Oracle Fusion Middlewareは、J2EEや開発者用ツールから、統合サービス、ビジネス・インテリジェンス、コラボレーションおよびコンテンツ管理までの各種ツールとサービスを含む、標準に準拠したソフトウェア製品群です。Oracle Fusion Middlewareでは、開発、デプロイおよび管理を完全サポートしています。
このガイドでは、システムの準備に関する重要な情報、およびOracle Fusion Middleware 11g(最新バージョン)リリース1(11.1.1.6.0)を入手するための手順について説明します。実行する手順は、既存のシステムの構成によって異なります。
現在の環境に最もよく当てはまる開始点を見つけ、その項に進んで詳細を参照してください。
一部のOracle Fusion Middleware製品には、11gリリース1(11.1.1.6.0)以降、新しい名称が付いています。表1-1で、これらの変更点について説明します。以降、このドキュメントでは新しい製品名を使用します。
Oracle Fusion Middlewareを初めて使用する場合、11gリリース1(11.1.1.6.0)をインストールする方法は、製品に応じて2種類あります。
Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscoverer以外のOracle Fusion Middleware製品をインストールする場合は、第1.2.1項「製品インストーラの使用方法」を参照してください。
Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererをインストールする場合は、第1.2.2項「パッチ・セット・インストーラの使用方法」を参照してください。
製品インストーラを使用してリリース11.1.1.6.0のOracle Fusion Middleware製品をインストールする作業では、次を行います。
図1-1は、インストールと構成の全体的なフローを示しています。
第3.1.8項「データベースおよびスキーマのインストールと構成」を参照してください。
IBM DB2データベースを使用している場合は、第3.1.9項「IBM DB2データベースのオペレーティング・システム・ユーザーの作成」も参照してください。
第3.1.7項「アプリケーション・サーバーのインストール」を参照してください。
表3-1「Oracle Fusion Middleware製品と対応するインストール・ガイド」に、各Oracle Fusion Middleware製品とその製品に対応するインストレーション・ガイドを示します。インストレーション・ガイドの手順に従って、製品をインストールしてください。
製品をインストールしたら、製品を使用できるように構成する必要があります。このためには、Fusion Middlewareの構成ウィザードを実行して、WebLogicドメイン、管理サーバーおよび各種管理対象サーバーを作成します。
ドメインと管理対象サーバーを構成ウィザードで作成するための情報の詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるドメインの作成』を参照してください。Oracle WebCenter Contentの場合、この情報はOracle WebCenter Contentのインストレーション・ガイドでも参照できます。
複数の製品をインストールする場合、第3.1.5項「相互運用性と互換性の確認」に記載されているように『Oracle Fusion Middleware相互運用および互換性ガイド』を参照してください。
この製品のパッチ・セット・インストーラは既存のインストールにのみパッチを適用するように設計されているため、Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererを初めてインストールする場合は、最新のリリースを直接インストールできません。したがって、製品の最新のフル・バージョンをインストールする必要があります(11gリリース1(11.1.1.2.0)で入手可能)。インストールにパッチを適用して、ソフトウェアを最新バージョンに更新する必要があります。この処理には、次の作業が必要です。
注意: 既存のインストールにパッチを適用するためのアップグレード・インストーラや新規インストール用の独自インストーラがあるので、Oracle WebLogic Serverはこの製品一覧に含まれていません。 |
図1-2は、インストールと構成の全体的なフローを示しています。
図1-2 パッチ・セット・インストーラを使用してリリース11.1.1.6.0をインストールする方法
第3.1.8項「データベースおよびスキーマのインストールと構成」を参照してください。
第3.1.7項「アプリケーション・サーバーのインストール」を参照してください。
スキーマおよびOracle WebLogic Serverのインストール後に、Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererをインストールできます。
注意: 11g リリース1(11.1.1.2.0)バージョンの製品をインストールする必要はありますが、構成は行わないでください。製品の構成は、パッチ・セット・インストーラを実行して、ソフトウェアを最新バージョンに更新してからにしてください。インストーラ実行時に、「ソフトウェアのインストール - 構成なし」インストール・タイプを「インストール・タイプの選択」画面で選択する必要があります。 ソフトウェアを最新版にアップグレードする前に製品を構成する場合、ソフトウェアのアップグレードと構成を適切に行うために、第1.5項「Oracle Fusion Middleware 11g(11.1.1.2.0)、11g(11.1.1.3.0)、11g(11.1.1.4.0)または11g(11.1.1.5.0)からの開始」の指示に従う必要があります。 |
Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererをインストールするには、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererインストレーション・ガイドを参照してください。
パッチ・セット・インストーラを実行して、ソフトウェアを最新バージョンに更新します。手順については、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』の最新のOracle Fusion Middlewareパッチ・セットの適用に関する説明を参照してください。
注意: Oracle Fusion Middlewareを初めて使用する方は、この章にある次の各項のみをお読みください。
これらの項に記載されている操作を完了したら、第1.2.2.5項「製品の構成とWebLogicドメインの作成」に進んでください。 |
Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererのインストール後に、使用するコンポーネントを構成する必要があります。このためには、製品のOracleホーム・ディレクトリ内にあるbin
ディレクトリでOUIベースの構成ツールを実行して、WebLogicドメイン、Oracleインスタンスおよび管理対象サーバーを作成します。
Oracle Application Developer、Oracle WebCenter Portal、Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Management SuiteまたはOracle Service Busで利用可能な構成ウィザードとこの構成ツールは同じはないことに注意してください。システム・コンポーネントに関する構成ツールの実行手順については、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererインストレーション・ガイドを参照してください。
最新のリリースに加えて、Oracle Forms and Reportsは11gリリース2(11.1.2)でも利用できます。このバージョンのOracle Forms and Reportsによって、構成オプションにおける柔軟性が向上し、セキュリティ機能の向上に役立つOracle Access Manager 11gもサポートされます。詳細は、11gリリース2(11.1.2.0.0)のOracle Forms and Reportsダウンロード、インストールおよび構成に関するREADMEを参照してください。
