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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity Navigator管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B66704-01
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1 Oracle Identity Navigatorの概要

Oracle Identity Navigatorは、他のOracle Identity Managementコンポーネントの管理コンソールにアクセスするための単一の起動パッドとして機能するように設計された管理ポータルです。これは、個々のコンポーネント・コンソールに代わるものではありません。中心的に1つの場所からOracle Identity Managementコンソールにアクセスできるようにするものです。

この章のトピックは、次のとおりです。

1.1 他のコンポーネントとの関係

Oracle Identity Navigatorは他のOracle Identity Managementコンポーネントとともにインストールされ、製品管理コンソールおよび他のアイデンティティ・サービスへのアクセスを集中管理します。Oracle Identity Navigatorは、同じドメインまたは別のドメインにある他のOracle Identity Managementコンポーネントとともにインストールできます。ブラウザを使用してアクセスするWebベースのアプリケーションです。Oracle Identity Navigatorを使用すると、次の製品管理コンソールおよびアイデンティティ・サービスにアクセスできます。

各管理コンソールは、個別の独自のブラウザ・ウィンドウで起動します。これらのコンソールに接続するようにOracle Identity Navigatorを構成するには、直接URLを指定するか、製品検出機能を使用します。

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlと同様に、Oracle Identity NavigatorはOracle WebLogic管理サーバー上にデプロイされるJava EEアプリケーションです。Oracle Metadata Serviceを使用します。

Oracle Identity Navigatorのレポート機能はOracle Business Intelligence Publisherに依存し、Oracle Business Intelligence Publisherサーバーと通信するための構成が必要です。

Oracle RSSフィードにアクセスし、ダッシュボードに表示できます。会社のファイアウォールを経由して接続するようにプロキシを構成する必要がある場合があります。

図1-1に、Oracle Identity NavigatorとOracle Identity Managementのコンポーネント間の関係を示します。

図1-1 Oracle Identity Navigatorと他のコンポーネントの間の関係

図1-1については周囲のテキストで説明しています。

1.2 シングル・サインオン統合

Oracle Identity Navigatorは、シングル・サインオン(SSO)をサポートするために11g Oracle Platform Security Servicesと統合されています。Oracle Identity Navigatorからアクセス可能なコンポーネント・コンソールの一部はシングル・サインオンに対応しており、Oracle Identity Navigatorの動作環境と同じ認証サービスに対して認証されるように構成できます。シングル・サインオンに対応したコンソールには、Oracle Access Manager、Oracle Identity Manager、Oracle Adaptive Access ManagerおよびOracle Authorization Policy Managerがあります。ダブル・サインオンは、Oracle Directory Services Manager、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlなど、他のコンポーネントに対して行われます。詳細は、「シングル・サインオン(SSO)の構成」を参照してください。

1.3 共通管理ロール

共通管理者ロールは、Oracleアイデンティティ管理アプリケーションへの管理アクセスを保護するために事前定義された標準のアプリケーション・ロールのセットです。これらのロールは、Oracle Identity Management Suite全体に共通の管理タスクをカプセル化します。


注意:

共通管理者ロールの使用を開始する前に、共通管理者ロールをサポートするようにエンタープライズ・ロールを構成する必要があります。詳細は、「エンタープライズ・ロールの構成」を参照してください。

Oracle Identity Navigatorでは、ユーザーに共通管理者ロールを割り当てることができます。各ロールは、Identity Management Suite内のすべてのコンポーネントに共通の機能のセットにマップされます。

表1-1に、各ロールの職責およびそのロールの実行に必要なスキルと専門知識を示します。表1-1に示すすべてのロールを、コンポーネント・ロールとしてユーザーに割り当てることができます。この割当が完了すると、ユーザーにはコンポーネントを管理するためのロール機能が付与されます。

