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Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle ガイド Oracle Solaris Cluster 4.0 (日本語) |
HA for Oracle のインストールと構成のプロセスの概要
Solaris ボリュームマネージャーを使用した Oracle データベースアクセスの構成方法
Oracle ASM を使用した Oracle データベースアクセスの構成方法
クラスタ SCAN リスナー用の Oracle Grid Infrastructure の構成方法
HA for Oracle を登録および構成する方法 (clsetup)
Oracle ASM なしで HA for Oracle を登録および構成する方法 (CLI)
クラスタ Oracle ASM ディスクグループとサードパーティーのボリュームマネージャーを使用して Oracle Grid Infrastructure リソースを作成する方法 (CLI)
データベーストランザクション障害に対応する、サーバー障害モニターによる動作
DBMS タイムアウトのトラブルシューティング用にコアファイルを取得
HA for Oracle サーバー障害モニターのカスタマイズ
サーバー障害モニターが使用する必要のあるカスタム動作ファイルを指定する
サーバー障害モニターが使用する必要のあるカスタム動作ファイルの指定方法
Oracle Data Guard インスタンスの役割の変更
Oracle Data Guard インスタンスの役割の変更方法
Oracle Solaris Cluster には、HA for Oracle の登録と構成のための次のツールがあります。
clsetup ユーティリティー。詳細については、「HA for Oracle を登録および構成する方法 (clsetup)」を参照してください。
Oracle Solaris Cluster の保守コマンド。詳細については、「Oracle ASM なしで HA for Oracle を登録および構成する方法 (CLI)」を参照してください。
clsetup ユーティリティーには、HA for Oracle を構成するためのウィザードがあります。ウィザードは、コマンドの構文エラーや省略から生じる構成エラーの可能性を低減します。また、これらのウィザードは、必要なすべてのリソースが作成され、リソース間で必要なすべての依存関係が設定されるようにします。
付録 A HA for Oracle 拡張プロパティーの拡張プロパティーを使用して、リソースを作成します。リソースの拡張プロパティーを設定するには、リソースを作成または変更する clresource コマンドにオプション -p property=value を指定します。リソースをすでに作成済みの場合は、『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の第 2 章「Administering Data Service Resources」の手順を使用して、拡張プロパティーを構成します。
一部の拡張プロパティーは、動的に更新できます。ただし、その他は、リソースを作成または無効にするときだけ更新できます。「調整可能」エントリは、各プロパティーを更新できるタイミングを示しています。すべての Oracle Solaris Cluster リソースプロパティーの詳細については、r_properties(5) マニュアルページを参照してください。
「SUNW.oracle_server 拡張プロパティー」で、Oracle サーバーに対して設定できる拡張プロパティーを説明しています。Oracle サーバーでは、次の拡張プロパティーだけを設定する必要があります。
Oracle_home
Oracle_sid
Db_unique_name
この手順では、Oracle Solaris Cluster の長い形式の保守コマンドを使用します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式を除き、コマンドは同一です。
注 - clsetup ユーティリティーは ZFS での HA for Oracle の構成をサポートしません。
始める前に
次の前提条件が満たされていることを確認します。
クラスタのボリュームマネージャーが、Oracle を実行する可能性があるすべてのノードからアクセスできる共有ストレージのボリュームを提供するように構成されている。
Oracle がそのデータベース用に使用するストレージボリュームに raw デバイスとファイルシステムが作成されている。
Oracle ソフトウェアが、Oracle を実行する可能性のあるすべてのノードからアクセスできるようにインストールされている。
UNIX オペレーティングシステムのカーネル変数が Oracle 用に構成されている。
Oracle ソフトウェアが、Oracle を実行する可能性のあるすべてのノードに対して構成されている。
データサービスパッケージがインストールされている。
次の情報があることを確認します。
データサービスをマスターするクラスタノードの名前。
リソースの構成を行う予定の Oracle アプリケーションのバイナリへのパス。
データベースのタイプ。
# clsetup
clsetup のメインメニューが表示されます。
「データサービス」メニューが表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、このタスクを実行するための前提条件のリストが表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、クラスタノードのリストが表示されます。
ノードが、Oracle リソースを配置するリソースグループのノードリストに表示される順序で一覧表示されていることを確認します。
ノードが、Oracle リソースを配置するリソースグループのノードリストに表示される順序で一覧表示されていることを確認します。
clsetup ユーティリティーにより、構成する Oracle コンポーネントのタイプが表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、Oracle ホームディレクトリが一覧表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、クラスタに構成されている Oracle のシステム識別子のリストが表示されます。また、ユーティリティーにより、Oracle のインストールのシステム識別子を指定するよう求められます。
