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Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール Oracle Solaris Cluster 4.0 (日本語) |
1. Oracle Solaris Cluster 構成の計画
2. グローバルクラスタノードへのソフトウェアのインストール
このセクションでは、ゾーンクラスタと呼ばれる、Oracle Solaris の非大域ゾーンのクラスタ構成手順について説明します。ここでは次のトピックについて説明します。
clzonecluster ユーティリティーを使用すると、ゾーンクラスタを作成、変更、および削除できます。また、clzonecluster ユーティリティーでは、ゾーンクラスタをアクティブに管理できます。たとえば、clzonecluster ユーティリティーは、ゾーンクラスタのブートと停止の両方を実行できます。clzonecluster ユーティリティーの進捗メッセージは、コンソールに出力されますが、ログファイルには保存されません。
このユーティリティーは、zonecfg ユーティリティーと同様に、次のレベルの範囲で動作します。
クラスタ範囲では、ゾーンクラスタ全体に影響します。
ノード範囲では、指定した 1 つのゾーンクラスタノードにのみ影響します。
リソース範囲では、リソース範囲をどの範囲から入力するかに応じて、特定のノード、またはゾーンクラスタ全体に影響します。ほとんどのリソースは、ノード範囲からのみ入力できます。範囲は、次のプロンプトで識別できます。
clzc:zone-cluster-name:resource> cluster-wide setting clzc:zone-cluster-name:node:resource> node-specific setting
clzonecluster ユーティリティーを使用すると、ゾーンクラスタに固有のパラメータだけでなく、任意の Oracle Solaris ゾーンリソースパラメータも指定できます。ゾーンクラスタで設定できるパラメータの詳細は、clzonecluster(1CL) のマニュアルページを参照してください。Oracle Solaris ゾーンのリソースパラメータに関する追加情報は、zonecfg(1M) のマニュアルページを参照してください。
このセクションでは、非大域ゾーンのクラスタを構成する方法を説明します。
非大域ゾーンのクラスタを作成するには、この手順を実行してください。
始める前に
グローバルクラスタを作成します。第 3 章グローバルクラスタの確立を参照してください。
ゾーンクラスタを作成するためのガイドラインと要件を確認します。「ゾーンクラスタ」を参照してください。
次の情報を用意します。
ゾーンクラスタに割り当てる固有名。
ゾーンクラスタのノードが使用するゾーンパス。詳細は、『Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris ゾーン、Oracle Solaris 10 ゾーン、およびリソース管理)』の「リソースタイプとプロパティー」の zonepath プロパティーに関する説明を参照してください。
ゾーンクラスタノードを作成するグローバルクラスタ内の各ノードの名前。
各ゾーンクラスタノードに割り当てる、ゾーンの公開ホスト名またはホストエイリアス。
適用可能な場合、各ゾーンクラスタノードが使用する、パブリックネットワークの IP アドレス。
適用可能な場合、各ゾーンクラスタノードがパブリックネットワークに接続するために使用するパブリックネットワークアダプタの名前。
注 - 各ゾーンクラスタノードで IP アドレスを構成しない場合、次の 2 つのことが発生します。
その特定のゾーンクラスタでは、ゾーンクラスタで使用するための NAS デバイスを構成することができません。NAS デバイスと通信する際にはゾーンクラスタノードの IP アドレスを使用するため、IP アドレスを持たないクラスタは、NAS デバイスのフェンシングをサポートできません。
クラスタソフトウェアによって、NIC の論理ホスト IP アドレスが有効化されます。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
いずれかのノードが非クラスタモードであった場合でも、行った変更は、そのノードがクラスタモードに復帰した際に伝播されます。そのため、一部のグローバルクラスタノードが非クラスタモードであった場合でも、ゾーンクラスタを作成できます。これらのノードがクラスタモードに復帰すると、それらのノード上でゾーンクラスタ作成手順が自動的に実行されます。
phys-schost# clnode status === Cluster Nodes === --- Node Status --- Node Name Status --------- ------ phys-schost-2 Online phys-schost-1 Online
次の注意事項を守ってください。
デフォルトでは、完全ルートゾーンが作成されます。完全ルートゾーンを作成するには、create コマンドに -b オプションを追加します。
各ゾーンクラスタノードの IP アドレスおよび NIC の指定は任意です。