表1-1 共通管理者ロールの要約

共通管理者ロール名 職責 必要なスキルおよび専門知識

アプリケーション構成者

  • Identity Managementアプリケーションを使用して、割当済のビジネス範囲内のビジネス要件をサポートする。

  • 製品機能に関する高度な知識。

  • ビジネス要件に関する十分な知識。

アプリケーション監査者

  • Identity Managementアプリケーションを使用して、割当済のビジネス範囲内のビジネス要件をサポートする。

  • 製品機能に関する高度な知識。

  • トランザクション・パターン分析に関連するビジネス要件に関する十分な知識。

アプリケーション・トラブルシューティング

  • Identity Managementアプリケーションを使用して、ビジネス固有のトラブルシューティングまたは調査をサポートする。

  • 分析機能に関する高度な知識。

セキュリティ監査者

  • 経営幹部に監査レポートを提供する。

  • 権限を確認し、アクセス・レポートを生成する。

  • Identity Managementアプリケーションの適切な構成を確認する。

  • アクセス管理プロセスに関する高度な知識。

  • 無許可のアクセスに関連付けられたリスクに関する高度な知識。

  • 情報セキュリティおよびシステム・アーキテクチャの十分な理解。

セキュリティ管理

  • Identity Managementアプリケーションを構成し、ロールの付与を承認する。

  • 企業のインフラストラクチャおよびアプリケーションと連携するようにIdentity Managementアプリケーションを構成する。

  • アイデンティティ・ストア、キー・ストア、データベースおよびその他のリポジトリのシステム資格証明を保守する。

  • 管理ロールおよび権限を付与する。

  • 企業のインフラストラクチャに関する高度な知識。

  • インフラストラクチャのアクセス権をトラブルシューティングするための高度な専門知識。

  • Identity Managementセキュリティ・アーキテクチャに関する高度な知識。

ユーザー・マネージャ

  • ユーザーおよびグループを作成、変更、削除する。

  • パスワードをリセットし、アカウントのロックを解除する。

  • 企業のアイデンティティ・インフラストラクチャに関する高度な知識。

ヘルプ・デスク管理

  • パスワードをリセットし、アカウントのロックを解除する。

  • アクセス問題をトラブルシューティングする。

  • 企業アプリケーションに関する高度な知識。

  • インフラストラクチャのアクセス権のトラブルシューティングに関する高度な知識。


1.4 管理ロールのタイプ

認証されたユーザーが実行できるアクションは、割り当てられているロールに基づきます。Oracle Identity Navigatorでは、2つのタイプの管理ロールがサポートされています。

表1-2に、Oracle Identity Navigatorに固有の共通管理者ロール、および各ロールが伝達するアクセス権を示します。認証されたすべてのユーザーが、「プロファイル」および「ニュースとお知らせ」にアクセスできます。

表1-2 Oracle Identity Navigatorの共通管理者ロールの要約

共通管理者ロール名 アクセス権

セキュリティ管理

  • 製品ランチャー内のすべての製品リンクへのアクセス。

  • ユーザー/ロールの検索および割当のための、「アクセス権限」ページへのアクセス。

セキュリティ監査者

  • 製品ランチャー内のすべての製品リンクへのアクセス。

  • レポートに対する完全な権限を持つ、「マイ・レポート」ページへのアクセス。

アプリケーション構成者

  • 製品ランチャー内のすべての製品リンクへのアクセス。

  • 構成、レポート・フォルダ・マッピングおよび製品コンポーネントへの割当を含む、BI Publisherへのアクセス。

  • 「製品の検出」および製品リンクの設定を含む、「製品登録」へのアクセス。


インストール後、Oracle WebLogic ServerのAdministratorsグループのメンバーであるすべてのユーザーに、Oracle Identity Navigatorの管理に必要なすべてのスーパーユーザー権限が付与されます。デフォルトの管理者は、Administratorsグループのメンバーであるweblogicユーザーです(ブートストラップ・ユーザーとも呼ばれます)。

インストール後、weblogicユーザーをブートストラップ・ユーザーとして使用して、ユーザーをドメイン・アイデンティティ・ストアから表1-2に示すOracle Identity Navigatorの共通管理者ロールにマップできます。「セキュリティ管理」ロールにマップされたユーザーは、共通管理者ロールを他のユーザーに割り当て、ご使用の環境内のweblogicユーザーを後で置換できます。最初のユーザー・マッピングが完了した後、「セキュリティ管理」ロールを、ドメイン・アイデンティティ・ストアに定義されている少なくとも1人の管理者ユーザーにマップすることで、デフォルトのweblogicユーザーを置換します。

1.5 レポート

Oracle Identity Navigatorでは、デフォルトでレポートのセットがサポートされています。レポートは監査者に意味のある情報を提供することで、デプロイメント環境に含まれるコンポーネントのセキュリティ・プラクティスを調べ、システム管理者がコンポーネントのヘルス・ステータスを確認できるようにします。

1.5.1 Oracle Business Intelligence Publisher

レポートはすべて、Oracle Business Intelligence Publisherを使用して生成されます。Oracle BI Publisher 10.1.3.4.1は別個にインストールする必要があります。Oracle BI Publisherのインストールおよび構成の詳細は、「Oracle Business Intelligence Publisherの構成」を参照してください。

1.5.2 マイ・レポート

「マイ・レポート」は、お気に入りのOracle Identity Management Oracle Business Intelligence PublisherレポートをNavigatorコンテンツに表示するために使用されるポートレットです。また「マイ・レポート」ポートレットでは、レポートを実行する問合せを保存し、レポートを再実行することもできます。管理ユーザーの場合、Oracle Identity Navigatorの「ダッシュボード」ページに独自の「マイ・レポート」ポートレットがあります。「マイ・レポート」にレポート・カテゴリを追加し、別のカテゴリに別のレポートを保存できます。

このポートレットでは、次のタスクを実行できます。

  • ポートレット構成ページのOracle Identity Management BI Publisherレポートのリストを示します。

  • レポートを選択し、ポートレット構成ページから「マイ・レポート」リストに追加します。

  • アクセス権を持つレポートを表示して実行します。

レポートは、属しているコンポーネントで分類されます。

1.6 ニュースとお知らせ

Oracle Identity Navigatorでは、次の3つのOracle RSSフィードがサポートされています。

RSSフィードは変更できません。

1.7 システム要件と動作保証情報

ハードウェアとソフトウェアの要件、プラットフォーム、データベースおよびその他の情報の詳細は、システム要件と動作保証情報のドキュメントを参照してください。いずれのドキュメントもOracle Technology Network (OTN)から入手できます。

システム要件のドキュメントには、ハードウェアとソフトウェアの要件、ディスク領域とメモリーの最小要件、必要なシステム・ライブラリ、パッケージまたはパッチなどの情報が記載されています。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-requirements-100147.html

動作要件のドキュメントには、サポートされているインストール・タイプ、プラットフォーム、オペレーティング・システム、データベース、JDKおよびサードパーティ製品が記載されています。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html