clsetup ユーティリティーにより、Oracle ホームディレクトリを指定するよう求められます。
clsetup ユーティリティーにより、クラスタに構成されている Oracle のシステム識別子のリストが表示されます。また、ユーティリティーにより、Oracle のインストールのシステム識別子を指定するよう求められます。
clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster リソースのプロパティーが表示されます。
clsetup ユーティリティーから、SID を入力するよう求められます。
clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster リソースのプロパティーが表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster リソースのプロパティーが表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、新しい名前を指定できる画面が表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster リソースのプロパティーのリストに戻ります。
clsetup ユーティリティーにより、既存のストレージリソースのリストが表示されます。ストレージリソースが使用できない場合、clsetup ユーティリティーにより、データが格納される共有ストレージの種類のリストが表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、クラスタ内に構成されているファイルシステムのマウントポイントが表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、クラスタ内に構成されている広域ディスクセットとデバイスグループが表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、高可用性ストレージリソースのリストに戻ります。
clsetup ユーティリティーにより、クラスタ内のすべての既存の論理ホスト名リソースが表示されます。使用可能な論理ホスト名リソースがない場合は、clsetup ユーティリティーから、リソースを高可用性にする論理ホスト名を入力するよう求められます。
clsetup ユーティリティーにより、使用できる論理ホスト名リソースのリストに戻ります。
clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前が表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、新しい名前を指定できる画面が表示されます。
clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが作成する Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前のリストに戻ります。
clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが構成を作成するコマンドを実行していることを示す、進行状況のメッセージが表示されます。構成が完了すると、clsetup ユーティリティーにより、ユーティリティーが構成を作成するために実行したコマンドが表示されます。
必要に応じて、ほかの必要なタスクを実行している間、clsetup ユーティリティーを動作させたままにし、そのあとでユーティリティーを再度使用することができます。
この手順では、Oracle Solaris Cluster の長い形式の保守コマンドを使用します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式を除き、コマンドは同一です。
始める前に
次の前提条件が満たされていることを確認します。
クラスタのボリュームマネージャーが、Oracle を実行する可能性があるすべてのノードからアクセスできる共有ストレージのボリュームを提供するように構成されている。
Oracle がそのデータベース用に使用するストレージボリュームに raw デバイスとファイルシステムが作成されている。
Oracle ソフトウェアが、Oracle を実行する可能性のあるすべてのノードからアクセスできるようにインストールされている。
UNIX オペレーティングシステムのカーネル変数が Oracle 用に構成されている。
Oracle ソフトウェアが、Oracle を実行する可能性のあるすべてのノードに対して構成されている。
データサービスパッケージがインストールされている。
次の情報があることを確認します。
データサービスをマスターするクラスタノードの名前。
クライアントがデータサービスにアクセスするために使用する論理ホスト名。通常は、クラスタをインストールする際に、この IP アドレスを設定します。ネットワークリソースの詳細については、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide 』を参照してください。
リソースの構成を行う予定の Oracle アプリケーションのバイナリへのパス。
データベースのタイプ。
HA for Oracle に対して、次のように SUNW.oracle_server と SUNW.oracle_listener の 2 つのリソースタイプを登録します。
注 - クラスタ用 Oracle Grid Infrastructure の単一クライアントアクセス名 (SCAN) リスナーを使用している場合は、SUNW.oracle_listener リソースタイプの登録を省略します。
# clresourcetype register SUNW.oracle_server # clresourcetype register SUNW.oracle_listener
「ノードの準備方法」で高可用性ローカル ZFS ファイルシステムを構成したときにリソースグループを作成したため、Oracle Solaris ZFS ファイルシステムを使用する場合は、この手順は不要です。この手順のほかのステップで作成したリソースは、このリソースグループに追加されます。
