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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Management Business Process Composerユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1.6.2)
B61410-05
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4 BPMプロジェクトの使用

この章では、Oracle Business Process Composerを利用してプロジェクトを作成および使用する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

4.1 Oracle BPMプロジェクトの概要

プロジェクトは、Oracle BPMアプリケーションのコア要素です。BPMプロジェクトには、ビジネス・アプリケーションの作成とサポートに使用されるリソースが含まれます。これらには、ビジネス・プロセスや、データ・オブジェクト、サービス、ビジネス・ルール、ヒューマン・タスク、ロールといったビジネス・カタログのコンポーネントがあります。

Business Process Composerで新規プロジェクトを直接作成するか、Oracle BPM Studioを使用して作成したプロジェクト・テンプレートに基づいてプロジェクトを作成および編集できます。

Oracle BPMプロジェクトは、プロセス・アナリストとプロセス開発者のコラボレーションを促進します。プロジェクトは、BPM MDSリポジトリを使用することで、Business Process ComposerとOracle BPM Studio間で共有できます。詳細は、4.2項「Oracle BPMリポジトリの概要」を参照してください。

また、Oracle Business Process Composerを使用して、プロジェクトを検証し、ランタイムにデプロイすることもできます。詳細は、7.5項「プロジェクトのデプロイ」を参照してください。

開発ライフサイクルにおいてプロジェクトがどのように作成、編集および共有されるかについては、3.2項「アプリケーション開発ライフサイクルの概要」を参照してください。

4.1.1 プロジェクト・コンポーネントおよびリソースの概要

各プロジェクトには1つ以上のビジネス・プロセスが含まれています。ビジネス・プロセスやアプリケーションで使用される他のリソースが含まれることもあります。このリソースには、アプリケーションを他のアプリケーションおよびシステムに接続できる再利用可能なリソースが含まれます。


注意:

Oracle BPM Studio では、Oracle BPMプロジェクトのすべての要素を表示、作成および編集できます。Business Process Composerでは一部の要素が表示されない場合があります。

詳細は、Oracle BPMモデリングおよび実装ガイドを参照してください。


4.1.1.1 編集可能なプロジェクト・リソース

Business Process Composerを使用して、次のプロジェクト・リソースを作成および編集できます:

  • プロセス

    プロセスはビジネス・アプリケーションのコアになる要素です。プロセスは、関連したタスクまたはアクティビティの集まりです。Oracle BPMアプリケーションには1つ以上のプロセスを含めることができます。Business Process Composerを使用すると、BPMNプロセスを作成および編集できます。

    BPMプロジェクト・ナビゲータから、新しいプロセスを作成したり、既存のプロセスを編集できます。プロセスの作成および使用については、第5章「プロセスおよびプロセス・エディタの使用」を参照してください。

  • ヒューマン・タスク

    Oracle Business Process Composerでは、ヒューマン・タスクを作成および編集できます。ヒューマン・タスクを使用して、ユーザーとプロセスベースのアプリケーションがどのように相互作用するかを定義します。

    BPMプロジェクト・ナビゲータから、新しいヒューマン・タスクを作成したり、既存のヒューマン・タスクを編集できます。詳細は、第11章「ヒューマン・タスクの使用」を参照してください。作成したヒューマン・タスクは、ビジネス・カタログ内でアクセスできます。

  • アクティビティ・ガイド

    アクティビティ・ガイドはガイド付きビジネス・プロセスの一部です。ガイド付きビジネス・プロセスを使用すると、プロジェクトのマイルストンを定義できます。各プロジェクトには、プロジェクトのマイルストンを定義できる1つのアクティビティ・ガイドが含まれています。Business Process Composerでは、プロジェクト・テンプレートにあらかじめ定義されているマイルストンを使用したり、新しいマイルストンを作成できます。

    プロジェクト・マイルストンの作成および使用については、4.6項「ガイド付きビジネス・プロセスを使用したプロジェクトのマイルストンの作成」を参照してください。

  • Oracle Business Rules

    Oracle Business Rulesは、ビジネス・ポリシーを表す文または重要なビジネスの意思決定を表す文です。Business Process Composerでは、Oracle Business Rulesは編集可能なプロジェクト・コンポーネントですが、ビジネス・カタログの一部としても表示されます。

    詳細は、第8章「Oracle Business Rulesの使用」を参照してください。


    注意:

    Business Process Composerを使用して新規ビジネス・ルールは作成できません。編集できるのは、Oracle BPM Studioを使用してプロジェクトに追加されたビジネス・ルールのみです。