phys-schost-1# clzonecluster configure zone-cluster-name clzc:zone-cluster-name> create Set the zone path for the entire zone cluster clzc:zone-cluster-name> set zonepath=/zones/zone-cluster-name Add the first node and specify node-specific settings clzc:zone-cluster-name> add node clzc:zone-cluster-name:node> set physical-host=base-cluster-node1 clzc:zone-cluster-name:node> set hostname=hostname1 clzc:zone-cluster-name:node> add net clzc:zone-cluster-name:node:net> set address=public-netaddr clzc:zone-cluster-name:node:net> set physical=adapter clzc:zone-cluster-name:node:net> end clzc:zone-cluster-name:node> end Add authorization for the public-network addresses that the zone cluster is allowed to use clzc: zone-cluster-name> add net clzc: zone-cluster-name:net> set address=IP-address1 clzc: zone-cluster-name:net> end Save the configuration and exit the utility clzc:zone-cluster-name> commit clzc:zone-cluster-name> exit
phys-schost-1# clzonecluster configure zone-cluster-name clzc:zone-cluster-name> add node clzc:zone-cluster-name:node> set physical-host=base-cluster-node2 clzc:zone-cluster-name:node> set hostname=hostname2 clzc:zone-cluster-name:node> add net clzc:zone-cluster-name:node:net> set address=public-netaddr clzc:zone-cluster-name:node:net> set physical=adapter clzc:zone-cluster-name:node:net> end clzc:zone-cluster-name:node> end clzc:zone-cluster-name> commit clzc:zone-cluster-name> exit
指定したリソースが使用可能かどうかを確認するには、verify サブコマンドを使用します。clzonecluster verify コマンドが成功した場合は、出力は一切表示されません。
phys-schost-1# clzonecluster verify zone-cluster-name phys-schost-1# clzonecluster status zone-cluster-name === Zone Clusters === --- Zone Cluster Status --- Name Node Name Zone HostName Status Zone Status ---- --------- ------------- ------ ----------- zone basenode1 zone-1 Offline Configured basenode2 zone-2 Offline Configured
phys-schost-1# clzonecluster install options zone-cluster-name Waiting for zone install commands to complete on all the nodes of the zone cluster "zone-cluster-name"...
必要に応じて、clzonecluster install コマンドに次のオプションを含めます。
システム構成情報を含めるには、次のオプションを追加します。
-c config-profile.xml
-c config-profile.xml オプションは、ゾーンクラスタのすべての非大域ゾーンに対する構成プロファイルを提供します。このオプションを使用しても、ゾーンのホスト名が変更されるだけです。このホスト名は、ゾーンクラスタ内のゾーンごとに一意になります。すべてのプロファイルの拡張子は .xml である必要があります。
ゾーンクラスタのベースとなるグローバルクラスタノードの一部に異なる Oracle Solaris Cluster パッケージがインストールされているが、ベースとなるノード上のパッケージを変更したくない場合は、次のオプションを追加します。
-M manifest.xml
-M manifest.xml オプションは、必要なパッケージをすべてのゾーンクラスタノードにインストールするように構成されたカスタム Automated Installer マニフェストを指定します。clzonecluster install コマンドを -M オプションなしで実行した場合、発行元のベースノードにインストールされているパッケージが欠落しているベースノード上で、ゾーンクラスタのインストールが失敗します。
Installation of the zone cluster might take several minutes phys-schost-1# clzonecluster boot zone-cluster-name Waiting for zone boot commands to complete on all the nodes of the zone cluster "zone-cluster-name"...