オプションで、次のようにデータサービスを -n オプションで実行できるノードのセットを選択できます。
# clresourcegroup create [-n node-zone-list] resource-group
リソースグループの名前を指定します。この名前には任意のものを選択できますが、クラスタ内のリソースグループで一意である必要があります。
この確認は、Oracle Solaris Cluster のインストール中に行う必要があります。
注 - ネームサービスの検索による障害を避けるため、すべてのネットワークリソースがサーバーとクラスタの /etc/inet/hosts ファイルに存在するようにしてください。
# clreslogicalhostname create -g resource-group [-h logicalhostname] logicalhostname-rs
論理ホスト名を指定します。この論理ホスト名は、ネームサービスデータベースに存在する必要があります。logicalhostname と logicalhostname-rs が同一の場合、logicalhostname は省略可能です。
作成する論理ホスト名リソースに割り当てる名前を指定します。
# clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus
注 - Oracle ファイルに Oracle Solaris ZFS ファイルシステムを使用する場合は、この手順を省略します。HAStoragePlus リソースは、高可用性ローカル ZFS ファイルシステムを構成したときに作成されています。詳細については、「ノードの準備方法」を参照してください。
注意 - 非大域ゾーンでは、Oracle Solaris Cluster デバイスグループの raw デバイスはサポートされません。 |
# clresource create -g resource-group -t SUNW.HAStoragePlus \ -p GlobalDevicePaths=device-path \ -p FilesystemMountPoints=mount-point-list \ -p AffinityOn=TRUE hastp-rs
GlobalDevicePaths 拡張プロパティーまたは FilesystemMountPoints 拡張プロパティーのいずれかを設定する必要があります。
データベースが raw デバイスにある場合は、GlobalDevicePaths 拡張プロパティーをグローバルデバイスのパスに設定します。
データベースがクラスタファイルシステムにある場合は、クラスタファイルシステムおよびローカルファイルシステムのマウントポイントを指定します。
注 - AffinityOn は TRUE に設定する必要があり、ローカルファイルシステムはフェイルオーバーであるグローバルディスクグループにある必要があります。
リソースは有効状態で作成されます。
# clresourcegroup online -M resource-group
オンラインになったリソースグループを管理状態にします。
注 - クラスタ用 Oracle Grid Infrastructure の単一クライアントアクセス名 (SCAN) リスナーを使用している場合は、SUNW.oracle_listener リソースの構成を省略します。
Oracle サーバーリソース:
# clresource create -g resourcegroup \ -t SUNW.oracle_server \ -p Oracle_sid=instance \ -p Oracle_home=Oracle_home \ -p Db_unique_name=db-unique-name \ -p Restart_type=entity-to-restart \ [-p Dataguard_role=role] \ [-p Standby_mode=mode] \ -p Resource_dependencies_offline_restart=storageplus-resource \ resource
Oracle リスナーリソース:
# clresource create -g resource-group \ -t SUNW.oracle_listener \ -p Listener_name=listener \ -p Oracle_home=Oracle_home \ -p Resource_dependencies_offline_restart=storageplus-resource \ resource
リソースを配置するリソースグループの名前を指定します。
追加するリソースのタイプを指定します。
Oracle システム識別子を設定します。
Oracle リスナーインスタンスの名前を設定します。この名前は、listener.ora の対応するエントリと一致する必要があります。
Oracle ホームディレクトリへのパスを設定します。
データベースの一意の名前を設定します。
障害への応答が再起動されたときに、サーバー障害モニターが再起動させるエンティティーを指定します。entity-to-restart は、次のように設定します。
このリソースだけが再起動されるように指定するには、entity-to-restart を RESOURCE_RESTART に設定します。デフォルトでは、このリソースのみが再起動されます。
このリソースを含むリソースグループのすべてのリソースが再起動されるように指定するには、entity-to-restart を RESOURCE_GROUP_RESTART に設定します。
entity-to-restart を RESOURCE_GROUP_RESTART に設定すると、障害がない場合でも、リソースグループのほかのすべてのリソース (Apache や DNS など) が再起動されます。したがって、リソースグループには、Oracle サーバーリソースが再起動したときに再起動される必要があるリソースだけを含めます。
データベースインスタンスの役割を指定します。role を次のように変更します。
スタンバイインスタンスが構成されていないプライマリデータベースインスタンスのリソースを作成するには、role を NONE に変更します。この値はデフォルト値です。