4.1.1.2 ビジネス・カタログ

プロジェクト・テンプレートには、ビジネス・カタログで定義されたリソースが含まれる場合があります。これらのリソースは、プロセス開発者がOracle BPM Studioを使用して作成する、再利用可能なサービスです。

Business Process Composerを使用すると、プロセス・アナリストは、BPMプロセス内にこれらの再利用可能なサービスを実装できます。これらのコンポーネントはBusiness Process Composerで作成および編集できませんが、特定のBPMNアーティファクトに割り当てることができます。

再利用可能なプロジェクト・リソースは、コンポーネント・パレットからアクセスできます。ビジネス・カタログで再利用可能なリソースは、次のとおりです。

  • サービス

    サービスを使用して、他のプロセス、システムおよびサービス(BPELプロセスやデータベースを含む)にBPMNプロセスを接続します。

    Business Process Composerを使用して、Webサービスを基に新しいサービスを作成できます。詳細は、9.1項「サービスの使用」を参照してください。

    また、プロジェクト・テンプレートの一部として作成された他のタイプのサービスを使用することもできます。

    サービスは、サービス・タスクに割り当てることによって、BPMNプロセス内に実装されます。詳細は、6.4.1項「サービス・タスクの概要」を参照してください。

  • 外部参照

    参照は、BPMNプロセスのインタフェースの定義に使用できるインタフェースです。参照は、メッセージ・イベント、送信タスクおよび受信タスクをインタフェースに実装するために使用します。

    詳細は、6.4項「他のプロセスおよびサービスとの通信」を参照してください。

  • ヒューマン・タスク

    ヒューマン・タスクを使用すると、エンド・ユーザーがどのようにBPMNプロセスと相互作用するかを定義できます。ヒューマン・タスクは、ユーザー・タスクを使用してビジネス・プロセスに追加できます。また、ビジネス・カタログのヒューマン・タスクを、ビジネス・プロセス内の各ユーザー・タスクに割り当てることができます。BPMNプロセス内でのヒューマン・タスクの使用については、6.3項「プロセスへのユーザー相互作用の追加」を参照してください。

  • Oracle Business Rules

    Oracle Business Rulesは、ビジネス・ポリシーを表す文または重要なビジネスの意思決定を表す文です。ビジネス・ルールは、ビジネス・ルール・タスクを使用してプロセスに統合されます。

    Business Process ComposerによるOracle Business Rulesの使用方法の詳細は、第8章「Oracle Business Rulesの使用」を参照してください。BPMNプロセス内のビジネス・ルール・タスクの使用の詳細は、6.5.2項「ビジネス・ルール・タスクの概要」を参照してください。

4.1.1.2.1 編集または作成できるビジネス・カタログのコンポーネント

表4-1に、ビジネス・カタログのコンポーネントをリストし、Oracle Business Process Composerを使用して作成または編集できるコンポーネントを示します。

表4-1 編集可能なビジネス・カタログ・コンポーネント

ビジネス・カタログ・コンポーネント Business Process Composerを使用して作成可能 Business Process Composerを使用して編集可能

ビジネス・ルール

いいえ

はい

ヒューマン・タスク

はい

はい

サービス

はい

はい

外部参照

いいえ

いいえ


4.2 Oracle BPMリポジトリの概要

Oracle BPMリポジトリは、Oracle Metadata Service(MDS)に基づきます。Oracle MDSは、デプロイされたアプリケーションに関する情報を格納するOracle Fusion Middlewareのコンポーネントです。Oracle BPMは、Oracle BPMランタイムにアプリケーションをデプロイするとき、このリポジトリを使用します。

さらに、Oracle BPMはOracle MDSリポジトリのパーティションを使用して、Oracle BPM StudioとOracle Business Process Composerの間でプロジェクトおよびプロジェクト・テンプレートを共有します。Oracle BPMリポジトリ内に、プロジェクトおよびプロジェクト・テンプレートの格納に使用する2つのパーティションがあります。次のとおりです。

Oracle BPMリポジトリは、Business Process Composerのインストール時にシステム管理者がインストールおよび構成します。

Oracle BPMリポジトリを使用してOracle BPM StudioとBusiness Process Composer間でプロジェクトおよびプロジェクト・テンプレートを共有する方法の詳細は、3.2項「アプリケーション開発ライフサイクルの概要」を参照してください。

Oracle BPMリポジトリでプロジェクトを開く方法の詳細は、4.5項「プロジェクトの作成および使用」を参照してください。プロジェクト・テンプレートに基づいてプロジェクトを作成および使用する方法については、7.2項「BPMプロジェクト・テンプレートの使用」を参照してください。

