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Oracle® WebCenter Content Conversion管理者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B66701-01
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4 イメージおよびビデオ変換の操作

Digital Asset Managerは、イメージ、ビデオおよびオーディオ・ファイルを、指定のフォーマットとサイズで定義し、組織内の必要とする人がダウンロードできるように提供することを可能にします。これにより、組織内でブランドとデジタル・コンテンツの使用に関する一貫した基準を維持できます。

Digital Asset Managerが機能するには、次のコンポーネントが適切なサーバーにインストールされて有効になっている必要があります。

コンポーネント名 コンポーネントの説明 有効にするサーバー
DAMConverter Inbound Refineryでデジタル・アセットを複数のレンディションに変換できます。 Inbound Refineryサーバー
DamConverterSupport コンテンツ・サーバーでデジタル・アセット管理機能をサポートできます。このコンポーネントは、ZipRenditionManagementコンポーネントに大きく依存しています。 コンテンツ・サーバー
DigitalAssetManager デジタル・アセット管理のユーザー・インタフェースを、レンディションの作成とZIPファイルのアーカイブの管理に使用するコンポーネントとの緊密な統合に使用できます。このコンポーネントは、ContentBasketコンポーネントに大きく依存しています。 コンテンツ・サーバー
ContentBasket ユーザーが、コンテンツ・アイテムのレンダリングを選択し、その内容をコンテンツ・バスケットと呼ばれる個人の記憶域に格納できます。 コンテンツ・サーバー
ZipRenditionManagement コンテンツ・サーバーで、Inbound Refineryによって作成され、ZIPファイルに圧縮されたデジタル・アセットのレンディションにアクセスできます。 コンテンツ・サーバー

この項の内容は次のとおりです。

4.1 Digital Asset Managerの概要

イメージまたはビデオがコンテンツ・サーバーにチェックインされるときに、Digital Asset Managerにより複数のフォーマットのデジタル・アセットが自動的に作成され、1つのコンテンツIDの下に各フォーマットが表示されます。これにより、企業ロゴやプロモーション・ビデオなどのアセットを、組織に必要な複数のフォーマットのサイズと品質の標準を確実に維持すると同時に、コンテンツ・サーバーのコンテンツ管理機能を提供することが可能になります。デジタル・アセットの検出と使用を必要とする組織内のユーザーについては、Digital Asset Managerにより、確実に自分のニーズに合った承認済アセットおよびフォーマットを使用できるようになります。たとえば、コンテンツ・サーバーにチェックインされた単一のデジタル・アセットから、あるユーザーはWebサイトで使用するためにロゴのイメージをバンドルしてダウンロードし、別のユーザーはオフィスでのプレゼンテーションまたは印刷販促物で使用するために同じロゴのイメージをダウンロードしてバンドルするということが可能です。

デジタル・アセットは、組織内で複数の出力フォーマットで利用できるようにする、重要な電子イメージおよびビデオです。各出力フォーマットをレンディションと呼びます。レンディションの数とタイプは、システム管理者がレンディション・セット内で定義します。ユーザーは、コンテンツ・サーバーへのデジタル・アセットのチェックイン時に、デジタル・アセットのレンディションの作成に使用するレンディション・セットを選択します。チェックインしたデジタル・アセットはInbound Refineryにルーティングされ、指定した変換アプリケーションを使用して変換されます。

4.1.1 サポートされる変換アプリケーション

デフォルトでは、Inbound RefineryはOracle Outside In Image Exportを使用してイメージを変換するためのレンディション・セットを提供します。追加のイメージ変換オプションを使用するために、スタンドアロンのグラフィック変換アプリケーションをインストールすることができます。オラクル社では特定のサード・パーティ変換エンジンは提供もサポートもしていません。お好みのエンジンを選択することが可能です。追加のイメージ変換エンジンに対する構成例には、Oracle WebCenter ContentのOracle Technology Networkページからアクセスできます。

ビデオを変換するには、スタンドアロンのビデオ変換アプリケーションをインストールする必要があります。Digital Asset Managerは現在、Telestream社のFlipFactoryバージョン6.1と連携するように構成されています。FlipFactoryバージョン6.1はDigital Asset Managerとは別に入手する必要があります。FlipFactoryはTelestream社によって開発されており、そのWebサイト(www.telestream.net)からダウンロードできます。

Digital Asset Managerは、完全に機能するサード・パーティ変換アプリケーションの実装上で設計およびテストされています。変換アプリケーションのデモ・バージョンはお薦めされず、サポートもされません。

4.1.2 サポートされるストリーミング・サーバー

ストリーミング・デジタル・ビデオについては、Digital Asset Managerでは現在、次のストリーミング・サーバーがサポートされています。

  • Windows Streaming Media: サポートされるWindowsオペレーティング・システムに対するバージョン

  • QuickTime Streaming Media: DarwinおよびQuickTime Streaming Serverバージョン10.4

  • RealMedia: Helix DNA Serverバージョン11

4.1.3 サポートされる入力フォーマット

サポートされる入力フォーマットは、使用されるグラフィック/ビデオ変換アプリケーションによって決まります。Digital Asset Managerは複数のグラフィック変換エンジンを使用できるようになりました。Inbound RefineryにはOracle Outside In Image Exportのみが付属しています。Oracle Outside In Image Exportでサポートされるフォーマットについては、オラクル社のWebサイト(http://www.oracle.com/technology/products/content-management/oit/imageexport.html)を参照してください。

サード・パーティの変換エンジンにより、追加のグラフィック・フォーマットがサポートされる場合があります。サード・パーティの変換エンジンはInbound Refineryとは別に入手する必要があり、オラクル社では正式にサポートしていません。

互換性のある変換エンジンによってサポートされるグラフィック・フォーマットには次のものがあります。

  • JPG/JPEG(Joint Photographic Expert Group)

  • GIF(Graphics Interchange Format)

  • BMP(ビットマップ)

  • PNG(Portable Network Graphics)

  • TIFF(Tag Image File Format)

  • PSD(PhotoShop)

  • AI(Adobe Illustrator)

  • PDF(Portable Document Format)

サポートされるフォーマットの完全なリストについては、選択したグラフィック変換エンジンに付属のドキュメントを参照してください。

FlipFactoryでサポートされるビデオ・フォーマットには次のものがあります。

  • Flashメディア・フォーマット

  • MP3オーディオ・フォーマット

  • MPEG Layer 3およびLayer 4 Elementary Streamメディア・フォーマット

  • PacketVideo MPEG4フォーマット

  • QuickTimeメディア・フォーマット

  • QuickTimeストリーミング・フォーマット

  • Windowsメディア・フォーマット

  • AVIメディア・フォーマット

  • DVDストリーム・メディア・フォーマット

  • MPEG1システム・ストリーム・メディア・フォーマット

  • MPEG2プログラム・ストリーム・メディア・フォーマット

  • MPEG2トランスポート・ストリーム・フォーマット

  • MPEG4メディア・フォーマット

  • Pinnacle MediaStreamメディア・フォーマット

FlipFactoryでサポートされるフォーマットの完全なリストについては、Telestream社のFlipFactoryのドキュメントを参照してください。

4.1.4 サポートされる出力フォーマット

出力フォーマットは、変換アプリケーションによって決まります。Oracle Outside In Image Exportでサポートされるフォーマットについては、オラクル社のWebサイト(http://www.oracle.com/technology/products/content-management/oit/imageexport.html)を参照してください。

ブラウザでのレンディションの表示は、使用しているブラウザで事実上表示できるものに制限されます。イメージについては、使用しているWebブラウザでサポートされるフォーマットのみを表示できます。ビデオについては、Windows Media Player、Real Player、QuickTime PlayerおよびFlashでサポートされる出力フォーマットなど、対応するブラウザ・プラグインが使用可能なフォーマットのみをWebブラウザで表示できます。ブラウザでの表示がサポートされていないフォーマットでレンダリングされたイメージまたはビデオ・アセットもコンテンツ・サーバーで管理されますが、ダウンロードしかできません。

Video Managerで現在サポートされている出力フォーマットは次のとおりです。

  • MPEG Layer 1、2および4(.mpg、.mpeg、.mp2、.mp4)

  • MPEG Layer 3オーディオ(.mp3)

  • Adobe Flash(.flv)

  • QuickTime(.mov)

  • Audio Video Interleave(.avi)

Telestream社のFlipFactory、Windows Media Player、Real Player、QuickTime PlayerおよびAdobe Flashでは多数のフォーマットがサポートされており、可能なすべての組合せを構成することは困難なため、Video Managerではこれらのフォーマットの制限されたサブセットのみを正式にサポートしています。必要に応じて、追加のフォーマットを受け入れるようにDigital Asset Managerを構成し、テストすることもできます。


注意:

変換の処理にMicrosoft IISを使用している場合、認識できないMIMEタイプは404エラーを生成します。サポートされるフォーマットがブラウザで正しく表示されるようにするには、使用するすべてのMIMEタイプをIISに登録してください。詳細は、IISのドキュメントおよびMicrosoft社の記事(article at http://technet.microsoft.com/en-us/library/cc725608%28WS.10%29.aspx)を参照してください。

4.2 Digital Asset Managerの構成

Digital Asset Managerをイメージおよびビデオの変換用に構成するには、次の構成ファイルの変更も含め、追加の手順を実行する必要があります。

この項では、必要な構成手順について詳しく説明します。

4.2.1 イメージ変換用の構成

Digital Asset Managerがイメージのレンディションを作成するには、変換アプリケーションが必要です。Oracle Outside In Image Exportで使用するためのデフォルトのレンディション・セットが提供されており、構成は不要です。

デフォルトのレンディション・セット

デフォルトのレンディション・セットは、リファイナリのIdcHomeDir/components/DAMConverter/resources/ディレクトリにあるdamconverter_basedefinitions.hdaファイルで定義されており、変更してはなりません。コンポーネントをアップグレードすると、変更内容は上書きされます。damconverter_basedefinitions.hdaに含まれるデフォルト・セット以外のレンディション・セットの定義および使用の詳細は、第4.3.2項「イメージ・レンディション・セットの定義」を参照してください。

Digital Asset Managerとともにインストールされるdamconverter_basedefinitions.hdaファイルには、次のデフォルトのレンディション・セットが含まれます。

レンディション・セット名 説明
ThumbnailOnly 高さが正確に80ピクセルの72 dpi PNGレンディションを1つ作成します。
BasicRenditions 次のレンディションを作成します。
  • Web: 800x600ピクセル以下の72 dpi JPEGレンディション

