Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド 11g リリース1 (11.1.1.6.0) B72084-01 |
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この章では、設計時にWebCenter Portal: Frameworkアプリケーションにイベント・サービスを統合する方法について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
イベントの管理および使用の詳細は、次を参照してください。
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のイベント・サービスの管理に関する項
Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのイベント・サービスの使用に関する項
Frameworkアプリケーション内で、イベント・サービスは個人用のMicrosoft Exchangeカレンダへのアクセスを提供します。
この項の内容は、次のとおりです。
イベント・サービスを使用して、ユーザーは次の操作を行えます。
Frameworkアプリケーションで各自のMicrosoft Exchangeカレンダを表示できます。
Exchangeカレンダのイベントを作成、編集および削除できます。
イベント・タスク・フローのビューを変更して、カレンダ・イベントを月/週/日単位またはリストで表示できます。
イベント・タスク・フローをパーソナライズして、イベントを開始時間、第2タイムゾーン、リスト・タイプおよびリスト数に基づいて表示できます。
イベント・サービスは、リンク、メール、検索など、多くのWebCenter Portalサービスと統合されます。
図52-1は、Frameworkアプリケーション内の個人カレンダの例を示しています。
イベント・サービスはMicrosoft Exchange Serverと統合して、個人カレンダへのアクセスを提供します。適切なサーバーをインストールし、構成する必要があります。
Exchange Serverのインストールおよび構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のイベント・サービスの前提条件に関する項を参照してください。
実行時に、ユーザーはMicrosoft Exchangeカレンダのイベントを表示できます。
実行時のサービスの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドの「イベント・サービスの使用」を参照してください。
注意: Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドには、個人イベントとスペース・イベントの両方が記載されています。Frameworkアプリケーションに適用されるのは、個人イベントに関する情報のみです。 |
この項の内容は、次のとおりです。
この項のフロー・チャート(図52-2)と表(表52-1)は、Frameworkアプリケーションでイベント・サービスが動作するために必要な条件とタスクの概要を示しています。
図52-2 WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションに対するイベント・サービスの構成
表52-1 WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションに対するイベント・サービスの構成
アクター | タスク | サブタスク | 注意 |
---|---|---|---|
管理者 |
1. WebCenter PortalおよびMicrosoft Exchange Serverをインストールします |
MS Exchange Serverは個人カレンダのバックエンド・コンポーネントです |
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1.a MS Exchange Server 2007を構成します 1.b セキュリティ設定を編集します 1.c (オプション) SSLを有効にします |
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1.a WebCenter Portalの個人イベントWebサービス・プラグインをダウンロードおよびインストールします 1.b MS Exchange Server 2003を構成します 1.c (オプション) SSLを有効にします |
||
開発者 |
2. Frameworkアプリケーションにイベント・サービスを統合します |
2.a JDeveloperでイベント・サーバーへの接続を構成します 2.b JDeveloperでページにイベント・タスク・フローを追加します |
|
開発者/ 管理者 |
3. 次のいずれかのツールを使用してアプリケーションをデプロイします
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||
開発者/ 管理者 |
4. 次のいずれかのツールを使用して接続パラメータを追加/変更します
|
||
エンド・ユーザー |
5. 個人カレンダにアクセスします |