4.3 プロジェクトのようこそページの概要

プロジェクトのようこそページからは、BPMプロジェクトに関する情報、およびプロジェクトに関連する共通機能にアクセスできます。図4-1は、営業見積サンプル・プロジェクトのようこそページを示しています。

図4-1 BPMプロジェクトのようこそページ

図4-1の説明が続きます
「図4-1 BPMプロジェクトのようこそページ」の説明

4.3.1 「プロジェクト情報」ペインの概要

「プロジェクト情報」パネルには、プロジェクトに関する一般的な情報が表示されます。図4-2は、営業見積デモ・プロジェクトの「プロジェクト情報」ペインの例を示しています。

図4-2 「プロジェクト情報」ペイン

図4-2の説明が続きます
「図4-2 「プロジェクト情報」ペイン」の説明

このペインには次の情報が表示されます:

  • 説明: プロジェクトの一般的な説明を入力します。

  • 承認ワークフロー: プロジェクトに承認ワークフローが定義されているかどうかを指定します。

  • イベントの生成: このプロジェクトにイベントを生成する方法を決定します。

  • 編集モード: 現在のプロジェクトが編集中かどうかを指定します。

  • 共有: プロジェクトを共有するユーザーまたはグループがリストされます。

  • プロジェクト言語: プロジェクトの現在の言語を指定します。

4.3.2 プロジェクト・コンポーネント・ペインの概要

プロジェクト・コンポーネント・ペインでは、プロセスやヒューマン・タスクの表示と作成、およびビジネス・ルールの表示ができます。図4-3は、営業見積サンプル・プロジェクトに表示されるプロジェクト・コンポーネント・ペインを示しています。

図4-3 プロジェクト・コンポーネント・ペイン

図4-3の説明が続きます
「図4-3 プロジェクト・コンポーネント・ペイン」の説明

4.3.3 「クイックスタート」メニューの概要

「クイックスタート」を使用すると、Business Process Composer内の次の共通機能に簡単にアクセスできます:

  • ギャラリ: プロセスやヒューマン・タスクを参照および作成できます。ビジネス・ルールも参照できます。

  • アクティビティ・ガイド: プロセス内のマイルストンを作成および管理できます。

  • 承認ワークフロー・ブラウザ: デプロイメント承認ワークフローを表示および管理できます。

4.3.4 「最近のアクティビティ」ブラウザの概要

「最近のアクティビティ」ブラウザには、現在のBPMプロジェクトに対する主要な変更履歴が表示されます。

最近のプロジェクト・アクティビティを表示する方法については、4.5.11項「プロジェクトに対する変更履歴を表示する方法」を参照してください。

4.3.5 「スナップショット」ブラウザの概要

「スナップショット」ブラウザでは、プロジェクト・スナップショットを作成および表示できます。

プロジェクト・スナップショットを使用すると、開発ライフサイクル内でプロジェクトに加えた変更の記録を保持できます。詳細は、7.3項「プロジェクト・スナップショットの使用」を参照してください。

4.3.6 「組織」ブラウザの概要

「組織」ブラウザでは、プロジェクト・ロールを作成および管理できます。

4.3.7 Oracle Business Process Composerのエディタの概要

エディタでは、ビジネス・カタログのプロセスやコンポーネントなど、Oracle BPMプロジェクトの様々な要素を使用できます。エディタは、Business Process Composerアプリケーションの中央に表示されます。

各エディタはBusiness Process Composerアプリケーションのタブ・ペインとして表示されるため、複数のリソースを同時に開くことができます。

以降の項では、Business Process Composerで使用できる様々なタイプのエディタについて説明します。

4.3.7.1 プロセス・エディタ

「プロセス」エディタでは、ビジネス・プロセスを表示および編集できます。「プロセス」エディタには、プロジェクト・ナビゲータからプロセスを開くとアクセスできます。

エディタ・ウィンドウには、コンポーネント・パレットも含まれます。実際に使用可能なコンポーネントは、次のようにプロジェクトによって異なります。

  • プロジェクト・テンプレートに基づくプロジェクトでは、コンポーネント・パレットには、ビジネス・カタログからの要素およびBPMNフロー・オブジェクトが含まれます。これにはプロジェクト・テンプレートで定義したOracle Business Rules、サービス、ヒューマン・タスクが含まれます。

  • Business Process Composerで作成された新規プロジェクトのコンポーネント・パレットには、BPMNフロー・オブジェクトとともに、作成したビジネス・カタログ要素が表示されます。サービスおよびヒューマン・タスクはBusiness Process Composerで直接作成できます。