  • Thumbnail: 高さが正確に80ピクセルの72 dpi PNGレンディション

  • Preview: 幅が正確に250ピクセルの72 dpi GIFレンディション

MultipleFormats 次のレンディションを作成します。
  • Web: 800x600ピクセル以下の72 dpi JPEGレンディション

  • Thumbnail: 高さが正確に80ピクセルの72 dpi PNGレンディション

  • Preview: 幅が正確に250ピクセルの72 dpi GIFレンディション

  • Jpeg2000: 幅が800x600ピクセル以下の72 dpi Jpeg 2000レンディション

  • Tiff: パラメータ指定なしのTIFFレンディション。パラメータが指定されないと、元のファイルのdpiとピクセル・サイズが維持されます。

  • Bitmap: パラメータ指定なしのBMPレンディション。


その他の変換アプリケーション

別の変換アプリケーションを使用したい場合も、Digital Asset Managerではニーズに最適なアプリケーションを柔軟に選択できます。Oracle Outside In Image Export以外の変換アプリケーションを使用するには、アプリケーションを入手してインストールし、選択したアプリケーションに適したレンディション・セットを定義する必要があります。


注意:

イメージのレンダリングで最高のパフォーマンスを得るには、Digital Asset Managerに使用されているInbound Refineryインスタンスと同じサーバーにイメージ変換アプリケーションをインストールします。ビデオのレンダリングで最高のパフォーマンスを得るには、ビデオ変換アプリケーションの推奨事項を参照してください。たとえば、FlipFactoryのドキュメントでは、専用のサーバー・クラス・システムにインストールすることがお薦めされています。

追加のレンディション・セットは、/data/configuration/dam/ディレクトリに作成するextraRendition_definitions.hdaという新しいファイル内で定義する必要があります。追加のレンディション・セットの作成の詳細は、第4.3.2項「イメージ・レンディション・セットの定義」を参照してください。

4.2.2 コンテンツ・サーバーの構成ファイルの変更

チェックイン時にビデオ・レンディション・セットが選択されなかった場合にエラーを防ぐために、VideoRenditionsメタデータ・フィールドに対してデフォルト値を設定する必要があります。

構成ファイルを変更するには、次の手順を実行します。

  1. コンテンツ・サーバー・インスタンスの次のディレクトリを開きます。

    <IntradocDir>/config/

  2. 標準のテキスト・エディタでconfig.cfgファイルを開きます。

  3. #Additional Variablesセクションで、DefaultVideoConversionSetを追加し、デフォルトのレンディション・セットとして使用するファクトリに設定します。デフォルト値は、構成マネージャ・アプレットを使用して定義されたVideoConversionsメタデータ・フィールドの選択リスト内のレンディション・セットと一致する必要があります。

  4. 変更内容をconfig.cfgファイルに保存して、ファイルを閉じます。

  5. コンテンツ・サーバーを再起動します。

Digital Asset Managerにより、ユーザーはアセットをバンドルしてローカルまたは共有ファイル・システムにダウンロードできます。config.cfgファイルのAdditional Variablesセクションで次の変数を設定することにより、ダウンロード可能な最大サイズ(MB単位またはファイル数)を指定できます。

  • MaxRenditionBundleInMegabytes=バンドルの最大サイズ(MB単位)

  • MaxRenditionFileEntries=バンドル内の最大ファイル数(数値)


注意:

DefaultVideoConversionSetは、ユーザーがビデオのチェックイン時に「ビデオ・レンディション・セット」を指定しなかった場合に使用されるレンディション・セットを指定します。構成マネージャ・アプレットの「デフォルト値」フィールドではなく、config.cfgファイルで設定する必要があります。

4.2.3 ファイル・フォーマットの関連付けとファイル拡張子のマッピング

コンテンツ・サーバーは、チェックインされたファイルの拡張子に基づいて、コンテンツ・アイテムをデジタル・アセットとして識別します。次のファイル・フォーマットをDigital Asset Managerに関連付け、ファイル拡張子を適切なフォーマットにマップする必要があります。

4.2.3.1 イメージ・フォーマット

  • JPEG(.jpeg、.jpg)

  • GIF(.gif)

  • AI(.ai)

  • PSD(.psd)

  • BMP(.bmp)

  • PNG(.png)

  • TIFF(.tiff、.tif)

4.2.3.2 ビデオ・フォーマット

  • MPEG Layer 1、2および4(.mpg、.mpeg、.mp2、.mp4)

  • QuickTime(.mov)

  • Audio Video Interleave(.avi)

  • Flash Video(.flv)

変換エンジンはレンディション情報をサード・パーティ変換アプリケーションに渡すため、関連付ける追加のフォーマットは、組織で使用しているサード・パーティ変換アプリケーションでサポートされている必要があることに注意してください。


注意:

1つのタイプのデジタル・アセット(イメージまたはビデオ)のみを変換する場合は、そのタイプのアセットに対するフォーマットのみを関連付けます。

4.2.4 ファイル・フォーマットの関連付け

フォーマットをDigital Asset Managerの変換エンジンと関連付けるには、次の手順を実行します。

  1. コンテンツ・サーバーにログインします。管理権限が必要です。

  2. 「管理」トレイの「管理アプレット」をクリックします。管理ページが表示されます。

  3. 「構成マネージャ」をクリックします。構成マネージャ・アプレットが起動します。

  4. 「オプション」→「ファイル・フォーマット」を選択します。「ファイル・フォーマット」画面が表示されます。

  5. 次のいずれかの手順を実行することにより、フォーマットをDigital Asset Managerの変換エンジンと関連付けます。

    フォーマットが「ファイル・フォーマット」画面の「ファイル・フォーマット」(上側)セクションにリストされている場合

    1. リストからフォーマットを選択します。たとえば、イメージに対してはimage/jpeg、ビデオに対してはvideo/mpegを選択します。

    2. 「編集」をクリックします。「ファイル・フォーマットの編集」画面が表示されます。

    3. 「変換」選択リストから、イメージ・フォーマットに対してはDigital Media Graphics、ビデオ・フォーマットに対してはDigital Media Videoを選択します。Digital Media GraphicsおよびDigital Media Videoは、Digital Asset Managerの変換エンジンの名前です。

    4. 必要に応じて、「説明」フィールドの説明を編集します。この説明は構成マネージャには表示されますが、コンテンツ・サーバー・インタフェースには表示されません。

    5. 「OK」をクリックします。「ファイル・フォーマットの編集」画面が閉じます。

    フォーマットが「ファイル・フォーマット」画面の「ファイル・フォーマット」(上側)セクションにリストされていない場合

    1. 「追加」をクリックします。「新しいファイル・フォーマットの追加」画面が表示されます。

    2. 「フォーマット」フィールドにフォーマットのタイプを入力します。タイプは何であってもかまいません。タイプはコンテンツ・サーバーのコンテンツ情報およびレンディション情報ページに表示されます。application/PaintShopなど、説明的な内容を入力します。

    3. 「変換」選択リストから、イメージに対してはDigital Media Graphics、ビデオに対してはDigital Media Videoを選択します。Digital Media GraphicsおよびDigital Media Videoは、Digital Asset Managerの変換エンジンの名前です。

    4. 必要に応じて、「説明」フィールドに説明を入力します。この説明は構成マネージャには表示されますが、コンテンツ・サーバー・インタフェースには通常は表示されません。コンテンツ・サーバーの構成ファイルで構成変数IsOverrideFormattrueに設定することにより、説明をユーザー・インタフェースに表示できます。コンテンツ・サーバーの構成ファイルでIsOverrideFormat=trueと設定すると、チェックイン・ページに選択リストが表示され、ユーザーは特定のファイルに対して変換フォーマットを選択し、割り当てられたフォーマットを無視できるようになります。

    5. 「OK」をクリックします。「新しいファイル・フォーマットの追加」画面が閉じます。

4.2.5 ファイル拡張子のマッピング

フォーマットを適切なDigital Asset Manager変換エンジンに関連付けたら、構成マネージャですべての適切なファイル拡張子がそのファイル・フォーマットにマップされていることを確認する必要があります。フォーマットにマップされたファイル拡張子を持つすべてのファイルが、Digital Asset Manager変換エンジンに渡されるようになります。

Digital Asset Manager変換エンジンに関連付けられているファイル・フォーマットにファイル拡張子をマップするには、次の手順を実行します。

  1. コンテンツ・サーバーにログインします。管理権限が必要です。

  2. 「管理」トレイの「管理アプレット」をクリックします。管理ページが表示されます。

  3. 「構成マネージャ」をクリックします。構成マネージャ・アプレットが起動します。

  4. 「オプション」→「ファイル・フォーマット」を選択します。「ファイル・フォーマット」画面が表示されます。

  5. 次のいずれかの手順を実行することにより、拡張子を適切なフォーマットにマップします。

    拡張子が「ファイル・フォーマット」画面の「ファイル拡張子」(下側)セクションにリストされている場合

    1. リストから拡張子を選択します。たとえば、pspを選択します。

    2. 「編集」をクリックします。「ファイル拡張子の編集」画面が表示されます。

    3. 「マップ先フォーマット」選択リストから適切なフォーマットを選択します。たとえば、application/PaintShopまたはvideo/mpegを選択します。

    4. 「OK」をクリックします。「ファイル拡張子の編集」画面が閉じます。

    フォーマットが「ファイル・フォーマット」画面の「ファイル・フォーマット」(上側)セクションにリストされていない場合

    1. 「追加」をクリックします。「ファイル拡張子の追加」画面が表示されます。

    2. ファイル拡張子を「拡張子」フィールドに入力します。たとえば、pspと入力します。ファイル拡張子のドットは入力しないでください。

    3. 「マップ先フォーマット」選択リストから適切なフォーマットを選択します。たとえば、application/PaintShopまたはvideo/mpegを選択します。

    4. フォーマットに関連付ける拡張子ごとに手順aからcを繰り返します。たとえば、pspimageもapplication/PaintShopに関連付けることができます。

    5. 「OK」をクリックします。「ファイル拡張子の追加」画面が閉じます。

    6. 「閉じる」をクリックします。「ファイル・フォーマット」画面が閉じます。

    7. 構成マネージャを終了します。

    フォーマットを適切なDigital Asset Manager変換エンジン(Digital Media GraphicsまたはDigital Media Video)に関連付け、適切なファイル拡張子をフォーマットにマップしたら、コンテンツ・サーバーにチェックインされるこれらの拡張子を持つすべてのファイルは、変換アプリケーションによる処理のためにInbound Refineryに渡されます。変換エンジンはレンディション情報をサード・パーティ変換アプリケーションに渡すため、関連付ける追加のフォーマットは、組織で使用しているサード・パーティ変換アプリケーションでサポートされている必要があることに注意してください。