イベント・タスク・フローで「個人カレンダにログイン」をクリックし、MS Exchangeログイン資格証明を入力します |
イベント・サービスを利用するには、FrameworkアプリケーションからExchange Serverへの接続を作成しておく必要があります。この操作を行うには、サーバーの接続情報が必要です。
イベント・サービス用のサーバー接続は複数登録できますが、一度にアクティブな接続は1つのみです。
注意: JDeveloperで設計時にバックエンド・サーバーへの接続を設定できますが、デプロイ後の環境でEnterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して、後から接続を追加、削除または変更できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のFusion Middleware Controlを使用したイベント・サーバーの登録に関する項を参照してください。 |
イベント・サービス用の接続を設定する手順は、次のとおりです。
イベント・サービスを利用するアプリケーションをJDeveloperで開きます。
すべてのアプリケーションで使用可能な接続を作成するには、「リソース・パレット」で「新規」アイコンをクリックし、「接続の作成」を選択し、「WebCenter個人イベント接続」を選択します。
現在のアプリケーションでのみ使用可能な接続を作成するには、アプリケーション・ナビゲータの「アプリケーション・リソース」パネルで「接続」を右クリックし、「接続の作成」を選択し、「WebCenter個人イベント接続」を選択します。
「イベント接続の作成」ダイアログの「接続名」フィールドに、たとえばExchangeServerForEvents
のように意味のある名前を入力します(図52-3)。
「WebサービスURL」フィールドに、イベント・アプリケーションを公開するWebサービスのURLを入力します。次の形式を使用します。
protocol://host:port/appWebServiceInterface/WSName
次に例を示します。
http://myexchange.com:80/ExchangeWS/PersonalEventsWebService.asmx http://myexchange.com:80/EWS/Services.wsdl
「サービス・アダプタ」ドロップダウン・リストから、接続先のMicrosoft Exchangeサーバーのバージョンを選択します。
MSExchange2003
MSExchange2007
この接続をイベント・サービスで使用するには、「デフォルトの接続」を選択します。複数の接続を保持できますが、アクティブな接続は1つのみです(デフォルト)。
注意: 接続をアクティブ接続として作成すると、それがデフォルトでないように編集することはできません。別のアクティブ接続を使用するには、新しい接続を作成し、それをデフォルト接続としてマークする必要があります。 |
「接続のテスト」をクリックし、成功した場合は、「OK」をクリックします。
テストが成功しなかった場合は、設定を確認し、再び実行します。
接続を「リソース・パレット」で作成した場合は、それをアプリケーションに追加する必要があります。
「リソース・パレット」の「IDE接続」の下にある接続を右クリックし、「アプリケーションに追加」を選択します。
接続は、アプリケーション・ナビゲータの「アプリケーション・リソース」パネルにリストされます(図52-4)。Exchange Serverに接続するユーザーのユーザー名およびパスワードを格納するために、外部アプリケーション接続も作成されます。
この項の内容は、次のとおりです。
イベント・サービス・タスク・フローでは、イベントのメイン・ビューまたはクイック・ビューをページに追加できます。
イベント・タスク・フローをFrameworkアプリケーションに追加する手順は、次のとおりです。
第7.2項「サービスを利用するためのFrameworkアプリケーションの準備」の手順に従い、セキュリティを実装し、カスタマイズ可能なページをアプリケーションで作成します。
タスク・フローを追加するページを開きます。
リソース・パレットで「カタログ」、「WebCenter Portal - サービス・カタログ」、「タスク・フロー」と開きます。
「カレンダ・メイン・ビュー」または「カレンダ・ミニ・ビュー」をページにドラッグして、af:form
タグ内にドロップします。
要求されたら、タスク・フローの作成方法として「リージョン」を選択します。
イベント・タスク・フローはevent-view.jar
ライブラリに含まれるため、「ライブラリの追加」をクリックして、ライブラリをプロジェクトに追加します。この操作の完了には時間がかかる場合があります。
「OK」をクリックします。
ページを保存し、実行します。
図52-5は、実行時のカレンダ・メイン・ビュー・タスク・フローを示しています。
図52-6は、実行時のカレンダ・ミニ・ビュー・タスク・フローを示しています。
イベント・サービス用にMicrosoft Exchange Serverへの接続を作成すると、外部アプリケーション接続も作成されます。この外部アプリケーション接続は、Microsoft Exchange Serverのユーザーのユーザー名およびパスワードを格納するために作成されます。詳細は、第52.2.2項「イベント・サービスの接続の設定」を参照してください。