各ゾーンクラスタノード上で次のコマンドを発行し、対話式の画面に従って処理を進めます。
phys-schost-1# zlogin -C zone-cluster-name
phys-schost# init -g0 -y -i6
ゾーンクラスタの各ノードで次のコマンドを実行します。
phys-schost# zlogin zcnode zcnode# svcadm enable svc:/network/dns/client:default zcnode# svcadm enable svc:/network/login:rlogin zcnode# reboot
例 6-1 ゾーンクラスタ作成用の構成ファイル
次に、ゾーンクラスタを作成する際に clzonecluster ユーティリティーと組み合わせて使用できるコマンドファイルの内容の例を示します。このファイルには、通常は手動で入力する一連の clzonecluster コマンドが含まれています。
次の構成では、グローバルクラスタノード phys-schost-1 にゾーンクラスタ sczone が作成されます。このゾーンクラスタでは、/zones/sczone がゾーンパスとして使用され、パブリック IP アドレス 172.16.2.2 が使用されています。このゾーンクラスタの第 1 のノードでは、zc-host-1 がホスト名として割り当てられ、ネットワークアドレス 172.16.0.1 と net0 アダプタが使用されています。ゾーンクラスタの第 2 のノードは、グローバルクラスタノード phys-schost-2 に作成されます。このゾーンクラスタの第 2 のノードには、ホスト名 zc-host-2 が割り当てられ、ネットワークアドレス 172.16.0.2 および net1 アダプタを使用します。
create set zonepath=/zones/sczone add net set address=172.16.2.2 end add node set physical-host=phys-schost-1 set hostname=zc-host-1 add net set address=172.16.0.1 set physical=net0 end end add node set physical-host=phys-schost-2 set hostname=zc-host-2 add net set address=172.16.0.2 set physical=net1 end end commit exit
例 6-2 構成ファイルを使用してゾーンクラスタを作成する
次に、構成ファイル sczone-config を使用して、グローバルクラスタノード phys-schost-1 に新しいゾーンクラスタ sczone を作成するコマンドの例を示します。ゾーンクラスタノードのホスト名は、zc-host-1 と zc-host-2 です。
phys-schost-1# clzonecluster configure -f sczone-config sczone phys-schost-1# clzonecluster verify sczone phys-schost-1# clzonecluster install sczone Waiting for zone install commands to complete on all the nodes of the zone cluster "sczone"... phys-schost-1# clzonecluster boot sczone Waiting for zone boot commands to complete on all the nodes of the zone cluster "sczone"... phys-schost-1# clzonecluster status sczone === Zone Clusters === --- Zone Cluster Status --- Name Node Name Zone HostName Status Zone Status ---- --------- ------------- ------ ----------- sczone phys-schost-1 zc-host-1 Offline Running phys-schost-2 zc-host-2 Offline Running
次の手順
ゾーンクラスタにファイルシステムの使用を追加する場合は、「ゾーンクラスタにファイルシステムを追加する」を参照してください。
ゾーンクラスタにグローバルストレージデバイスの使用を追加する場合は、「ゾーンクラスタにストレージデバイスを追加する」を参照してください。
参照
ゾーンクラスタを更新する場合は、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の第 11 章「ソフトウェアの更新」の手順に従います。次の手順では、必要に応じてゾーンクラスタに固有の手順も記載されています。
ファイルシステムをゾーンクラスタに追加し、オンラインにしたら、ファイルシステムはそのゾーンクラスタ内からの使用を承認されます。使用するファイルシステムをマウントするには、SUNW.HAStoragePlus または SUNW.ScalMountPoint といったクラスタリソースを使用することでファイルシステムを構成します。
このセクションでは、ゾーンクラスタで使用するファイルシステムを追加するための次の手順について説明します。
さらに、ゾーンクラスタで高可用性の ZFS ストレージプールを構成する場合は、『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「How to Set Up the HAStoragePlus Resource Type to Make a Local Solaris ZFS File System Highly Available」を参照してください。
この手順を実行して、ゾーンクラスタで使用できるよう、グローバルクラスタ上にローカルのファイルシステムを追加します。
注 - ゾーンクラスタに ZFS プールを追加する場合は、この手順ではなく、「ゾーンクラスタに ZFS ストレージプールを追加する方法」で説明する手順を実行してください。
また、ゾーンクラスタで高可用性の ZFS ストレージプールを構成するには、『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「How to Set Up the HAStoragePlus Resource Type to Make a Local Solaris ZFS File System Highly Available」を参照してください。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