4.3 イメージ変換の設定と管理

この項の内容は次のとおりです。

4.3.1 イメージ・レンディション・セットについて

デジタル・アセットをコンテンツ・サーバーにチェックインすると、Digital Asset Managerによってそのアセットの複数のレンディションが作成されます。イメージについては、各レンディションの条件は次の2つのファイルのうちの1つで定義されます。デフォルトのレンディション・セットはdamconverter_basedefinitions.hdaファイルで定義され、変更するべきではありません。カスタム・レンディション・セットはextraRendition_definitions.hdaという名前のコンポーネント・リソース・ファイルに追加できます。このファイルは標準のテキスト・エディタで作成でき、リファイナリのIntradocDir/data/configuration/ディレクトリにあるdamという新しいディレクトリに置く必要があります。フル・ファイル・パスは次のとおりです。

IntradocDir/data/configuration/dam/extraRendition_definitions.hda

ビデオについては、条件はビデオ変換アプリケーションで定義されます。デフォルトではDigital Asset ManagerはFlipFactoryと連携するように設計されているため、デジタル・ビデオ・アセットをレンダリングするための条件はファクトリの作成時に定義されます。

イメージ・アセット・レンディションの定義

インストール時のデフォルト・レンディション・セットを定義する条件は、コンテンツ・サーバーのIdcHomeDir/components/DAMConverter/resources/ディレクトリのdamconverter_basedefinitions.hdaファイルに含まれています。このファイルは編集するべきではありません。

定義は、イメージ・アセットのチェックイン時にコントリビュータがコンテンツ・チェックイン・フォームで選択できるレンディション・セットに対応するレンディション・セットにグループ化されています。それには次の事前定義済レンディション・セットが含まれます。

  • ThumbnailOnly

  • BasicRenditions

  • MultipleFormats

含まれているレンディション・セットは、Outside In Image Exportで使用できるサンプルです。組織固有のニーズに合わない場合は、構成マネージャを使用してそれらの機能を抑制することにより、チェックイン・ページのオプション・リストから削除します。リソース・ファイルを編集することによりセットを削除しないでください。変更内容はコンポーネントの更新時に失われます。

追加のレンディション・セットはextraRendition_definitions.hdaというファイルに追加できます。このファイルは標準のテキスト・エディタで作成でき、リファイナリのIntradocDir/data/configuration/ディレクトリにあるdamという新しいディレクトリに置く必要があります。Digital Asset Managerは実行時にdamconverter_basedefinitions.hdaとextraRendition_definitions.hdaとをマージし、作成された後者のファイルをリソース・ファイルよりも優先します。たとえば、リソース・ファイル内のレンディションと同じ名前だが別のパラメータで新しいレンディションをファイル内に作成した場合、新しいパラメータが使用されます。

4.3.2 イメージ・レンディション・セットの定義

コントリビュータはコンテンツ・サーバーへのデジタル・アセットのチェックイン時に、チェックイン・フォームでレンディション・セットを選択します。イメージ・ファイルについては、そのレンディション・セットはextraRendition_definitions.hdaファイル内に定義されているレンディション・セットと一致します。組織のニーズによっては、システム管理者はレンディションまたはレンディション・セットを変更、削除または追加する必要があります。たとえば、デフォルトのPrintレンディション・セットに指定されている解像度よりも高い解像度が印刷物に必要になる場合、または建築会社からのCADファイルを処理するために新しいレンディション・セットが必要になる場合などが考えられます。

イメージについては、extraRendition_definitions.hdaファイルで定義されているイメージ・レンディション・セットには、セット内に指定されているイメージ・レンディションにデジタル・アセットを変換するためのオプションおよびコンテンツ・サーバー内からレンディションを表示してアクセスするためのオプションが含まれます。デフォルトのレンディション・セットはコンポーネント・リソース・ファイルに含まれ、変更するべきではありません。追加のレンディション・セットは、インストール中に作成したextraRendition_definitions.hdaファイルに追加します。このファイルでは、上のプロパティ・セクションにサード・パーティ変換アプリケーションへのファイル・パスが含まれます。下のセクションには、レンディション結果セットと呼ばれるセットにまとめられたレンディション・セット・オプションが含まれます。

ファイルがコンテンツ・サーバーにチェックインされると、ファイルのフォーマットによりそれがデジタル・アセットであるかどうかが判別されます。イメージ・ファイルである場合は、コンテンツ・サーバーはファイルをInbound Refineryに渡し、Inbound RefineryはextraRenditions.hdaからレンディション・オプションをコールしてそれらをイメージ変換アプリケーションに渡します。生成されたレンディションはInbound Refineryを介してコンテンツ・サーバーまたはその他の指定された場所に戻され、そこで1つのコンテンツID下で管理され、組織で利用できるようになります。

イメージ・アセットについては、構成マネージャ・アプレットのPackagedConversionsメタデータ・フィールドの選択リストに対して定義されているレンディション・セットの名前が、extraRendition_definitions.hdaファイル内で定義されているレンディション・セットの名前と厳密に一致する必要があります。

レンディションの変更または追加時には、デジタル・アセットのチェックイン時にレンディション・セットの名前のみがコントリビュータに対して表示されることに注意してください。レンディション・セット名は説明的である必要があります。レンディション名および説明は、コンテンツ情報ページおよびレンディション情報ページに表示されます。

Idoc Scriptタグ用に予約された、またはURLでの使用が無効なスペースやその他の文字は、レンディション名には使用できません。

4.3.3 イメージ・レンディション・セットの作成と構成

イメージ・レンディションおよびレンディション・セットを追加、変更または削除するには、リファイナリのIntradocDir/data/configuration/dam/ディレクトリにあるextraRendition_definitions.hdaファイルを編集する必要があります。extraRendition_definitions.hdaファイルを正しく変更するには、基本的なHDAファイル構造の理解が必要です。詳細は、『Oracle WebCenter Content Content Server開発者ガイド』を参照してください。

この項の内容は次のとおりです。

4.3.3.1 extraRendition_definitions.hdaファイルの構造

追加のレンディション・セットの定義時には、extraRendition_definitions.hdaファイルには1つのヘッダー行と2つのセクション・タイプを含める必要があります。

セクション・タイプ

extraRendition_definitions.hdaファイルには、次の形式を使用する2つのセクション・タイプがあります。

@section_type section_name
Section data
@end

2つのセクション・タイプは次のとおりです。

  • プロパティ・セクション

  • 結果セット・セクション

extraRendition_definitions.hdaファイルには、1つのプロパティ・セクションと複数の結果セット・セクションがあります。すべてのレンディション・セットは結果セットにまとめられています。

HDAファイル内のセクションではコメントは使用できません。ただし、HDAファイルの最初のセクションの前、セクションの間、または最後のセクションの後であればコメントを挿入できます。

HDAファイルのセクション内の空白行はNULL値として解釈されます。最初のセクション、セクション間または最後のセクションの後の空白行は無視されます。

プロパティ・セクション

extraRendition_definitions.hdaファイルのプロパティ・セクションは、外部の変換アプリケーションへのパスを定義します。デフォルト・ファイルでは、デフォルトのレンディション結果セットで使用される変換オプションを定義するIdoc Script変数の値も宣言します。

プロパティ・セクションのデフォルトのIdoc Script変数は、デフォルト・レンディション・セットによって使用されます。定義する追加のレンディション・セットには不要であるため、このガイドでは説明しません。変換オプションは、結果セット内で直接指定できます。Idoc Scriptの操作の詳細は、Idoc Scriptリファレンス・ガイドを参照してください。

結果セット・セクション

extraRendition_definitions.hdaファイルには2つのタイプの結果セットがあります。ここでは、ファイル内の表示順に示します。

  • レンディション結果セット

  • ExtensionFormatMap

レンディション結果セットは、レンディション・セットをまとめ、レンディションの作成に関する情報を含みます。多数のレンディション結果セットを任意の順序で並べることができます。レンディション結果セットは、追加、変更または削除できますが、各名前は一意である必要があります。

ExtensionFormatMapは、ファイル拡張子/フォーマットのペアをリストしたオプションの結果セットです。これにより、Inbound Refineryは内部で使用するようにコンテンツ・サーバーに適切なファイル・フォーマットを返すことが可能になります。Inbound Refineryは拡張子をMIMEタイプにマップするために別のシステムを使用するため、これは必須のセットではありませんが、この結果セットが定義されている場合は、そこに指定されているマッピングが優先されます。

4.3.3.2 レンディション・セットの追加

extraRendition_definitions.hdaファイルにレンディション・セットを追加する最も簡単な方法は、既存のレンディション・セットをコピーして変更することです。既存のセットを正しく変更するには、セットの基本的な構造を理解する必要があります。

Digital Asset Managerが新しいバージョンに更新されると、damconverter_basedefinitions.hdaなどのコンポーネント・リソースに加えられた変更は上書きされます。追加のレンディション・セットは、IntradocDir/data/configuration/damに作成したextraRendition_definitions.hdaファイルに追加します。Digital Asset Managerは実行時に両方のファイルを使用します。

レンディション結果セットの構造

HDAファイルの内容は、ASCIIテキスト・フォーマットの表データを表す、単純な名前/値ペアを使用して並べられています。結果セット・セクションの最初の行は、コマンド@ResultSetを使用してセットを宣言し、続いてセット名を指定します。2番目の行は表内の列数を指定し、続く行は結果セット内の順序に基づいて列を命名し、移入します。さらに、最後の行はコマンド@endで結果セットを閉じます。

レンディション結果セットの最初の行は@ResultSetで始まることにより結果セットとして宣言し、最後の行は@endでセットを閉じます。また最初の行は、セットを命名します。この例では、名前はThumbnailOnlyです。

名前は説明的である必要がありますが、Idoc Scriptタグ用に予約された、またはURLでの使用が無効なスペースやその他の文字は、レンディション名には使用できません。

2番目の行は、結果セットに含まれる列の数を指定します。Digital Asset Managerのレンディション結果セットには6つの列があります。

各列の名前と説明は次のとおりです。

列名 列の説明
extRenditionName レンディション情報ページに表示されるレンディションの名前。

レンディション名にPrimaryまたはAlternateは使用しないでください。これらの用語は、コンテンツ・サーバーによる内部使用のために予約されています。

extEngine 使用される変換エンジンへのパス。デフォルトでは、これはextraRendition_definitions.hdaファイルのプロパティ・セクションで宣言されているIdoc Script変数として表されます。
extType レンディションがどのように使用されるか。
  • Thumbnail: 検索結果ページのサムネイル表示で使用されます。

  • Preview: レンディション情報ページで使用されます。

  • Web: コンテンツ・アイテムのWeb表示可能バージョン。検索結果ページでコンテンツIDまたはサムネイルをクリックしてアクセスするか、コンテンツ情報ページでWeb表示可能リンクをクリックすると、メインのコンテンツ領域に表示されます。レンディション情報ページでプレビュー・イメージをクリックしてアクセスすると、新しいブラウザ・ウィンドウに表示されます。Webレンディションが定義されていない場合は、コンテンツ・サーバーによりネイティブ・ファイルがWeb表示可能ファイルとして使用されます。

