 スライスのサイズが小さすぎる可能性があることを意味します。パーティションまたはスライスのサイズの変更に関する詳細は、『Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム』の「ディスクラベルを作成する方法」を参照してください。
ブートブロックは、ルートプールディスクの zpool attach 操作時に自動的に適用されます。
zpool replace コマンドを使用して、ルートプールのディスクを交換する場合は、最初に SMI ラベルを適用し、ブートブロックも適用する必要があります。詳細は、『Oracle Solaris の管理: ZFS ファイルシステム』の「ZFS ルートプールのディスクを交換する方法」を参照してください。
Oracle Solaris OS が正常にブートできるようにするために、ルートプールに使用するディスクのサイズは 2T バイト未満にする必要があります。
プールは、ディスクスライスとミラー化されているディスクスライスのいずれかに存在している必要があります。beadm 操作中に、サポートされていないプール構成を使用しようとすると、次のようなメッセージが表示されます。
ERROR: ZFS pool name does not support boot environments
x86 ベースのシステムでは、ディスクに Oracle Solaris fdisk パーティションが含まれている必要があります。Oracle Solaris fdisk パーティションは、x86 ベースのシステムのインストール時に自動的に作成されます。fdisk パーティションの詳細は、『Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム』の「fdisk パーティションの作成上のガイドライン」を参照してください。
ZFS ルートプールの作成に関する詳細は、「ZFS ストレージプール作成のプラクティス」を参照してください。