この節では、Oracle Smart Updateに関する制限事項について示します。可能な場合は、回避策を示します。
この項では、Oracle Smart Updateに関する次のような一般的問題と回避策について説明します。
Smart Updateでサポートされていない製品(Oracle Tuxedoなど)のバージョン文字列がレジストリに存在し、サポートされていない製品とWebLogic Serverが同じミドルウェア・ホームに位置している場合は、Smart Update 3.1の終了時にエラーが発生します。
このエラーが発生するのは、たとえば、Oracle Tuxedoに依存するPeopleSoftがインストールされたマシンで、Smart Updateを実行する場合です(Smart UpdateはOracle Tuxedoをサポートしていません)。
この問題を回避するには、Smart Update 3.2.1にアップグレードします。Smart Update 3.2.1では、サポートされていない製品のバージョン文字列が無視されます。
Smart Update 3.2.1にアップグレードするには、次の手順を実行します。
beahomelist
ファイルの名前をbeahomelist_
に変更します。
Windowsの場合、beahomelist
ファイルは${SystemDrive}\bea
フォルダにあります。LinuxとUNIXの場合、beahomelist
ファイルは${HOME}\bea
フォルダにあります。
Smart Updateを起動します。
新しいバージョンのツールがダウンロードされ、Smart Updateのアップグレードが自動的に行われます。
Smart Updateを終了します。
beahomelist_
ファイルの名前をbeahomelist
に戻します。
Macintoshマシンでは、十分なヒープ・メモリーがデフォルトで割り当てられないため、Smart Updateを実行できません。
この問題を回避するには、MW_HOME
/utils/bsu
フォルダにあるbsu.shスクリプトを変更して、Javaヒープ・メモリーを増やします。
次のコードは、ヒープ・メモリーを増やすために編集する必要があるスクリプト行を示しています。編集後の値は太字で表されています。
"$JAVA_HOME/bin/java" -Xms64m -Xmx256m -jar patch-client.jar $*
この問題は、MS Windowsプラットフォームのみに該当します。
ノード・マネージャの実行中に、Smart Updateを使用したパッチの適用または削除、あるいはミドルウェア・ホームへの増分インストールを行うと、例外com.bea.plateng.patch.PatchInstallationException
がスローされます。
ノード・マネージャの実行中、プロセスはファイルweblogic_patch.jar
をロックします。その結果、weblogic_patch.jar
の更新に失敗するため、パッチのインストールや削除が正常に行えません。
この問題を回避するには、同じミドルウェア・ホームから増分インストールまたはSmart Updateの起動を行う際に、ノード・マネージャを停止します。
WebLogic Integrationをコマンド・ライン・モードでインストールし、インストールの正常な完了後にパッチを自動的に適用するよう選択(オプション1を選択)した場合、インストーラはWebLogic Server、Workshop for WebLogicおよびWebLogic Portalにパッチを自動的に適用します。WebLogic Portalがインストールされているかどうかはチェックしないため、WebLogic Portalがインストールされていない場合でもWebLogic Portalのパッチが適用されます。
後でWebLogic Portalをインストールすると、インストーラによってパッチが上書きされてしまいますが、Smart Updateにはパッチが適用されていると表示されます。
この問題を回避するには、パッチをアンインストールしてからWebLogic Portalをインストールし、その後で、Smart Updateを使用してWebLogic Portalパッチを適用します。
無効なパッチの詳細を表示すると、代替パッチのIDが示されていることがあります。しかし、後でその代替パッチがMy Oracle Supportによって無効に指定されても、このIDは更新されず、無効なパッチを示したままになります。
この問題の回避策は、My Oracle Supportにお問合せください。
Smart Updateで生成されるパッチ・プロファイル・メンテナンス・スナップショット・ファイルは、メモ帳などの一般的なテキスト・エディタで表示すると読みにくくなります。スナップショット・ファイルには通常の改行文字が含まれていないため、列の表示が崩れ、容易に解読できません。
この問題を回避するには、ワードパッド、TextPadなどのテキスト・エディタを使用してファイルを表示します。このファイルをMy Oracle Supportに送付する場合、書式を整える必要はありません。
Smart Updateグラフィカル・インタフェースの使用中、まれに次の例外が表示されることがあります。
java.util.ConcurrentModificationException at java.util.TreeMap$PrivateEntryIterator.nextEntry(TreeMap.java:1031) at java.util.TreeMap$KeyIterator.next(TreeMap.java:1058) at com.bea.plateng.patch.gui.PatchStoreTableModel.getRowCount(PatchStoreTableModel.java:199)
この例外は無視してもかまいません。
コンポーネントをアンインストールした場合に、そのコンポーネントに関連付けられたパッチが自動的に削除されません。パッチされたアーティファクトはアンインストール中に削除されるが、パッチ自体は適用されたままとなります。
この問題を回避するには、アンインストールの前に、Smart Updateを使用してコンポーネントに関連付けられているパッチを削除します。
Smart Updateのグラフィカル・インタフェースとコマンド・ライン・インタフェースの両方を同時に使用している場合、コマンド・ライン・インタフェースから適用したパッチは、GUIの表示をリフレッシュしてもGUIには反映されません。
この問題を回避するには、Smart UpdateのGUIを終了して再起動し、新しいパッチを表示します。
アップグレード・インストーラを使用してWebLogic Server 10.3.1からWebLogic Server 10.3.2にアップグレードした後、(WebLogic Serverアンインストーラのロールバック・オプションを使用して)10.3.1リリースにロールバックすると、次の問題が発生します。
WebLogic Serverは起動しますが、検証エラーが発生
管理コンソールへのアクセス不可(ブラウザに500エラーが表示される)
10.3.0から10.3.2にアップグレードし、10.3.0にロールバックした場合、これらの問題は発生しません。
回避策
現在判明している唯一の回避策は、元のWebLogic Server 10.3.1インストールを復元することです(バックアップが取ってある場合に限ります)。