  • Extra: Thumbnail、PreviewまたはWebとして定義されていないレンディション。

レンディション・タイプは組み合せることができます。たとえば、タイプをwebとpreviewとしてリストすると、レンディションはWebファイルおよびプレビュー・ファイルの両方として使用されます。

extSourceFile 変換用にチェックインされたアセットへのファイル・パスで、Idoc Scriptとして表されます。
extParameters ソース・ファイルがどのようにレンダリングされるかを定義する、変換エンジンに渡されるオプション。デフォルトでは、これはextraRendition_definitions.hdaファイルのプロパティ・セクションで宣言されているIdoc Script変数として表されますが、リテラル文字列でも表せます。
  • <$infile$>: レンディションの生成に使用されるソース・ファイルの名前で、Idoc Scriptとして表されます。

  • <$outfile$>: レンダリングされるファイルの名前。これは必須パラメータであり、Idoc Scriptとして表されます。

  • <$parameter_variable$>: 変換アプリケーションによってレンダリングに使用されるオプション。提供されているレンディション・セットでは、これらはextraRendition_definitions.hdaファイルのプロパティ・セクションで宣言されているIdoc Script変数として表されます。変換アプリケーションによって使用されるオプションのリテラル文字列としても表せます。たとえば、damconverter_basedefinitionsでWebレンディションに使用されるリテラル文字列は次のとおりです。

    outputid=FI_GIF, graphicoutputdpi=72, graphicwidthlimit=250, graphicheightlimit=0
    

    これは次の変数としても表せます。

    <$ImageExport_BasicRenditions_Web$>
    
extDescription レンディション情報ページに表示されるレンディションの説明。

.hdaファイルの操作の詳細は、コンポーネントの操作ガイドを参照してください。

新しいレンディション結果・セットを追加するには、次の手順を実行します。

  1. 標準のテキスト・エディタでextraRendition_definitions.hdaを開きます。

  2. 既存のレンディション結果セットをコピー・アンド・ペーストします。

    1. コピーするレンディション結果セットを、@ResultSet行から@end行まで選択し、コピーします。

    2. extraRendition_definitions.hdaファイル内のいずれか2つの既存のレンディション結果セットの間にカーソルを置きます。

    3. レンディション結果セットをファイルに貼り付けます。

    結果セット・セクション間の空白行は無視されます。extraRendition_definitions.hdaファイルを見やすくするために、新しいレンディション結果セットの前後に空白行を挿入することもできます。

  3. @ResultSetの横に表示されている新しいレンディション結果セットの名前を変更します。たとえば、@ResultSet NewNameに変更します。

    名前は説明的である必要がありますが、Idoc Scriptタグ用に予約された、またはURLでの使用が無効なスペースやその他の文字は、レンディション名には使用できません。

  4. 結果セットに残す各レンディションに対するレンディション情報を変更します。

    1. extRenditionName列に表示されているレンディションの名前を変更します。レンディション名には空白を含めることができます。

    2. extType列に表示されているレンディションのタイプを変更します。各レンディションには複数のタイプ(preview、webなど)を設定できます。

    3. extParameters列に表示されているレンダリングの変換オプションを変更します。変換オプションは、どのサード・パーティ変換アプリケーションが使用されているかによって異なります。

    4. extDescription列に表示されているレンディションの説明を変更します。説明は何であってもかまいません。説明はレンディション情報ページに表示されます。

      extSouceFile列で使用されている<$InFilePath$>変数は変更しないでください。これは必須です。

  5. 結果セット内の不要なレンディションは削除します。

  6. extraRendition_definitions.hdaファイルを保存します。

4.3.3.3 レンディション・セットの有効化

extraRendition_definitions.hdaファイルにレンディション・セットを追加したら、構成マネージャを使用して、「コンテンツ・チェックイン・フォーム」の「イメージ・レンディション・セット」フィールドのオプションとして選択可能にする必要があります。

構成マネージャでレンディション・セットの名前をオプションとして追加するには、次の手順を実行します。

  1. コンテンツ・サーバーにログインします。管理権限が必要です。

  2. 「管理」トレイの「管理アプレット」をクリックします。管理ページが表示されます。

  3. 「構成マネージャ」をクリックします。構成マネージャ・アプレットが起動します。

  4. 「情報フィールド」タブがアクティブであることを確認し、PackagedConversions情報フィールドを選択して、「編集」をクリックします。カスタム情報の編集画面が表示されます。

  5. 「構成」をクリックします。オプション・リストの構成画面が表示されます。

  6. 「編集」をクリックします。「オプション・リスト」画面が表示されます。

  7. extraRendition_definitions.hdaファイルのpackedConversion結果セットに記載されているとおりに、新しい結果セットの名前を追加します。レンディション・セットはどのような順序でも並べられます。

    extraRendition_definitions.hdaファイルで使用されている名前と、PackagedConversionsオプション・リストで使用されている名前は一致する必要があります。Idoc Scriptタグ用に予約された、またはURLでの使用が無効なスペースやその他の文字は使用できません。

  8. 「OK」をクリックして「オプション・リスト」画面を閉じます。

  9. 「OK」をクリックして「オプション・リストの構成」画面を閉じます。

  10. 「OK」をクリックしてカスタム情報の編集画面を閉じます。

4.3.4 XMPおよびEXIFデータの操作

ほとんどのデジタル・イメージには、その作成に使用されたハードウェアまたはソフトウェアによりデータが関連付けられています。たとえばデジタル・フォトには、撮影された日付および撮影に使用されたカメラなどのデータが関連付けられています。Adobe Photoshopで作成されたデジタル・ファイルには、さらに多くのメタデータが関連付けられています。デジタル・フォトに関連付けられたメタデータはEXIF(Exchangeable Image File Format)データと呼ばれます。これは、Adobe Photoshopなどのコンピュータ・アプリケーションで作成されるデータ・タイプのサブセットです。アプリケーション・メタデータはXMP(EXtensible Metadata Platform)と呼ばれます。

Inbound Refineryは、デフォルトでEXIFおよびXMPデータをコンテンツ・サーバーに送信するように構成されるようになりました。そこで索引付けされ、テキストとして検索できるようになります。

4.3.4.1 コンテンツ・サーバーでのXMPおよびEXIFデータの検索

デフォルトでは、XMPスキーマおよびEXIFデータは、Inbound Refineryによって抽出されてコンテンツ・サーバーに渡されます。コンテンツ・サーバーは、デジタル・アセットの「イメージ・データ」タブにこのデータを表示します。OracleTextSearchがインストールされていて有効な場合は、データの索引が作成され、フルテキスト検索で検索できます。XMPまたはEXIFメタデータを特定条件で検索できるようにするには、コンテンツ・サーバーのユーザー・インタフェースに対してプレースホルダ・フィールドを有効にし、検索コレクションを再構築する必要があります。実行すると、ユーザーは、データの特定条件を使用してコンテンツを検索できるようになります。

ユーザー・インタフェース上でXMPまたはEXIFデータ・フィールドを有効にし、検索に特定条件を使用できるようにするには、次の手順を実行します。

  1. コンテンツ・サーバーで「管理」トレイを開いて、「DAM管理」をクリックします。DAM検索フィールド管理ページが表示されます。

  2. ユーザー・インタフェース上で有効にするデータ・フィールドを含む、「XMPスキーマ・カテゴリ」の下のセクションを開きます。たとえば、イメージが撮影された日時に基づいてデジタル・イメージを検索するには、「EXIF」カテゴリを開きます。

  3. 検索に使用するプレースホルダ・フィールドを見つけて有効にします。たとえば、「EXIF」カテゴリで「XMPオリジナル作成日時」にスクロールし、有効にします。

  4. 「更新」をクリックします。

  5. 検索索引を再構築します。検索索引の再構築の詳細は、コンテンツ・サーバーのドキュメントを参照してください。


    注意:

    ユーザー・インタフェースでフィールドを有効にすると、コンテンツ・サーバーにプレースホルダ・フィールドが作成され、情報を索引付けして検索することが可能になります。データベース表が変更されたり、データベースに格納するためのフィールドに情報を入力または変更したりできるようにはなりません。

4.3.4.2 XMPおよびEXIFデータのレンディションへのテキスト・オーバーレイとしての適用

プレースホルダ・フィールドが作成され、メタデータが索引付けされたら、XMPおよびEXIFメタデータをカスタム・レンディションでテキスト・オーバーレイとして使用できます。

4.4 ビデオ変換の設定と管理

Digital Asset Managerでは、コンテンツ・サーバーにチェックインされたビデオ・アセットをレンダリングするためにサード・パーティ変換アプリケーションが必要です。現在、Digital Asset ManagerはTelestream社のFlipFactory(http://www.telestream.net/products/flipfactory.htm)と連携するように設計されています。

ここでは、次の項目について説明します。

4.4.1 FlipFactoryのインストール

FlipFactoryのインスタンスがまだインストールされていない場合は、FlipFactoryに付属の指示に従って、要件を満たすようにアプリケーションをインストールおよび設定します。FlipFactoryはWindowsサーバー上にインストールする必要があります。


注意:

Microsoft SQL Server 2000以前のインスタンスがインストールされたコンピュータにFlipFactoryをインストールすると、インストールは失敗します。FlipFactoryをインストールするコンピュータにSQL Server 2000以前がインストールされていないことを確認してください。

FlipFactoryでQuickTimeレンディションを生成するには、QuickTimeがインストールされている必要があります。使用しているFlipFactoryの特定のバージョン(6.0または6.1)で使用すべき適切なバージョンのQuickTimeの入手と統合に関する情報は、FlipFactoryのドキュメントを参照してください。またFlipFactoryに関する最新情報については、Telestream社のサイト(http://www.telestream.net/)を参照してください。

ビデオ・アセットのレンダリングには多くのコンピュータ・リソースが必要となるため、FlipFactoryとInbound Refineryは別々のサーバー・クラスのシステムにインストールすることをお薦めします。またアクセスを容易にするために、両方のサーバーで同じ管理者ユーザー・リストを使用することをお薦めします。


4.4.2 Digital Asset Managerビデオ・プラグインのインストール

Inbound Refineryがビデオを変換するためにFlipFactoryとの通信に使用する監視、トランスポートおよび通知プラグインは、DAMConverterコンポーネントによってインストールされるidcFlipFactoryPlugin.zipファイルで配布されます。idcFlipFactoryPlugin.zipファイルは、リファイナリのIdcHomeDir/components/DAMConverter/VideoManagerFlipFactoryPlugin/ディレクトリにあります。

