ヘッダーをスキップ
Oracle® WebCenter Content Conversion管理者ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B66701-01
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前へ
前へ
 
次へ
次へ
 

5 XML変換の操作

Inbound Refineryは、ネイティブ・ファイルをFlexionDocまたはSearchMLスタイルのXMLに変換でき、またXalan XSLトランスフォーマを使用してXSL変換を処理できます。XML変換を行うには、次のコンポーネントを指定されたサーバーにインストールして有効にする必要があります。

コンポーネント名 コンポーネントの説明 有効にするサーバー
XMLConverter Inbound Refineryで、プライマリWeb表示可能ファイルまたは独立したレンディションとしてFlexionDocおよびSearchMLスタイルのXMLを生成できます。また、Xalan XSLトランスフォーマを使用して、XSL変換を処理できます。 Inbound Refineryサーバー
XMLConverterSupport コンテンツ・サーバーで、XML変換およびXSL変換をサポートできます。 コンテンツ・サーバー

この項では、XML変換の操作方法および変換処理のトラブルシューティング方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。

5.1 XML Converterの変換設定の構成

この項の内容は次のとおりです。

5.1.1 コンテンツ・サーバーでのInbound Refineryへのジョブ送信の構成

コンテンツ・サーバーでは、ファイル拡張子、ファイル・フォーマットおよび変換を使用して、コンテンツ・アイテムがInbound Refineryおよびその変換アドオンによってどのように処理されるべきかを定義します。変換用にリファイナリにファイルを送信するには、各コンテンツ・サーバーを構成する必要があります。ファイル拡張子がファイル・フォーマットと変換にマップされていると、そのタイプのファイルはコンテンツ・サーバーへのチェックイン時に変換用に送信されます。ファイル拡張子、ファイル・フォーマットおよび変換のマッピングは、コンテンツ・サーバーでファイル・フォーマット・ウィザードまたは構成マネージャを使用して構成できます。

コンテンツ・サーバーではデフォルトで、Inbound Refineryに必要なほとんどの変換が使用可能です。XML変換用にリファイナリにファイル・フォーマットを送信するために使用できるデフォルトの変換に加え、XMLConverterSupportコンポーネントのインストール時に次の変換がコンテンツ・サーバーに追加されます。

変換 説明
FlexionXML この変換は、FlexionDocスキーマを使用してファイルをXMLに変換するために使用できます。変換リストに含まれる標準のファイル・タイプ(Word、PowerPointなど)以外のファイル・タイプに適用されます。これらの標準のファイル・タイプをFlexionDocを使用したXMLへの変換用にリファイナリに送信する場合は、これらのファイル・フォーマットをFlexionXML変換に再マップする必要はありません。この変換は、ファイル・フォーマット・ウィザードでは使用できません。構成マネージャを使用してマップする必要があります。
SearchML この変換は、SearchMLスキーマを使用してファイルをXMLに変換するために使用できます。変換リストに含まれる標準のファイル・タイプ(Word、PowerPointなど)以外のファイル・タイプに適用されます。これらの標準のファイル・タイプをSearchMLを使用したXMLへの変換用にリファイナリに送信する場合は、これらのファイル・フォーマットをSearchML変換に再マップする必要はありません。この変換は、ファイル・フォーマット・ウィザードでは使用できません。構成マネージャを使用してマップする必要があります。
XML-XSLT Transformation XML ConverterによるFlexionDocスキーマへのドキュメントの変換後、生成されたXMLはXML-XSLT変換により、開発者が指定した別のXMLスキーマに変換されます。

5.1.2 承認される変換の設定

コンテンツ・サーバーで使用可能な変換は、リファイナリで使用可能な変換と一致する必要があります。あるファイル・フォーマットがコンテンツ・サーバーで変換にマップされると、そのフォーマットのファイルは、チェックイン時に変換用に送信されます。その変換を承認するように、1つ以上のリファイナリが設定されている必要があります。

リファイナリが承認し、キューに入れる変換の最大数は、「変換リスト」ページで設定します。Inbound Refineryではデフォルトで、Inbound Refineryに必要なほとんどの変換が使用可能です。リファイナリが承認できるデフォルトの変換に加え、XMLConverterコンポーネントのインストール時にFlexionXMLおよびSearchML変換がリファイナリに追加されます。FlexionXMLとSearchML変換はデフォルトで承認されます。承認される変換の設定の詳細は、Inbound Refinery管理ガイドを参照してください。

5.1.3 プライマリWeb表示可能レンディションとしてのXMLファイルの設定

プライマリWeb表示可能レンディションとしてXMLファイルを設定するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. 「変換設定」から、「プライマリWebレンディション」を選択します。プライマリWeb表示可能レンディション・ページが表示されます。