詳細は、第5章「プロセスおよびプロセス・エディタの使用」を参照してください。

4.3.7.2 アクティビティ・ガイド・エディタ

アクティビティ・ガイド・エディタを使用すると、アクティビティ・ガイドのマイルストンを表示、作成および編集できます。「アクティビティ・ガイド」エディタにアクセスするには、「クイックスタート」メニューの「アクティビティ・ガイド」リンクをクリックします。4.6項「ガイド付きビジネス・プロセスを使用したプロジェクトのマイルストンの作成」を参照してください。

4.3.7.3 ヒューマン・タスク・エディタ

「ヒューマン・タスク」エディタを使用すると、ビジネス・カタログの一部として含まれるヒューマン・タスクを編集できます。詳細は、第11章「ヒューマン・タスクの使用」を参照してください。

4.3.7.4 ビジネス・ルール・エディタ

ビジネス・ルール・エディタを使用すると、Oracle Business Rulesを表示および編集できます。ビジネス・ルール・エディタには、プロジェクト・ナビゲータからビジネス・ルールを開くとアクセスできます。詳細は、8項「Oracle Business Rulesの使用」を参照してください。

4.3.7.5 データ・アソシエーション・エディタ

「データ・アソシエーション」エディタを使用すると、実装を含むフロー・オブジェクトの入力および出力を定義できます。「データ・アソシエーション」エディタにアクセスするには、ビジネス・プロセス内のフロー・オブジェクトを右クリックし、「データ・アソシエーション」を選択します。

「データ・アソシエーション」の使用方法は、10.2項「データ・オブジェクトおよびデータ・アソシエーションの使用」を参照してください。

4.3.7.6 式エディタ

式エディタを使用すると、データ・アソシエーションと条件シーケンス・フローで使用する式を定義できます。式の使用と式エディタへのアクセスの詳細は、10.4項「式の概要」を参照してください。

4.3.8 サポートされているブラウザおよびエディタの概要

Business Process Composerには、その他のプロジェクト・コンポーネントを表示および編集できる追加のエディタが用意されています。これらのエディタは、アプリケーション・ウィンドウの下部に表示されます。


注意:

これらのエディタはデフォルトでは表示されません。各ウィンドウに関連するアクションが実行された後に表示されます。ただし、Business Process Composerアプリケーションの右下隅にあるペインのリストアアイコンをクリックして手動で表示することもできます。


4.3.8.1 プロジェクトおよびプロセスの検証ブラウザ

プロジェクトおよびプロセスのブラウザには、個別のプロセスまたはプロジェクト全体の検証エラーが表示されます。プロジェクトの検証の詳細は、4.5.8項「プロジェクトを検証する方法」を参照してください。

4.3.8.2 ドキュメント・エディタ

ドキュメント・エディタを使用すると、プロセスについてのドキュメントを作成および編集できます。詳細は、5.7項「プロセスのドキュメント化」を参照してください。

4.3.8.3 承認ワークフロー・ブラウザ

承認ワークフロー・ブラウザには、承認ワークフロー内のプロジェクトのステータスが表示されます。承認者として定義されているすべてのユーザーは、プロジェクトを承認した後に、そのプロジェクトをOracle BPMランタイムにデプロイできます。詳細は、7.5項「プロジェクトのデプロイ」を参照してください。

4.4 他のユーザーとのプロジェクトの共有

Oracle BPMを使用して、他のBPCユーザーとプロジェクトを共有できます。共有プロジェクトはBPMリポジトリに格納されます。また、どのユーザーにプロジェクトを表示または編集するためのアクセス権があるかを制御できます。

4.4.1 プライベート・プロジェクトとパブリック・プロジェクト

プライベート・プロジェクトは、プロジェクト所有者のみが表示または編集できます。パブリック・プロジェクトは、プロジェクト所有者に加えて、適切な権限がある他のユーザーも表示または編集できます。

プロジェクトの共有方法については、4.5.5項「他のユーザーとプロジェクトを共有する方法」を参照してください。

4.4.2 編集モード

共有プロジェクトの編集モードによって、プロジェクトを変更できるかどうかが決定します。編集モードの値は次のとおりです:

  • 読取り専用: プロジェクトは読取り専用で開きます。このモードでは、一部のプロジェクト機能が使用できません。

  • 編集: プロジェクトは編集用に開きます。編集モードでは、プロジェクトを変更できます。プロジェクトが編集モードの場合は、プロジェクトを編集しているユーザーのみが変更を行うことができます。適切な権限がある他のユーザーは、プロジェクトを表示できますが、変更することはできません。