FlipFactoryに対するDigital Asset Managerプラグインをインストールして構成するには、次の手順を実行します。

  1. FlipFactoryがインストールされているWindowsサーバー上で「サービス」を開きます。

  2. Flip Engineサービスを選択してから、「操作」→「停止」を選択します。

  3. リファイナリのIdcHomeDir/components/DAMConverter/VideoManagerFlipFactoryPlugin/ディレクトリにあるidcFlipFactoryPlugin.zipを選択し、ファイルをFlipFactoryのインストール・ディレクトリに抽出します。たとえば、C:/Telestream/FlipFactory/に抽出します。次の場所に2つのディレクトリが抽出されます。

    • /<FlipFactory_install_dir>/idcTools/

    • /<FlipFactory_install_dir>/Plugins/


      注意:

      すべてのファイルが正しい場所に抽出されるように、FlipFactoryのインストール・ディレクトリへのidcFlipFactoryPlugin.zipファイルの抽出時にはディレクトリ構造はそのまま残してください。完全なディレクトリ構造は次のとおりです。
      • /<FlipFactory_install_dir>/idcTools/jars/

      • /<FlipFactory_install_dir>/Plugins/com/stellent/refinery/ff/impl


4.4.3 FlipFactory 6.0に必要なJDOMライブラリがインストールされていることの確認

FlipFactory 6.0では、JDOMライブラリjdom.jarが/<FlipFactory_install_dir>/Jars/ディレクトリにインストールされている必要があります。Digital Asset Managerビデオ・プラグインのインストール後に、/<FlipFactory_install_dir>/Jars/ディレクトリに移動し、jdom.jarファイルが存在することを確認してください。存在しない場合は、最新のAPIをhttp://www.jdom.org/からダウンロードし、jdom.jarファイルのみを/<FlipFactory_install_dir>/Jars/ディレクトリにコピーして、FlipFactoryを再起動します。

これは、FlipFactoryのこれ以降のバージョンでは必要ありません。

4.4.4 FlipFactoryとのディレクトリの共有

ビデオを変換するには、Digital Asset Managerの各実装に対し、FlipFactoryと共有するファイル・システム上にステージング・ディレクトリと監視対象ディレクトリが必要です。ステージング・ディレクトリと監視対象ディレクトリは、同じディレクトリでかまいません。Digital Asset Managerが正しく機能するためには、各監視対象ディレクトリ内のサブディレクトリの名前が、Digital Asset Manager内のレンディション・セットの名前と同じである必要があり、またこのレンディション・セットの名前がFlipFactoryで作成されたファクトリと同じ名前である必要があります。

また、監視対象フォルダの各サブディレクトリ内にinディレクトリとoutディレクトリが必要です。


注意:

複数のファクトリが同じinディレクトリを参照する場合、入力ファイルは、最初に通知を受け取ったファクトリによってレンダリングされます。ファクトリごとにパラメータが異なるため、予期しない結果が発生することがあります。変換が正しく機能し、各レンディションに対して予想どおりの結果が得られるようにするためには、FlipFactoryで作成される各ファクトリは専用のinディレクトリを参照する必要があります。

共有ディレクトリへのパスには空白を含めないでください。


必要なディレクトリを作成するには、次の手順を実行します。

  1. FlipFactoryとInbound Refineryの両方からアクセス可能な共有ファイル・システムを用意します。最良の結果を得るには、FlipFactoryがインストールされているシステム上に共有ディレクトリを設定します。

  2. ステージング・ディレクトリを作成します。どのような名前を付けてもかまいません。たとえば、Video_Stagingとします。

  3. 監視対象ディレクトリを作成します。どのような名前を付けてもかまいません。たとえば、Video_Watchとします。1つの共有ディレクトリを、監視対象ディレクトリとステージング・ディレクトリの両方に使用できます。

  4. 監視対象ディレクトリを開き、Digital Asset Managerで定義されている各レンディション・セットに対するディレクトリを作成します。ディレクトリ名は、構成マネージャでVideoRenditionsカスタム・メタデータ・フィールドを編集することにより定義したレンディション・セットの名前と同じである必要があります。


    注意:

    変換が正しく機能するには、監視対象サブディレクトリ、Digital Asset Managerレンディション・セットおよびFlipFactoryファクトリの名前が同じである必要があります。共有ディレクトリへのパスには空白を含めてはなりません。

  5. 監視対象ディレクトリ内の各ディレクトリを開き、inとoutという名前の2つのサブディレクトリを作成します。次に例を示します。

    /<Video_Watch_dir>/MediumBandwidth/in
    /<Video_Watch_dir>/MediumBandwidth/out
    

4.4.5 変換エンジンの共有ディレクトリ・パスの設定

ステージング・ディレクトリおよび監視対象ディレクトリを作成したら、Inbound RefineryとFlipFactoryの両方にそれらのディレクトリがどこにあるかを知らせる必要があります。Inbound Refineryは、アセットのコピーをステージング・ディレクトリに配置し、レンダリングの完了時に監視対象ディレクトリからレンディションを取得できなければなりません。Inbound Refineryは、FlipFactoryが理解できる構文で、監視対象ディレクトリ内のファイルのレンダリングをリクエストし、FlipFactoryに対してアセットがどこにあり、どこにレンディションを戻すべきかを指定するXMLファイルをポストする必要もあります。最良の結果を得るには、FlipFactoryがインストールされているシステム上に共有ディレクトリを設定します。

Inbound Refineryでの共有ディレクトリ・パスの設定

Inbound Refineryで共有ディレクトリ・パスを設定するには、次の手順を実行します。

  1. 共有ディレクトリにアクセスする各Inbound Refinery接続に対するintradoc.cfgファイルを標準のテキスト・エディタで開きます。intradoc.cfgファイルは、Inbound Refineryインストールの接続ディレクトリにあります。次に例を示します。

    DomainDir/ucm/ibr/bin/intradoc.cfg

  2. 変数VideoStagingDirを追加し、FlipFactoryと共有するステージング・ディレクトリのパスに設定します。次に例を示します。

    VideoStagingDir=\\\\NetworkIdentity/Video_Staging/

    パスとして、ローカル・パス、マップされたパスまたはUniversal Naming Convention(UNC)パスを使用できます。バックスラッシュはJavaではエスケープ文字であるため、バックスラッシュを使用するパスは2つのバックスラッシュを使用してエスケープする必要があります。たとえば、パス\\NetworkIdentity/Video_Stagingは\\\\NetworkIdentity/Video_Stagingになります。


    注意:

    共有ディレクトリへのパスには空白を含めないでください。

  3. 変数RefineryFlipFactoryWatchRootDirを追加し、FlipFactoryと共有する監視対象ディレクトリのパスに設定します。次に例を示します。

    RefineryFlipFactoryWatchRootDir=\\\\NetworkIdentity/Video_Watch.

  4. 変更を保存して、intradoc.cfgファイルを閉じます。

ディレクトリ構成

両方のアプリケーションがWindowsプラットフォーム上で実行されている場合、VideoStagingDirとRefineryFlipFactoryWatchRootDirには同じ値を指定できます。これは、ディレクトリへのアクセスのための構文とXMLリクエスト内でのディレクトリの場所のポストのための構文を同一にできるためです。

ただし、Inbound RefineryがUNIXプラットフォーム上で実行されている場合は、ディレクトリへのアクセスと、Windowsプラットフォーム上で実行されているFlipFactoryが理解できる形でのXMLリクエスト内でのディレクトリの場所のポストとでは、共有ディレクトリへのパスに異なる構文が必要になることがあります。

FlipFactoryが理解できるファイル・パスをInbound Refineryが正確にポストするためのコンテキストを提供するように、次の変数がInbound Refinery接続のintradoc.cfgファイルに追加されています。

  • VideoStagingDirFactoryContext

  • RefineryFlipFactoryWatchRootDirFactoryContext

たとえば、FlipFactoryのインスタンスで\\\\NetworkIdentity/Video_Staging/にステージング・ディレクトリが作成され、/mnt/Video_StagingとしてUNIX Inbound Refineryシステムにマウントされた場合、次のようになります。

  • VideoStagingDir=/mnt/Video_Staging

  • VideoStagingDirFactoryContext=\\\\NetworkIdentity/Video_Staging/

intradoc.cfgファイルに複数プラットフォーム・サポート変数を追加するには、次の手順を実行します。

  1. 共有ディレクトリにアクセスする各Inbound Refinery接続に対するintradoc.cfgファイルを標準のテキスト・エディタで開きます。intradoc.cfgファイルは、Inbound Refineryインストールの接続ディレクトリにあります。次に例を示します。

    DomainDir/ucm/ibr/bin/intradoc.cfg

  2. 変数VideoStagingDirFactoryContextを追加し、FlipFactoryのコンテキストから見たステージング・ディレクトリのパスに設定します。次に例を示します。

    VideoStagingDirFactoryContext=\\\\NetworkIdentity/Video_Staging/

  3. 変数RefineryFlipFactoryWatchRootDirFactoryContextを追加し、FlipFactoryのコンテキストから見た監視対象ディレクトリのパスに設定します。次に例を示します。

    RefineryFlipFactoryWatchRootDirFactoryContext=
    \\\\NetworkIdentity/Video_Watch

  4. 変更を保存して、intradoc.cfgファイルを閉じます。

FlipFactoryでの共有ディレクトリ・パスの設定

FlipFactoryでは、ファクトリを作成するたびにOracle IBR監視プラグインを使用して監視対象ディレクトリが定義されます。詳細は、第4.4.2項「Digital Asset Managerビデオ・プラグインのインストール」を参照してください。

FlipFactoryでは、ステージング・ディレクトリは明示的に定義する必要はありません。


注意:

FlipFactoryがUNIXプラットフォーム上の共有ディレクトリにアクセスするには、FlipFactoryサーバー上でFlip Engineサービスが特定のユーザーで実行されるように構成する必要がある場合があります。詳細は、FlipFactoryに付属のドキュメントを参照してください。

4.4.6 メディアの場所の設定

Inbound Refineryとコンテンツ・サーバーの両方がFlipFactoryから返されたビデオ・レンディションをどのように処理すべきか認識できるように、ビデオ・レンディションをどこに置くかを構成する必要があります。ビデオ・レンディションはビジネスのニーズに応じて様々な場所に配置できます。たとえば、コンテンツ・サーバーのWebレイアウト・ディレクトリに返す、コンテンツ・サーバー外からアクセスできるファイル・システム上に置く、ストリーミング・サーバーに送信することなどが可能です。


注意:

レンダリングされたビデオをストリーミングする予定である場合は、サポートされるメディア・サーバーに付属の指示に従ってメディア・サーバーをインストールして正しく構成し、適切なストリーミング・フォーマットを配信するように変換アプリケーションを設定する必要があります。現在Digital Asset Managerでは、Darwin Streaming Server(QuickTime)、Helix Streaming Server(HelixMedia)およびWindows Media Serverがサポートされています。