スタンバイデータベースインスタンスが構成されているプライマリデータベースインスタンスのリソースを作成するには、role を PRIMARY に変更します。
スタンバイデータベースインスタンスのリソースを作成するには、role を STANDBY に変更します。
スタンバイデータベースインスタンスのモードを指定します。Dataguard_role を NONE または PRIMARY に変更すると、Standby_mode の値は無視されます。
論理スタンバイデータベースを指定するには、mode を LOGICAL に変更します。この値はデフォルト値です。
物理スタンバイデータベースを指定するには、mode を PHYSICAL に変更します。
スナップショットスタンバイデータベースを指定するには、mode を SNAPSHOT に変更します。
作成するリソースの名前を指定します。
注 - オプションとして、Oracle のデータサービスに属している追加の拡張プロパティーを設定して、それらのデフォルト値をオーバーライドできます。拡張プロパティーのリストについては、「HA for Oracle 拡張プロパティーの設定」を参照してください。
リソースは有効状態で作成されます。
例 1-1 大域ゾーンで実行する HA for Oracle の登録
この例は、2 ノードのクラスタでの HA for Oracle の登録方法を示しています。コマンドで使用する名前の例は、次のとおりです。
phys-schost-1, phys-schost-2
schost-1
resource-group-1 (フェイルオーバーリソースグループ)
hastp-rs
oracle-server-1, oracle-listener-1
ora-lsnr (リスナー)、ora-srvr (サーバー)
dbcloud
Create the failover resource group to contain all of the resources. # clresourcegroup create resource-group-1 Add the logical hostname resource to the resource group. # clreslogicalhostname create -g resource-group-1 schost-1 Register the SUNW.HAStoragePlus resource type. # clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus Add a resource of type SUNW.HAStoragePlus to the resource group. # clresource create -g resource-group-1 \ -t SUNW.HAStoragePlus \ -p FileSystemMountPoints=/global/oracle,/global/ora-data/logs,/local/ora-data \ -p AffinityOn=TRUE \ hastp-rs Bring the resource group online in a managed state # clresourcegroup online -M resource-group-1 Register the Oracle resource types. # clresourcetype register SUNW.oracle_server # clresourcetype register SUNW.oracle_listener Add the Oracle application resources to the resource group. # clresource create -g resource-group-1 \ -t SUNW.oracle_server \ -p Oracle_home=/global/oracle \ -p Oracle_sid=ora-srvr \ -p Db_unique_name=dbcloud \ -p Dataguard_role=STANDBY \ -p Standby_mode=PHYSICAL \ -p Resource_dependencies_offline_restart=hastp-rs \ oracle-server-1 # clresource create -g resource-group-1 \ -t SUNW.oracle_listener \ -p Oracle_home=/global/oracle \ -p Listener_name=ora-lsnr \ oracle-listener-1
例 1-2 ゾーンクラスタで実行する HA for Oracle の登録
この例は、ゾーンクラスタでの HA for Oracle の登録方法を示しています。グローバルクラスタから発行されるコマンドで使用される名前の例は、次のとおりです。
phys-schost-1, phys-schost-2
zonecluster1, zonecluster2
zchost-1
resource-group-1 (フェイルオーバーリソースグループ)
hastp-rs
oracle-server-1, oracle-listener-1
ora-lsnr (リスナー)、ora-srvr (サーバー)
dbcloud
Create the failover resource group to contain all of the resources.) # clresourcegroup create -Z zonecluster1 resource-group-1 Add the logical hostname resource to the resource group.) # clreslogicalhostname create -Z zonecluster1 -g resource-group-1 zchost-1 Register the SUNW.HAStoragePlus resource type.) # clresourcetype register -Z zonecluster1 SUNW.HAStoragePlus Add a resource of type SUNW.HAStoragePlus to the resource group.) # clresource create -Z