WebCenter Portalには、イベント・サービスをサポートするREST APIがあります。イベント・サービスREST APIを使用して、スペース・イベントへのアクセスを提供する独自のインタフェースを作成します。
注意: イベント・サービスREST APIは、スペース・イベントでのみ使用できます。REST APIを使用して個人イベントを操作できません。 |
この項では、イベント・サービスに関連するREST APIについて説明します。この項の内容は、次のとおりです。
イベント・サービスのエントリ・ポイントには、スペースを介してのみアクセスできます。まず、適切なスペースに移動して、次のresourceType
のリンク要素を見つける必要があります。
urn:oracle:webcenter:events:gsEvents
対応するhref
またはtemplate
の要素により、URIエントリ・ポイントを渡します。クライアントはこのエントリ・ポイントにHTTPリクエストを送信して、イベント・サービスを操作します。
リソース索引の詳細は、第54.5.1項「リソース索引」を参照してください。
リソース・タイプの詳細は、第54.5.2.1項「リソース・タイプ」を参照してください。
クライアントがエントリ・ポイントを識別すると、リソース・タイプの分類によりナビゲートして、必要な操作を実行できます。個々のリソース・タイプの詳細は、第52.3.4項「イベント・リソース・タイプ」の該当の項を参照してください。
イベント・サービスの分類は、次のとおりです。
urn:oracle:webcenter:events:gsEvents urn:oracle:webcenter:events:gsEvent urn:oracle:webcenter:events:gsCategories urn:oracle:webcenter:events:gsCategory
サービスではセキュリティに関して具体的な考慮事項はありません。セキュリティに関する考慮事項の全般情報は、第54.8項「WebCenter Portal REST APIのセキュリティに関する考慮事項」を参照してください。
この項では、各リソース・タイプについて理解する必要がある情報すべてについて説明します。この項の内容は、次のとおりです。
スペース・イベントの取得(GET
)および作成(POST
)で使用するURIを識別するには、このリソースを使用します。GET
操作からのレスポンスには、このイベント・コレクション内の各スペース・イベントが含まれており、各イベントには、そのイベントの操作で使用するリンクが含まれています。POST
操作からのレスポンスには、このイベント・コレクションに作成されたイベントと、そのイベントを操作するリンクが含まれています。
gsEventsへのナビゲーション・パス
この項では、クライアントがハイパーメディアを経由してリソースにアクセスする方法を示します。
resourceIndex spaces gsEvents
gsEventsでサポートされるメソッド
次のメソッドは、このリソースでサポートされています。
GET
リクエスト - 本体: なし、パラメータ: startIndex
、itemsPerPage
、utoken
これらの共通パラメータの詳細は、「共通のリクエスト問合せパラメータ」を参照してください。
次の追加パラメータを使用できます。
startDate
—スペース・イベントのリストを開始する日付
endDate
—スペース・イベントのリストを終了する日付
開始日と終了日については、YYYY-MM-DD
形式(例: 2011-09-01
)を使用します。時間(例: 2011-09-01T09:00:00
)とタイムゾーン記号(例: UTCの場合は2011-09-01T09:00:00Z
)も指定できます。
レスポンス - 本体: 0個以上のイベント
POST
リクエスト - 本体: イベント
レスポンス - 本体: イベント
gsEventsからリンクされるリソース・タイプ
表52-3は、クライアントがこのリソースからリンクできるリソース・タイプを示しています。
特定のスペース・イベントの読取り(GET
)、更新(PUT
)または削除(DELETE
)で使用するURIを識別するには、このリソース・タイプを使用します。GET
操作からのレスポンスには、URIで識別される特定のイベントが含まれています。PUT
操作からのレスポンスには、URIで識別されるイベントの変更されたバージョンが含まれています。DELETE
操作からのレスポンスは、204です。
gsEventへのナビゲーション・パス
resourceIndex spaces gsEvents gsEvent
gsEventでサポートされるメソッド
次のメソッドは、このリソースでサポートされています。
GET
リクエスト - 本体: なし
レスポンス - 本体: イベント
PUT
リクエスト - 本体: イベント
レスポンス - 本体: イベント
DELETE
リクエスト - 本体: なし
レスポンス - 本体: なし
gsEventの書込み可能要素
表52-4は、このリソースの書込み可能要素を示しています。
表52-4 gsEventの書込み可能要素
要素 | タイプ | 必須 | 制約 | 説明 |
---|---|---|---|---|