この項の内容は次のとおりです。

4.4.6.1 ファイルの配置場所について

Digital Asset Managerが機能するには、Inbound Refineryは送信されたビデオ・アセットおよびそのレンディションをどのように処理すべきかを認識し、コンテンツ・サーバーはそれらへのアクセス方法を認識している必要があります。デフォルトでは、コンテンツ・サーバーはメディアの場所としてWebレイアウト・ディレクトリを使用するように設定されています。これに必要なのは、ビデオに対するメディアの場所として使用するためにコンテンツ・サーバーのWebレイアウト・ディレクトリを指すようにInbound Refineryで構成変数を設定することだけです。

コンテンツ・サーバー内へのレンディションの配置

Webレイアウト・ディレクトリをメディアの場所として使用すると、アセットをコンテンツ・サーバー内で保持できるというメリットがありますが、コンテンツ・サーバー外からはアセットにアクセスできず、柔軟性は失われます。コンテンツ・サーバー外にアセットを格納すると、たとえば異なるアクセス権やバックアップ・スケジュールが設定された複数の場所にアセットを送信したり、アセットを別のメディア・サーバーやWebサーバーから提供することが可能になります。

構成変数の設定手順の詳細は、第4.4.6.2項「配置場所構成変数の設定」を参照してください。例4-1に、コンテンツ・サーバーのWebレイアウト・ディレクトリにメディア・レンディションを格納するために必要な構成を示します。

例4-1 コンテンツ・サーバーのWebレイアウト・ディレクトリへのメディア・レンディションの格納

コンテンツ・サーバーの設定

すべてをWebレイアウト・ディレクトリに格納する場合は、コンテンツ・サーバーのいずれの構成変数も設定する必要はありません。

Inbound Refineryの設定

Inbound Refineryはコンテンツ・サーバーとは異なるマシン上に設定されることが多く、その場合Inbound Refineryはコンテンツ・サーバーのパスを認識しません。したがって、次のエントリをInbound Refineryのintradoc.cfgファイル内で設定することが必要になります。

DefaultMediaPhysicalRoot-<agentName>=<agentWeblayoutDir>

<agentName>はコンテンツ・サーバーのIDC_Name、<agentWeblayoutDir>はInbound Refineryから見たコンテンツ・サーバーのWebレイアウト・ディレクトリです。

また、コンテンツ・サーバーのファイル・ストア・プロバイダ機能を使用して設定されたパーティションをコンテンツ・サーバーで使用している場合、各パーティションに対する構成エントリを作成する必要があります。たとえば、コンテンツ・サーバーのルート$#env.WeblayoutDir$/damPartition/にdamPartitionとして定義されたパーティションがある場合、エントリは次のようになります。

DefaultMediaPhysicalRoot-<agentName>On<partitionName>=<agentdamPartitionPath>

<agentName>はコンテンツ・サーバーのIDC_Name、<partitionName>はパーティションの名前、<agentdamPartitionPath>はInbound Refineryから見たパーティション・ルートへのパスです。

コンテンツ・サーバー外へのレンディションの配置

アセットをコンテンツ・サーバー外に配置すると、コンテンツ・サーバーだけでなく、ストリーミング・メディア・サーバーやWebサーバーなどの他のサーバーがレンディションにアクセスできるようになります。アセットをコンテンツ・サーバー外に配置する場合は、アセットの場所をInbound Refineryとコンテンツ・サーバーの両方の構成ファイルで設定する必要があります。また、コンテンツ・サーバーの構成ファイルでURLルートを設定する必要があります。例4-2に、コンテンツ・サーバー外にメディア・レンディションを格納するために必要な構成を示します。


注意:

コンテンツ・サーバーとInbound Refineryはどちらも、配置場所に物理的にアクセスできる必要があります。コンテンツ・サーバー外にあるレンディションにアクセスするには、別のWebサーバーをインストールして適切に構成する必要があります。

例4-2 コンテンツ・サーバー外へのメディア・レンディションの格納

コンテンツ・サーバーの設定

コンテンツ・サーバーは、メディアの場所の物理およびURLルートを認識している必要があります。次の構成設定をコンテンツ・サーバーのintradoc.cfgファイルで指定します。

DefaultMediaPhysicalRoot=\\\\mediaServer/ucmmedia/
DefaultMediaUrlRoot=http://mediaServer/media/

コンテンツ・サーバーのファイル・ストア・プロバイダ機能を使用して設定されたパーティションをコンテンツ・サーバーで使用している場合、各パーティションはDefaultMediaPhysicalRootで設定されているルート場所のサブディレクトリになります。デフォルトでは、コンテンツ・サーバーはDefaultMediaPhysicalRoot設定にパーティション名が付加された場所にメディアを格納します。

たとえば、DefaultMediaPhysicalRoot=\\\\mediaServer/ucmmedia/の場合、メディアは次の場所に格納されます。

\\\\mediaServer/ucmmedia/<partitionName>

同様に、DefaultMediaUrlRootで設定されているURLルートのデフォルトにも自動的にパーティション名が付加されます。たとえば、DefaultMediaUrlRoot=http://mediaServer/media/の場合、メディアは次の場所でアクセスされます。

http://mediaServer/media/<partitionName>

オプションで、DefaultMediaPhysicalRootOn<partitionName>とDefaultMediaUrlRootOn<partitionName>を設定することにより、物理およびURLルートとして特定のファイル・ストア・プロバイダ・パーティションが使用されるように明示的に定義することもできます。次に例を示します。

DefaultMediaPhysicalRootOn<partitionName>=\\\\mediaServer2/ucmparition/
DefaultMediaUrlRootOn<partitionName>=http://mediaServer2/ucmparition/

Inbound Refineryの設定

Inbound Refineryのintradoc.cfgファイルで次のエントリを設定します。

DefaultMediaPhysicalRoot-<agentName>=\\\\mediaServer/ucmmedia/

<agentName>はコンテンツ・サーバーのIDC_Nameです。

コンテンツ・サーバーのintradoc.cfgファイルでDefaultMediaPhysicalRootOn<partitionName>を設定している場合、両方の設定が同じ場所に解決されるように、Inbound Refineryのintradoc.cfgファイルでも同様に設定する必要があります。

DefaultMediaPhysicalRootOn<partitionName>=\\\\mediaServer2/ucmparition/

コンテンツ・サーバー内外へのレンディションの配置

状況によっては、ほとんどのレンディションに対するメディアの場所としてはWebレイアウト・ディレクトリを使用するが、特定のフォーマットはコンテンツ・サーバー外に配置することが必要になる場合があります。たとえば、.MOVレンディションはコンテンツ・サーバー内に格納するが、.WMVと.WMAレンディションはストリーミング・メディア・サーバーからアクセスできるようにコンテンツ・サーバー外に配置する場合などです。例4-3に、コンテンツ・サーバー内と外の両方にメディア・レンディションを格納するために必要な構成を示します。


注意:

コンテンツ・サーバーとInbound Refineryはどちらも、配置場所に物理的にアクセスできる必要があります。

例4-3 コンテンツ・サーバー内外へのメディア・レンディションの格納

コンテンツ・サーバーの設定

コンテンツ・サーバーは、メディアの物理およびURLルートを認識している必要があります。構成方法については、第4.4.6.1項「コンテンツ・サーバー外へのメディア・レンディションの格納」の「コンテンツ・サーバーの設定」の例に従ってください。

また、コンテンツ・サーバーに.WMVと.WMAファイルを他のレンディションとは別に処理すべきであることを指示するために、コンテンツ・サーバーのintradoc.cfgファイルに次の追加のエントリを作成する必要があります。

WinMediaSupportEnabled=true

さらに、.WMVと.WMAファイルの場所をコンテンツ・サーバーに対して指定する必要があります。

WinMediaPhysicalRoot=\\\\winmediaServer/ucmRenditions/windowsMedia/
WinMediaUrlRoot=rstp://winmediaServer/ucmRenditions/windowsMedia/

Inbound Refineryの設定

Inbound Refineryは、メディアの物理ルートを認識している必要があります。構成方法については、第4.4.6.1項「コンテンツ・サーバー外へのメディア・レンディションの格納」の「Inbound Refineryの設定」の例に従ってください。

また、Inbound Refineryに.WMVと.WMAファイルを他のレンディションとは別に処理すべきであることを指示するために、Inbound Refineryのintradoc.cfgファイルに次の追加のエントリを作成する必要があります。

WinMediaSupportEnabled=true

さらに、どのフォーマットをコンテンツ・サーバー外に配置すべきかをInbound Refineryに対して指定する必要があります。

WinMediaFormats=wmv|wma

また、.WMVと.WMAファイルの配置場所をInbound Refineryに対して指定する必要があります。

WinMediaPhysicalRoot-<agentName>=\\\\winmediaServer/ucmRenditions/windowsMedia/

特定のフォーマットに対する場所を設定する手順の詳細は、第4.4.6.3項「特定のメディア・フォーマットの配置場所の構成」を参照してください。

4.4.6.2 配置場所構成変数の設定

アセットの配置場所を設定するには、次の手順を実行します。

  1. 共有ディレクトリにアクセスする各Inbound Refinery接続に対するintradoc.cfgファイルを標準のテキスト・エディタで開きます。intradoc.cfgファイルは、Inbound Refineryインストールの接続ディレクトリにあります。次に例を示します。

    DomainDir/ucm/ibr/bin/intradoc.cfg
    
  2. 変数DefaultMediaPhysicalRootを追加し、ビデオ・レンディションのデフォルトの配置場所に設定します。Inbound Refineryは複数のコンテンツ・サーバーに対する変換を行っている場合もあるため、コンテンツ・サーバーのエージェント名を変数に付加する必要があります。次に例を示します。

    DefaultMediaPhysicalRoot-AgentName=\\\\NetworkIdentity/contentserver/weblayout/
    

    注意:

    これはルート・ディレクトリです。実際のメディア・ファイルは、一般的なコンテンツ・サーバーの/weblayout/ディレクトリをミラーするサブディレクトリに存在します。たとえば、movie.raという名前のファイルは次のディレクトリにあります。
    \\NetworkIdentity/contentserver/weblayout/media/groups/public/
    documents/adacct/movie.ra

    パスとして、ローカル・パス、マップされたパスまたはUniversal Naming Convention(UNC)パスを使用できます。バックスラッシュはJavaではエスケープ文字であるため、バックスラッシュを使用するパスは2つのバックスラッシュを使用してエスケープする必要があります。


  3. 共有ディレクトリにアクセスする各コンテンツ・サーバー接続に対するintradoc.cfgファイルを標準のテキスト・エディタで開きます。intradoc.cfgファイルは、コンテンツ・サーバー・インストールの接続ディレクトリにあります。次に例を示します。

    DomainDir/ucm/cs/bin/intradoc.cfg
    

    注意:

    ネットワークがどのように設定されているかによっては、このパスはInbound Refineryのintradoc.cfgファイルで設定されているパスと同一でない場合もありますが、2つのパスは同じ場所に解決される必要があります。