Oracle Application Server 10gからOracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.6.0)にアップグレードする方法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』や、Oracle Fusion Middleware 11gドキュメント・ライブラリのその他のアップグレード・ガイドも参照してください。
『Oracle Fusion Middleware Java EEアップグレード・ガイド』
Oracle Fusion Middleware Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererアップグレード・ガイド
Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイド
Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite、WebCenter PortalおよびADFのためのアップグレード・ガイド
Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Suiteアップグレード・ガイド
既存のOracle Fusion Middlewareソフトウェアが11gリリース1(11.1.1.1.0)の場合、最初に既存のソフトウェアと構成データを11gリリース1(11.1.1.2.0)に移行してから、ソフトウェアを最新バージョンに更新する必要があります。
11g リリース1(11.1.1.2.0)に更新する作業では、次を行います。
これの完了後に、第1.5項「Oracle Fusion Middleware 11g(11.1.1.2.0)、11g(11.1.1.3.0)、11g(11.1.1.4.0)または11g(11.1.1.5.0)からの開始」の指示に従って、ソフトウェアを最新版に更新します。
図1-3は、インストールと構成の全体的なフローを示しています。
まず、システム上にあるOracle WebLogic Serverのバージョンを10.3.2に更新する必要があります。WebLogic Serverを更新するには、My Oracle Supportのアカウントを持っている必要があります。
既存のOracle WebLogic Serverがリリース10.3.0またはリリース10.3.1である場合にリリース10.3.2に更新するには、アップグレード・インストーラを使用します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』のMy Oracle Supportからのアップグレード・インストーラのダウンロードに関する項を参照してください。
注意: このリンクは、リリース11.1.1.3.0のドキュメント・ライブラリにあるドキュメントにリンクされています。ただし、そこに記載されている手順はOracle WebLogic Serverを10.3.2に更新するためのものであり、これは、リリース11.1.1.2.0でサポートされているバージョンです。 |
Oracle WebLogic Serverリリース10.2.xかそれより古いリリースの場合、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverアップグレード・ガイド』でアップグレードに関する指示を参照する必要があります。
ソフトウェアにパッチを適用して11g リリース1(11.1.1.4.0)にする前に、製品の最新のフル・バージョンをインストールする必要があります。これには、11g リリース1(11.1.1.2.0)を利用できます。
製品を構成しないでください。次の製品には、構成ツールとは別のインストーラが用意されています。これは、ソフトウェアのみインストールする必要があり、構成ツールを実行しないことを意味します。
Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite
Oracle WebCenter Portal
Oracle Application Developer
Oracle Service Bus
Oracle WebCenter Content
次の製品には、「インストールと構成」と「ソフトウェアのインストール - 構成なし」のインストール・タイプがあります。
Oracle Identity Management
Oracle Web Tier
Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscoverer
Oracle Data Integrator
Oracle Business Intelligence
これらの製品では、必ず「ソフトウェアのインストール - 構成なし」インストール・タイプを選択してください。
リリース11.1.1.2.0ドキュメント・ライブラリで、ご使用の製品に関するインストレーション・ガイドを参照してください。インストレーション・ガイドの手順に従って、ご使用の製品のリリース11.1.1.2.0をインストールしてください。
ソフトウェアをアップグレードしたら、パッチ・アシスタントのツールを実行して、データをアップグレード先に移行する必要があります。手順については、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』のパッチ・アシスタントを使用してOracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)からリリース1(11.1.1.2.0)に移行する方法に関する項を参照してください。
ソフトウェアがリリース1(11.1.1.2.0)に更新されたので、第1.5項「Oracle Fusion Middleware 11g(11.1.1.2.0)、11g(11.1.1.3.0)、11g(11.1.1.4.0)または11g(11.1.1.5.0)からの開始」の指示に従って、ソフトウェアを最新版に更新します。
図1-4は、インストールと構成の全体的なフローを示しています。
図1-4 11g(11.1.1.2.0)、11g(11.1.1.3.0)、11g(11.1.1.4.0)または11g(11.1.1.5.0)の既存ユーザーがインストールするフロー
まず、システム上にあるOracle WebLogic Serverのバージョンを10.3.6に更新する必要があります。WebLogic Serverを更新するには、My Oracle Supportのアカウントを持っている必要があります。
Oracle WebLogic Serverがリリース10.3.0、10.3.1、10.3.2、10.3.3、10.3.4または10.3.5の場合、アップグレード・インストーラを使用して、WebLogic Serverをリリース10.3.6にアップグレードします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』のMy Oracle Supportからのアップグレード・インストーラのダウンロードに関する項を参照してください。
Oracle WebLogic Serverリリース10.2.xかそれより古いリリースの場合、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverアップグレード・ガイド』でアップグレードに関する指示を参照する必要があります。
Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererを更新する場合は、パッチ・セット・インストーラをダウンロードしてから使用し、既存のソフトウェアを最新版に更新します。他のすべてのOracle Fusion Middleware製品では、最新の製品インストーラをダウンロードして使用し、既存のソフトウェアを最新版に更新します。
手順については、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』の最新のOracle Fusion Middlewareパッチ・セットの適用に関する項を参照してください。
Oracle WebCenter PortalとOracle Identity and Access Managementには、特別なパッチ適用手順があります。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』のOracle WebCenter Portalのパッチ適用に関する説明とOracle Identity and Access Management 11.1.1.3.0から11.1.1.6.0へのパッチ適用に関する説明を参照してください。