  3. 「XMLへの変換」オプションを選択します。

  4. 通常は他の変換オプションはすべて選択を解除します。Inbound Refineryでは、ネイティブ・ファイル・フォーマットに基づいて各受信ファイルを変換しようとします。最初に選択された方法でそのフォーマットの変換がサポートされていない場合は、次に選択された方法でそのフォーマットがサポートされているかどうかが確認されます。Inbound Refineryでは、そのフォーマットの変換がサポートされている方法のうち、最初に選択された方法でファイルを変換しようとします。

    たとえば、「サードパーティ・アプリケーションを使用してPDFに変換」オプションと「XMLへの変換」オプションの両方が選択されているとします。リファイナリは、サポートされるフォーマットを「サードパーティ・アプリケーションを使用してPDFに変換」方法を使用してPDFに変換しようとします。この方法が失敗するかどうかにかかわらず、これらのフォーマットについては、Inbound Refineryは別の変換方法は試しません。したがって、プライマリWeb表示可能レンディションとしてXMLファイルを作成する場合、通常は「XMLへの変換」オプションのみを選択します。

  5. 「更新」をクリックして変更内容を保存します。

  6. 「XMLオプション」ボタンをクリックします。XMLオプション・ページが表示されます。

  7. XMLオプションを設定し、「更新」をクリックして変更を保存します。

  8. 次の重要な注意事項に留意してください。

    • FlexionDocオプションおよびSearchMLオプションのデフォルト設定を調整する場合は、リファイナリのDomainDir/ucm/ibr/binディレクトリにあるintradoc.cfgファイルでオプション設定を指定できます。使用可能なFlexionDocオプションおよびSearchMLオプションの詳細は、リファイナリのIdcHomeDir/components/XMLConverter/resourcesディレクトリにあるxx.cfgファイルを参照してください。intradoc.cfgファイルに変更を加えた後は、リファイナリを再起動する必要があります。

    • FlexionDocおよびSearchMLのスキーマ・コードおよびドキュメント・ファイルは、XMLConverterコンポーネントとともにIdcHomeDir/components/XMLConverterディレクトリにインストールされています。

5.1.4 追加のレンディションとしてのXMLファイルの設定

追加のレンディションとしてXMLファイルを設定するには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリにログインします。

  2. 「変換設定」から、「追加レンディション」を選択します。追加レンディション・ページが表示されます。

  3. 「フォーマットがすべてサポートされている場合XMLに変換する」オプションを選択します。Inbound Refineryにより、PDFファイルなどの他のレンディションに加え、XMLファイルが生成されます。

    生成されたXMLファイルがコンテンツ・サーバーに返されると、XMLファイルはフルテキスト索引に追加されます。ただし、XMLファイルに加えて他のWeb表示可能ファイルが生成されると、XMLファイルは、プライマリWeb表示可能レンディションとしては使用されません。たとえば、Inbound RefineryがPDFファイルとXMLファイルの両方を生成した場合、PDFファイルがプライマリWeb表示可能レンディションとして使用されます。コンテンツ・サーバーのWebレイアウト・ディレクトリに格納されるXMLレンディションは、ファイル名内の文字@xで識別できます。たとえば、Report2001@x~2.xmlファイルはXMLレンディションです。

  4. 「更新」をクリックして変更内容を保存します。

  5. 「XMLオプション」ボタンをクリックします。XMLオプション・ページが表示されます。

  6. XMLオプションを設定し、「更新」をクリックして変更を保存します。

  7. 次の重要な注意事項に留意してください。

    • FlexionDocオプションおよびSearchMLオプションのデフォルト設定を調整する場合は、リファイナリのDomainDir/ucm/ibr/binディレクトリにあるintradoc.cfgファイルでオプション設定を指定できます。使用可能なFlexionDocオプションおよびSearchMLオプションの詳細は、リファイナリのIdcHomeDir/components/XMLConverter/resourcesディレクトリにあるxx.cfgファイルを参照してください。intradoc.cfgファイルに変更を加えた後は、リファイナリを再起動する必要があります。

    • FlexionDocおよびSearchMLのスキーマ・コードおよびドキュメント・ファイルは、XMLConverterコンポーネントとともにIdcHomeDir/components/XMLConverterディレクトリにインストールされています。

5.1.5 XSL変換の設定

Inbound Refineryは、Inbound Refineryを実行するJava仮想マシンに組み込まれたXalan XSLTプロセッサおよびSAXバリデータを使用します。変換を有効にするには、リファイナリ・サーバーにXMLConverterコンポーネントをインストールして有効にし、コンテンツ・サーバーにXMLConverterSupportをインストールして有効にする必要があります。

