この章では、Javaベースおよびスクリプトベースのノード・マネージャを起動と停止する方法について説明します。また、ノード・マネージャを使用してサーバーを起動する際の推奨ステップも示します。
この章の内容は以下のとおりです。
Windowsでは、「スタート」メニューのショートカットからノード・マネージャを起動できます(「ツール」>「ノード・マネージャ」)。
スタートアップ・サービスとして、ノード・マネージャのインストールをお薦めします。これによって、システムが再起動されるたびに、ノード・マネージャが自動で起動されます。『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』のWindowsサービスとしてのノード・マネージャのインストールに関する項を参照してください。
注意: UNIXプラットフォームでは、ノード・マネージャをルート・ユーザーとして実行しないでください。 |
デフォルトでは、ノード・マネージャはローカル・ホストのみからリスニングします。ノード・マネージャでリモート・システムからのコマンドを受け付けるようにする場合は、デフォルトのノード・マネージャ・サービスをアンインストールして、その後にlocalhost以外のリスニング・アドレスでリスニングするように再インストールします。「Windowsインストール用の起動サービスの再構成」を参照してください。
オペレーティング・システム・サービスとしてノード・マネージャを実行することをお薦めしますが、コマンド・プロンプトまたはスクリプトを使用してノード・マネージャを手動で起動することもできます。ノード・マネージャで必要な環境変数については「ステップ8: ノード・マネージャ環境変数の設定」を参照してください。
ノード・マネージャのサンプル起動スクリプトは、WL_HOME
\server\bin
ディレクトリにインストールされます。WL_HOME
は、WebLogic Serverの最上位のインストール・ディレクトリです。WindowsシステムではstartNodeManager.cmd
、UNIXシステムではstartNodeManager.sh
を使用します。
これらのスクリプトは必須の環境変数を設定し、WL_HOME
/common/nodemanager
でノード・マネージャを起動します。ノード・マネージャは、このディレクトリを出力およびログ・ファイルを格納するための作業ディレクトリとして使用します。別の作業ディレクトリを指定するには、テキスト・エディタで起動スクリプトを編集し、NODEMGR_HOME
変数の値を目的のディレクトリに設定します。
サンプル起動スクリプトを編集して、コマンド修飾子でノード・マネージャ・プロセスの適切なリスニング・アドレスおよびポート番号が設定されるようにしてください。
Javaベースのノード・マネージャを起動するための構文は次のとおりです。
java [java_option=value ...] -D[nodemanager_property=value] -D[server_ property=value] weblogic.NodeManager
説明:
java_option
は、java
実行可能ファイルの直接引数(-ms
や-mx
など)。
注意:
|
nodemanager_property
は、ノード・マネージャ・プロパティ。ノード・マネージャ・プロパティ値をコマンド・ラインで指定する代わりに、ノード・マネージャを起動するディレクトリにインストールされているnodemanager.properties
ファイルを編集できます。詳細は、「nodemanager.propertiesのレビュー」を参照してください。
nodemanager.properties
の値は、コマンド・ラインで指定するノード・マネージャ・プロパティ値によってオーバーライドされます。
server_property
は、ノード・マネージャがコマンド・ラインで受け付ける、サーバー・レベルのプロパティ。以下のプロパティがあります。
bea.home
- 現在のマシン上のサーバー・インスタンスが使用するBEAホーム・ディレクトリ。
java.security.policy
- 現在のマシン上のサーバー・インスタンスが使用するセキュリティ・ポリシー・ファイルのパス。
注意: UNIXシステムの場合: SolarisまたはHP-UX以外のUNIXオペレーティング・システム上でノード・マネージャを実行する場合、ノード・マネージャの起動時に -Dweblogic.Name="big iron" Solaris、HP-UX、およびLinux以外のUNIXオペレーティング・システムでは、ノード・マネージャの起動時にコマンド・ラインで |
SSHノード・マネージャのコマンド・シェルを使用するには、次のコマンド・ライン・オプションを使用して、管理サーバーを起動します。
-Dweblogic.nodemanager.ShellCommand='ssh -o PasswordAuthentication=no %H wlscontrol.sh -d %D -r %R -s %S -x -c -f sample_custom_startscript.sh %C'
注意:
|
weblogic.nodemanager.ShellCommand
属性には、リモートのSSHノード・マネージャとの通信と、制御下にあるサーバー・インスタンスに対するノード・マネージャ機能の実行に使用するコマンド・テンプレートを指定します。
テンプレートは、ノード・マネージャをホストしているリモート・マシン上のデフォルトのパスにwlscontrol.sh
があることを前提としています。
ShellCommand
構文は次のとおりです。
ssh -o PasswordAuthentication=no %H wlscontrol.sh -d %D -r %R -s %S %C'
使用可能なコマンド・ライン・オプションを、表6-1に示します。使用可能なパラメータ値を、表6-2に示します。
たとえば、次のコマンドを入力したとします。
ssh -o PasswordAuthentication=no wlscontrol.sh myserver start
SSHサーバーのリスニング・アドレスとリスニング・ポートは、デフォルトではリモート・マシン上のノード・マネージャで使用されるリスニング・アドレスとリスニング・ポートになります。ドメイン名とドメイン・ディレクトリは、ターゲット・サーバー・インスタンスmyserver
