ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B63027-03
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

1 インストールの概要

Oracle Business Intelligenceは、エンタープライズ・ビジネス・インテリジェンスを配信するための統合ツールとテクノロジの包括的なセットであり、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition、Oracle Real-Time DecisionsおよびOracle Business Intelligence Publisherで構成されています。


注意:

このガイドでは、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition、Oracle Real-Time DecisionsおよびOracle Business Intelligence PublisherをまとめてOracle Business Intelligenceという用語で表現します。これらの製品のいずれかにのみ適用する説明や指示事項がある場合は、その都度個々の製品名を使用します。


この章では、次の項目について説明します。

1.1 インストール可能な製品

Oracle Business Intelligenceのインストール・パッケージには次の製品が収録されていて、これら製品のインストール、構成および実行に必要なテクノロジもすべて揃っています。

Oracle Business Intelligence 11gインストーラでは、Oracle Business Intelligence Enterprise EditionとOracle Business Intelligence Publisherをインストールするか、Oracle Business Intelligence PublisherとOracle Real-Time Decisionsを別々にインストールするか、またはこれら3つの製品をすべてインストールすることを選択できます。インストールを指定した製品のランタイム・コンポーネントとインフラストラクチャが、Oracle Business Intelligence 11g インストーラですべて作成されます。Oracle Business Intelligence 11g インストーラを実行した後、インストールした製品では、単一のWebLogicドメインにある同一のOracle Fusion Middlewareインフラストラクチャを共有します。

WebLogicドメインでの使用を意図したOracle Business Intelligence製品は、すべて同時にインストールして構成する必要があります。ある時点で一部の製品をインストールして、後日同じWebLogicドメインに残りの製品をインストールすることはできません。たとえば、Oracle Business Intelligence Enterprise Editionをインストールして構成し、Oracle Real-Time Decisionsはインストールしないことにした場合、後でWebLogicドメインにOracle Real-Time Decisionsを追加することはできません。同様に、Oracle Business Intelligence 11g製品を収めたWebLogicドメインを、他のOracle Fusion Middleware製品を収めることができるように後で拡張することもできません。

1.2 インストールのロードマップ

表1-1は、Oracle Business Intelligenceをインストールして構成する必須タスクの概要を示しています。この表には、各タスクの詳細の参照先も示してあります。

表1-1 Oracle Business Intelligenceのインストール手順のタスク

タスク 説明 ドキュメント

タスク1

次のいずれかの方法でOracle Business Intelligenceのインストール・メディアを入手します。

  • Oracle Business IntelligenceインストールDVD

  • Oracle Technology Network (OTN)

  • Oracle Software Delivery Cloud

4.3項「Oracle Business Intelligence 11g インストーラの入手」を参照してください。

タスク2

インストール計画の要件を満たします。

実際のシステム環境が、Oracle Fusion Middleware、Oracle Business Intelligenceおよびリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)のインストール要件を満足していることを確認します。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの動作保証に関するドキュメントを参照してください。

次の場所に移動します:

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html

Oracle Business Intelligence特有の要件については、第3章「Oracle Business Intelligenceの要件」を参照してください。

タスク3

データベースをインストールし、必要なデータベース・スキーマをロードします。

Oracle Business Intelligenceでは、サポートされているデータベースに特定のスキーマをインストールする必要があります。これは、既存のデータベースでRCUを実行することで可能です。

サポートされているデータベースが稼動していることを確認したうえでRCUを実行し、必要なスキーマを作成します。

第3.3項「リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用したデータベース・スキーマの作成」を参照してください。RCUについては、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』にも情報があります。

タスク4

Oracle Business Intelligenceをインストールします。

第4章「Oracle Business Intelligenceのインストール」を参照してください。

タスク5

Oracle Business Intelligenceを構成します。

簡易インストール・タイプとエンタープライズ・インストール・タイプでは、Oracle Business Intelligenceインストーラで構成がシームレスに実行されます。

ソフトウェアのみのインストール・タイプでは、後で構成アシスタントを使用してOracle Business Intelligenceを手動でインストールする必要があります。第5.2項「構成アシスタントを使用したOracle Business Intelligenceの構成」を参照してください。Oracle Business Intelligenceの構成については、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』にも情報があります。


1.3 インストール・モード

Oracle Business Intelligenceでは、インストールで次のモードがサポートされています。

1.4 インストール・タイプ

Oracle Business Intelligence 11g インストーラでは、インストールで次のタイプがサポートされています。

1.4.1 簡易インストール

簡易インストール・タイプでは、デフォルトの設定で1台のコンピュータにOracle Business Intelligenceのコンポーネントを最小限の手順でインストールします。簡易インストール・タイプでは管理対象サーバーがインストールされません。本来であれば管理対象サーバーでホストして実行するコンポーネントは、かわりに管理サーバーでホストされ、実行されます。これらの最適化によってメモリーのフットプリントとOracle Business Intelligenceの複雑さを低減できます。これらの最適化は、特にデモンストレーション、評価および概念実証のユース・ケースを目的としています。

1.4.1.1 インストール内容

簡易インストール・タイプを選択すると、指定したOracle Business Intelligenceコンポーネントのバイナリ・ファイルがOracle Business Intelligence 11g インストーラによってインストールされます。