zonecluster1 \ -g resource-group-1 \ -t SUNW.HAStoragePlus \ -p FileSystemMountPoints=/global/oracle,/global/ora-data/logs,/local/ora-data \ -p AffinityOn=TRUE \ hastp-rs Bring the resource group online in a managed state # clresourcegroup online -Z zonecluster1 -M resource-group-1 Register the Oracle resource types.) # clresourcetype register -Z zonecluster1 SUNW.oracle_server # clresourcetype register -Z zonecluster1 SUNW.oracle_listener Add the Oracle application resources to the resource group.) # clresource create -Z zonecluster1 \ -g resource-group-1 \ -t SUNW.oracle_server \ -p Oracle_home=/global/oracle \ -p Oracle_sid=ora-srvr \ -p Db_unique_name=dbcloud \ -p Dataguard_role=STANDBY \ -p Standby_mode=PHYSICAL \ oracle-server-1 # clresource create -Z zonecluster1 -g resource-group-1 \ -t SUNW.oracle_listener \ -p Oracle_home=/global/oracle \ -p Listener_name=ora-lsnr \ oracle-listener-1
クラスタ Oracle ASM を使用する構成に、クラスタ Oracle ASM ディスクグループとともにサードパーティーのボリュームマネージャーを含めるには、この手順を実行します。この手順では、Oracle Grid Infrastructure (Grid Infrastructure) コマンドと Oracle Solaris Cluster の保守コマンドを使用します。
Oracle Solaris Cluster SUNW.ScalDeviceGroup リソースをプロキシ設定する Oracle Grid Infrastructure リソースを手動で作成するには、この手順を使用します。この手順では、Grid Infrastructure リソースの名前は sun.resource です。sun.resource がオンラインになるまで、対応する Oracle ASM ディスクグループがマウントされないように、sun.resource を構成します。sun.resource リソースは、対応する SUNW.ScalDeviceGroup リソースがオンラインの場合のみ、オンラインになります。また、SUNW.ScalDeviceGroup リソースは、実際のボリュームマネージャーのディスクセットまたはディスクグループがオンラインの場合だけ、オンラインになります。
Oracle ASM ディスクグループがこの依存関係チェーンのメリットを得られるようにするには、sun.resource を定義したあと、ハードスタート依存関係に sun.resource が含まれるように、適切な Grid Infrastructure Oracle ASM ディスクグループリソースを変更します。Grid Infrastructure の Oracle ASM ディスクグループリソースのハードスタート依存関係の変更は、VALIDATE メソッドを使用することで、SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy リソースによってのみ実行できます。したがって、SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy および SUNW.ScalDeviceGroup リソース間のオフライン再起動依存関係を設定する必要があります。
始める前に
クラスタ Oracle ASM が使用するディスクセットまたはディスクグループを構成します。
Solaris Volume Manager for Sun Cluster を使用する場合、複数所有者ディスクセットを作成します。『Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド』の「Oracle RAC データベース用の Solaris Volume Manager for Sun Cluster 複数所有者ディスクセットを作成する方法」の手順に従ってください。
# /Grid_home/bin/crsctl add type sun.storage_proxy.type -basetype cluster_resource
注 - 必ずすべての属性値を単一引用符 (') で囲んでください。そうしないと、SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy リソースの VALIDATE メソッドは検証に失敗します。
# /Grid_home/bin/crsctl add res sun.scal-asmdg1-rs -type sun.storage_proxy.type \ -attr "ACTION_SCRIPT='/opt/SUNWscor/dsconfig/bin/scproxy_crs_action' \ HOSTING_MEMBERS='node1 node2' \ CARDINALITY='2' \ PLACEMENT='restricted' \ ACL='owner:root:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r--' \ SCRIPT_TIMEOUT='20' \ RESTART_ATTEMPTS='60'"
SUNW.ScalDeviceGroup リソース名。
sun.storage_proxy.type リソースタイプを指定します。