XSL変換をオンにするには、次の手順を実行します。

  1. リファイナリ・サーバーにログインします。

  2. 次のいずれか1つを実行します。

    • XMLレンディションをプライマリWeb表示可能ファイルにする場合は、「変換設定」「プライマリWebレンディション」をクリックします。プライマリWeb表示可能レンディション・ページが表示されたら、「XMLへの変換」を選択します。

    • XMLレンディションを追加のレンディションにする場合は、「変換設定」「追加レンディション」をクリックします。追加レンディション・ページが表示されたら、「フォーマットがすべてサポートされている場合XMLに変換する」を選択します。

  3. 「XMLオプション」をクリックします。XMLオプション・ページが表示されます。

  4. 「XSLT変換の処理」を選択し、次のオプションから、使用するXMLスキーマを選択します。

    • FlexionDoc XMLの生成

    • SearchMLの生成

  5. 変更を保存するには「更新」を、最後に保存した設定に戻すには「リセット」をクリックします。

Inbound RefineryでXSL変換を行うには、変換中に適用するXSLテンプレートがOracle Content Serverにチェックインされている必要があります。XSLテンプレートをOracle Content Serverにチェックインするには、次の手順を実行します。

  1. XSLファイルを作成します。XSLファイルは、特定のコンテンツ・タイプのXMLファイルが新しいXMLファイルにどのように変換されるかを指定します。検証用にDTDまたはスキーマを指定することもできますが、必須ではありません。DTDまたはスキーマをコンテンツ・サーバーに格納することもできますが、必須ではありません。


    注意:

    XSL変換に使用するDTDおよびスキーマにはログインなしでアクセスできることが必要です(読取りアクセス用の認証を要求できません)。たとえば、DTDファイルがOracle Content Serverに格納されている場合、それは匿名ユーザーに読取りアクセスを許可するセキュリティ・グループ内になければなりません。

    XSL変換が成功するには、XSLファイルとネイティブ・ファイルはどちらも同じセキュリティ・グループ内に存在する必要があります。


  2. XSLファイルをコンテンツ・サーバーにチェックインし、コンテンツ・タイプに関連付けます。

    1. コンテンツ・チェックイン・フォームで、「タイプ」ドロップダウン・リストから「コンテンツ・タイプ」を選択します。

    2. 次の表記規則に従ってコンテンツIDを入力します。

      <Content Type>.xsl.
      

      たとえば、コンテンツ・タイプがADACCTの場合はadacct.xslと入力します。

    3. 「プライマリ・ファイル」としてXSLファイルを入力します。

    4. 「セキュリティ・グループ」が、XSLファイルに関連付けられているコンテンツ・サーバー内のDTD/スキーマ・ファイルおよびコンテンツ・サーバーにチェックインされるネイティブ・ファイルと一致していることを確認します。

    5. 「チェックイン」をクリックします。

    これで、このコンテンツ・タイプでファイルがチェックインされ、XML ConverterによってFlexionDoc/SearchML XMLファイルが生成されるかチェックインされたファイルがXMLである場合、このXSLファイルが新しいXMLドキュメントへのXSL変換に使用されます。

  3. XMLに後処理する各コンテンツ・タイプに対して、手順12を繰り返します。

5.1.5.1 XSLTエラー

検証が失敗すると、Inbound RefineryはSAX検証エンジンからエラーを収集し、hcspエラー・ページを作成し、そのページをOracle Content Serverにチェックインしようとします。リファイナリがエラー・ページをチェックインできるようにするには、Inbound Refineryでコンテンツ・サーバーに対する送信プロバイダを手動で設定する必要があります。Inbound Refineryプロバイダの名前はエージェント名に一致する必要があります。たとえば、Inbound Refineryの名前がproduction_ibrであり、production_csという名前のコンテンツ・サーバーに対してファイルを変換している場合、production_ibr Inbound Refinery上にproduction_csという名前の送信プロバイダを作成する必要があります。

XSL変換が失敗した場合に通知を受け取りたい場合は、次の手順を実行して、コンテンツ・サーバーに基準ワークフローを作成することをお薦めします。

  1. コンテンツ・サーバーのワークフロー管理アプレットにアクセスします。

  2. XSLT変換の失敗を通知するための基準ワークフローを追加します。

  3. 次のプロパティでワークフロー・ステップを追加します。

  • ユーザー: 通知する必要があるユーザーを指定します。

  • 終了条件: 「レビューアの最低必要人数」を選択し、値を0に設定します。

  • イベント: 「開始時」イベントに対して、次のカスタム・スクリプトの式を追加します。

    <$if dDocTitle like "*XSLT Error"$>
    <$else$>
    <$wfSet("wfJumpEntryNotifyOff", "1")$>
    <$wfExit(0,0)$>
    <$endif$>
    

