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Oracle® Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド
11gリリース1(11.1.1)
B56244-04
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5 データベースのアップグレードおよび準備

この章の内容は次のとおりです。

5.1 タスク1: Oracle Fusion Middleware Metadata Repositoryのデータベース要件の確認

次の項では、Oracle Fusion MiddlewareのOracle Spatial GeoRasterコンポーネント・スキーマに必要な、サポートされているデータベース・バージョンについて説明します。

5.1.1 Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1)のデータベース要件の概要

データベース・アップグレードを進める前に、Oracle Fusion Middlewareのデータベース要件について最新の情報を確認しておくことが重要です。詳細は、5.1.2項「最新のOracle Application Serverのデータベース要件の取得」を参照してください。

このマニュアルの発行時でのOracle Fusion Middleware 11gでは、次のOracle Databaseの最小バージョンをサポートしていました。その結果、Oracle Application Server 10g 環境をOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする前に、Oracle Databaseを次のいずれかのバージョンにアップグレードする必要があります。

  • Oracle Database 10gリリース2(10.2.0.4)以上

  • Oracle Database 11gリリース1(11.1.0.7)以上

  • Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.1.0)以上

ここにリストしたOracle Databaseバージョンに加えて、Oracle WebCenter ContentではMicrosoft SQL ServerおよびIBM DB2のデータベースもサポートしています。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentのアップグレード・ガイドを参照してください。

5.1.2 最新のOracle Application Serverのデータベース要件の取得

このマニュアルに記載されているOracle Fusion Middleware 11g のソフトウェア要件は、このマニュアルが作成された時点では正確でした。

Oracle Fusion Middleware 11gでサポートされる特定のデータベース・バージョンに関する最新情報およびその他の重要なシステム要件については、次のOracle Technology Network(OTN)のOracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様についての説明を参照してください。

5.2 タスク2: 現行データベースのバージョンの判別

この章の手順内容を確認する前に、スキーマを現在ホストしているデータベースのバージョンを特定する必要があります。

Oracle Databaseのバージョンを判別するには、次のようにPRODUCT_COMPONENT_VERSIONビューを問い合せます。

prompt> sqlplus "sys/password as sysdba"
SQL> SELECT version FROM v$instance;

この例では、password をSYSデータベース・ユーザーのパスワードに置き換えてください。

サード・パーティ製のデータベースのバージョンを判別するには、サード・パーティが提供するデータベース・ドキュメントを参照してください。

5.3 タスク3: Oracle Fusion Middleware 11g でサポートされているバージョンへのデータベースのアップグレード

現在使用しているデータベース・バージョンがOracle Fusion Middlewareでサポートされていない場合は、サポートされているバージョンにデータベースをアップグレードする必要があります。

サポートされているサード・パーティ製データベース(IBM DB2など)を使用している場合は、サード・パーティ・データベースのドキュメントを参照して、データベースのアップグレードに関する情報を確認してください。

次の項では、Oracle Fusion Middleware 11g でサポートされているバージョンにOracle Databaseをアップグレードする方法の概要を示します。

5.3.1 Oracle Portalに必要なOracle Textのデータベース・オプションのインストール

Oracle Fusion Middleware 11g をサポートするバージョンにOracle Databaseをアップグレードする際に、Oracle Portalを使用している場合、データベースのアップグレード・プロセスの一部としてOracle Textのデータベース・オプションがインストールされ、構成される必要があります。

特に、次の点に注意してください。

  • Oracle Database 10g リリース2(10.2.0.4)にアップグレードする場合は、10g リリース 2(10.2.0.1)をインストールした後で、なおかつOracle Database 10g リリース2(10.2.0.4)のパッチ・セットを適用する前に、Oracle TextのオプションをOracle Database Companion CD-ROMからインストールする必要があります。

    詳細は、Oracle Database 10g のインストールに関するドキュメントを参照してください。

  • Oracle Database 11g(11.1.0.7)にアップグレードする場合は、11g (11.1.0.1)をインストールした後で、なおかつOracle Database 11g (11.1.0.7)のパッチ・セットを適用する前に、Oracle TextをOracle Database Example CD-ROMからインストールする必要があります。

    詳細は、Oracle Database 11g のインストールに関するドキュメントを参照してください。

5.3.2 データベースがシード・データベースかOracleAS RepCAデータベースかの判別

アップグレード・プロセスを開始する際は、OracleAS Metadata Repositoryがデータベースにどのようにインストールされているかを把握することが重要です。具体的には、次の内容を検討して、アップグレードするOracleAS Metadata Repositoryデータベースのタイプを判別してください。アップグレード方法は、OracleAS Metadata Repositoryデータベースのタイプごとに異なります。

  • Oracle Application Serverのインストール手順を使用してOracleAS Metadata Repository用の新規データベースを作成した場合は、この項のOracle Fusion Middleware 11gでサポートされているシード・データベースへのアップグレードに関する情報を参照してください。