ファイルシステムが共有ディスクに作成されていることを確認します。
phys-schost# clzonecluster configure zone-cluster-name clzc:zone-cluster-name> add fs clzc:zone-cluster-name:fs> set dir=mount-point clzc:zone-cluster-name:fs> set special=disk-device-name clzc:zone-cluster-name:fs> set raw=raw-disk-device-name clzc:zone-cluster-name:fs> set type=FS-type clzc:zone-cluster-name:fs> end clzc:zone-cluster-name> verify clzc:zone-cluster-name> commit clzc:zone-cluster-name> exit
ファイルシステムのマウントポイントを指定する
ディスクデバイスの名前を指定する
raw ディスクデバイスの名前を指定する
ファイルシステムの種類を指定する
注 - UFS ファイルシステムのロギングを有効にします。
phys-schost# clzonecluster show -v zone-cluster-name
例 6-3 ローカルのファイルシステムをゾーンクラスタに追加する
この例では、 sczone ゾーンクラスタで使用できるようにローカルのファイルシステム /global/oracle/d1 を追加します。
phys-schost-1# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> add fs clzc:sczone:fs> set dir=/global/oracle/d1 clzc:sczone:fs> set special=/dev/md/oracle/dsk/d1 clzc:sczone:fs> set raw=/dev/md/oracle/rdsk/d1 clzc:sczone:fs> set type=ufs clzc:sczone:fs> add options [logging] clzc:sczone:fs> end clzc:sczone> verify clzc:sczone> commit clzc:sczone> exit phys-schost-1# clzonecluster show -v sczone … Resource Name: fs dir: /global/oracle/d1 special: /dev/md/oracle/dsk/d1 raw: /dev/md/oracle/rdsk/d1 type: ufs options: [logging] cluster-control: [true] …
次の手順
HAStoragePlus リソースを使用して、高可用性のファイルシステムを構成します。HAStoragePlus リソースは、ファイルシステムを使用するよう構成されているアプリケーションを現在ホストするゾーンクラスタノードへのファイルシステムのマウントを管理します。 『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「Enabling Highly Available Local File Systems」を参照してください。
注 - ゾーンクラスタで高可用性の ZFS ストレージプールを構成するには、『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「How to Set Up the HAStoragePlus Resource Type to Make a Local Solaris ZFS File System Highly Available」を参照してください。
この手順のすべてのステップは、大域ゾーンの 1 つのノードから実行します。
ゾーンクラスタのすべてのノードに接続されている共用ディスク上で、プールが接続されている必要があります。
ZFS プールを作成する手順については、『Oracle Solaris の管理: ZFS ファイルシステム』を参照してください。
phys-schost# clzonecluster configure zone-cluster-name clzc:zone-cluster-name> add dataset clzc:zone-cluster-name:dataset> set name=ZFSpoolname clzc:zone-cluster-name:dataset> end clzc:zone-cluster-name> verify clzc:zone-cluster-name> commit clzc:zone-cluster-name> exit
phys-schost# clzonecluster show -v zone-cluster-name
例 6-4 ゾーンクラスタに ZFS ストレージプールを追加する
次に、ゾーンクラスタ sczone に追加された ZFS ストレージプール zpool1 の例を示します。
phys-schost-1# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> add dataset clzc:sczone:dataset> set name=zpool1 clzc:sczone:dataset> end clzc:sczone> verify clzc:sczone> commit clzc:sczone> exit phys-schost-1# clzonecluster show -v sczone … Resource Name: dataset name: zpool1 …
次の手順
HAStoragePlus リソースを使用して、高可用性の ZFS ストレージプールを構成します。HAStoragePlus リソースは、ファイルシステムを使用するよう構成されているアプリケーションを現在ホストするゾーンクラスタノードへのプール内のファイルシステムのマウントを管理します。『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「Enabling Highly Available Local File Systems」を参照してください。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つの投票ノードから実行します。
phys-schost# vi /etc/vfstab … /dev/global/dsk/d12s0 /dev/global/rdsk/d12s0/ /global/fs ufs 2 no global, logging