5.1.5.2 管理対象外ファイルのサポート

グラフィックを含むドキュメントがXML変換用に送信されると、デフォルトではグラフィックは無視されます。送信されたグラフィックをエクスポートするには、xx-graphictypeを次のいずれかの値に設定することにより、これを手動でオンにする必要があります。

  • gif: すべてのグラフィックをGIF形式にエクスポートします。

  • jpeg: すべてのグラフィックをJPEG形式にエクスポートします。

  • png: すべてのグラフィックをPNG形式にエクスポートします。

xx-graphictypeが設定されていると、Inbound Refineryはグラフィックを指定されたディレクトリにコピーできます。デフォルトでは、Inbound Refineryは余分なファイルは無視します。グラフィックを使用するには、次の手順を実行します。

  1. Inbound Refineryのintradoc.cfgファイルで次の変数を設定します。xx_graphictypeの値には適切な形式を指定します。

    xx_graphictype=jpeg
    AllowXmlConverterCopyUnmanagedFiles=true
    
  2. またInbound Refineryのintradoc.cfgファイルで、XmlUnmanagedPhysicalDir-<AgentName>を、各エージェントに対する管理対象外のファイルのコピー先に設定します。通常、これはコンテンツ・サーバーのWebレイアウト・ディレクトリになります。

たとえば、リファイナリ・サーバーにproduction_csという名前のエージェントがあり、Webレイアウト・ディレクトリがc:/oracle/production_cs/weblayoutにある場合、リファイナリのintradoc.cfgファイルで次のように指定します。

XmlUnmanagedPhysicalDir-production_cs=c:/oracle/production_cs/weblayout

Inbound Refineryは、管理対象外ファイルの完全な場所の算出時に、パスに次のものを追加します。

groups/<dSecurityGroup>/documents/<dDocType>/

管理対象外ファイルのファイル名の形式は次のとおりです。

<dDocName>.<increasingNumber>.jpg

管理対象外ファイルへの完全なパスの例を次に示します。

c:/oracle/production_cs/weblayout/groups/public/documents/adacct/001166.2.jpg

5.2 XML Converterの問題のトラブルシューティング

この項の内容は次のとおりです。

5.2.1 Inbound Refineryのインストールに関する問題

Inbound Refineryのインストールに関する問題の症状は次のとおりです。

5.2.1.1 リファイナリまたはコンテンツ・サーバーが起動しないか正しく機能しない

Inbound Refineryのインストール後に、コンテンツ・サーバーまたはリファイナリが起動しないか正しく機能しません。

考えられる原因 解決策
XMLConverterコンポーネントがコンテンツ・サーバーにインストールされているか、XMLConverterSupportコンポーネントがリファイナリにインストールされています。 XMLConverterコンポーネントはリファイナリにインストールし、XMLConverterSupportコンポーネントはコンテンツ・サーバーにインストールする必要があります。

間違ったコンポーネントをインストールした場合は、次の手順を実行します。

  • コンポーネント・マネージャまたはコンポーネント・ウィザードを使用して、コンテンツ・サーバーまたはリファイナリからコンポーネントをアンインストールします。

  • 適切なコンポーネントをインストールして有効にします。


5.2.2. Inbound Refineryの設定と実行に関する問題

Inbound Refineryの設定と実行に関する問題の症状は次のとおりです。

5.2.2.1 XML Converterでいずれのファイルも処理されない

XML Converterがインストールされていますが、ファイルがまったく変換されません。

考えられる原因 解決策
コンテンツ・サーバーでファイル・タイプに対してファイル・フォーマットおよび変換方法が設定されていません。 コンテンツ・サーバーでファイル・フォーマット・ウィザードまたは構成マネージャを使用して、XML変換に対するファイル・フォーマットおよび変換方法を設定します。詳細は、第5.1.1項「コンテンツ・サーバーでのInbound Refineryへのジョブ送信の構成」を参照してください。
リファイナリが変換を承認するように構成されていません。 変換を承認するようにリファイナリを構成します。詳細は、第5.1.2項「承認される変換の設定」を参照してください。
リファイナリがプライマリWeb表示可能レンディションまたは追加のレンディションとしてXMLファイルを作成するように構成されていません。 詳細は、第5.1.3項「プライマリWeb表示可能レンディションとしてのXMLファイルの設定」および第5.1.4項「追加のレンディションとしてのXMLファイルの設定」を参照してください。