    このタイプのデータベースがシード・データベースと呼ばれるのは、そのデータベースが、特にOracleAS Metadata Repositoryをホストするために、Oracle Application Serverのインストール手順によって自動的に作成されたためです。

    シード・データベースを10gリリース2(10.1.2)で作成した場合、このデータベースは最初はOracle Database 10g(10.1.0.4)となります。10gリリース2(10.1.2.3)のパッチ・セットを適用すると、データベースはOracle Database 10g(10.1.0.5)にアップグレードされます。

    Oracle Identity Management 10g(10.1.4)を使用してメタデータ・リポジトリを作成した場合、データベースのバージョンはOracle Database 10g(10.1.0.5)となります。

  • OracleAS Metadata Repository Creation Utilityを使用して、OracleAS Metadata Repositoryを既存のデータベースにインストールした場合は、データベースの標準的なアップグレード手順でデータベースをアップグレードする必要があります。詳細は、5.3.3項「Oracle Database 10gリリース2(10.2.0.4)へのアップグレード」または5.3.4項「Oracle Database 11gへのアップグレード」を参照してください。

    このタイプのOracleAS Metadata Repositoryデータベースは、OracleAS RepCAデータベースと呼ばれますが、それは、ユーザーが自分でインストールし構成した既存のデータベースに、OracleAS RepCA(Metadata Repository Creation Assistant)を使用してリポジトリをインストールしたためです。

5.3.3 Oracle Database 10gリリース2(10.2.0.4)へのアップグレード

ご使用のOracle Application ServerをOracle Database Oracle Database 10gリリース2(10.2.0.4)にアップグレードする方法については、次の項を参照してください。

5.3.3.1 Oracle Database 10gリリース2(10.2.0.4)にアップグレードする場合のドキュメント・リソース

Oracle Database 10gリリース2(10.2)の最新バージョンへのアップグレードの詳細は、次を参照してください。

5.3.3.2 Oracle Database 10gリリース2(10.2.0.4)への一般的なアップグレード・パス

図5-1に、Oracle Database 10g リリース2(10.2.0.4)にアップグレードする場合に必要となる手順の概要を示します。

この例は、例として機能するためにのみ設計されています。具体的な手順は、データベースのドキュメントを参照してください。

図5-1 Oracle Database 10g リリース2(10.2.0.4)への一般的なアップグレード・パス

図5-1の説明が続きます。
「図5-1 Oracle Database 10g リリース2(10.2.0.4)への一般的なアップグレード・パス」の説明

5.3.4 Oracle Database 11gへのアップグレード

次の項は、Oracle Application Server 10g データベースからOracle Database 11gへのアップグレードに関する情報です。

5.3.4.1 Oracle Database 11gにアップグレードする場合のドキュメント・リソース

10gリリース2(10.1.2)または10g(10.1.4)データベースをOracle Database 11gにアップグレードするには、次を参照してください。

  • ご使用のプラットフォーム用のOracle Databaseインストレーション・ガイドおよび『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』。これらは、次のOracle Technology Network(OTN)のOracle Database 11gドキュメント・ライブラリで提供されています。

    http://www.oracle.com/technology/documentation
    

    特に、サポートされているOracle Databaseのバージョンからのアップグレードの詳細は、Oracle Database 11g(11.1)用の『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』のアップグレード・パスの決定に関する項を参照してください。

  • ご使用のデータベースがシード・データベースの場合は、5.3.5.2項「Oracle Database 11gへの10gシード・データベースのアップグレードについて」を参照してください。

5.3.4.2 最新のOracle Database 11g(11.1)への一般的なアップグレード・パス

図5-1に、Oracle Database 11gリリース1(11.1.0.7)にアップグレードする場合に必要となる手順の概要を示します。

この図は、Oracle Database 11gにアップグレードする場合に必要と考えられる手順の概要です。これは、例としてのみ提供されています。詳細は、5.3.4.1項「Oracle Database 11gにアップグレードする場合のドキュメント・リソース」にリストされたリソースを参照してください。

図5-2 Oracle Database 11gリリース1(11.1.0.7)への一般的なアップグレード・パス

図5-2の説明が続きます。
「図5-2 Oracle Database 11g リリース1(11.1.0.7)への一般的なアップグレード・パス」の説明

5.3.5 Oracle Application Server 10gシード・データベースのアップグレード

Oracle Fusion Middleware 11g でサポートされているバージョンにシード・データベースをアップグレードする場合の情報については、次の項を参照してください。


注意:

この項の手順は、シード・データベースのみに適用され、OracleAS RepCAデータベースには適用されません。詳細は、5.3.2項「データベースがシード・データベースかOracleAS RepCAデータベースかの判別」を参照してください。

5.3.5.1 Oracle Database 10gリリース2(10.2.0.4)への10gシード・データベースのアップグレードについて

Oracle Application Server 10gシード・データベースをOracle Database 10gリリース2(10.2.0.4)にアップグレードする場合、詳細は次のドキュメント・リソースを参照してください。