phys-schost# clzonecluster configure zone-cluster-name clzc:zone-cluster-name> add fs clzc:zone-cluster-name:fs> set dir=zone-cluster-lofs-mountpoint clzc:zone-cluster-name:fs> set special=global-cluster-mount-point clzc:zone-cluster-name:fs> set type=lofs clzc:zone-cluster-name:fs> end clzc:zone-cluster-name> verify clzc:zone-cluster-name> commit clzc:zone-cluster-name> exit
ゾーンクラスタでクラスタファイルシステムを使用できるように、LOFS のファイルシステムマウントポイントを指定します。
グローバルクラスタの元のクラスタファイルシステムのファイルシステムマウントポイントを指定します。
ループバックファイルシステムの作成については、『Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム』の「LOFS ファイルシステムを作成およびマウントする方法」を参照してください。
phys-schost# clzonecluster show -v zone-cluster-name
例 6-5 クラスタファイルシステムをゾーンクラスタに追加する
次に、マウントポイント /global/apache を持つクラスタファイルシステムをゾーンクラスタに追加する例を示します。 このファイルシステムは、マウントポイント /zone/apache でループバックマウント機構を使用してゾーンクラスタに対して使用できます。
phys-schost-1# vi /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # /dev/md/oracle/dsk/d1 /dev/md/oracle/rdsk/d1 /global/apache ufs 2 yes global, logging phys-schost-1# clzonecluster configure zone-cluster-name clzc:zone-cluster-name> add fs clzc:zone-cluster-name:fs> set dir=/zone/apache clzc:zone-cluster-name:fs> set special=/global/apache clzc:zone-cluster-name:fs> set type=lofs clzc:zone-cluster-name:fs> end clzc:zone-cluster-name> verify clzc:zone-cluster-name> commit clzc:zone-cluster-name> exit phys-schost-1# clzonecluster show -v sczone … Resource Name: fs dir: /zone/apache special: /global/apache raw: type: lofs options: [] cluster-control: true …
次の手順
HAStoragePlus リソースを使用して、ゾーンクラスタで使用できるようにクラスタファイルシステムを構成します。 HAStoragePlus リソースは、グローバルクラスタ内でのファイルシステムのマウントを管理し、あとで、そのファイルシステムを使用するように構成されたアプリケーションを現在ホストしているゾーンクラスタノードに対してループバックマウントを実行します。詳細は、『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「Configuring an HAStoragePlus Resource for Cluster File Systems」を参照してください。
このセクションでは、ゾーンクラスタによるグローバルストレージデバイスの直接使用を追加する方法について説明します。グローバルデバイスは、クラスタ内の複数のノードが、一度に 1 つずつ、または同時にアクセスできるデバイスです。
注 - raw ディスクデバイス (cNtXdYsZ) をゾーンクラスタノードにインポートするには、ほかのブランドの非大域ゾーンで通常行うのと同様に zonecfg コマンドを使用します。
このようなデバイスは、clzonecluster コマンドによって制御されませんが、ノードのローカルデバイスとして扱われます。raw ディスクデバイスを非大域ゾーンにインポートする方法の詳細については、『Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris ゾーン、Oracle Solaris 10 ゾーン、およびリソース管理)』の「稼働中の非大域ゾーン内でファイルシステムをマウントする」を参照してください。
デバイスをゾーンクラスタに追加すると、そのデバイスはそのゾーンクラスタの内部からのみ見えるようになります。
ここでは、次の手順について説明します。
ゾーンクラスタに Solaris ボリュームマネージャー ディスクセットの個別のメタデバイスを追加するには、この手順を実行してください。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
phys-schost# cldevicegroup status
phys-schost# cldevicegroup online diskset
phys-schost# ls -l /dev/md/diskset lrwxrwxrwx 1 root root 8 Jul 22 23:11 /dev/md/diskset -> shared/set-number
set match= エントリごとに個別の add device セッションを使用します。
注 - パス名には、ワイルドカード文字としてアスタリスク (*) を使用します。
phys-schost# clzonecluster configure zone-cluster-name clzc:zone-cluster-name> add device clzc:zone-cluster-name:device> set match=/dev/md/diskset/*dsk/metadevice clzc:zone-cluster-name:device> end clzc:zone-cluster-name> add device clzc:zone-cluster-name:device> set match=/dev/md/shared/setnumber/*dsk/metadevice clzc:zone-cluster-name:device> end clzc:zone-cluster-name> verify clzc:zone-cluster-name> commit clzc:zone-cluster-name> exit