/opt/SUNWscor/dsconfig/bin/scproxy_crs_action アクションスクリプトを指定します。
SUNW.ScalDeviceGroup リソースを含む Oracle Solaris Cluster リソースグループのノードリストのエントリを指定します。
HOSTING_MEMBERS に定義されているホストの数を設定します。
restricted に設定します。
所有者を root と、グループを Oracle ASM ディスクグループの ACL グループエントリと同一に設定します。次のコマンド例は、ACL グループエントリ、oinstall を表示します。
# /Grid_home/bin/crsctl stat res ora.DATA1.dg -p | grep ACL= ACL=owner:oragrid:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r--
20 に設定します。
60 に設定します。
次に出力例を示します。
# /Grid_home/bin/crsctl stat res sun.scal-asmdg1-rs -p NAME=sun.scal-asmdg1-rs TYPE=sun.storage_proxy.type ACL=owner:root:rwx,pgrp:oinstall:rwx,other::r-- ACTION_FAILURE_TEMPLATE= ACTION_SCRIPT=/opt/SUNWscor/dsconfig/bin/scproxy_crs_action ACTIVE_PLACEMENT=0 AGENT_FILENAME=%CRS_HOME%/bin/scriptagent AUTO_START=restore CARDINALITY=2 CHECK_INTERVAL=60 DEFAULT_TEMPLATE= DEGREE=1 DESCRIPTION= ENABLED=1 FAILOVER_DELAY=0 FAILURE_INTERVAL=0 FAILURE_THRESHOLD=0 HOSTING_MEMBERS=node1 node2 LOAD=1 LOGGING_LEVEL=1 NOT_RESTARTING_TEMPLATE= OFFLINE_CHECK_INTERVAL=0 PLACEMENT=restricted PROFILE_CHANGE_TEMPLATE= RESTART_ATTEMPTS=60 SCRIPT_TIMEOUT=20 SERVER_POOLS= START_DEPENDENCIES= START_TIMEOUT=0 STATE_CHANGE_TEMPLATE= STOP_DEPENDENCIES= STOP_TIMEOUT=0 UPTIME_THRESHOLD=1h #
# /Grid_home/bin/crsctl stat res ora.DATA1.dg -p | grep START_DEPENDENCIES START_DEPENDENCIES=hard(ora.asm) pullup(ora.asm) # clresource show -p Resource_dependencies_offline_restart asm-data1-rs === Resources === Resource: asm-data1-rs Resource_dependencies_offline_restart: asm-inst-rs -- Standard and extension properties --
コマンドにはプラス (+) 記号が含まれることに注意してください。
# clresource set -p Resource_dependencies_offline_restart+=scal-asmdg1-rs asm-data1-rs
# clresource create -g asm-dg-rg \ -t SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy \ -p asm_diskgroups=data1 \ -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-inst-rs,scal-asmdg1-rs \ -d asm-data1-rs
# /Grid_home/bin/crsctl stat res ora.DATA1.dg -p | grep START_DEPENDENCIES START_DEPENDENCIES=hard(ora.asm,sun.scal-asmdg1-rs) pullup(ora.asm) # clresource show -p Resource_dependencies_offline_restart asm-data1-rs === Resources === Resource: asm-data1-rs Resource_dependencies_offline_restart: asm-inst-rs scal-asmdg1-rs -- Standard and extension properties --
次の手順
「クラスタ Oracle ASM インスタンスで HA for Oracle を登録および構成する方法 (CLI)」に進みます。
この手順では、Oracle Solaris Cluster の保守コマンドを使用して、クラスタ Oracle ASM インスタンスで HA for Oracle を登録および構成する手順を説明します。
注 - この手順のステップを実行する前に、Oracle Clusterware ソフトウェアをインストールする必要があります。
注 - clsetup ユーティリティーを使用して、手順のステップ 1 から 6 までを実行することもできます。