5.3.5.2 Oracle Database 11gへの10gシード・データベースのアップグレードについて

Oracle Application Server 10gシード・データベースをOracle Database 11gにアップグレードする前に、次の情報を参照してください。

5.3.5.2.1 Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)ユーザーのためのOracle Database 11gに関する考慮事項

Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)シード・データベースをOracle Database 11gにアップグレードする前に実行する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Portalを使用している場合は、Oracle Portal 10g(10.1.4)にアップグレードします。

    詳細は、次のOracle Technology Network(OTN)のOracle Portalのアップグレード・ページで提供されている情報を参照してください。

    http://www.oracle.com/technology/products/ias/portal/upgrade.html
    
  2. Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2.3)パッチ・セットをOracle Application Server環境に適用します。

    Oracle PortalまたはOracle Internet Directoryを10gリリース2(10.1.2)環境の一部として使用している場合、このパッチ・セットは特に重要です。

    このパッチ・セット(パッチ・セット番号5983622)は、My Oracle Supportからダウンロードできます。

5.3.5.2.2 Oracle Application Server 10g(10.1.4)Identity Managementインスタンス・ユーザーのためのOracle Database 11gに関する考慮事項

10gリリース(10.1.4)シード・データベースをOracle Database 11gにアップグレードする前に、Oracle Application Server 10g(10.1.4.3)パッチ・セットを必ず適用してください。

このパッチ・セット(パッチ・セット番号7215628)は、My Oracle Supportからダウンロードできます。

5.3.5.3 シード・データベースをアップグレードした後のias.propertiesファイルの変更について

シード・データベースをサポート対象のバージョンにアップグレードした後に、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Server Oracleホームで、次のファイルを検索します。

    ORACLE_HOME/config/ias.properties
    
  2. テキスト・エディタでias.propertiesファイルを開き、次のエントリを見つけます。

    InstallType = Infrastructure
    
  3. InstallTypeプロパティの値を、Infrastructure_IDに変更します。

    InstallType = Infrastructure_ID
    

5.4 タスク4: アップグレードされたデータベースの無効オブジェクトの確認

データベースのスキーマをアップグレードする前に、Oracle Fusion Middlewareで必要となるデータベース・オブジェクトが無効になっていないことを確認することをお薦めします。

  1. OracleAS Metadata Repositoryデータベースに接続します。

    たとえば、次のとおりです。

    ORACLE_HOME/bin/sqlplus "connect / as sysdba"
    
  2. プロンプトが表示されたら、SYSのパスワードを入力します。

  3. 次のSQLコマンドを実行します。

    SELECT owner, object_type, object_name
             FROM all_objects
             WHERE status='INVALID';
    

    この問合せでは、Oracle Application Serverコンポーネントのスキーマ(PORTAL、WIRELESSなど)にあるデータベース・オブジェクトがowner列に戻されないことが必要です。

無効なオブジェクトが検出された場合は、SQL*Plusのコマンドラインから次のようにutlrp.sqlスクリプトを実行して、無効なオブジェクトを再コンパイルします。

@?/rdbms/admin/utlrp.sql

無効なオブジェクトの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』のスキーマ・オブジェクト間の依存関係に関する項を参照してください。

5.5 タスク5: データベース・データファイル、制御ファイルおよびログ・ファイルの再配置

デフォルトでは、データベースのアップグレード後も、データベースに関連付けられているデータファイル、制御ファイルおよびログ・ファイルの場所は変わりません。たとえば、以前にOracle Application Server 10g のインストーラを使用してメタデータ・リポジトリ・シード・データベースをアップグレードした場合、メタデータ・リポジトリ・データベースのデータファイルはソースOracleホームにあります。

そのため、これらのファイルは、(ソースOracleホームのディレクトリ・ツリー全体の削除または破棄などによって)誤って削除してしまうことがないように再配置(まだ行っていない場合)することをお薦めします。また、ソースOracleホームの外部にデータベース・ファイルを移動すると、パフォーマンスが向上する場合もあります。

詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』のデータファイルの名前の変更および再配置に関する項を参照してください。使用しているバージョンのOracle Databaseのドキュメント・ライブラリは、次のURLのOracle Technology Network(OTN)にあります。

http://www.oracle.com/technology/documentation/

5.6 タスク6: Oracle Fusion Middleware 11g へのアップグレードに追加のデータベース・パッチが必要かどうかの決定

最新のOracle Application Server 10g パッチ・セットを適用していること、およびアップグレード中の問題の発生を回避するよう設計された推奨パッチ・リストを確認することで、相互運用性およびアップグレードに関する重要な問題を回避できます。

詳細は、ご使用のプラットフォーム用のリリース・ノートでアップグレードについての章を参照してください。たとえば、Linuxオペレーティング・システムを使用している場合は、『Oracle Fusion Middlewareリリース・ノート for Linux x86』における特定のアップグレードおよび互換性要件に対応するために必要なパッチの説明を参照してください。

データベースのパッチ要件の追加情報については、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』におけるシステム要件および仕様の確認の説明を参照してください。