|
String |
なし |
スペースに対して定義されるイベント・カテゴリの名前 |
イベントが属するカテゴリ |
|
String |
なし |
1文字以上の文字 |
イベントに関する詳細 |
|
日付 |
あり |
YYYY-MM-DDTHH:MM:SS
|
イベントが終了する日時 |
|
String |
なし |
1文字以上の文字 |
イベントが発生する場所 |
|
文字列 |
なし |
1: 最高 2: 高 3: 標準 4: 低 5: 最低 |
イベントがクラッシュしたときに表示される場所を決定する、イベントの優先度 |
|
日付 |
あり |
YYYY-MM-DDTHH:MM:SS |
イベントが開始する日時 |
|
String |
あり |
1文字以上の文字 |
イベントのタイトルとしての役割を果たす、イベントの簡単な説明 |
gsEventの読取り専用要素
表52-5は、このリソースの読取り専用要素を示しています。
表52-5 gsEventの読取り専用要素
要素 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
|
personReference |
イベントを作成したユーザー |
|
日付 |
イベントが作成された日付 |
|
String |
イベントの長さ(分単位) |
|
groupSpaceReference |
イベントが属するスペース |
|
String |
イベントの一意のID |
|
Boolean |
イベントが一日中行われるかどうか |
|
日付 |
イベントが最後に更新された日付 |
|
personReference |
イベントを最後に更新したユーザー |
gsEventからリンクされるリソース・タイプ
表52-6は、クライアントがこのリソースからリンクできるリソース・タイプを示しています。
スペース・イベント・カテゴリの取得(GET
)および作成(POST
)で使用するURIを識別するには、このリソースを使用します。GET
操作からのレスポンスには、このカテゴリ・コレクション内の各カテゴリが含まれており、各カテゴリには、そのカテゴリの操作で使用するリンクが含まれています。POST
操作からのレスポンスには、このカテゴリ・コレクションに作成されたカテゴリと、そのカテゴリを操作するリンクが含まれています。
gsCategoriesへのナビゲーション・パス
この項では、クライアントがハイパーメディアを経由してリソースにアクセスする方法を示します。
resourceIndex spaces gsCategories
gsCategoriesでサポートされるメソッド
次のメソッドは、このリソースでサポートされています。
GET
リクエスト - 本体: なし
レスポンス - 本体: 0個以上のカテゴリ
POST
リクエスト - 本体: カテゴリ
レスポンス - 本体: カテゴリ
gsCategoriesからリンクされるリソース・タイプ
表52-7は、クライアントがこのリソースからリンクできるリソース・タイプを示しています。
特定のスペース・イベント・カテゴリの読取り(GET
)、更新(PUT
)または削除(DELETE
)で使用するURIを識別するには、このリソース・タイプを使用します。GET
操作からのレスポンスには、URIで識別される特定のカテゴリが含まれています。PUT
操作からのレスポンスには、URIで識別されるカテゴリの変更されたバージョンが含まれています。DELETE
操作からのレスポンスは、204です。
gsCategoryへのナビゲーション・パス
この項では、クライアントがハイパーメディアを経由してgsCategoryリソースにアクセスする方法を示します。
resourceIndex spaces gsCategories gsCategory
gsCategoryでサポートされるメソッド
次のメソッドは、このリソース・タイプでサポートされています。
GET
リクエスト - 本体: なし
レスポンス - 本体: カテゴリ
PUT
リクエスト - 本体: なし
レスポンス - 本体: カテゴリ
DELETE
リクエスト - 本体: なし
レスポンス - 本体: なし
gsCategoryの書込み可能要素
表52-8は、このリソースの書込み可能要素を示しています。
gsCategoryからリンクされるリソース・タイプ
表52-9は、クライアントがこのリソースからリンクできるリソース・タイプを示しています。
この項では、イベント・サービスの使用中に発生する可能性がある問題のトラブルシューティングに役立つ情報を提供します。
問題
カレンダ・タスク・フローにエラー・メッセージが表示される。
Personal Event Service is not configured properly. Rectify the service configuration and then click Try Again.
解決方法
個人イベント接続が作成されていることを確認します。詳細は、第52.2.2項「イベント・サービスの接続の設定」を参照してください。
問題
正しい資格証明でカレンダにログインした後も、イベントではなく、「個人カレンダにログイン」リンクが引き続き表示される。
解決方法
カレンダ・タスク・フローが追加されているページが、保護されたページであることを確認します。匿名ユーザーは、個人イベント・カレンダ・サーバーにログインできません。