    編集モードの設定方法については、4.5.6項「共有プロジェクトを編集する方法」を参照してください。

プロジェクトの現在の編集モードは、図4-2に示すように、「プロジェクト情報」ペインで確認できます。

4.4.3 プロジェクト・ロール

プロジェクト・ロールを使用して、どのユーザーにプロジェクトを表示および変更するためのアクセス権があるかを定義します。次の3タイプのプロジェクト・ロールが定義されています:

  • 所有者: ユーザーがプロジェクトを作成すると、そのユーザーがプロジェクトの所有者になります。また、別のユーザーをプロジェクトの所有者として定義することもできます。プロジェクトの所有者は、次の操作を実行できます:

    • プロジェクトのデプロイ

    • プロジェクト・スナップショットの作成

    • 他のユーザーとのプロジェクトの共有

    • プロジェクトの削除

  • エディタ: エディタはプロジェクトを変更できます。

  • 表示者: 表示者はプロジェクトを表示できますが、変更することはできません。

4.5 プロジェクトの作成および使用

次の各項では、Oracle BPMプロジェクトの作成方法と使用方法について説明します。

4.5.1 プロジェクトのようこそページにアクセスする方法

プロジェクトのようこそページは、アプリケーションのようこそページからプロジェクトを開くと、デフォルトで表示されます。プロジェクト内のコンポーネントを編集しているときは、「プロジェクト・ホーム」タブをクリックしてプロジェクトのようこそページに戻ることができます。

4.5.2 新規プロジェクトを作成する方法

プロジェクト・ナビゲータを使用して、新規Oracle BPMプロジェクトを作成できます。新規プロジェクトを作成するには、その前に、既存のプロジェクト・テンプレートに基づいてプロジェクトを作成するか、新規にプロジェクトを作成するかを決定する必要があります。

新規プロジェクトはプロジェクト・テンプレートに基づいていません。これらのプロジェクトには、プロセス・アナリストが作成した基本的なビジネス・プロセスのみが含まれます。Business Process Composerを使用して新規プロジェクトを作成した後は、Oracle BPM Studioを使用してプロジェクトの実装を完了して、そのプロジェクトを公開したり、プロジェクト・テンプレートを作成することができます。

プロジェクト・ナビゲータを使用して新規プロジェクトを作成するには:

プロジェクト・ナビゲータを使用すると、新規プロジェクトを簡単に作成できます。プロジェクトを作成した後は、追加のプロジェクト・プロパティを編集できます。

  1. Oracle Business Process Composerを起動します。

  2. 図4-4に示すように、プロジェクト・ナビゲータから「新規プロジェクト」をクリックします。

    図4-4 「新規プロジェクト」ダイアログ

    図4-4の説明が続きます
    「図4-4 「新規プロジェクト」ダイアログ」の説明

  3. 「次へ」をクリックします。

  4. プロジェクトの名前を入力し、「プロジェクトの作成」をクリックします。

メイン・メニューを使用して新規プロジェクトを作成するには:

メイン・メニューから新規プロジェクトを作成すると、プロジェクト・プロパティを構成できるとともに、プロジェクト・テンプレートを選択できます。

  1. Oracle Business Process Composerを起動します。

  2. メイン・メニューから、「新規」を選択し、次に「プロジェクト」を選択します。

  3. プロジェクトの名前を入力します。

  4. 次のオプション情報を入力します:

    • 説明: プロジェクトの説明を入力します。

    • フォルダ: プロジェクトを格納するBPMリポジトリ内でフォルダを指定できます。

    • テンプレートの使用: プロジェクト・テンプレートに基づいて新規プロジェクトを作成します。「選択」をクリックして、プロジェクト・テンプレートを選択します。

  5. ドロップダウン・リストからオプションのデプロイメント・オプションを選択します。

  6. 「終了」をクリックすると新規プロジェクトが作成されます。

新規プロジェクトをテンプレートに基づいて作成した場合、プロジェクトは必要なプロセスおよびビジネス・カタログ要素が含まれた状態で作成されます。テンプレートを使用しないで新規プロジェクトを作成した場合、必要なプロセスを手動で追加する必要があります。

プロセスの作成および編集の詳細は、第5章「プロセスおよびプロセス・エディタの使用」を参照してください。

4.5.3 アプリケーションのようこそページを使用してプロジェクトを開く方法

アプリケーションのようこそページでプロジェクトの名前をクリックすると、プロジェクトを直接開くことができます。

4.5.4 メイン・メニューを使用してプロジェクトを開く方法

メイン・メニューを使用してプロジェクトを開くことができます。たとえば、メイン・メニューを使用すると、アプリケーションのようこそページに戻らずに、プロジェクト間を直接移動できます。