に対して指定されているルート・ディレクトリと見なされます。
別の例として、次のコマンドを入力したとします。
ssh -o PasswordAuthentication=no 172.11.111.11 wlscontrol.sh -d ProductionDomain -r ProductionDomain -s ServerA'
domains/ProductionDomain
ディレクトリにあるProductionDomain
というドメインのサーバー・インスタンスServerA
にSTART
コマンドが発行されます。
SSHコマンドには、次の文字列が含まれていなければなりません。
-o PasswordAuthentication=no
この文字列によって、SSH PasswordAuthentication
オプションが渡されます。値をyes
にすると、コンソールから読み込もうとするときにクライアントがハングします。
表6-1 wlscontrol.shコマンド・ライン・オプション
パラメータ | 説明 |
---|---|
-n |
ノード・マネージャのルート・ディレクトリを指定します。 |
-s |
サーバー名を指定します。 |
-r |
ドメイン・ディレクトリを指定します。 |
-x |
ノード・マネージャのデバッグ・フラグを設定します。 |
-c |
サーバー起動スクリプトを有効化します。 |
-f |
サーバー起動スクリプトの名前。 |
-p |
サーバー停止スクリプトの名前。 |
-h |
wlscontrol.shの使用方法を出力します。 |
表6-2 シェル・コマンド・テンプレート
パラメータ | 説明 | デフォルト |
---|---|---|
%H |
SSHサーバーのホスト名 |
|
%N |
ノード・マネージャのホーム・ディレクトリ |
NodeManagerMBean.NodeManagerHome |
%P |
SSHサーバーのポート番号 |
|
%S |
WebLogic Server名 |
|
%D |
WebLogicドメイン名 |
|
%R |
ドメイン・ディレクトリ(サーバーのルート) |
|
%C |
ノード・マネージャ・スクリプトのコマンド
注意:この要素を、ファイル内の最後の要素にする必要があります。 |
none |
ノード・マネージャを停止するには、それが実行されているコマンド・シェルを閉じます。
またはnodemanager.properties
のQuitEnabled
の属性をtrue
に設定した後(デフォルトはfalse
です)、WLSTを使用して、ノード・マネージャが接続または停止できます。詳細は、『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のstopNodeManager
を参照してください。
通常、管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動と停止には、WebLogic Scripting Toolとノード・マネージャを使用することをお薦めします。この項では、ノード・マネージャを使用してサーバーを起動する際の推奨手順を示します。
詳細は、WLSTとノード・マネージャを使用したサーバー管理に関する項および『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のWLSTコマンドおよび変数リファレンスに関する項を参照してください。
WLSTとノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動する場合は、次の一般的な手順に従うことをお薦めします。
ノード・マネージャを起動します。「ノード・マネージャの起動」を参照してください。
WLSTを呼び出します。
Windowsの場合は、「スタート」メニューのショートカットで環境変数を設定し、WLSTを呼び出すことができます。
nmConnectコマンドを使用して、WLSTをノード・マネージャに接続します。
nmStartコマンドを使用して管理サーバーを起動します。
管理サーバーが起動したら、WLSTを使用してドメイン内の管理対象サーバーを起動できます。
注意:
|
WLSTとノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動する場合は、次の一般的な手順に従うことをお薦めします。
ノード・マネージャを起動します。「ノード・マネージャの起動」を参照してください。
管理サーバーを起動します。『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のWebLogic Serverのインスタンスの起動に関する項を参照してください。
WLSTを呼出し、connectコマンドを使用して管理サーバーに接続します。
WLST startコマンドを使用して管理対象サーバーを起動します。
start
コマンドを使用した場合は、WLSTが管理サーバーにアクセスして管理対象サーバーの起動プロパティを識別します。これらのプロパティは、最終的にはノード・マネージャに渡され、管理対象サーバーの起動に使用されます。
管理対象サーバーの起動プロパティの識別に管理サーバーを使用したくない場合は、WLSTとノード・マネージャを使用して、次に示す一般的な手順に従って管理対象サーバーを起動することをお薦めします。
ノード・マネージャを起動します。「ノード・マネージャの起動」を参照してください。
WLSTを呼出し、nmConnectコマンドを使用してノード・マネージャに接続します。
WLST nmStartコマンドを使用して管理対象サーバーを起動します。
nmStartコマンドを使用すると、管理サーバーを使用しなくても、任意のサーバー起動プロパティを指定して管理対象サーバーを再起動できます。ただし、以下の点を考慮に入れてください。
その管理対象サーバーを初めて起動する場合は、boot.properties
とstartup.properties
が定義済みかどうかを手動で確認する必要があります。
nmStart
では、サーバーの起動プロパティを恒久的に変更することはできません。それらのプロパティは、次回そのサーバーを管理サーバーから移行または再起動するときには使用されません。
サーバーのユーザー名とパスワードをnmStart
を使用して渡す場合、これらの値は暗号化されません。