メタデバイスのフル論理デバイスパスを指定する
ディスクセット番号のフル物理デバイスパスを指定する
変更は、ゾーンクラスタのリブート後に有効になります。
phys-schost# clzonecluster reboot zone-cluster-name
例 6-6 ゾーンクラスタにメタデバイスを追加する
次は、ディスクセット oraset のメタデバイス d1 を sczone ゾーンクラスタに追加する例を示します。ディスクセットのセット番号は 3 です。
phys-schost-1# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> add device clzc:sczone:device> set match=/dev/md/oraset/*dsk/d1 clzc:sczone:device> end clzc:sczone> add device clzc:sczone:device> set match=/dev/md/shared/3/*dsk/d1 clzc:sczone:device> end clzc:sczone> verify clzc:sczone> commit clzc:sczone> exit phys-schost-1# clzonecluster reboot sczone
ゾーンクラスタに Solaris ボリュームマネージャー ディスクセット全体を追加するには、この手順を実行してください。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
phys-schost# cldevicegroup status
phys-schost# cldevicegroup online diskset
phys-schost# ls -l /dev/md/diskset lrwxrwxrwx 1 root root 8 Jul 22 23:11 /dev/md/diskset -> shared/set-number
set match= エントリごとに個別の add device セッションを使用します。
注 - パス名には、ワイルドカード文字としてアスタリスク (*) を使用します。
phys-schost# clzonecluster configure zone-cluster-name clzc:zone-cluster-name> add device clzc:zone-cluster-name:device> set match=/dev/md/diskset/*dsk/* clzc:zone-cluster-name:device> end clzc:zone-cluster-name> add device clzc:zone-cluster-name:device> set match=/dev/md/shared/set-number/*dsk/* clzc:zone-cluster-name:device> end clzc:zone-cluster-name> verify clzc:zone-cluster-name> commit clzc:zone-cluster-name> exit
ディスクセットのフル論理デバイスパスを指定する
ディスクセット番号のフル物理デバイスパスを指定する
変更は、ゾーンクラスタのリブート後に有効になります。
phys-schost# clzonecluster reboot zone-cluster-name
例 6-7 ゾーンクラスタにディスクセットを追加する
次に、ディスクセット oraset を sczone ゾーンクラスタに追加する例を示します。ディスクセットのセット番号は 3 です。
phys-schost-1# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> add device clzc:sczone:device> set match=/dev/md/oraset/*dsk/* clzc:sczone:device> end clzc:sczone> add device clzc:sczone:device> set match=/dev/md/shared/3/*dsk/* clzc:sczone:device> end clzc:sczone> verify clzc:sczone> commit clzc:sczone> exit phys-schost-1# clzonecluster reboot sczone
ゾーンクラスタに DID デバイスを追加するには、この手順を実行してください。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
追加するデバイスは、ゾーンクラスタのすべてのノードに接続します。
phys-schost# cldevice list -v
注 - パス名には、ワイルドカード文字としてアスタリスク (*) を使用します。
phys-schost# clzonecluster configure zone-cluster-name clzc:zone-cluster-name> add device clzc:zone-cluster-name:device> set match=/dev/did/*dsk/dNs* clzc:zone-cluster-name:device> end clzc:zone-cluster-name> verify clzc:zone-cluster-name> commit clzc:zone-cluster-name> exit
DID デバイスのフルデバイスパスを指定する
変更は、ゾーンクラスタのリブート後に有効になります。
phys-schost# clzonecluster reboot zone-cluster-name
例 6-8 ゾーンクラスタに DID デバイスを追加する
次に、DID デバイス d10 を sczone ゾーンクラスタに追加する例を示します。
phys-schost-1# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> add device clzc:sczone:device> set match=/dev/did/*dsk/d10s* clzc:sczone:device> end clzc:sczone> verify clzc:sczone> commit clzc:sczone> exit phys-schost-1# clzonecluster reboot sczone