プロジェクトを開くには:

  1. メイン・メニューから「開く」を選択し、次に「プロジェクトを開く」を選択します。

  2. 開くプロジェクトを選択し、「OK」をクリックします。

4.5.5 他のユーザーとプロジェクトを共有する方法

BPMリポジトリを使用して、プロジェクトを他のBusiness Process Composerユーザーと共有できます。

プロジェクトをすべてのユーザーとパブリックに共有するには:

  1. 共有するプロジェクトを開きます。

  2. メイン・メニューから「共有」を選択します。

  3. ドロップダウン・リストから共有の表示方法を選択します。

    • プライベート

    • チーム・メンバーのみ

    • パブリック

  4. 「共有」をクリックします。

  5. 「OK」をクリックします。

特定のユーザーまたはグループとプロジェクトを共有するには:

  1. 共有するプロジェクトを開きます。

  2. メイン・メニューから「共有」を選択します。

  3. プロジェクトを共有するグループのユーザーを指定します。

    1. 「選択」をクリックします。

    2. ドロップダウン・リストからスコープを選択します:

      すべて:

      ユーザー:

      グループ:

    3. 「検索」をクリックします。

    4. 「使用可能」列からアイテムを選択し、「移動」をクリックします。

    5. 「OK」をクリックします。

  4. ドロップダウン・リストからロールを選択します。

    • 所有者

    • エディタ

    • 表示者

  5. 「共有」をクリックします。

  6. 「閉じる」をクリックします。

4.5.6 共有プロジェクトを編集する方法

共有プロジェクトを開くと、デフォルトでは表示モードで開きます。プロジェクトの編集権限があり、プロジェクトが別のユーザーによってロックされない場合は、プロジェクトを編集できます。

プロジェクトの編集を開始するには:

編集を開始するには、プロジェクトのようこそページの上部にある「編集」をクリックします。

プロジェクトの編集モードを有効にすると、変更が可能になります。詳細は、第5章「プロセスおよびプロセス・エディタの使用」を参照してください。

4.5.7 プロジェクトへの変更を保存する方法

プロセスおよび他のプロジェクトのコンポーネントを編集するときは、プロジェクトへの変更を保存できます。変更はBPMリポジトリに直接保存されます。

現在のプロジェクトへの変更を保存するには:

  1. 編集を続行する場合は、プロセス・エディタ・ツールバーで「保存」をクリックします。

    各プロジェクト・コンポーネントの未保存の変更がすべて保存されます。プロジェクトは引き続きロックされており、編集を続行できます。

  2. プロジェクトのロックを解放する場合は、プロセス・エディタ・ツールバーで「保存して解放」をクリックします。

    各プロジェクト・コンポーネントの未保存の変更がすべて保存されます。プロジェクトの共有が有効な場合、権限がある他のBusiness Process ComposerユーザーおよびOracle BPM Studioユーザーはプロジェクトの編集を開始できます。変更を行うには、編集モードに切り替える必要があります。

4.5.8 プロジェクトを検証する方法

プロジェクトを検証すると、プロジェクトとプロセスのエラーを確認できます。Business Process Composerでは、エラー・ブラウザにこれらのエラーが表示されます。Business Process Composerには、プロジェクト用のエラー・ブラウザがプロセスごとに1つあります。

図4-5は、プロジェクト・エラー・ブラウザに表示されるエラーのタイプを示しています。

図4-5 プロジェクト・エラー・ブラウザ

図4-5の説明が続きます
「図4-5 プロジェクト・エラー・ブラウザ」の説明

プロジェクトを検証するには:

  1. プロジェクトを開きます。

  2. プロジェクトの編集中であることを確認します。

  3. メイン・メニューから「プロジェクトの検証」を選択します。

プロジェクトの検証後、検出されたエラーが、プロジェクトまたはプロセスのエラー・ブラウザに表示されます。


注意:

エラーがあるプロジェクトはデプロイできません。プロジェクトをデプロイするには、エラーを修正する必要があります。


4.5.9 共有プロジェクトへの変更を破棄する方法

プロジェクト要素の編集中に、変更を元に戻し、プロジェクトの最新の公開済バージョンに戻すことができます。

現在のプロジェクトに対して行った変更を破棄するには:

  1. メイン・メニューから「取消」を選択します。

  2. 「OK」をクリックして、現在のプロジェクトに対する変更の破棄を確認します。


注意:

破棄した変更は復元できません。


4.5.10 プロジェクトを閉じる方法

プロジェクトを閉じるには、メイン・メニューから「プロジェクトを閉じる」を選択します。

4.5.11 プロジェクトに対する変更履歴を表示する方法

プロジェクトに対する主要な変更履歴を「最近のアクティビティ」ブラウザに表示できます。このブラウザには、次の内容を含む変更が表示されます:

  • プロジェクトの作成

  • リソースの変更

  • プロセスまたはヒューマン・タスクの作成

プロジェクトの履歴を表示するには:

  1. プロジェクトのようこそページにアクセスします。

    プロジェクトの変更が「最近のアクティビティ」ペインに表示されます。

  2. 特定の変更の詳細を表示するには、隣にある展開アイコンをクリックします。

4.5.12 プロジェクト・プロパティの表示方法と編集方法

プロジェクトのようこそページの「プロジェクト情報」ペインで、プロジェクト・プロパティを表示および編集できます。「プロジェクト情報」ペインは、図4-2に示されています。

このペインからは、プロジェクトの次のプロパティを編集できます:

  • 説明: プロジェクトの説明を追加できます(オプション)。これは、他のユーザーとプロジェクトを共有する場合に役立ちます。

  • 承認ワークフロー: プロジェクトの承認ワークフローを定義できます。詳細は、7.4項「プロジェクトの承認ワークフローの構成」を参照してください。

  • イベントの生成: プロジェクト全体に対してサンプリング・ポイントを生成する方法を構成できます。サンプリング・ポイントを使用すると、実行中のプロセス内のフロー・オブジェクトのパフォーマンスに関する情報を生成できます。この構成に基づいて生成されたデータは、プロセス分析データベースに格納されます。

    個々のフロー・オブジェクトのサンプリング・ポイント生成の設定については、付録A「共有プロパティ」を参照してください。サンプリング・ポイントについては、Oracle Fusion Middleware Business Process Managementのユーザーズ・ガイドを参照してください。

「プロジェクト情報」ペインからは、次のプロジェクト・プロパティを表示できます:

  • 編集モード: プロジェクトの編集モードが表示されます。プロジェクトの編集モードの変更方法については、4.5.6項「共有プロジェクトを編集する方法」を参照してください。

  • 共有: プロジェクトの共有構成が表示されます。

  • プロジェクト言語: プロジェクト言語が表示されます。

4.5.13 プロジェクトをお気に入りとしてマークする方法

プロジェクトをお気に入りとしてマークすると、重要なプロジェクトや頻繁に使用するプロジェクトを特定できます。プロジェクト・ブラウザに、お気に入りとフラグが付いたプロジェクトのみを表示することもできます。

プロジェクトをお気に入りとしてマークするには、右上隅にある「プロジェクトをお気に入りとしてマーク」ボタンをクリックします。

4.6 ガイド付きビジネス・プロセスを使用したプロジェクトのマイルストンの作成

次の各項では、ガイド付きビジネス・プロセスおよびプロジェクトのマイルストンの使用方法について説明します。

4.6.1 ガイド付きビジネス・プロセスの概要

ガイド付きビジネス・プロセスは、プロセス・フローのガイド付き視覚表現を提供します。プロセス参加者にビジネス・プロセスのカプセル化された階層ビューを提供することによって、ユーザーの操作性を向上します。

プロセス設計者は、ガイド付きビジネス・プロセスを使用することによって、プロセス参加者がプロセスに関連付けられた一連のガイド付き手順に従ってビジネス・プロセスを完了できるように設定できます。ガイド付きビジネス・プロセスには手順の概要が示されます。この手順に従うことによって、プロセス参加者はより少ないトレーニングでビジネス・プロセスを完了できるようになり、プロセスの結果もより予測可能になります。

4.6.1.1 アクティビティ・ガイドおよびマイルストンの概要

ガイド付きビジネス・プロセスは、ビジネス・プロセスに基づいたアクティビティ・ガイドとしてモデリングされます。アクティビティ・ガイドには、一連のマイルストンが含まれています。マイルストンには、プロセス参加者が完了する必要がある一連のタスクが含まれています。マイルストンに含まれている一連のタスクをユーザーが正常に実行すると、マイルストンが完了します。

各マイルストンは、ヒューマン・ワークフロー・タスクの特定のセットです。各ヒューマン・ワークフロー・タスクは、それ自体が、様々なロールの複数の参加者のコラボレーションを必要とするタスク・フローである場合があります。タスク・フローの内容によっては、参加者は未完了のタスク・フローをいったん保存して、後でそのタスク・フローに戻ることもできます。

