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Oracle Solaris Studio 12.3: スレッドアナライザユーザーズガイド Oracle Solaris Studio 12.3 Information Library (日本語) |
3.4.3.1 スレッドアナライザを使用したデッドロック検出実験結果の表示
3.4.3.2 er_print を使用した、デッドロック検出実験結果の表示
デッドロックという用語は、2 つ以上のスレッドが互いを待機しているために処理がどこへも進まない状況を意味します。デッドロックの原因は、間違ったプログラムロジックや (ロックやバリアーなどの) 同期の不適切な使用など数多くあります。このチュートリアルでは、相互排他ロックの不適切な使用によって生じたデッドロックに焦点を当てます。この種のデッドロックは、マルチスレッドアプリケーションでよく生じます。
2 つ以上のスレッドを含むプロセスが次の 3 つの条件に当てはまるときに、デッドロックが発生する可能性があります。
すでにロックを保持しているスレッドが新しいロックを要求する
新しいロックの要求が同時に行われる
チェーン内の次のスレッドで保持されているロックを各スレッドが待機するという巡回チェーンを、2 つ以上のスレッドが形成する
デッドロック状況の簡単な例を次に示します。
スレッド 1 はロック A を保持し、ロック B を要求する
スレッド 2 はロック B を保持し、ロック A を要求する
デッドロックには、潜在的デッドロックと実デッドロックの 2 つの種類があり、次のような違いがあります。
潜在的デッドロックは、所定の実行で必ず起きるわけではありませんが、スレッドのスケジュールや、スレッドによって要求されたロックのタイミングに依存したプログラムの実行で起きる可能性があります。
実デッドロックは、プログラムの実行中に発生するものです。実デッドロックでは、関係するスレッドの実行は滞りますが、プロセス全体の実行は滞ることもあれば、そうでないこともあります。