  4. また、各コンテンツ・サーバーに変数DefaultMediaPhysicalRootを追加し、リファイナリ・サーバーによってビデオ・レンディションが配置されているデフォルトの場所に設定する必要があります。次に例を示します。

    DefaultMediaPhysicalRoot=\\\\NetworkIdentity/contentserver/weblayout/
    
  5. DefaultMediaUrlRootを、ファイルにアクセスするためのURLルート・パスのデフォルトの場所(プロトコルも含む)に設定します。次に例を示します。

    DefaultMediaUrlRoot=http://NetworkIdentity/contentserver/
    

    注意:

    Inbound Refineryを使用する各コンテンツ・サーバー・エージェントのDefaultMediaPhysicalRoot変数は、リファイナリの対応するDefaultMediaPhysicalRoot-AgentName変数と同じ場所に解決される必要があります。また、コンテンツ・サーバー内の各DefaultMediaUrlRoot変数は、そのサーバーに対するコンテンツ・サーバーのDefaultMediaPhysicalRootと同じ場所に解決されなければなりません。

  6. 変更を保存して、intradoc.cfgファイルを閉じます。

  7. 管理対象サーバーを再起動します。

レンダリングされたすべてのビデオ・アセットを設定した場所に配置する場合は、構成ファイル内で変数を設定する以外の作業は不要です。一方、一部のメディア・フォーマットを別の場所に送信する場合は(たとえば、すべての.raファイルをストリーミング・サーバーに、またはすべての.mpgsを外部ストレージ・システムに送信するなど)、これらの特定のフォーマットの配置先も構成する必要があります。

4.4.6.3 特定のメディア・フォーマットの配置場所の構成

メディア・フォーマットに基づき、様々なビデオ・レンディションに対してそれぞれ異なる場所を指定できます。各種フォーマットに対する物理およびURLルートを定義するための次のようなメディア・カテゴリが用意されています。

  • WinMedia

  • DarwinMedia

  • HelixMedia

  • QuickTimeMedia

  • RealMedia

これらのカテゴリ名はラベルの役割のみを果たし、どのフォーマットでもいずれかのカテゴリ・ラベルの下にグループ化できます。

様々なフォーマットに対してそれぞれ異なる場所を指定するには、Inbound Refineryとコンテンツ・サーバーの両方のintradoc.cfgファイルを編集して、次の作業を行う必要があります。

  • あるカテゴリを有効にする

  • そのカテゴリによって処理されるフォーマットを指定する

  • そのカテゴリ固有の物理ルートを設定する

コンテンツ・サーバーについてのみ:

  • そのカテゴリ固有のURLルートを設定する


注意:

コンテンツ・サーバーとInbound Refineryはどちらも、配置場所に物理的にアクセスできる必要があります。

特定のフォーマットに対して別の場所を設定するには、次の手順を実行します。

  1. 共有ディレクトリにアクセスする各Inbound Refinery接続に対するintradoc.cfgファイルを標準のテキスト・エディタで開きます。intradoc.cfgファイルは、Inbound Refineryインストールの接続ディレクトリにあります。次に例を示します。

    DomainDir/ucm/ibr/bin/intradoc.cfg
    
  2. 適切な変数をtrueに設定することにより、カテゴリを有効にします。たとえば、次の変数を設定できます。

    WinMediaSupportEnabled=true
    DarwinMediaSupportEnabled=true
    HelixMediaSupportEnabled=true
    
  3. 適切な変数を対応するフォーマット拡張子に設定することにより、カテゴリによって処理されるメディアのフォーマットを設定します。次に例を示します。

    WinMediaFormats=wm*|asf|asx
    

    各フォーマットはパイプ(|)で区切られ、アスタリスク(*)をワイルドカードとして使用できます。

    次の変数を設定し、有効にした1つ以上のカテゴリと一致させる必要があります。

    • WinMediaFormats

    • DarwinMediaServerFormats

    • HelixMediaServerFormats

  4. 適切な変数を対応する物理パスに設定することにより、カテゴリによって処理されるメディアの物理ルートを設定します。次に例を示します。

    HelixMediaPhysicalRoot=\\\\NetworkIdentity/RealMedia/
    

    次の変数を設定し、有効にした1つ以上のカテゴリと一致させる必要があります。

    • WinMediaPhysicalRoot

    • DarwinMediaPhysicalRoot

    • HelixMediaPhysicalRoot


    注意:

    これはルート・ディレクトリです。実際のメディア・ファイルは、一般的なコンテンツ・サーバーの/weblayout/ディレクトリをミラーするサブディレクトリに存在します。たとえば、movie.raという名前のファイルは次のディレクトリにあります。
    \\NetworkIdentity/contentserver/weblayout/media/groups/public/
    documents/adacct/movie.ra

    パスとして、ローカル・パス、マップされたパスまたはUniversal Naming Convention(UNC)パスを使用できます。バックスラッシュはJavaではエスケープ文字であるため、バックスラッシュを使用するパスは2つのバックスラッシュを使用してエスケープする必要があります。


  5. 共有ディレクトリにアクセスする各コンテンツ・サーバー接続に対するintradoc.cfgファイルを標準のテキスト・エディタで開きます。intradoc.cfgファイルは、コンテンツ・サーバー・インストールの接続ディレクトリにあります。次に例を示します。

    DomainDir/ucm/cs/bin/intradoc.cfg
    
  6. コンテンツ・サーバーのintradoc.cfgファイルで、手順2から4を繰り返します。

  7. またコンテンツ・サーバーのintradoc.cfgファイルで、レンダリングされるフォーマットに基づいて次のいずれかの変数を追加し、ファイルにアクセスするためのURLルート・パス(プロトコルも含む)に設定します。次に例を示します。

    HelixMediaUrlRoot=rtsp://NetworkIdentity:554/
    

    次の変数を設定し、有効にした1つ以上のカテゴリと一致させる必要があります。

    • WinMediaUrlRoot

    • DarwinMediaUrlRoot

    • HelixMediaUrlRoot

  8. 変更を保存して、intradoc.cfgファイルを閉じます。

  9. 管理対象サーバーを再起動します。

4.4.7 ストリーミング・サーバーの使用

メディアの変換、カテゴリおよびURLルート変数をどのように設定しているかによって、レンディションはWebサーバーまたはストリーミング・メディア・サーバーから提供できます。レンダリングされたビデオをストリーミングする予定である場合は、次の作業を実行する必要があります。

  • サポートされるメディア・サーバーに付属の指示に基づいて、メディア・サーバーをインストールして正しく構成する

  • 適切なストリーミング・フォーマットを配信するように変換アプリケーションを設定する

  • 正しい場所にレンディションを配信するようにカテゴリを構成する

  • ストリーミング・サーバーに対する適切なプロトコルと構文でWeb URLルートを構成する

現在Digital Asset Managerでは、Darwin Streaming Server(QuickTime)、Helix Streaming Server(RealMedia)およびWindows Media Serverがサポートされています。ストリーミング・メディアで使用されるプロトコルの詳細は、メディア・サーバーに付属のドキュメントを参照してください。

4.4.8 ビデオ・レンディション・セットの定義

ビデオについては、FlipFactoryで定義されているファクトリには、ファクトリ内で指定されているビデオ・レンディションにデジタル・アセットを変換するためのオプションが含まれます。FlipFactoryとInbound Refineryによって共有されるファイル・システム上の対応するディレクトリにはinサブディレクトリがあり、FlipFactoryはInbound RefineryによってXMLファイルという形でそのディレクトリにポストされるリクエストの有無を監視します。ファクトリがリクエストされたレンディションを作成すると、ファイルはXMLファイルとともに監視対象ファクトリ・ディレクトリのoutサブディレクトリに配置されます。Inbound RefineryはoutディレクトリでXMLファイルの有無を監視し、そのファイルを使用して完了したレンディションを見つけ、コンテンツ・サーバーに返すか、構成された別の場所に配置します。ビデオ・レンディションの詳細は、第4.4項「ビデオ変換の設定と管理」を参照してください。

ファイルがコンテンツ・サーバーにチェックインされると、ファイルのフォーマットによりそれがデジタル・アセットであるかどうかが判別されます。ビデオ・ファイルの場合は、コンテンツ・サーバーはファイルをInbound Refineryに渡し、Inbound Refineryは変換するファイルがあることをビデオ変換アプリケーションに通知します。生成されたレンディションはInbound Refineryを介してコンテンツ・サーバーまたはその他の指定された場所に戻され、そこで1つのコンテンツID下で管理され、組織で利用できるようになります。

ビデオ・アセットについては、構成マネージャ・アプレットのVideoRenditionsメタデータ・フィールドの選択リストに対して定義されているレンディション・セットの名前が、FlipFactoryで設定されているファクトリの名前および監視対象ディレクトリで監視されているファクトリ・ディレクトリ名と厳密に一致する必要があります。

ファクトリの変更または追加時には、デジタル・アセットのチェックイン時にレンディション・セットの名前のみがコントリビュータに対して表示されることに注意してください。レンディション・セット名は説明的である必要があります。ファクトリ名および説明は、コンテンツ情報ページおよびレンディション情報ページに表示されます。

Idoc Scriptタグ用に予約された、またはURLでの使用が無効なスペースやその他の文字は、レンディション名には使用できません。

4.4.9 FlipFactoryでのファクトリの作成と構成

FlipFactoryで作成されるファクトリは、コンテンツ・サーバーで定義されているレンディション・セットと同じ名前で、適切な監視対象ディレクトリにアクセスするように構成する必要があります。

ファクトリの作成

FlipFactoryでファクトリを作成するには、次の手順を実行します。

  1. Digital Asset Managerプラグインのインストール後に、「サービス」を開き、Flip Engineサービスが開始されていることを確認します。Digital Asset Managerプラグインのインストールの詳細は、第4.4.2項「Digital Asset Managerビデオ・プラグインのインストール」を参照してください。

  2. FlipFactoryを起動してログインします。

  3. 「Manage Factories」をクリックします。Manage Factoriesページが表示されます。

  4. 「Factories」フォルダを右クリックし、コンテキスト・メニューから「New Factory」を選択します。Factoriesフォルダに無題のフォルダが作成されます。

  5. 新しい無題のフォルダを選択します。ページの右側に「Factory Editor」パネルが表示されます。

  6. Digital Asset Managerのレンディション・セットの名前に対応する名前を「Name」フィールドに入力します。名前は同一である必要があります。たとえば、レンディション・セットの名前がMixedBandwidthである場合、新しいファクトリにはMixedBandwidthという名前を付ける必要があります。ファクトリの説明の入力はオプションです。

プラグインの構成

Digital Asset Managerのレンディション・セットに対応するファクトリを作成したら、FlipFactoryとInbound Refinery間で通信するように適切なプラグインを構成する必要があります。