4.6.2 アクティビティ・ガイドの構成方法およびプロジェクトのマイルストンの作成方法

Business Process Composerを使用すると、ガイド付きビジネス・プロセスを構成して、それらにマイルストンを追加できます。

プロジェクトのアクティビティ・ガイドを構成するには:

  1. プロジェクトを開きます。

  2. 「クイックスタート」メニューから「アクティビティ・ガイド」を選択します。

    「アクティビティ・ガイド」エディタが表示されます。

  3. アクティビティ・ガイドのタイトルを入力します。

  4. 次のオプションのプロパティを構成します。

    • 表示モード: ガイド付きビジネス・プロセス内のマイルストンおよびタスクにおけるリンクの表示方法を指定します。マイルストンおよびタスクで他の構成が使用される場合は、ガイド付きビジネス・プロセスの構成は無視されます。

      可能な値は次のとおりです。

      • 常時: このガイド付きビジネス・プロセスのすべてのマイルストンで、マイルストンおよびタスクのリンクを常に表示します。

      • インスタンス化時: ガイド付きビジネス・プロセスのすべてのマイルストンで、マイルストンの1つ以上のユーザー・タスクがインスタンス化されているときにのみ、マイルストンおよびタスクのリンクを表示します。

    • タスク・アクセス: タスクが完了した後、ガイド付きビジネス・プロセスではこの構成を使用してリンクが表示されます。タスク・モードが「アクティブのみ」の場合は、タスクのリンクがグレー表示されます。タスク・モードが「任意の状態」の場合は、タスクのリンクは有効なままになり、タスクを実行するときにメッセージが表示されます。

      可能な値は次のとおりです。

      • アクティブのみ: タスクへのリンクは、タスクがアクティブであり、ユーザーが更新可能なときにのみ有効になります。タスクを完了すると、タスクへのリンクはグレー表示されます。

      • 任意の状態: タスクへのリンクは、タスクをインスタンス化した後は常に有効になります。タスクを完了した後でも有効なままです。

    • ルート・プロセス: このアクティビティ・ガイドに使用されるプロセスを指定します。BPMプロジェクトごとに、1つのガイド付きビジネス・プロセスのみを定義できます。このプロセスが、ルート・プロセスです。

    • 説明: アクティビティ・ガイドのオプションの説明を指定します。

  5. プロジェクト・ツールバーで「保存」をクリックします。

新しいマイルストンを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「新規マイルストンをクリックします。

  2. リストから、今作成したマイルストンを選択します。

  3. 必要に応じて、マイルストンを構成します。

  4. プロジェクト・ツールバーで「保存」をクリックします。

マイルストンにユーザー・タスクを追加するには:

  1. マイルストンを追加するプロセスを開きます。

  2. マイルストンに追加するユーザー・タスクを右クリックします。

  3. リストからマイルストンを選択して、「OK」をクリックします。

4.7 プロジェクトで使用するロールの定義

この項では、プロジェクト・ロールの作成方法を説明します。

4.7.1 プロジェクト・ロールの概要

プロジェクト・ロールをビジネス・プロセス内で使用して、ビジネス・プロセスでの作業の実行を担当するユーザーまたはグループをモデリングします。ロールを使用すると、組織内の職務や責任を表す機能上のカテゴリを定義できます。Business Process Composerを使用すると、プロセス内で必要なロールを作成および編集して、それらをスイムレーンに割り当てることができます。プロジェクトがランタイムにデプロイされると、プロジェクト・ロールは実際の組織のユーザーやグループにマップされます。BPM StudioまたはOracle Business Process Management Workspaceを使用すると、プロジェクト・ロールのより詳細なマッピングおよび構成を実行できます。

プロジェクト・ロールはプロジェクト全体に対して定義されます。これによって、プロジェクト内のすべてのプロセスでプロジェクト・ロールを共有できます。プロセス内では、ロールは水平スイムレーンに割り当てられます。

4.7.2 プロジェクト・ロールの使用

次の手順では、プロジェクト・ロールを作成および削除する方法を説明します。

プロジェクト・ロールを作成するには:

  1. プロジェクトのようこそページにアクセスします。

  2. 「組織」を展開し、「追加」アイコンをクリックします。

  3. 新規ロールの名前を入力し、「ロールの追加」をクリックします。

プロジェクト・ロールを削除するには:

  1. プロジェクトのようこそページにアクセスします。

  2. 「組織」を展開します。

  3. 削除するロールを選択し、「削除」アイコンをクリックします。