1.4.1.2 構成内容

簡易インストール・タイプを選択すると、インストールすることを指定したすべてのコンポーネントに対し、Oracle Business Intelligence 11g インストーラによってデフォルトの構成設定が適用されます。

インストールを実行するために、Middlewareホームの場所を指定するようにOracle Business Intelligence 11g インストーラから要求があります。

インストール場所の詳細は、Oracle Fusion Middleware Installation計画ガイドを参照してください。

1.4.2 エンタープライズ・インストール

エンタープライズ・インストール・タイプでは、Oracle Business Intelligenceコンポーネントをインストールしてエンタープライズ・デプロイメントを新規作成するか、Oracle Business Intelligence 11gの既存のエンタープライズ・デプロイメントをスケールアウトできます。これにより、簡易インストール・タイプでは指定できない構成設定(ディレクトリ・パス、ホスト名、ポート番号など)をいくつか指定できます。

1.4.2.1 インストール内容

エンタープライズ・インストール・タイプでは、インストールで指定するオプションに応じて次のいずれかを実行します。

  • 新規インストール: 選択したOracle Business IntelligenceコンポーネントをOracle Business Intelligence 11g インストーラでインストールします。

  • 既存のインストールのスケールアウト: クラスタのプライマリ・ホスト・コンピュータにインストール済のOracle Business IntelligenceコンポーネントをすべてOracle Business Intelligence 11g インストーラでインストールします。ここでは、プライマリ・ホスト・コンピュータを指定する必要があります。

1.4.2.2 構成内容

エンタープライズ・インストール・タイプでは、インストールで指定するオプションに応じて次のいずれかを実行します。

  • 新規インストール: 選択したOracle Business IntelligenceコンポーネントがOracle Business Intelligence 11g インストーラで構成され、指定したMiddlewareホーム、OracleホームおよびWebLogic Serverホームに関連付けられます。

  • 既存のインストールのスケールアウト: プライマリ・ホスト・コンピュータに構成済のものと同じOracle Business IntelligenceコンポーネントがOracle Business Intelligence 11g インストーラで構成されます。プライマリ・ホスト・コンピュータを指定する必要があります。

1.4.3 ソフトウェアのみのインストール

ソフトウェアのみインストール・タイプでは、後の構成のために既存のMiddlewareホームにソフトウェア・バイナリ・ファイルがインストールされます。Oracle Fusion Middlewareの他の製品のインストール(Oracle SOA Suiteなど)によって、Middlewareホームがすでに作成されている場合があります。複数の製品で共通のMiddlewareホームのバイナリ・ファイルを共有する必要がある場合は、バイナリ・ファイルを既存のMiddlewareホームにインストールすると便利です。

ユーザー固有のJDKを使用してOracle Business Intelligenceをインストールするには、ソフトウェアのみのインストール・タイプが必要です。第4.2.5項「ユーザー固有のJava Development Kit (JDK)を使用したOracle Business Intelligence 11gのインストール」を参照してください。

このインストール・タイプを選択した場合、Oracle Business Intelligence 11g インストーラではインストールの過程で構成が一切実行されません。インストール後に構成アシスタントを使用して、新しいドメインとインスタンス・ホームでのバイナリ・ファイルの構成、スケールアウトまたは空のWebLogicドメインの拡張を実行する必要があります。詳細は、第5.2項「構成アシスタントを使用したOracle Business Intelligenceの構成」を参照してください。

1.5 Oracle Business Intelligenceのアーキテクチャ

Oracle Business Intelligenceのアーキテクチャは、その製品を簡易インストールしたか、エンタープライズ・インストールしたかによって異なります。エンタープライズ・インストール・タイプでは、すべてのアーキテクチャ・コンポーネントがインストールされています。簡易インストール・タイプでは、ノード・マネージャと管理対象サーバーを除くすべてのアーキテクチャ・コンポーネントがインストールされています。また、簡易インストール・タイプでは、通常は管理対象サーバーでホストして実行するコンポーネントが、管理サーバーでホストされ、実行されます。次の各図はこれらの相違を示しています。

図1-1は、簡易インストール・タイプでインストールしたOracle Business Intelligenceのアーキテクチャです。

図1-1 簡易インストールによるOracle Business Intelligenceのアーキテクチャ

図1-1の説明が続きます
図1-1「簡易インストールによるOracle Business Intelligenceのアーキテクチャ」の説明

図1-2は、エンタープライズ・インストール・タイプでインストールしたOracle Business Intelligenceのアーキテクチャです。

図1-2 エンタープライズ・インストールによるOracle Business Intelligenceのアーキテクチャ

図1-2の説明が続きます
図1-2「エンタープライズ・インストールによるOracle Business Intelligenceのアーキテクチャ」の説明

1.6 Oracle Business Intelligenceのディレクトリ構造

一般的なOracle Business Intelligenceのインストール環境は、Fusion Middlewareホームと次の主要なサブディレクトリで構成されます。

図1-3は、すべてをデフォルト値として1つのホストにインストールしたOracle Business Intelligenceの一般的なディレクトリ構造を示しています。

図1-3 一般的なOracle Business Intelligenceのディレクトリ構造

図1-3の説明が続きます
図1-3「一般的なOracle Business Intelligenceのディレクトリ構造」の説明