監視対象ディレクトリのパスの設定

Inbound Refineryによって監視されているディレクトリは、ファクトリによっても監視される必要があります。ファクトリに対して監視対象ディレクトリへのパスを設定するには、次の手順を実行します。

  1. 新しいファクトリのフォルダを開きます。次の4つのサブフォルダが表示されます。

    • Monitors

    • Process/Analyze

    • Products

    • Notifications

  2. 「Monitors」フォルダを選択します。複数のタブを含むパネルが右側に表示されます。

  3. 「Oracle IBR Monitor」タブを選択し、「Add」をクリックします。「Oracle IBR Monitor」アイテムが「Monitors」フォルダに表示されます。

  4. 「Monitors」フォルダで「Oracle IBR Monitor」を選択します。ページの右側に「Refinery Monitor」パネルが表示されます。

  5. 「Enable」チェック・ボックスが選択されていることを確認します。

  6. 「Watch Folder」セクションの下の「Browse」をクリックします。「Watch Folder」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  7. このダイアログ・ボックスを使用して、この実装に対して作成された監視対象フォルダを選択し、その下のファクトリ名と同一名のディレクトリのinサブフォルダに移動します。たとえばファクトリ名がMixedBandwidthの場合、<Video_Watch>/MixedBandwidth/inまで移動します。監視対象ディレクトリのサブフォルダを作成していない場合は、第4.4.4項「FlipFactoryでのディレクトリの共有」を参照してください。

  8. 「Select」をクリックします。「Watch Folder」ダイアログ・ボックスが閉じます。

キーフレーム抽出の有効化

レンディション情報ページのストーリボード・セクションで使用するためのビデオ・アセットのキーフレームを作成するようにFlipFactoryに指示する必要があります。キーフレームの抽出を有効にするには、次の手順を実行します。

  1. 新しいファクトリ・フォルダを開いた状態で、「Process/Analyze」「Video Analysis」を選択します。

  2. 「Enabled」チェック・ボックスを選択します。「Process/Analyze」フォルダに「Video Analysis」が表示されます。

  3. 「Process/Analyze」フォルダ内の「Video Analysis」を選択します。ページの右側にタブ付きのパネルが表示されます。

  4. 「KeyFrame Extraction」タブが選択され、「Enabled」チェック・ボックスが選択されていることを確認します。

  5. 必要に応じてキーフレーム・パラメータを構成します。パラメータ・オプションの詳細は、FlipFactoryのドキュメントを参照してください。


注意:

キーフレームの抽出を有効にできないと、コンテンツ・サーバーの検索結果ページでレンディションのイメージ・リンクが切断されることがあり、またレンディション情報ページでのそのレンディションに対するストーリボード機能が無効になります。

通知の有効化

リクエストの完了時にInbound Refineryに通知するように、ファクトリに指示する必要があります。通知を有効にするには、次の手順を実行します。

  1. 新しいファクトリ・フォルダが開いた状態で「Notifications」を選択します。ページの右側にタブ付きのパネルが表示されます。

  2. 「Refinery Notify」タブを選択し、「Add」をクリックします。「Refinery Notify」アイテムが有効になり、「Notification」フォルダに追加されます。「Refinery Notify」アイテムにはユーザーが構成可能な設定はありません。

プロダクトの追加とレンディションの宛先の設定

ファクトリ内の各プロダクトはレンディション・セット内のレンディションに対応しており、各プロダクトの宛先はレンディション情報ページに表示されるレンディション名に対応しています。プロダクトを追加して宛先を設定するには、次の手順を実行します。

  1. 新しいファクトリ・フォルダを開いた状態で、「Products」を右クリックし、コンテキスト・メニューから「New Product」を選択します。プロダクト・フォルダが作成され、ページの右側に「Product」パネルが表示されます。


    注意:

    「Product」パネルでは変換フォーマットを指定します。デフォルトでは、「Duplicate Original」が有効になっています。FlipFactoryのライセンス契約によっては、すべてのフォーマット・オプションを利用できない場合もあります。また、利用可能なオプションがDigital Asset Managerでサポートされていない場合もあります。

    適切な出力フォーマットでレンダリングするには、入力フォーマットを再生するための適切なコーデックがFlipFactoryと同じサーバー上にインストールされている必要があります。.aviなどの一般的なWebフォーマットでは、同じフォーマット内でも異なるコーデックを使用する場合があります。レンダリング時に問題が発生する場合は、元の入力ファイルをFlipFactoryシステム上で再生できることを確認してください。再生できない場合は、適切なコーデックを入手する必要があります。詳細は、FlipFactoryのドキュメントを参照してください。


  2. 「Product」フォルダを開きます。「Destination」フォルダが表示されます。

  3. 「Destination」フォルダを選択します。ページの右側にタブ付きのパネルが表示されます。

  4. 「Refinery Transport」タブを選択し、「Add」をクリックします。「Refinery Transport」アイテムが「Destinations」フォルダに作成されます。

  5. 「Destinations」フォルダ内の「Refinery Transport」アイテムを選択します。ページの右側に「Refinery Transport」パネルが表示されます。

  6. 「Rendition Name」フィールドにレンディションの名前を入力します。どのような名前を付けてもかまいません。これは、コンテンツ・サーバーのレンディション情報ページに表示される名前です。


注意:

レンディション名は入力する必要があります。入力しないと、アセットのレンダリングは失敗します。レンダリングが失敗した場合は、リポジトリ・マネージャを使用してコンテンツ・サーバーからコンテンツ・アイテムを削除し、Inbound Refineryを再起動する必要があります。

4.4.10 ビデオ変換の管理

コンテンツ・サーバーは、チェックインされたファイルの拡張子に基づいて、コンテンツ・アイテムをデジタル・アセットとして識別します。インストール時に、Digital Asset Managerは次の共通ファイル・フォーマットがコンテンツ・サーバーの構成マネージャ・アプレットに存在するかどうかを確認します。

この項の内容は次のとおりです。

4.4.10.1 Video File Type構成表の編集

ファイル・フォーマットを追加し、拡張子をDigital Media Video変換エンジンにマップして、そのフォーマットが埋込みプレーヤで再生されるようにする場合(たとえばレンディション情報ページで)、その拡張子がdam_cfg_tables.htmファイルのVideo File Type構成表内に存在する必要があります。dam_cfg_tables.htmファイルは次のディレクトリにあります。

IdcHomeDir/components/DAMConverter/resources/

フォーマットは、ファイルを埋込みプレーヤで再生する場合にのみVideo File Type構成表に存在する必要があります。フォーマットが表になくてもレンディションは開くことができ、レンダリングされたフォーマットをサポートするスタンドアロン・プレーヤで再生できます。

追加したフォーマットがVideo File Type構成表に存在することを確認するには、標準のブラウザでdam_cfg_tables.htmファイルを開き、リストされているファイル拡張子を確認します。ファイル拡張子が存在しない場合は、拡張子および必要な追加の情報を含むカスタム・コンポーネントを作成し、表をマージする必要があります。カスタム・コンポーネントの詳細は、『Oracle WebCenter Content Content Server開発者ガイド』を参照してください。

damcfgtables.gifについては周囲のテキストで説明しています。

次の表は、Video File Type構成表の列とそれらの機能を示しています。

列名 定義
fileExtension 埋込みプレーヤでの再生がサポートされるファイル・フォーマットの拡張子。
formatName 拡張子に関連付けられているフォーマットの名前。この値は、構成可能なVideo Format Prefs表の値に対応し、埋込みプレーヤの選択リストに表示されます。
player 追加されたフォーマット拡張子をサポートするプレーヤ。値には大/小文字の区別があります。現在は次の3つの値のみを指定できます。
  • real

  • quicktime

  • wmplayer

metafileExtension フォーマット拡張子に関連付けられているメタファイル拡張子。フォーマットのストリーミング・バージョンを再生する埋込みプレーヤを決定するために使用されます。フォーマットをストリーミングする場合は、このフィールドには値が必要です。

4.4.10.2 デフォルトのビデオ・フォーマット・プリファレンスの設定

埋込みプレーヤは、レンディション情報ページ、およびWeb表示可能リンクのクリック時に表示されます。埋込みプレーヤでの再生に選択されるフォーマットは、ビデオ・プリファレンス・ページで設定されている、使用可能なレンディション・フォーマット・オプションに関するユーザー・プリファレンス表に基づいています。ユーザー入力前は、デフォルト・プリファレンスはdam_cfg_tables.htmファイルのVideo Format Preferences表で設定されている値に基づいています。dam_cfg_tables.htmファイルは次のリソース・ディレクトリにあります。

IdcHomeDir/components/DigitalAssetManager/
defaultplayer_prefs.gifについては周囲のテキストで説明しています。

新しい設定を追加するかデフォルト・プリファレンスを変更するには、新しい設定または変更した設定を含むカスタム・コンポーネントを作成し、カスタム・データ表を対応するデフォルト・データ表にマージします。カスタム・コンポーネントの作成の詳細は、『Oracle WebCenter Content Content Server開発者ガイド』を参照してください。


注意:

標準のコンテンツ・サーバーのコンポーネント・リソースは直接編集しないでください。コンテンツ・サーバーまたはInbound Refineryに変更をマージするには、カスタム・コンポーネントを作成する必要があります。

Digital Asset Managerが新しいバージョンに更新されると、コンポーネント・リソースに加えられた変更は上書きされます。

次の表は、Video Format Preferences構成表の列とそれらの機能を示しています。

列名 定義
format 埋込みプレーヤの選択リストに表示される構成可能な名前。
pickOrder_win Windowsオペレーティング・システムでフォーマットが選択される順序を決定します。
pickOrder_mac Macintoshオペレーティング・システムでフォーマットが選択される順序を決定します。
pickOrder_other WindowsまたはMacintosh以外のオペレーティング・システムでフォーマットが選択される順序を決定します。

4.4.11 プラグイン・デバッグ・ログの有効化

FlipFactoryからの標準ログ出力は、FlipFactoryのインストール・ディレクトリにあるstdout.logファイルに記録されています。プラグイン・ロギングを有効にすることにより、追加のロギング情報を得ることができます。FlipFactoryプラグインのデバッグを有効にするには、次の手順を実行します。

  1. Flip Engineサービスを停止します。

  2. <FlipFactory_install_dir>にあるlog4j.propertiesファイルを標準のテキスト・エディタで開きます。

  3. log4j.propertiesファイル内の次のエントリの前の#記号を削除します。

    • log4j.logger.com.stellent.refinery.ff=DEBUG

    • log4j.rootLogger=ERROR, IBRPlugin

  4. log4j.propertiesファイルを保存し、Flip Engineサービスを再起動します。

これで、プラグイン出力に関する情報が/<FlipFactory_install_dir>/stdout.logに記録されるようになります。