# clresourcetype register SUNW.rac_framework # clresourcetype register SUNW.crs_framework
# clresourcegroup create -S rac-fmwk-rg
# clresource create -g rac-fmwk-rg -t SUNW.rac_framework rac-fmwk-rs
# clresource create -g rac-fmwk-rg -t SUNW.crs_framework \ -p Resource_dependencies_offline_restart=rac-fmwk-rs \ -d crs-fmwk-rs
# clresourcegroup create ora-db-rg
# clresourcetype register SUNW.scalable_asm_instance_proxy
# clresourcetype register SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy
# clresourcegroup create -S asm-inst-rg asm-dg-rg
# clresourcegroup set -p Rg_affinities=++rac-fmwk-rg asm-inst-rg
# clresourcegroup set -p Rg_affinities=++asm-inst-rg asm-dg-rg
# clresource create -g rac-fmwk-rg \ -t SUNW.crs_framework \ -p Resource_dependencies_offline_restart=rac-fmwk-rs \ -d crs-fmwk-rs
# clresource create -g asm-inst-rg \ -t SUNW.asm_instance_proxy \ -p Oracle_home=Oracle_home \ -p "oracle_sid{node1}"=instance \ -p "oracle_sid{node2}"=instance \ -p Resource_dependencies_offline_restart=crs-fmwk-rs \ -d asm-inst-rs
リソースを配置するリソースグループの名前を指定します。
追加するリソースのタイプを指定します。
Oracle システム識別子を設定します。
Oracle ホームディレクトリへのパスを設定します。
オフライン再起動依存関係を指定します。
作成するリソースの名前を指定します。
SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy リソースタイプを使用します。
# clresource create -g asm-dg-rg -t SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy \ -p Asm_diskgroups=dg[,dg…] \ -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-inst-rs,asm-stor-rs \ -d asm-dg-rs
# clresourcegroup online -eM asm-inst-rg
# clresourcegroup online -eM asm-dg-rg
# clresource status +
HA for Oracle に対して、次のように SUNW.oracle_server と SUNW.oracle_listener の 2 つのリソースタイプを登録します。
注 - クラスタ用 Oracle Grid Infrastructure の単一クライアントアクセス名 (SCAN) リスナーを使用している場合は、SUNW.oracle_listener リソースタイプの登録を省略します。
# clresourcetype register SUNW.oracle_server # clresourcetype register SUNW.oracle_listener
# clreslogicalhostname create -g ora-db-rg [-h logicalhostname] \ logicalhostname-rs
論理ホスト名を指定します。この論理ホスト名は、ネームサービスデータベースに存在する必要があります。logicalhostname と logicalhostname-rs が同一の場合、logicalhostname は省略可能です。
作成する論理ホスト名リソースに割り当てる名前を指定します。
# clresourcegroup online -eM ora-db-rg
注 - クラスタ用 Oracle Grid Infrastructure の単一クライアントアクセス名 (SCAN) リスナーを使用している場合は、SUNW.oracle_listener リソースの構成を省略します。
Oracle サーバーリソース:
# clresource create -g ora-db-rg \ -t SUNW.oracle_server \ -p Oracle_sid=instance \ -p Oracle_home=Oracle_home \ -p Db_unique_home=db-unique-home \ -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-dg-rs \ -d ora-db-rs
Oracle リスナーリソース:
# clresource create -g ora-db-rg \ -t SUNW.oracle_listener \ -p Oracle_home=Oracle_home \ -p Listener_name=listener \ -p Resource_dependencies_offline_restart=asm-dg-rs \ -d ora-ls-rs
リソースを配置するリソースグループの名前を指定します。
追加するリソースのタイプを指定します。
Oracle システム識別子を設定します。
Oracle ホームディレクトリへのパスを設定します。
Oracle データベースの一意の名前を設定します。
Oracle リスナーインスタンスの名前を設定します。この名前は、listener.ora の対応するエントリと一致する必要があります。
作成するリソースの名前を指定します。
注 - オプションとして、Oracle のデータサービスに属している追加の拡張プロパティーを設定して、それらのデフォルト値をオーバーライドできます。拡張プロパティーのリストについては、「HA for Oracle 拡張プロパティーの設定」を参照してください。
# clresource enable ora-db-rs
# clresource enable ora-ls-rs
HA for Oracle を登録および構成したあとは、「HA for Oracle のインストールの確認」に進みます。